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【 原子力発電を続けた先に、ほんとうに『豊かな日本』はあるのか?! 】[ワシントンポスト]

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所要時間 約 9分

目先の議論が先行し、長期にわたる日本人の利益が見えない
地震が多発する国土で、原子力発電を継続することの危険
求心力に欠ける、日本の脱原発運動

チコ・ハーラン / ワシントンポスト 2月25日

最悪の汚染水漏れ
日本政府は2月25日火曜日、日本の現政権は前政権が国民に約束した原子力発電の段階的廃止を反故にし、今後も長期間原子力発電に依存するとする、国家のエネルギー基本計画案を公表し、内外に波紋を広げています。

新しいエネルギー計画は来月に予定されている内閣の承認を経て国家の方針として採用されることになります。
3年前に福島第一原子力発電所で3基の原子炉がメルトダウンする事故が発生して以来、原子力発電所はその危険性から日本の国論を二分してきましたが、新たな計画案は日本国内において再び原子力発電所を本格的に稼働させようという安倍首相の意図を反映したものです。

福島第一原発の事故が発生したにもかかわらず、原子力発電を廃止すべきか継続すべきかに関する日本国内の議論はほとんど進んでいません。
その原因の一つは、この問題が政治勢力同士の駆け引きの材料にされてしまったためで、目先の議論ばかりが行われています。

この問題に取り組む活動家や有権者の多くは地震が多発する国土で原子力発電を続けることの危険性を訴えていますが、大企業や安倍首相のような政治家は、原子力発電は発電コストが安く、日本経済にとって有利な発電手段だと主張しています。
首相に再任されて14ヶ月、安倍首相は新たな安全基準に適合さえすれば、原子力発電所を再稼働させることに自分の関心と利害がある事を繰り返し述べてきました。

国会議事堂前02
しかし新たにまとめられた日本のエネルギー計画は、原子力発電所の再稼働が不足する電力をとりあえず補うための経過措置では無い点について、明確にしています。
むしろエネルギー資源が不足する日本にあっては、安定的に電力の供給を可能にする『優れた』発電手段の一つであると規定しています。

民主党による前政権は福島第一原発の事故を受け、2012年、原子力を2030年代までに段階的に廃止することを公約しました。

火曜日に公表された75ページのエネルギー計画の原案では、原子力を「温室効果ガスを放出しない」信頼性の高い発電手段であると規定しています。
この計画案は一方では再生可能エネルギーの開発実用化を加速するよう求めていますが、日本のエネルギー供給量の何%を原子力発電によって賄おうとするのか、数値の上で明らかにはしていません。

日本国内にはほとんど天然資源が無く、原子力発電所が停止している現在、発電所用の燃料として原油と液化天然ガスを中心とする化石燃料を輸入しなければなりません。

IND 福島第一原発
現在日本国内の稼働が可能な48基の原子炉は停止したままです。
その多くが新たな安全基準に基づく稼働を申請し、再稼働の承認を待っています。
福島第一原発の事故が発生する以前、日本は原子力発電の拡大を推進、2030年までに国内の発電量の50%を原子力発電によって賄う計画を策定し、現実に30%の電力を原子力発電によって供給していました。

日本のいくつかのメディアは、早ければ今年夏にも原子力発電所の再稼働が実施されるものとみています。
しかし原子力規制委員会が現在行っている安全審査に合格できなければ、安倍政権が推進する原子力発電所の再稼働はトラブルに見舞われる可能性があります。
原子力発電を再稼働させようという政府の動きは、再び広範な反(脱)原発運動の拡大につながる可能性があります。
しかし日本の反(脱)原発運動には求心力が欠けており、この3年の間、政治的な力を発揮することが出来ませんでした。

大多数の日本人は原子力発電の継続に反対していますが、有権者はより経済の方に重きを置いています。
そして安倍政権の支持率は未だ60パーセント近くあり、日本経済を長期的低迷から脱出させるための景気刺激策と通貨政策に期待を持ち続けています。

