ホーム » エッセイ » 【 ニッポンの人種差別実態、詳細な調査で実態が明らかに 】
日本で暮らしている外国人の約3割が、出身国や地域を理由に蔑むような発言をされたことがある
差別的なヘイトスピーチや外国人に対する差別的行動は、決して見過ごされるべきものではない
ダニエル・ハースト / ガーディアン 2017年3月31日
日本国内で行われた人種差別に関する調査で、外国人3人に1人の割合で、差別を経験したことがあることが分かりました。
日本の法務省は数万人の在日外国人を対象にこれまで試みたことの無い調査を行い、事実の一端が垣間見えてきました。
今回実施された先例のない調査により、日本で暮らしている外国人の約3割が、出身国や地域を理由に蔑むような発言をされたことがあると語りました。
今回の調査は外国人観光客などの増加を受け、人種差別経験の実態を調査するため、法務省が国内の1万人を超える外国人居住者に質問状を送る形で実施されました。
韓国朝鮮人と中国人を誹謗中傷していたとして非難の的となっている国家主義教育を行っていた幼稚園と安倍首相の関係に世論の圧力が強まる中、今回の調査結果が明らかにされました。
この調査は本来2019年開催予定のラグビーワールドカップと2020年のオリンピックを主催することにより、世界的なスポットライトに備えて行われたものです。
法務省は日本全国の18,500人の外国人居住者に質問状を郵送、うち4,252人から回答を受け取りました。
回答者の約3割が『しばしば』あるいは『時々』結果的に差別につながる言葉を浴びせされた経験があると語りました。
時事通信社が伝えたところでは、多くの人が差別的発言を受けたのは全くの他人からである場合が多く、また職場で上司、同僚、部下からそうした発言をされた人も多くいました。
職場での差別は、単にことばの上だけ問題には留まりませんでした。
仕事を探していた際4人に1人の割合で、外国人であることを理由に採用を断れたと考えており、また採用後も5人に1人の割合で、仕事の中身は同じであっても外国人であることを理由に日本人よりも報酬を低くされていたと考えていることが解りました。
さらに回答者の内2,044人は、住む場所を探していた際に外国人であることを理由に差別された経験があると語り、外国人居住者の間では住宅問題における差別も日常的に存在すると考えられていることが明らかになりました。
10人に4人の割合で、外国人という事が解った時点で入居を拒否されたこと、さらには外国人の居住は出来ないという事を(いわば当たり前だとして)告げられもしないで断られたケースも多数に上っていると。共同通信社が伝えました。
こうした結果に対し日本政府は今後人権問題に関する教育に力を入れると宣言する一方、外国人居住者に対しては差別に遭遇した場合にアクセスすることが出来るサポート・サービスを実施していることを伝えました。
「差別的なヘイトスピーチや外国人に対する差別的行動は、決して見過ごされるべきではありません。」
法務大臣の金田勝年氏が記者団にこう語りました。
さらに今回の調査では、大都市の目抜き通りを自分たちの感情を大音量のスピーカーで主張して回る超国家主義者の集団、いわゆる右翼の街宣車に対し在日外国人が深刻な不安を感じていることが明らかになりました。
以前法務省が公表したデータによれば、2012年4月から2015年9月にかけ日本全国で1,150回以上のヘイトスピーチ集会や示威行進が行なわれました。
今回行なわれた調査の回答者の10人に4人は、外国人排斥を訴えるこうした行動に不快感を持っていると回答しました。
日本は昨年6月ヘイトスピーチを規制する法律を成立させましたが、罰則の規定は無く多方面から非難されることになりました。
日本政府当局は、レジャー、仕事、留学などの目的で日本を訪れる外国人の数を増加させる必要性があることを認識しています。
昨年観光のため日本を訪れた外国人の数は2015年と比較して22%の増加し、2400万人以上になりました。
日本政府は、この数を年間数を4000万×2020、東京オリンピックとパラリンピックが開催される2020年までに4,000万人にまで増やそうとしています。
一方、合法的な外国人居住者の数は一年間で7%上昇し、2016年末には240万人を記録しました。
昨年、安倍首相はヘイトスピーチについて
「我が国の品位を傷つけ、人々の尊厳に悪影響を与える」「とても残念な」
社会現象だと語りました。
その一方で安部首相は現在、外国人を誹謗中傷したことを訴えられている大阪府の国家主義教育機関である森友学園との関係が取りざたされている政治疑惑の渦中にいます。
安部首相は森友学園に個人として内密に寄付をしたという学園側の主張を否定し、学園が計画していた小学校建設のため国有地を不当に安い価格で払い下げた件について、安倍首相の関与が証明されるようなことになれば、自ら進んで辞任すると発言していました。
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この時代は男の子であっても、幼児期は女の子の扮装をさせることが流行していました。
同じいでたちの姉、ジョージェトは飼い犬の上に腰かけています。
裕福な出版業者の妻としてシャルパンティエ夫人はサロンを営み、そこにはフロベール 、 ゴンクール 、エミール・ゾラなど選り抜きの文学者が出入りしていました。
http://www.metmuseum.org/art/collection/search/438815