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【 死んでいくロボットたちと潰え去る希望・福島第一原発事故から6年・衝撃の現実 】《後篇》

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所要時間 約 10分

東京電力と日本政府が示したのは、福島第一原発の事故現場にある現実でもなく、原子力工学の客観的評価に基づく科学的分析結果でもない

福島第一原発の真の状況は『ノット・アンダー・コントロール』!

 

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2017年3月9日

 

今回、原子炉2号機の内部調査が途中で放棄せざるを得なくなったことについてグリーンピース・ドイツの上席の原子力専門家であり、現在日本に活動の拠点を置いているショーン・バーニー氏は

福島第一原発の事故収束・廃炉作業が「前例も経験も無く、ほとんどどうしようもない」状況に置かれており、スケジュールについても、「まったく現実的に乏しい、あるいは信用できない」ものである事を改めて証明したに過ぎないと語りました。

「原子炉1号機と3号機についてどのように扱うかまだ技術的な方法が確立していない段階で、さらにはこの2つよりは多少はましな状況にあるはずの2号機ですら調査を進めることが出来ないのに、一般市民や報道機関に対して東京電力や日本政府が言っていることはすべて、推測あるいは希望的観測に過ぎません。」

「現在公表されている核燃料を除去するスケジュールなるものは、問題の数百トンに上る溶け落ちてしまった核燃料がどこにあるかもわからず、どのような状態なのかも把握できていないのに公表されました。このタイム・スケジュールは東京にいる安倍首相と原子力産業界が現実を無視して作り上げたものに過ぎません。」

「その根拠とされているものは福島第一原子力発電所の事故現場にある現実でもなく、原子力工学の客観的評価に基づく科学的分析でもないのです。」

 

日本の原子力規制委員会の田中俊一委員長も、東京電力が固執する楽観的な見通し基づく事故収束・廃炉作業スケジュールに同調するつもりはないようです。

「現在はまだそのような楽観的な話をできる状況にはありません。」

「未だ未だ辺り一帯闇に包まれている状況にあります。」

 

▽真の状況は『ノット・アンダー・コントロール』!

 

表面上は、福島第一原発の現場の状況の多くは5年前にガーディアンが初めて訪れた時とは一変しています。

当時は発電所内のいたるところに津波によって破壊された建物や施設の残骸が散乱していました。

数千人の作業員が放射線量が著しく高い環境の中、高い原子炉の爆発や破壊がもたらした無秩序な状態から脱するための作業に取り組むのに必要なホースやパイプ、建材などで辺り一帯が覆われていました。

 

6年が過ぎた今、損傷を受けた原子炉建屋には補強工事が施され、1,300体以上あった使用済み核燃料アセンブリは、4号機の核燃料プールから問題なく取り除かれました。

発電所内の地面は、雨水がしみ込んでこれ以上東京電力が汚染水の問題に振り回されることが無いように、特別なコーティングで覆われていました。

 

かつては福島第一原発の敷地内に入るためには放射線防護服その他被ばくを防ぐための重装備を身につけなければなりませんでしたが、現在作業員はほとんどの場所で簡単なサージカルマスクと軽装で働いています。

そして数千人の下請けや派遣などを含む6,000人の作業員は労働者は温かい食事をとることもでき、

2015年に開設された「レストハウス」で休憩をとることもできます。

 

しかし海岸線から丘陵地帯に向かって敷地内を進むとずらりと建ち並ぶ無数の鋼鉄製のタンクが、訪れた人に破滅のふちにある別の問題が未解決のままであることを思い出させることになります。

その中身は900,000トンの高濃度汚染水であり、間もなく100万トンに達しようとしています。

 

これらのタンクは地下水が破壊された原子炉の基礎部分に流れ込み、冷却用として使われ高放射能を帯びた汚染水と混じり合った結果作られた、大量の放射能汚染水を収容しています。