廃棄物
原子力発電について語るとき、安倍首相は「世界の中で最も厳しい安全基準を適用する」ことを強調します。

もし原子力発電所を再稼働できなくなれば、各電力会社は高額な化石燃料代と、莫大な額の原子力発電所の廃炉費用に直面することになります。
そのコストは電気料金に転嫁され、消費者の光熱費はより高額になるでしょう。

原子力に反対する人々は、原子力発電には事故が発生して初めて明らかにされた、多額の隠された費用が存在すると主張しています。
事実福島第一原発の事故では、3基の原子炉のメルトダウンしてしまったために約1,200平方キロに渡る広大な土地が汚染され、150,000人を超える人々が故郷と自宅を捨てなければならなくなりました。
そしてい終るかわからない困難な除染と事故収束・廃炉作業が続く中、さらなる放射性物質の放出が繰り返されています。

日本国内で廃炉することが予定されているのは、福島第一原子力発電所ただ一か所です。

http://www.washingtonpost.com/world/asia_pacific/changing-course-japan-now-sees-future-for-nuclear-power/2014/02/25/27835f3e-9e20-11e3-878c-65222df220eb_story.html
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【 今月の傑作宇宙写真 】〈1〉

アメリカNBCニュース 2月28日
(掲載されている写真をクリックして大きな画像をご覧ください)

宇宙 1
2月11日、ロシア、ドイツ、アメリカNASAの宇宙飛行士が、ロシアのスターシティにある宇宙飛行士センターで、ガスマスクを装着し、国際宇宙ステーションでの緊急時の対応訓練を行っています。3人は今年5月に国際宇宙ステーションに向け出発する予定です。(写真上)

1月30日に国際宇宙ステーションから撮影され2月26日に公開された、北朝鮮の首都、平壌を中心とした写真。韓国は右下の明るく照らされた部分、中国は左上部です。
世界銀行によれば、年間一人当たりの消費電力値は北朝鮮の739Kwhに対し、韓国は10,162Kwhです。(写真下・以下同じ)
宇宙 2
NASAの太陽観測システムがとらえた、最大級の太陽面暴発の瞬間の写真です。
各波長ごとにその爆発の形が異なっていることが解ります。
宇宙 3
2月25日に韓国航空宇宙研究所が公開した、オーストラリア北部のクムブンバークリークの複雑な形の流域に着色を施した写真。
緑の部分は、ティモール海に流入する水路、赤い部分は植物が群生するエリアです。
宇宙 4
2月22日にオーストラリアのパースで撮影されたビデオから起こした、月と土星のスチール写真。
宇宙 5
2月11日にカザフスタンのバイコヌール宇宙基地の発射台に取り付けられるロケット。
今回の発射ではトルコの衛星を軌道上に乗せることに成功しました。
宇宙 6
2月20日にNASAのシュピッツァー宇宙望遠鏡が捕えた、カッパ・カシオペア座(HD 2905星雲)囲む赤い輝きは、時速400万キロという高速で移動する高熱の巨大なボウショックと呼ばれる物体です。
惑星の磁気圏におけるボウショックは、恒星風が磁気圏界面に近づくためにその速度が突然落ちる境界です。
宇宙 7
2月28日に日本の種子島宇宙センターから打ち上げられたH2Aロケット。
運んでいるのはNASAの最新気象衛星、降雨、降雪に関するこれまでで最も詳細なデータを地球に送ることになります。
世界降水中央観測システムは、NASAと日本の宇宙航空研究開発機構の共同事業です。
宇宙 8

【 アベノミクスの経済効果?! それどころか、足元が危なくなってきましたよ?】[エコノミスト]

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所要時間 約 8分

新興国経済の減速と消費増税、肩を並べてやって来る不気味な兆候
貿易赤字を拡大してしまった円安誘導、アベノミクスは『正解』だったのか?
国家主義発言騒動、その陰に隠れて進行する産業の一層の空洞化

