国民の80%が東京オリンピックは「中止すべき」「開催不可能」
世界各国から選手15,000人に加え、コーチ、審判員、関係役員、VIP、スポンサー、メディアが続々日本に入国
スティーヴン・ウェイド / AP通信 2021年1月11日
2021年1月上旬に2度にわたって行われた世論調査の結果、日本国民の80%以上が東京オリンピックはキャンセルまたは延期されるべきである、またはオリンピックは開催されることはないと確信していることが明らかにされました。
世論調査は、日本の共同通信社とTBSがそれぞれ実施したものです。
東京オリンピックの主催者と国際オリンピック委員会は昨年一度延期されたオリンピックは、今年の7月23日に開幕するとの見解を示していますが、ここに来て悪材料が加わることになりました。
東京圏は1月新型コロナウイルスCOVID-19症例の急増と戦っており、非常事態宣言を発令せざるをえなくなりました。
菅義偉首相は緊急事態を宣言するに段階においても、東京オリンピックの開催実現を確信していると述べました。
日本は他の先進国などと比較すると感染拡大をなんとか抑え込んできた方ですが、オリンピックの必要性と、15,000人の各国オリンピック・パラリンピック選手が日本に一斉に入国する危険性について、開催を疑問視する意見が急増しています。
オリンピックはさらにコーチ、審判員、関係役員、VIP、スポンサー、メディア、放送局関係者など数万に上る海外の人々の入国につながる可能性があります。
さらには海外からの観客の入国が許可されるのか、それとも国内在住者だけが観戦を許されるのか、その点も明確ではありません。
日本の人口は1億2,600万人ですが、これまで約3,800人が新型コロナウイルスCOVID-19の感染により死亡したとされています。
TBSが行った世論調査では、オリンピックが開催可能かどうかについて質問しました。
有効回答者数1,261人の電話調査では、81%が「いいえ」と回答し、「はい」と回答したのは13%にとどまりました。
「いいえ」の回答数は、12月の調査時点と比較し18ポイント増加しました。
共同通信社の世論調査では、電話調査の回答者の80.1%が、オリンピックをキャンセルまたは再度延期する必要があると回答しました。
12月時点の同じ質問に対しては、キャンセルまたは再度延期を求めていたのは63%でした。
共同通信社は今回の調査はランダムに選ばれた有権者がいる715世帯を対象としているとしています。
どちらの世論調査も誤回答率は明らかにしませんでした。
日本はオリンピック開催に向け公式には約1兆6,000億円の費用を使ってきたとされていますが、何度か行われた政府の監査によれば、実際には2兆6,000億円の資金が使われてきました。
そのうち約7,000億円を除くすべてが公的資金です。
スイスに拠点を置くIOCは、放映権とスポンサーシップの販売によりその収入の91%を獲得しています。
アメリカのネットワークNBCは、2011年にIOCと43億8,000万ドル(約4,500億円)の契約を結び、東京大会までの4大会のオリンピックの放送権獲得について契約調印しています。
2014年には、2032年までにさらに夏冬合わせて6大会に77億,5000万ドル(約8,000億円)を追加で支払うことに合意しました。
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『此の期に及んで、尚…』
という言葉がこれほどそのまま当てはまる例も少ないかもしれません。
安倍政権もそうでしたが、菅政権の一体誰のためにやっているのかわからない政治、いざとなるとまるで決断力がなく結局は既得権勢力の利害を優先させる政治の弊害が深刻になってきました。
福島 - 放射能パンデミック - 世界に汚染を広げる放射能汚染水の海洋投棄
福島第一原発の事故発生から10年間、メルトダウンした核燃料に水をかけ続ける以外、本質的解決につながることは何もできなかった東京電力
マンリオ・ディヌッチ / グローバルリサーチ 2020年11月5日
