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【 女性を正当に評価しない国ニッポン – 男女平等の実現性は全世界中100位以下 】

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インタープレス・サービス(IPS) 1月31日

日本の職場は相変わらず男性中心の社会

日本の職場は相変わらず男性中心の社会


差別を禁止する法整備が行われ、女性の社会進出が進んでいるように見える日本ですが、実は日本は男女の平等性の確立においては、これまでずっと世界の中でも後進国に属していました。

日本は世界の中でも最先進国に属しますが、古い慣習にとらわれた国であるという事も、もう一方の現実なのです。
世界第3位の経済規模を誇りながら、男女間の格差が社会の中に根強くはびこってきました。

国連開発計画によれば、日本は世界の経済強国の中、最も男女間格差が著しい国としてランク付けされているのです。

しかもその格差は拡大する傾向にあります。
昨年世界経済フォーラムの年次報告書の男女間の政治的格差、社会的格差の部門で、日本はランキングにおいてタジキスタン(中央アジア)、ガンビア(アフリカ)に抜かれ、99位から101位にまで後退してしまいました。

こうした結果が出たことについて別に驚くべきではないと語るのは、東京にある日本大学で社会学を講義する小笠原ゆう子教授です。
「日本では、家庭と仕事を両立させることは、まだ不可能なのです。」
小笠原教授はIPSの取材にこう答えました。

「男女不平等の背景にある主要な理由が、この問題なのです。男性、女性いずれにあっても、人々は毎日夜の10時まで働くことになっています。家庭生活をきちんと営むつもりなら、これは明らかな障害です。」
15年前、小笠原教授は『オフィス・レディとサラリーマン』を発表しました。
この著作は日本国内の職場では、男性社員が重役目指して出世の階段を昇るべく働く一方で、女性社員はお茶出しと事務的な仕事しかさせられない現状について記述しています。
「そのころとはずいぶん状況が変わりました。」
「確かに女性重役の数も増え、チャンスも与えられるようになりました。しかし問題はまだまだ残っています。初めてのこどもを生んだ後、女性社員の70%が職場を去っているのです。」

「子育てが一段落した後、女性が元の職場に復帰することは、非常に難しいのが現実です。」
日本最大の銀行のひとつに勤務する、マクロ経済学が専門の経済学者であるキャシー・松井さんがこう語りました。彼女は主に1999年以降、日本女性の雇用状況について研究しています。

「問題の多くは、彼女たちが所属する組織、そしてその昇進システムにあります。」
松井さんがIPSの取材にこう答えました。
「ほとんどの人材派遣会社は、専門とする分野に10年以上の空白期間がある女性を拒否します。10年の空白によって、それまで身に着けたことがほとんど白紙に戻ってしまっているものとみなされ、採用すべき理由は無いと判断されてしまうのです。狡猾で許しがたい差別です。」

「女性が再び職業人としての人生を再開したいと思っても、残されているのは低賃金のパートタイム労働しかないというのが現実なのです。」
小笠原教授がこう指摘しました。
「彼女たちの賃金は正規雇用者と比較すると、著しく低いものです。逆にそのため、企業は安価な労働力を確保するための手段として、この制度をそのまま継続することを望んでいるのです。」

男女間の差別は、この国のあらゆる組織に根深く存在しています。
「日本には、男女間の差別を禁ずるたくさんの法律があります。」
こう語るのは大阪大学経済学部の竹内惠行(よしゆき)教授です。
「しかし日本の年金制度、社会保障、そして健康保険制度は、働いている父親、専業主婦の母親、そして子供が2人という4人家族を想定したものなのです。」

「日本の企業は、妻が専業主婦である場合、男性の被雇用者に対してより高い報酬を支払うようになっています。妻がパートタイム労働を行う場合には、税金の控除などにおいて報酬金額の上限が定められています。これらすべて、1970年代の日本の経済状況に基づいて制定されたものが、そのままになっています。以来ほとんど手が加えられていません。こうしたことも女性が仕事に復帰する際の障害になっています。」

この間日本経済は著しく変化しました。そしてこの20年間というものは、深刻な経済不況に悩み続けて来ました。
急速に高齢化が進み、出生率の低下が続き、このままでは2055年までに日本の人口は30%減少することになります。

「日本の労働人口は減少を続ける一方、海外労働力の受け入れには極めて消極的です。」
キャシー松井さんがIPSにこう語りました。
「現在ある労働力をフルに活用するしか、もう方法はありません。日本の人口の半数が女性なのです。日本の女性は高度に教育されているにもかかわらず、一定の年齢に達すると第一線から退かなければなりません。彼女たちを再び第一線に立たせる、それ以外の選択肢はもう無いのです。これはフェミニストとして行っているのではなく、一経済学者としての客観的見解なのです。

しかし日本社会は相変わらず、こうした考えを積極的に受け入れようとはしていません。

昨年12月、日本政府が行った世論調査によれば、女性は家庭に居て家族の世話をするべきだと考える人々の割合が51%に達しました。
2009年に同様の調査を行った際と比べ、10.3%増加しています。
これは特に20代から30代の間で、こう考える人が増加したためです。

「今の若い世代の人々は、働く母親が増えるという事に関して、明確なイメージを持っています。」
40年間日本で暮らし、教師を続けてきたベルギー人の考古学者であるスザンヌ・アキエダさんがこう語りました。
「これまでたくさんの女性たちが私生活を犠牲にして、職業人としての地位を築こうと努力してきました。しかし今、それが正しかったのかどうか、多くの女性たちが悩み始めています。日本は明らかに後退しています。」

http://www.ipsnews.net/2013/01/japan-values-women-less-as-it-needs-them-more/
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ガンビアなどという国名を久しぶりに聴きました。
日本の男女の平等性が、そのあたりを低迷しているということに改めて驚きました。
私自身、「心を入れ替える」つもりで、考え方や普段の態度を再検証してみる必要がありそうです。

今年も3月11日が目前に迫ってきました。
ここに来て世界の代表的メディアに、「フクシマ」に関する記事が一斉に登場しています。
【星の金貨】でも3月11日月曜日の掲載から、世界の最新の『フクシマ』に関する報道を順を追ってご紹介して行きますので、よろしくお願いいたします。

尚、明日はそのプレ掲載として、あの時福島第一原発の事故を見て、第三世界の人々が世界に向け訴えた、『立ち上がる第三世界』のメッセージを掲載予定です。

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【 1,600キロ!アラスカの犬ぞりレース 】

アメリカNBCニュース 3月3日
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)
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第41回アラスカ・イディタロッドの犬ぞりレースが開催され、3月3日日曜日、待ちかねた犬たちがシュートから飛び出していきました。
現在アラスカのノームにある1,600キロ先のゴール目指して、65チームがアラスカの西海岸の凍てつくような雪原を走り続けています。

出走前日の2日土曜日には、レースのスタート地点があるウィロウから80キロ南のアラスカの州都アンカレッジで、本番前の約18キロのアトラクション・レースが行われました。
各チームとも本番さながらの迫力ある走りを披露し、集まった観客たちから大きな喝采を受けていました。

ファンの歓呼に応える優勝経験4回のジェフ・キング・チーム。3月3日。(写真下・以下同じ)
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スタート地点に向かうピーター・カイザー・チーム。3月3日。
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出走を待ちかねて飛び上がるジェフ・キングのチームの犬。3月3日。
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出走を待つ犬たち。3月3日。
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アンカレジの繁華街に設営されたアトラクション・レース会場を疾走するブレント・サスのチーム。
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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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