エコノミスト 2月21日

株価
もうすでに2014年という年が、安倍首相が打ち出した『日本経済の復興』プログラムについての審判の年になりつつあります。
ここ数週間というもの、日本にとって悪い材料ばかりが煮えたぎる大釜の中に放り込まれてきました。

4月になれば、消費税率が現行の5%から8%に引き上げられることになっています。
懸念されるのは、現在回復基調にある消費者心理に悪影響を与え、国内の出費と消費が落ち込んでしまう事です。
いちばん最近の例では、1997年4月に消費税が3%から5%に引き上げられた際、同時に財政再建のため政府の公共事業支出が思い切って削減され、まわりまわってその影響はアジア全体に及び、7月にタイを震源に発生したアジアの金融危機を一層悪化させる原因の一つになった可能性があります。
消費増税と公共事業費削減の複合効果は、当時の日本経済を本格的な低迷へと向かわせました。

最初の歓迎されざる驚きは、これまで順調に成長を続けてきた新興国市場で連続して発生した混乱であり、1997年のアジア通貨危機を思い出させる不気味な足音を響かせています。

エジプト 3
1997年から1998年にかけての危機と比較すると、今回の場合リスクは地理的には分散していますが、ここの所再び円高の傾向が続いていることも相まって、国外の投資家はリスクを嫌って日本の株式市場において 手持ちの株を売る動きを見せ始めています。
日本経済を支える重要な柱のひとつが輸出産業ですが、その輸出の半分以上は中国を含めた新興国向けだからです。

2つ目の衝撃は、2月17日の発表の期待外れの内容でした。
2013年度第4四半期の実質的な年率換算の経済成長率は1.0%前後の数値に落ち着くものと見られますが、この数値は経済学者などが予測した2.8%をはるかに下回っています。
第3四半期の1.1%という期待外れの成長の後、第4四半期についての新しい結果は、2013年の経済成長の見通しに関する、これまでの楽観的な見通しに終止符を打つことになりました。
これまでは日本経済成長がG7加盟国のどこよりも速いペースで回復を続けていると報告されていました。
実質国内総生産は、第1四半期に年率換算で4.5%、そして、第2四半期には3.6%の成長を記録し、順調な回復を印象づけました。

第4四半期の成長を鈍化させた第一の原因は輸出の不振でした。
堅調な国内需要と財政支出の相乗効果によって成長率が3%押し上げられましたが、貿易黒字の急激な減少が1.8%のマイナスとなりました。

Abenomics 2
この結果は安倍首相の経済政策の要のひとつである円安誘導が、結果的には正しかったのかどうかという疑問を突きつけることになりました。

国内の原子力発電所の停止に伴い、発電用の燃料を輸入する必要に迫られた日本は、円安が加わったために輸入コストが高額に昇ったことも輸出不振の一因を作りましたが、主な原因とまでは言えません。
日本の貿易赤字は1月に2兆7,900億円にまで拡大し史上最高額となりましたが、3番目となる日本経済にとっての本当の懸念材料は別にあるのです。

日本国内のエレクトロニクス関連製品の中で、いま、輸入製品の消費が増え続けています。
日本のスマートフォン市場では海外製品の優勢が続いていますが、日本経済新聞が報じた経済産業省の試算に基づけば、この結果日本の貿易収支を2兆3,000億円悪化させているのです。
海外製スマートフォンは輸入全体の5分の1を占めています。
第4四半期にはアップルのiフォンは、日本国内のスマートフォン売上全体の実に70%を占めるに至っています。

iphone
そして再び『産業の空洞化』が進もうとしています。
各地の地方企業が生産設備の海外への移転を準備し始めています。
これまで日本企業は生産コストを引き下げるために生産設備の海外移転を進めてきましたが、今度の場合、その理由は消費地に近いこと、そして円安による輸入材料の価格高騰を回避するためです。

これまでの数年間、欧米の企業が海外移転を積極的に推進してきたのに比べ、日本は国内の雇用状況を悪化させないようにするため、どちらかと言えば海外移転を思いとどまってきましたが、ここに来て歯止めがきかなくなってきました。