新型コロナウイルスとは無関係であったため、このニュースはほとんど見過ごされていました。
日本は、福島第一原子力発電所から海洋中に100万トン以上の放射能汚染水を排出するための準備を進めています。
日本を破滅に縁に追い込んだ2011年3月11日の出来事は東北地方東日本沿岸を襲った津波によって引き起こされ、原子力発電所が水没した結果、3基の原子炉の炉心が溶け落ちました。
福島第一原子力発電所は、高さ10~15メートルの津波が襲う可能性のある地域内であるにも関わらず、海抜わずか4メートルの海岸に建設され、それを守るのは高さ5メートルの防波堤でした。
それに加え、原子力発電所の管理方法について民間企業である東京電力は重大な過失を犯していました:津波に襲われた肝心なタイミングで安全装置が作動しなかったのです。
事故後、メルトダウンした核燃料を冷却を続けるため、何年もの間地下水をくみ上げて原子炉を冷却する作業が続けられてきました。
くみ上げられた地下水は放射性物質を多量に含んだ放射能汚染水となり、福島第一原発内の1000基を超える大きなタンクに貯蔵され、累計で123万トンに達しています。
東京電力はさら多くのタンクを建造中ですが、2022年半ばまでには設置スペースがいっぱいになってしまう予定です。
しかし東京電力はメルトダウンした原子炉の冷却を続けるために今後も水を汲み上げ続ける必要があり、政府との合意により、これまでに蓄積された汚染水から放射性物質を取り除くためろ過処理を行った後、海に排出することを決定しました(ただし、どの程度の量になるかは不明です)。
これは30年以上続くとされる事故収束・廃炉作業の一環に組み入れられます。
さらには福島第一原発では除染フィルターに蓄積した放射性物質を大量に含むスラッジ(ヘドロ)が数千の容器に保管されていることに加え、汚染された土壌やあらゆる種類の放射性物質が多種多量存在します。
すでに東京電力も認めている通り、原子炉3号機でのメルトダウンはとりわけ深刻です。
3号機の原子炉にあったのは二酸化プルトニウムと二酸化ウランとを混ぜてプルトニウム濃度を高めたMOX燃料であり、これは通常使われる核燃料よりはるかに放射能が強く、不安定な特徴を持っています。
福島第一原発やその他日本国内で使われていたMOX核燃料は、日本から送られた核廃棄物を使用してフランスで生産されたものです。
グリーンピースはプルトニウム核燃料を1万キロメートルという長距離輸送を行うことに起因する危険性について、かねてから非難していました。
さらにグリーンピースはMOX核燃料の利用推進はプルトニウムの抽出が容易になる上、ウラン開発の一連の流れにおいて核物質の民間利用と軍事利用との間には明確な境界線が無く、結果的に核兵器の拡散を後押しすることになると非難しました。
2015年の推定ではこれまでに、世界で約240トンの軍事目的用プルトニウムと2,400トンの商業用プルトニウム(濃度を上げることによって核兵器製造が可能)が蓄積されており、さらに軍事目的の約1,400トンの高濃縮ウランが蓄積されています。
プルトニウムは数百キログラムで地球の77億人の住民に肺がんを引き起こすことが可能です。
さらにプルトニウムは、人間が約1万世代交代する間、即時に人を殺すことができる毒性を保ち続けます。
このように地球上の人類を壊滅させてしまうだけの量のプルトニウムがすでに存在することが確認されたのは、歴史上初めてのことでした。
広島と長崎への原爆投下。
大気中、海上および地下での2,000回を超える核爆発実験。
広島に投下された原爆100万発以上に相当する核弾頭の製造。
核兵器に関連する多数の事故、および民間および軍用の原子力発電所に関連する事故はすべて、何億人もの人々に影響を及ぼす放射能汚染を引き起こしました。
WHO(世界保健機関)によって記録されている世界人口年間約1,000万人の癌による死亡、その一部はこれらによって引き起こされた放射線の長期的影響に起因するものです。
WHOのデータによると、新型コロナウイルスCovid-19は10か月で世界中で約120万人の死者を出しました。
