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星の金貨 東日本大震災や音楽、語学、ゴルフについて語るブログです。

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計画的避難って、いったい何なの?!

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「5月14日土曜日、ついにモーガンザ水門は開け放たれた !! 」

トランス・ミシシッピ博覧会 1898年アメリカ発行 カタログ評価が420,000円という高額評価の切手

トランス・ミシシッピ博覧会 1898年アメリカ発行 カタログ評価が420,000円という高額評価の切手

突然の話で恐縮ですが、モーガンザ水門(英語では Morganza Spillway )とはアメリカ合衆国ルイジアナ州にあるミシシッピ川の洪水調節水門の事です。ミシシッピ川は何かあるとすぐ氾濫し、流域一帯を水浸しにする「暴れ川」です。日本にも同様の「暴れ川」がありますが、ミシシッピ川は全長が6,000kmと日本にはあり得ない長さ、そして流域の広大さで私たちの想像をはるかに超えるスケールを持ち、下流は川というより非常に複雑な形の巨大湿地帯になっています。

アメリカのニュース番組はNBCもABCも5月9日の週になると、このモーガンザ水門の話題が連日トップで扱われていました。
「最悪の結果に備えて」当局は対策をとっている、と繰り返し報じていました。
というのも今年の冬、ミシシッピ川の上流にあたる一帯が例年の200%の降雪に見舞われた上、4月には大雨にたたられ、水位が1927年以来という異常なペースで上昇、このままでは下流域一帯が水没する危険が出て来たのです。

モーガンザ放水門は1927年の大洪水がきっかけで建設され、解放されたのはこれまで立った一度、1973年の4月17日だけでした。というのもこの水門を開けると、ミシシッピ川の水は少し下流にあるモーガン市一帯を水没させてしまう危険があるからなのです。ミシシッピ川の氾濫によってさらに下流のバトン・ルージュ(人口約30万)やニューオリンズ(人口約50万)を水没させないよう、放水門の水は南にある湿地帯へ流れ込むべく、ミシシッピ川の支流とその周囲約80kmをひた走ることになります。アメリカらしい豪快な解決方法ですが、水の通り道になる地域にも人々は暮らしており、彼らにとってはたまったものではありません。
NBCニュースが「タフ・チョイス」- 困難な選択、と報じるのもうなずけます。

しかし、ミシシッピ川の水位は上昇を続け、より広範なエリアの水没を防ぐため、いよいよ5月14日には水門を開けることになりました。
モーガンザ水門の南南東にあるモーガン市の郊外の『水没予定区域』の人々は家の周りに土嚢を積み、大切な家財道具は持って出て、人によっては家をまるごと『ラップして』避難していきました。
誰もが「ここまでやっておけば」と納得するまでの対策を施し、そして避難して行きました。
幸いな事に、放水後『水没予定区域』の水位は予想した程は上昇せず、多くの関係者をほっとさせているようです。

そして日本。5月15日にはついに福島県飯館村と川内村で「計画的避難」が始まりました。
20km圏外は大丈夫「のはず」、次に30km圏外は大丈夫「のはず」でした。
川内村役場は福島第一原発から約22km、飯館村役場は同じく約39km。
住民の方々はアメリカのモーガン市民同様、「ここまでやっておけば」と納得するまでの対策を施した上で、「計画的に」避難できたのでしょうか?!

はじめに「最悪の結果に備える」事を求められる。
はじめは安心させられたものの、次第にどんどん状況が悪化して、最後の最後に最悪の事態を告げられる。
あなたなら、どちらのプロセスを選択しますか?

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『つくられる?』日本のニュース

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先日、テレビでNHKのニュースを見ていて
「ははぁーん、つくってるなあ。」
と、感じる場面がありました。

霊峰富士と四季の植物

霊峰富士と四季の植物

首相が静岡県御前崎市の浜岡原発について、『当面の』停止要請を出した際の報道です。
いろいろな立場の人のインタビューが次々映し出されました。
まず東京の原発反対集会に参加した若い男性、やや興奮気味に明るく
「良かったと思います。」
次に御前崎市の市長、やや憤然とした様子で
「浜岡だけ停止せよ、というのは納得できない。浜岡原発を止めるなら、日本中の原発を止めるべきだ。」
次に静岡県の製茶業者の男性、抑えた口調でいかにも困った様子で
「計画停電は困る。摘み取ったお茶を煎る機械が動かなくなるし、お茶の葉を貯蔵する冷蔵庫の電気が来ないと、お茶の鮮度が下がってしまう。」