他の通貨との兼ね合いもあり、今回の円安誘導は国内の輸出企業の輸出を直接促進することはできませんでした。

ここ当面は投資家たちは悪い材料を無視しています。
その主な理由は日本銀行による金融緩和策の第二弾が、近々実施されるとの予想があるからですが、期待外れに終わった第4四半期の経済成長率が何らかの動きを引き出すとすれば、日銀がこの対策の実施を急がなければならなくなったという事でしょう。
2月中旬になって日本銀行の黒田総裁は、市中銀行への貸出量を倍増させ、期間も倍に延長すると発表しました。
目的は金融緩和策の効果を徹底して波及させるためです。
現在のところ其の影響は限られたものに留まっていますが、市場では日銀は近々さらなる金融緩和策を打ち出すことになりそうだとの予想がささやかれています。

しかし現在のところ明るい材料が見えているのは、好調な国内消費だけであり、その国内消費も4月の消費増税によりどう転ぶか解らない状況にあります。

安倍首相が掲げる公約の一つ、日本経済の持続的成長に必要な構造改革は、少なくとも夏までにはどのような進展もなさそうです。

アベ 3
経済問題に火がつきつつある中、日本政府は安倍首相の持論である国家安全保障問題に軸足を移してしまいました。
安倍首相は昨年12月、一般戦没者に加え国際社会において悪名高いA級戦犯の霊を祀った靖国神社に参拝し、日本は経済問題に専念することが出来なくなってしまいました。

しかし本来経済問題に取り組むべき人々は、日本経済の動きを注視しつづける必要があります。

http://www.economist.com/blogs/banyan/2014/02/japans-economy?zid=306&ah=1b164dbd43b0cb27ba0d4c3b12a5e227
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現在の日本政府 - 安倍政権について海外の報道は、ここで翻訳・ご紹介しただけでも多くのものが欠けている事を指摘してきました。
国民と正面から向き合った議論( http://kobajun.biz/?p=16606 )
欧米先進諸国の戦略に関する理解( http://kobajun.biz/?p=16831 )
公共放送の中立を守るという見識( http://kobajun.biz/?p=16429 )
日本各地の事情に応じた考え方を尊重する謙虚な姿勢( http://kobajun.biz/?p=16270 )
等々、数えきれないほどありました。

そして今回の記事を通しては、「まずは日本の経済の再生に専念する」という公約を、わずか1年で人ごとにしてしまおうとする政権の姿が見えてきます。

国民のために政治をするのではない、自分たちのために国民を利用する、そんな政治に従順であってよいのでしょうか?

【 逆行?! 退行?! 原子力発電所の再稼働推進を決めた日本 】[ニューヨークタイムズ]

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所要時間 約 9分

原子力発電の段階的廃止を、あっさり反古にしてしまった安倍政権
国民の合意を得ないまま、原子力発電の再稼働が行われる
今後どのようにでも解釈可能、福島第一原発事故による制限を設定せず
新たな原発建設にすら道を開く、安倍政権のエネルギー基本計画

田淵ひろ子 / ニューヨークタイムズ 2月25日

東京03
安倍晋三首相が率いる日本政府は2月25日火曜日、原子力発電を再開するため、これまでで最大の後押しをしました。
原子力発電所を今後長期間にわたる重要な発電源と定めた、エネルギー基本計画案を公表したのです。

新しいエネルギー基本計画案には福島第一原子力発電所の事故後、すべて停止していた国内の原子炉の再稼働を推進することが明記され、前の民主党政権が公約した原子力発電の段階的廃止を白紙に戻しました。

担当である茂木経済産業大臣はマスコミなどに対しては、可能な限り原子力発電への依存を減らす努力を続ける方針には変わりないと話し、原子力発電廃止の白紙撤回をできるだけ軽く扱おうとしました。
その一方で、福島第一原発の事故の数か月後に当時の菅直人首相が打ち出した、日本の原子力発電を全廃するとした方針について、天然資源に乏しい日本の状況を考えれば、無責任なやり方だと批判しました。