その危険性を過小評価すべきではありませんが、マスメディア、特にテレビが福島第一原子力発電所から100万トン以上の放射能汚染水放射性水が海に放出されるということを詳細に伝えようとはしなかったという事実を正当化するものでもありません。
放出された放射能汚染水が食物連鎖に入り込めば、癌による死亡者がさらに増加することになるのです。
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今から10年以上前、東北大学の工学部に入学した長男が私に、何気なくこんな話をしました。
「大学にある実験装置で、平面のスリットに1メートル間隔で穴を開け、片方の穴めがけて中性子を一個放射すると、別の穴にも中性子が通過した痕跡が残る。でも現代の科学ではその理由を説明することはできないんだ。」
つまり人類は放射線の正体について、まだまだ雑にしか把握していないということなのだ、そう私は理解しました。
しかしそれからわずか数ヶ月で福島第一原子力発電所の事故が発生しました。
そしてそれから10年。
東京電力がその間何をやったか『科学的に客観的に』見てみれば、
溶け落ちた核燃料の周囲にひたすら水を注ぎ込む。
その結果放射能に汚染された水を貯めるタンクを延々と作り続ける。
そして散乱する放射能に汚染されたがれきを少しずつ片付けはしたものの、どこにも持って行きようがない。
そのどこに人類史上最も危険な物質である溶け落ちた核燃料を安全に廃棄処分するという計画的プロセスがあるというのでしょうか。
核燃料が再び臨界点に達しないようにするという一点だけを見ても、地下水を注ぎ込む以外、どんな『有効な解決策』も実現できずにいる。
それが日本の電力会社の現実なのです。
にもかかわらず安倍政権の下で、日本国各所で原子力発電所が次々と再稼働を果たしました。
しかも私達から徴収している電気料金から、巨額の費用を捻出して…
一方では原発事故被災者の中には、なお一層厳しい境遇に追い込まれている人々もいる。
何もかも、たった10年が過ぎたからといって黙認して良い話ではありませんよ。
新型コロナウイルスの感染急拡大により溶融核燃料除去に大幅な遅れ
溶け落ちた核燃料を取り除くことは本当に可能なのか?!
山口真理 / AP通信 2020年12月25日
日本政府と東京電力は、2020年12月24日、新型コロナウイルスの感染の急拡大により英国でのロボットアームの開発が遅れ、溶融燃料の除去は2022年後半まで1年以上延期せざるをえないと公表しました。
経済産業省と東京電力は、2011年3月11日に発生した巨大地震と津波による災害から10年の節目を迎えるにあたり、来年2021年に福島第一原子力発電所の2号機原子炉から溶け落ちた核燃料の一部を取り除く作業に初めて着手することを計画していました。
しかし24日、溶け落ちた核燃料の一部を取り出す作業の開始は、2022年後半まで延期されると当局者が明かしました。
当局者は理由として英国の新型コロナウイルスの感染の急拡大状況の悪化により、ヴェオリア原子力ソリューション社と三菱重工が共同で開発しているロボットアームの開発が遅れていることを挙げました。
実用化するために必要な検証作業が遅れていることが原因だとしています。
当初1月に予定されていたロボットアームの出荷4月頃にずれ込む予想だと経済産業省の原子力関連施設開発担当の奥田修二氏が語りました。
福島第一原発全体の事故収束・廃炉作業の完了までには、依然として30年から40年かかると予想されています。
事故によって溶融し、原子炉の炉心から落下し、一次格納容器の底で硬化した核燃料3基の原子炉合わせて800トンを除去することは、事故収束・廃炉プロセスにおいて最も困難な課題です。
東京電力は原子炉内部の状態に関する情報収集を進めてきました。
2号機内部に入った小型の伸縮ロボットは、溶け落ちた核燃料の小片が剥がれており、持ち上げることが可能なことを確認しました。
しかし3号機内部での検証は一次格納容器内の極めて高い放射線量と水位によって妨げられ、1号機でのロボット調査も同じく極めて高い放射線レベルのために失敗に終わりました。