私は止める見通しが「まったく立たない」福島第一原発に加え、静岡県でも原発事故が起きてしまえば、もはや『日本滅亡』は必至 - 物理的な問題に加え、今度こそ国際社会での信用が地に堕ちて、世界中で[ Made in JAPAN ]を買う人がいなくなるという意味で - と思っていました。
ですから、ニュースを見ていて、静岡県の製茶業者の男性に一番違和感を覚えました。
「事故が起きてしまった福島沿岸では、収穫どころか一粒の種をまく事すら許されない。農業も、漁業も、工業も、商業も、そして普段の生活すら、以前の姿を取り戻す見通しがまったく立たないのだ。」と。

福島第一原発から遠くないところで、日々生々しい情報がもたらされる生活をしていれば、「つくられている」ニュースは直感的に分かってしまいます。。
『浜岡原発停止 → 福島第一原発の現状から言って当然首都圏は歓迎ムードです → でも地元には経済的恩恵があるのです → そして、計画停電が実施されて電力不足になれば、様々な産業に支障が出ます、一概には喜べませんよ。』
という「シナリオ」が、先にあったような気がしてなりません。
もちろんニュースがすべて意図的なものだとは思いませんが、ときにそうしたものも混在していることを、今回はっきり認識した訳です。

これは被災地に居て、福島第一原発の事故がどれほど大きく日常の暮らしを脅かすものか、毎日実際に見ているから感じる事なのかもしれません。
しかし、静岡のようにとりあえず福島第一原発の汚染の心配が無く、毎日美しい富士山の姿を、以前と変わりなく愛でる事のできる場所で暮らしていれば、案外すんなりと『ニュースのシナリオ』を受け入れてしまうかもしれない、と感じました。

だからこそ「しっかり見分ける目」を養う事を、被災地で暮らす私たちがまず、始める必要があるように思います。

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未だに真実が見えない理由は?!

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胸が悪くなる
という言葉があります。
週刊ダイヤモンド5月21日号、『原発・1基100年!原発の一生に群がる人・企業』と週刊現代5月28日号『さらば原発、これでいいのだ』を読んだ後の感想がそうでした。

1790年頃の顕微鏡 1981年西ベルリン発行

1790年頃の顕微鏡 1981年西ベルリン発行

今日は私がいろいろ言うのではなく、活字になったものをご紹介します。

~週刊ダイヤモンド5月21日号記事「原発に群がった・ヒト・企業・カネ」~

「行政は原発から溢れ出るカネを湯水のように使っている」と驚く。浜岡原発のある御前崎市に、東京から引っ越して来たある住人。

「原子力政策を批判したら村八分に遭い、東京大学では助手を17年間やっていた。講演に行けば尾行がつき、研修医と称した東京電力の社員に見張られ続けた」
安斎育郎立命館大学名誉教授(東大工学部原子力工学科一期生)。安斎氏は放射線防護学を専門とし、原子力の問題点を訴えて、市民運動に大きな影響を与えた。そんな彼に原発推進派が露骨な嫌がらせをしてきたのだ。

~週刊ダイヤモンド5月21日号記事「大量の放射線浴びながら低賃金 - 原発労働者たちの悲惨な現実」~

「何の技術もない作業員でも元請けから日当3万円ぐらいは出るので下請けが3割抜き、オレたち(指定暴力団)がさらに抜く。本人の手元に残るのは6,000円ぐらい。」
…「女は風俗、男は原発というのが昔からの常識。」

~週刊ダイヤモンド5月21日号記事「あぶりだされた原発の真実」~

原発推進派のおごりが招いた代償はすべて国民へのツケへと回りそうだ(※)。

「原子力技術の大家である、日本原子力技術協会の石川最高顧問でさえ「原子炉の内部がどのような状況かわからないのが問題だ。.......塩水を入れたため、時間をかければ腐食が進み状況は悪化する。このままでは早くても1年、下手したら5年かかるかもしれない。」と話す。

~週刊現代5月28日号記事「舛添要一 - 菅総理、決死隊は死ねという事ですか」~

いま、作業員は事前に「将来、白血病などを発症しても賠償請求しません」という旨の誓約書を書かされているそうです。
(中略)
現場を知らない「専門家」がもっともらしい作文をして、それを総理が棒読みする。収束への工程表は作ったものの、進捗状況を発表しないから、何がどうなっているのかわからない。

津波が押し寄せ、福島第一原発が最初の爆発を起こしてから、もう2ヶ月以上。
でもまだ誰も真実がわかりません。
わかっているのは、東北3県の被災地の人間もツケを払わされることになりそうだ(※)という事だけです。
今日(原稿アップの時点では昨日)ついに放射能汚染が、たとえそれが牧草であっても福島・宮城の県境を超えました。
なぜ止まらないのか、なぜ止められないのか?