しかし、政府の自身のエネルギー計画は漠然としており、今後国内需要のどの程度を原子力発電によって賄おうとするのか記されていません。
茂木経済産業大臣は太陽光、風力、地熱発電などの再生可能エネルギーも含め、日本の発電手段の具体的割合を決定するのは、まだ時期尚早だとの見解を示しました。

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福島第一原子力発電所の事故は、東日本・北日本の広大な地域を放射能で汚染しました。
汚染を取り除くための作業は現在も終わらず、十万人を超える人々が故郷や自宅に戻ることが出来ずにいます。
日本の人々はこの3年間こうした状況を見て、原子力発電を再開すべきかどうか悩み、議論を闘わせてきました。

2012年末にふたたび政権の座に就いた安倍首相は、今後の日本の主要な発電手段の一つとして原子力発電の復活を主張し続けてきました。
しかし日本国民の原子力発電を廃止すべきだとの意見には強いものがあり、安倍首相は原子力発電所の停止によって火力発電用の燃料輸入が莫大な金額に昇っていることを根拠に国民を説得しようとしてきましたが、うまくいきませんでした。

幾度となく行われた世論調査の結果は、原子力発電の安全性そのものに対する疑念、そして日本政府や政府機関の監視能力に対する不信を明らかにし、大多数の国民が原子力発電の段階的な廃止を支持していることを明らかにしました。
2月末に安倍政権として初めて取りまとめたエネルギー基本計画は、国民の合意が取り付けられていないにも関わらず、 原子力発電所の再稼働を推進しようとする同政権の姿勢を明らかにしました。

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一般国民の不安感を和らげるため、独立監督機関である原子力規制委員会は稼働が可能な日本の50基の原子炉について、再稼働させた場合安全性が保たれるかどうかを検証・評価してきました。
しかし仮に原子力規制委員会が再稼働の認可を与えても、原発が立地する自治体は再稼働を拒否、あるいは延期させる事が出来ます。

新しいエネルギー基本計画には、一体いつ国が原子力発電所の再稼働に取り組むのか、明記されていません。
原子力発電所は新たに策定された安全基準をクリアした事を、原子力規制委員会が確認した上で再稼働される事になっています。
日本政府は野党側とも協議をする用意があると表明していますが、実際には内閣の承認を与える事でいつでも原子力発電所を再稼働する事が可能です。

福島第一原発の事故直後、原子力発電に反対の意思を表明するために首都官邸前に数万人の人々が集まり、脱原発行動は最高潮に達しましたが、結局その力を結集する事が出来ず、組織化に失敗したのを見て、意を強くした可能性があります。

01再稼働反対
先月行われた東京都知事選挙を詳細に見ると、原子力発電に反対する側は統一候補を立てる事が出来ず、結果として脱原発票を大きく割ってしまい、そのことが原子力発電の再稼働を目指す政権側の候補の勝利に貢献してしまう結果となったことが解ります。
結局はこの都知事選挙の結果が、原子力発電を再び推進しようとする安倍首相に勢いを与えてしまいました。

福島第一原子力発電所の事故発生当時首相を務めていた菅直人氏は、現政権による原子力発電への回帰を厳しく批判しました。
「現在の日本政府は、福島の教訓を何も学ぼうとしません。」
菅前首相は電話インタビューでこう語りました。

「当時日本は瀬戸際まで追いつめられたのです。現政権は経済のために原子力発電を再開しなければならないと語ります。しかし万が一、別の場所でまた原子力発電所が事故を起こしたら、日本経済は一体どうなるのでしょうか?」

福島第一原発の事故現場ではこれまで人為的ミスが原因の放射能漏れや高濃度汚染水漏れの事故が相次ぎ、事故収束・廃炉作業を中々前進させられない状況ですが、25日火曜日また新たな事故が明らかになり、原子力発電の安全性に対する懸念を一層深める事になりました。