この問題とは別に日本政府と東京電力は『処理済み』とされてはいるもののトリチウムなどの放射性物質によって汚染されている放射能汚染水を約1,000基のタンクに貯蔵していますが、2年以内にそのスペースを使い果たすと予想されるため、その後どうするか対応に苦慮しています。
日本政府の委員会は汚染水の海洋放出を勧告していますが、漁業従事者を始めとする地元住民、そして近隣諸国からの反対に直面しています。
専門家は、廃炉までを30年から40年の間に完了させるという目標は楽観的すぎると語っています。
溶け落ちた核燃料をすべて取り除くことが本当に可能なのかどうか疑問を投げかけ、原子炉を封じ込め、放射能が自然に減少するまで待つチェルノブイリ方式のアプローチを提案する専門家もいます。
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『2020年にメルトダウンした核燃料の取り出し開始』という扱いをされるこの問題ですが、科学的には本格的な除去作業を行うための『予備調査に着手』と表現するべきでしょう。
なぜなら今日の工事水準において対象物の全容が不明、作業内容も方法も未定、工期も未定という段階で具体的作業に着手したとしても、それは正規の作業を「可能にするため」の予備調査でしかありません。
まさにこれ以上、日本国内の反原発感情を刺激しないための『印象操作』と言うべきでしょう。
「核燃料取り出し開始?政府や東電の言う通り、あるいは国内のマスコミが伝える通り、福島第一原発の事故収束・廃炉作業は着実に進んでるのだな。」
福島第一原発の問題を自分の問題の一つとして注視してきた人でなければ、そんな印象を抱いてしまうかもしれません。
違います、メルトダウンした核燃料の取り出しは未だ始まっていません。具体的な見通しすら立っていません。
事故収束・廃炉作業が30年から40年で終わるという予測にも、どのような具体的根拠もありません。
福島第一原発の事故は未だ終わっていないのです。
小説家柳美里氏:オリンピックが福島の再生に貢献することはない
被災した故郷に帰還を果たした被災者の生活は変わった…なお一層悪い方へと
山口真理 / AP 2020年12月23日
作品「東京上野駅」が2020年全米翻訳文学賞を受賞した日本人作家の柳美里氏が東京で行われた記者会見で、作品の中で主人公の男性が自殺する上野公園が、来年の夏のオリンピックに向け極めてきれいな外観を整えていると語りました。
しかしながら新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化し、原子力発電所事故を起こした福島の事故処理が遅れに遅れている状況の中、外観だけを整えても人々の心に希望の火を灯すことはできないだろうとも語りました。
上野公園は、福島の季節労働者である主人公のカズが人生を閉じる、柳氏の受賞作品『JR上野公園口』の主要な舞台です。
主人公の老人はかつて1964年の東京オリンピック大会の1年前、建設工事のために日本の首都に初めてやって来ました。
柳氏は12月23日の東京記者会見で、つい最近公園を訪れた際にきれいになっていたことに驚いたものの、小説を執筆する際ホームレスの人々にインタビューをした場所がほとんど消滅していたと語りました。
2014年最初に日本で出版されたこの作品は、柳氏の多くの小説の共通のテーマである帰る場所を持たない季節労働者の生活を描いています。
物語は10年以上前、公園内を不法占拠した場所に段ボール箱とブルーシートで作られた小屋を作って暮らすホームレスの人々に彼女自身が行ったインタビューに基づくものです。
柳氏はさらに、2011年3月に発生した福島第一原子力発電所のメルトダウンの1年後に開始した臨時災害放送局のパーソナリティを務めた際に話を聞いた、約600人の被災者の体験にも多くのことを触発されたと語りました。
福島第一原発の3基の原子炉のメルトダウンにより大量の放射性物質が外部に漏れ出し、周辺地区の大規模な放射能汚染が発生、汚染により人間が入れなくなった場所や汚染が懸念される場所から16万人もの人々が避難しなければならなくなりました。