このため245億円を費やした地下凍土壁の建設が進められましたが、一時は画期的解決策とも思われたこの計画も、これまでのところ地下水の流れ込みを遮断できずにいます。

地下凍土壁は30メートルの深さまで地中を凍結させるものですが、東京電力の広報担当の岡村氏はそれでもまだ毎日150トンの地下水が毎日原子炉の地下部分に浸透してきていると語りました。

 

凍土壁には5カ所の開口部分がありますが、これは原子炉の基礎部分への地下水の流れ込み、あるいは汚染水の流出が起きないようにするためのものです。

「私たちは段階を踏んで凍土壁を閉じる必要があります。」

岡村氏がこう語りました。

「4月までに1日の地下水の流入量を100トンにまで減らし、2020年には福島第一原発の現場にあるすべての汚染水を完全に無くしたいと考えています。」

 

こうした福島第一原発における事故収束・廃炉作業について、厳しい目を向けている人々は、2020年が、かつてオリンピック開催地選定委員会の席上安倍首相が福島第一原子力発電所の現場が『アンダー・コントロール』、すなわちすべて順調に言っていると宣言したことにより、開催が決まった東京オリンピックの年であることに着目しています。

 

元バブコック-日立の原子力技術者だった田中光彦氏は、オリンピック招致を成功させ、日本全国の原子力発電所を再稼働させるため、安倍首相と日本政府が極めて困難な状況にある福島第一原発における事故収束・廃炉作業について、ことさら問題を軽視していると非難しました。

「安部首相は東京オリンピック招致のため海外へ行った際、福島第一原子力発電所の現場が『アンダー・コントロール』だと語りました。しかし国内に戻ってからは一切そうした発言をおこなっていません。

「福島第一原発の現場を実際に訪れた人は誰も、『アンダー・コントロール』の現実など見ることはできません。」

「しかし安倍首相と同様大きな影響力を持つ人々がことあるごとにそうした発言を繰り返していけば、それがだんだん真実であるかのように受け止められていってしまいます。」

 

〈 完 〉

https://www.theguardian.com/world/2017/mar/09/fukushima-nuclear-cleanup-falters-six-years-after-tsunami

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日本の原子力行政は原発難民にされてしまった人々への補償の一部を打ち切る方針を示した一方で、日本企業がかかわる英国内の原発建設に1兆円という巨額の資金を拠出する方針を打ちだしました。

 

さらに3.11の6周年にあたっては、安倍首相は福島第一原発の事故に言及しなかったことに対し、さすがに福島県知事も『違和感を感じる』と問題視しています。

 

NHKの世論調査は、日本国民の半数以上がこうした政権を『支持する』と答えていると報道しました。

本当ですか?

私たち日本人は、それ程に他人の痛みに鈍感な人間になってしまったのでしょうか?

 

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【 メトロポリタン美術館375,000の収蔵作品をデジタル化、無料提供 】《11》

 

ニューヨーク・メトロポリタン美術館

 

ニューヨークのメトロポリタン美術館はそのコレクションをデジタル化し、無料で375,000点に上る画像データを公開しました。

いずれも公有財産として、無料で制約なしで利用することが出来ます。

アメリカNBCのサイトでの作品紹介は18点で終わっていますが、せっかくですのでメトロポリタン美術館のサイトから素晴らしい作品を直接ご紹介します。

 

オーギュスト・ルノワール(フランス: 1841–1919)作[草原で]油彩、1888-92。

1888~1892年、ルノアールは白いドレスを着ているブロンドの女性とピンク色のドレスを着たこげ茶色の髪の女性、同じ2人をモデルにした一連の作品を描きあげました。

同じペアをモデルにした作品では、ピアノを弾く女性たちの絵が有名です。

いずれの作品も若々しい純真さを賛美するものです。

一連の作品は1890年代前半に既存の画廊などでごく当たり前に売られていました。

 

http://www.metmuseum.org/art/collection/search/437434?pos=44&pg=3&rpp=20&offset=0&rndkey=20170314&ft=*&deptids=11&when=A.D.+1800-1900

 

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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