いずれの週刊誌も、興味をお持ちの方はご自分でご購入ください。

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立ち上がる被災地を一覧せよ

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「あ、やられちゃってる。」
今週号の『週刊現代』を見て、ちょっと驚きました。
普段は週刊誌等はあまり買わない私ですが、

オーストリア 1974年発行

オーストリア 1974年発行

『スクープ!東電内部文書入手「福島原発は止められない」』という今週号の新聞広告を見て購入しました。
表紙をめくってまず目に飛び込んできたのが、グラビア・ページの特集でした。

昨日、テレビで石巻市の製麺会社のことが取り上げられ、震災前は石巻名物のひとつとして定着しつつあった、「黒い焼きそば」を復活させようと奮闘する経営者の姿が紹介されていました。
石巻市にあった工場は津波で建物の基礎部分以外、すべて持って行かれました。
しかもその土地は地盤沈下が激しく、目下石巻市が建築を制限しているという状況。
それでもこの経営者は事業の再開を目指し、あらゆる可能性にトライしていました。
街が再生していくためには、ビッグではなくとも魅力的な地場産品の数をできるだけ増やし、にぎやかで活気のあるイメージを創りだす事も大切です。
この経営者もそこに向けての努力を続けており、こうした努力は将来の石巻市にとっての大切な宝物だと思うのです。

東日本大震災ではかつてない規模の義援金が寄せられました。
けれども被災地で暮らす人間としては考えるのは、義援金は大変ありがたいのですが一時金である、という事実です。街を再建し、生活を立て直すためには、やはり何と言っても仕事が必要です。
仕事に就く事ができれば、安定した収入を得られ、少しずつでも生活を再建して行く事が可能です。
そして仕事を提供してくれるのは職場であり、とりわけ石巻のように多くの工場や商店が壊滅的被害を受けた地区では、再開を目指す企業を応援し、一人でも多くの人が復職できるようにしていく必要があるでしょう。
そのためにはこうした企業の商品を、『消費する』必要があります。
それも出来るだけ多く、できるだけ長く。

そういう意味で、今年のお中元は
「被災地3県にあって、事業を再開し軌道に乗せようと奮闘中の会社の特産品以外に選択肢はない。」
という事で妻と意見の一致を見ました。
問題はそうした企業・商店をどうやって探し出すかです。

そんな中の週刊現代の「再起への序章・被災地は立ち上がる」という、被災地で名産品を売るためにいち早く再起した企業を一覧できるグラビア特集だったのです。
本当なら岩手・宮城・福島3県の合同企画でいち早く立ち上げてほしかったのですが、冷静に考えればお役所の動きが週刊誌のスピードに勝るはずもありません。
それに被災3県の知事さんたちの意見も、ずいぶんと違っているようですし......
でも、結果感じた事があります。
県等の自治体より、東京の週刊誌の方が身近かもしれない、と......

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後悔のゴルフ〈4〉

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5月第2週のアメリカPGAツアーは最高額の優勝賞金が得られるザ・プレーヤーズ・チャンピオンシップ。

ザ・プレーヤーズ・チャンピオンシップ開催コース、TPCソーグラスの名物ホール、17番グリーンに上がるK.J.チョイ選手。 距離はさほどないが、グリーンの周りはすべて池。 普段なら世界のトッププロなら何でもなく打てるはずだが、プレーヤーズ・チャンピオンシップの様な大きな大会になると、一流選手が次々池に打ち込んでしまう

ザ・プレーヤーズ・チャンピオンシップ開催コース、TPCソーグラスの名物ホール、17番グリーンに上がるK.J.チョイ選手。 距離はさほどないが、グリーンの周りはすべて池。 普段なら世界のトッププロなら何でもなく打てるはずだが、プレーヤーズ・チャンピオンシップの様な大きな大会になると、一流選手が次々池に打ち込んでしまう.