日本政府は2020東京オリンピックに先駆けて復興が進んでいるという印象を広く普及させようと、こうした場所のほとんどが居住可能とされましたが、実際に戻ってきたのは高齢者がほとんどでした。
家族の多い家庭、特に小さな子供がいる家庭は、放射能汚染の懸念、従事していた仕事がなくなってしまったことに加え、地域コミュニティがほぼ壊滅してしまったため、元いた場所で生活を再開するる予定はないと語っています。
しかし柳氏がこの著作を完成させた後、福島県内の被災地に戻った人々の生活は大きく変化しました、なお一層悪い方へと…
日本国内でオリンピックに向けた準備が進む中、福島の住民の間では孤立感が深まっていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大がその状態を一層悪化させたと柳氏が語りました。
柳氏は南相馬に移住し、原発事故で避難を強いられた地元の人々が旧交を温める場をつくることができればと、ブックカフェをオープンしました。
「原発事故と新型コロナウイルスの感染拡大、その両方が今の社会のゆがみと不平等を明らかにしました。」
柳氏がこう語りました。
「多くの人々は、希望のレンズではなく絶望のレンズを通して現実を見なければならなくなりました。」
「『JR上野公園口』が描き出したストーリーが被災地の人々の心を捉えたことが、この本が広く読まれるきっかけになったのではないでしょうか。」
柳氏は福島第一原子力発電所事故の被災地の復興は十分ではなく、オリンピックのための準備が復興事業から予算も人も奪い取り、事故収束作業や復興を遅らせている原因の一つになっていると語りました。
「東京2020オリンピックの開催を決定する前に、まず先に復興の進捗状況を確認する必要がありました。」
当初2020年7月に開催が予定されていた東京2020オリンピックは、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大を受け、来年2021年の夏まで延期が決定しました。
柳氏がインタビューを行った人々の多くは、戦後の日本経済が高度成長を実現させていた間、季節労働者として東京で働いていました。
ようやく故郷に戻って穏やかな引退生活に入ろうとしたまさにその時、彼らは福島第一原発事故により住む家を失ったのです。
「男はそれが逆さまの運だと私に語りました。そしてその言葉はとげのように私の胸に刺さったのです。」
柳氏がこう語りました。
柳氏はホームレスの男性との過去の会話の中から、棘のように胸に突き刺さった別の言葉を思い出しました。
その男性は柳氏に、屋根と壁に囲まれて暮らしている人は、屋根も壁もない暮らしをしている人の気持ちを理解できないと語ったのです。
「こうした理由から私はカズという男性が外的要因によってではなく、自らの意思で死を選んだという話を書いたのです。帰る場所がある人に、彼の気持ちを伝えられるのではないかと考えたのです。」
柳氏がこう語りました。
「小説家としての私の仕事は、外側にあるカメラで彼あるいは彼女を映し出すと同時に、そり内面をも描写することです。」
日本で生まれ育った韓国人の柳氏は日本語で小説を書き、1997年の「ファミリーシネマ」で芥川賞をはじめ数々の日本の文学賞を受賞しています。
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一つの嘘をつくとその辻褄を合わせるためにいくつもの嘘を重ねることになり、やがて嘘をついた人間の崩壊へと繋がっていく。
それが世の常と言うべきですが、日本政府の官僚や電力会社の役員等がついた嘘は必ずしも彼ら自身の身の破滅にはつながりません。
彼らは虚言を弄した挙句、逃げてしまう…
それを福島第一原子力発電所事故によって私たちは目の当たりにさせらました。
そして極めて残念なことには、破滅に近い状況に追いやられたのは最も弱い人々でした。
福島第一原子力発電所の事故発生から10年経とうが20年経とうが、私たち日本人はそのことを忘れてはなりません。
でなければ、今以上に日本人の劣化が進むのではないでしょうか?