現在損傷した核燃料プールから使用済み核燃料を取り出す、極めて危険な細心の注意を必要とする作業が原子炉建屋内で行われています。
東京電力の発表によれば、核燃料アセンブリを冷却し続けるために不可欠な電源ケーブルが損傷し、取り出し作業を一時中止せざるを得なくなったのです。
電源を回復させるまで4時間かかり、この間使用済み核燃料プールの冷却が出来なくったことを、東京電力は電子メールによる発表で明らかにしました。

4号機プール取出01
同社によればこの間、核燃料プールでは目立った温度上昇は亡く、放射線レベルの上昇も無かったと付け加えました。

日本の新しいエネルギー計画は、原子力を重要な「ベースロード電源」であると定義しています。
風力などの再生可能エネルギーと比較して安いコストで、昼夜を問わず安定した電源を出来るとしています。

これに対し再生可能エネルギーを支持者は政府が主張するコストには、莫大な金額に上ると予想される核廃棄物の処理費用と、危険を減らすために必要な様々の対策を実施するための費用が含まれておらず、これらを総合すれば原子力発電のコストは極めて高額なものになると主張しています。

さらにこの計画案は日本の将来の電力需要を満たし、原子力発電に代わり火力発電をフル稼働させたため増加した二酸化炭素の排出量を削減するために必要な、原子力発電の適切な規模を算定するとしています。

この表現は日本における原子力発電所の新設すら可能にするものだと、日本国内のニュースサイトは注意を促しています。


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まずは再び日付の設定を間違え、公開が一日遅くなってしまった事をお詫び申し上げます。

私はニューヨークタイムズに掲載される、田淵ひろ子さんの記事を読む度思います。
たとえばNHKの経営委員には右翼の自殺を賞賛するような人間ではなく、田淵さんのような人こそふさわしいと。
最も田淵さんご自身は、「お断り」かもしれませんが…

【 原子力発電所の稼働、その先にある最大の難関、最悪の課題 】[ドイチェ・ベレ]

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所要時間 約 7分

なぜこんなものを作ってしまったのか…
莫大な金額に上る原子力発電所の廃炉費用、電力会社の積立金では賄えず
使用済み核燃料をどこに保管するか、場所の選定だけで2,800億円の費用

クラウス・ドイズ / ドイチェ・べレ(ドイツ国際放送) 2月18日

廃炉01
ドイツの原子力発電所を廃炉にするための費用は、天文学的な金額に昇ることになりそうです。

専門家は原子力発電所の廃炉、放射性核廃棄物の処理費用としてこれまで準備してきた金額内に収まるかどうか、この点について懸念を深めています。

ドイツ国内の原子力発電所を全廃することは、すでに政策として決定されたことであり、計画では2022年までにすべての原子力発電所が稼働を停止します。

再生可能エネルギーへの転換が電力料金をすでに押し上げている現状に加え、この政治決断に伴いさらに数十億ユーロ(数千億~数兆円)の費用が必要になります。
さらには原子力発電所が稼働を停止した後、これらを解体し、すべての原子炉を廃炉にするため一体いくら費用がかかるか、具体的な金額は不明なままです。

専門家は、この目的のために電力会社がこれまでに準備してきた、340億ユーロ(約4兆7,600億円)と言う金額の中ではとても納まらないことを確信しています。

Gorleben01
ドイツ政府は、現在9か所の原子力発電所が現在電気を供給していると正式に公表しています。
8基の原子炉については、福島第一原子力発電所の事故後稼働を停止しています。
さらに16か所の原子力発電所が現在長期間を要する廃炉プロセスに入っています。

合計で33カ所の施設について、原子炉の廃炉、放射性核廃棄物の処分を行われなければなりません。

解決すべき問題は、金額的なことだけではありません。
いったいどこに使用済み核燃料を保管するのか、この問題も見通しが立っていません。

ドイツ連邦政府は、使用済み核燃料をどこに保管するのか、その場所を決定するためだけで、これから15年間に20億ユーロ(約2,800億円)の経費が必要になることを2013年4月に明らかにしました。