マスターズの優勝賞金が144万ドルなのに対し、ザ・プレーヤーズ・チャンピオンシップは171万ドルですから、日本円で約1億3,700万円になります。アメリカPGAツアーの優勝賞金は軒並み100万ドル前後ですが、中でも、『第5のメジャー』プレーヤーズ・チャンピオンシップの賞金の高さは群を抜いており、フィールド(参加選手のレベル)の高さで有名な大会になっています。
今年2011年は5月16日(現地15日)、韓国出身のK.J.チョイ(崔 京周 - チェ・キョンジュ)選手が優勝しました。崔選手は日本のマルちゃんこと丸山茂樹選手の一歳下で、マルちゃんがアメリカPGAツアーを中心に活躍していた頃のライバル。派手ではありませんが、着実に勝利を積み重ねて、もはや世界的プレーヤーとしての地位を築き上げました。

しかし、今日のお話は崔選手の事ではありません。
予選落ちしてしまった日本の今田竜二選手の事が気がかりだ、というお話です。
今田選手はタイガーウッズと同年齢の今年36歳、14歳で親の反対を押し切って渡米、その後めきめき頭角を現し、アマチュア時代にはタイガーに次いで全米第2位になるなど、将来を期待され1999年にプロに転向しました。
しかしその後、自身「なんでこの俺が...」と思う程の低迷時期が来ます。
そしてそれを何とか乗り越え2005年にアメリカPGAツアーのシード権を獲得。
その後じわじわとランクを上げ、遂に2008年プレーオフの末、2007年に2位に甘んじたAT&Tクラシックで初優勝しました。
この年は2位も2回あり、全体順位は125人のシード選手中9位とトップテン・プレーヤーに入りました。賞金総額も300万ドルを超え、世界的プレーヤーへの仲間入りか?!と期待させました。
ところが翌2009年は90位、2010年107位とじりじり順位を下げています。
今年はすでに13大会開催されましたが、予選通過が6回で順位が128位とちょっと低迷しています。

アメリカPGAツアーではシード選手であるか、そうでないかでは天と地程の違いがあると言われています。
毎年全体順位125位というのは年間賞金総額がたいたい80万ドル前後となり、その金額の収入が確保される、ということになります。
今田選手の場合は2007年から2010年の4年連続シード選手でしたが、この間の賞金総額が600万ドルを超えています。日本にいてはとても稼げる金額ではありません。

ところが、今年の低迷。私はプロの解説者ではありませんが、アメリカPGAツアーをあきらめた丸山茂樹選手の場合がそうでしたが、技術・体力といった問題よりも、精神的課題にぶつかっていると思われます。
アメリカのアメリカPGAツアー選手ともなれば、ドライバーの飛距離は恐ろしい程になります。
丸山茂樹選手はこれに対抗しようとして筋力作りに取り組みましたが、失敗、撤退を余儀なくされました。
同時期にPGAツアーに参加した田中秀道選手は体まで壊してしまい、撤退の上、数年間は日本でも満足なプレーができなくなりました。
かつて全英オープンに参加した際、ある日本の選手は
「こちらが6番アイアンで打つ距離を、彼らは9番で楽々打ってくる。この違いは大きすぎる。」
と嘆いていました。

今田選手はもともと飛距離を追い求めるのではなく、アプローチやパッティングのうまさがPGAツアーでも光る選手でした。
この技術があったればこそ、ドライバー平均飛距離(平均280ヤード)+フェアウェーキープ率(59%)のトータル・ドライビング順位が161位という順位でも、シード選手としてやってこれました。
問題はそのアドバンテージをしっかり胸に刻んで、その足場を変えずに闘い続ける事ができるかどうかだと思います。
何故ならアメリカをはじめとする欧米の若い飛ばし屋たちが、ここ1、2年で400ヤードを超えるティーショットを記録するようになっているからです。
この部分で彼らと対等に闘うには、もう体を取り替えるしかありません。

私たちアマチュアは「飛ばし屋」と一緒にラウンドすると、ティーショットでは知らず知らずリキむ。
二打目は飛ばし屋同様パーオン狙って、大きく曲げて大トラブル。
二打目を自分が最も得意とする距離にレイアップしたときより大幅にスコアが悪くなって、それこそ『後悔のゴルフ』に。

プロ選手にもこんな事はあるのでしょうか。
今田選手にはこれから、自分の長所に力点を置いた闘い方に徹して、アメリカPGAツアーのシード権を確保して欲しいものです。
そしてできれば2勝目も!
がんばってください!

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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