汚染水には「危険なレベルの放射性同位体」が含まれ、「人間のDNAに損傷を与える危険性がある」
『処理済み』日本政府が「トリチウムのみを含む」という誤った理解を与えるための印象操作を行っている
英国BBC 2020年10月24日
グリーンピースの報告によれば、福島第一原発が海洋放出を検討している放射能汚染水には、人間のDNAに損傷を与える危険性のある放射性物質が含まれています。
日本政府が汚染水を太平洋に放出する計画を持っているというメディアの報道を受け、環境保護活動に取り組むグリーンピースは今回のステートメントを公表しました。
関係する科学者の多くは海洋放出に伴うリスクは低いと語っていますが、環境保護に取り組む団体や個人の中にはこうした考え方に反対しています。
グリーンピースの声明に対し、日本政府はまだ沈黙を守っています。
2011年に発生した東日本大震災の巨大津波により崩壊した福島第一原発の原子炉の冷却を続けるため使用された100万トン以上の水をどう処分するかについて、日本は何年もの間議論を続けてきました。
福島第一原発内に毎日浸透してくる地下水や雨を含む放射能に汚染された液体を保管するスペースは、2022年までに限界に達します。
日本政府によれば、汚染水に含まれる各種の放射性物質のほとんどは複雑なろ過プロセスを経て除去されていますが、その中の1種類、トリチウムだけは除去することができません。
10月半ば、日本の各メディアはこの処理済みの汚染水について、日本政府が2022年から海洋放出を開始することを決定したと報じました。報道によればこの計画では、福島第一原発の敷地内でまず汚染水を希釈し、その上で数十年をかけて海洋放出が行われることになっています。
10月23日に公開した『2020 : 放出を思いとどまらせる(stemming the tide 2020): 福島第一原発の放射能汚染水危機の真実』と題された報告書の中で、グリーンピースは汚染水には「危険なレベルの炭素14(炭素の放射性同位体)」が含まれており、「人間のDNAに損傷を与える危険性がある」主張しています。
グリーンピースは放射能汚染水の『処理済み』という名称について、日本政府が「トリチウムのみを含む」という誤った理解を与えるための印象操作を行っていると非難しました。
日本政府はどのような決定もなされていないと主張していますが、関係者は10月末までに決定が発表される可能性があると考えている。
環境保護に取り組む団体や個人は長い間、福島第一原発の放射能汚染水を海に放出することに反対を表明してきました。
漁業関係者も消費者が福島周辺の魚介類や海産物の購入を拒否するようになると、放出に反対しています。
しかし科学者の中には、広大な太平洋で汚染水は短時間のうちに希釈され、その上トリチウムは人間と動物の健康に与えるリスクは低いと主張する人々もいます。
▽ 2011年に起きたこと
2011年3月11日、日本の太平洋の沖合でマグニチュード9.0の地震が発生し、高さ15メートルの津波が日本列島の北東海岸に襲いかかりました。
福島原子力発電所のメルトダウンを防止するためのバックアップ・システムは最初の地震を乗り越えましたが、津波によって深刻な被害が発生しました。
その後数日で福島第一原発の冷却システムが機能不全に陥り、何トンという単位の大量の放射性物質が漏れ出しました。
福島第一原発で発生したメルトダウンは、1986年のチェルノブイリ以降最悪の原子力発電所事故になりました。
東日本大震災では地震と津波により約18,500人が死亡または行方不明となり、引き続き発生した福島第一原発事故により16万人以上が自宅を捨てて避難しなければなりませんでした。
福島第一原発事故の影響を受けた個人や企業には、すでに数千億円の補償金が支払われています。
2020年9月、日本の高等裁判所は日本政府と福島第一原発を運営する東京電力に、さらに10億円の賠償金の支払いを命じる判決を支持しました。
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福島第一原子力発電所事故に関する印象操作
この問題については、私たちは繰り返し遭遇させられてきたのではないでしょうか?
政府や電力会社は福島第一原発事故の本質的解決よりもこの印象操作の方に力を入れてきたように感じます。
「なんとか騙しおおせた…」と考えているかもしれませんが、国民はそれほど無知ではないはず。
その結果、電力会社というものは日本のブラック企業の代表的なものの一つ、原子力行政や電力行政というものはブラック行政を代表するもの…
そんな認識が常識として広く国民の間に浸透したのではないでしょうか?