回復できない蓄え

Reactor 4
福島第一原発の事故が発生する以前から、ドイツ国内の電力会社は使用中の原子炉を将来廃炉にするための費用を積み立ててきました。
しかし各企業はもっと長期間原子力発電を続けることを計画していたため、稼働停止から廃炉に至るプロセスはもっとずっと先に予定していました。

ドイツの原子力発電Forum(DAtF)は、これまでの準備金がおよそ340億ユーロとなると見積もっています。
報告書によれば、このうち180億ユーロが電力会社のEon、100億ユーロがRWEに、36億ユーロがファッテンフォール(Vattenfall)内に留保されています。

すでに原子力発電所の解体と原子炉の廃炉作業が開始され、中には予定を上回るペースで作業が進んでいる施設もありますが、それぞれが準備した資金で間に合うかどうかは疑問視されています。

エネルギーの専門家は、より高額に昇るはずの費用を正確に算定する必要があると述べています。

廃炉05
RWEは、ラインラント‐プファルツ州でミュールハイム・カーリッヒ原子力発電所の閉鎖を完了するためには7億5000万ユーロ(1,050億円)かかると計算しています。
ドイツの議会の原子力発電に反対する緑の党も、原子力発電所を廃棄するためには莫大な費用がかかることを認識しています。

さらに問題があります。
実際にこの金額を支出しようとしても、電力各社が『積み立てた』340億ユーロは銀行の口座には無いのです。
各電力会社とも、この金額をすでに投資に回してしまっているのです。
RWEの場合、廃炉費用に充てられるべき現金は、オランダと英国の発電所への投資に回ったままなのです。

▽ 誰が負担するのか?

問題はまだあります。
現在廃炉作業を行っているビブリス原子力発電所の一連の訴訟の例でも分かる通り、RWEは原子力発電部門において一切損失を被るつもりが無いという態度を明確にしています。
裁判所において最終判断が下され、RWEは勝訴し、国に対し賠償を求める途が開かれました。
企業内部の関係者は、損害金額は1億8700万ユーロにのぼる可能性があると語っています。

廃炉08
ドイツがエネルギー政策を大きく転換したために、原子力発電を運営し、長期間その施設を使い続けるつもりであった各企業は、自分たちが依って立つ財政基盤が大きく縮んでしまったことに気づきました。

一部の政治家は、原子力発電所を経営して来た企業が破綻に直面した場合には、原子力発電所の廃棄・廃炉のために積み立ててきた資金の流用を許されることになるかもしれないと語っています。

残された原子力発電所を廃炉に確実するため、公的な資金を積み上げることは有効な手段の一つのようにも見えますが、それをすれば原子力発電所を運営してきた企業がさらに窮地に追い込まれる可能性があります。
RWEを例に取ると、現状を見る限りこの基金に支払わなければならない負担分については、同社は新たに多額の借り入れを行わなければなりません。

ドイツの原子力発電所を完全廃炉にするためには、一か所あたり数十億ユーロの資金が必要であり、その金額は当初の見積もりをはるかに上回ってしまいました。

そしてまだまだ問題があります。
その高額な費用を、最終的に負担するのは誰なのでしょうか?

http://www.dw.de/scrapping-nuclear-plants-to-cost-billions/a-17439221
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誤解しないでいただきたいのは、原子力発電所の廃炉をするから多額の費用を必要とするという事では無いという点です。
年限が来れば廃炉しなければならないのは、原子力発電所にとっての必然です。

その原子力発電所を野放図に国中に建設してしまったがために、ドイツの今の苦しみがあるという事です。

私たち日本人は『重要なベースロード電源』という利便性の裏に、巨額の廃炉費用、引き受け手の無い使用済み核燃料という、果たして完全解決が可能なのかどうか、それすらわからない深刻な問題が潜んでいることを常に念頭に置く必要があると思います。
そして『ベースロード電源』として使えば使うほど、この問題は拡大を続け、将来の世代の苦痛と負担も際限も無く拡大していくことになるのです。

このサイトについて
ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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