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星の金貨 東日本大震災や音楽、語学、ゴルフについて語るブログです。

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[ お尻に火がついたスポンジボブ〈後編〉]

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所要時間 約 5分

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さて昨日に引き続き、スポンジボブのお話ですが、お読みいただいたようにこれは幼児教育、いや子ども達の教育の問題です。
「もっと詳細に子ども達の行動を観察しましょう」
つまるところ、子どもにもっと目をかけ、手をかけましょう、という事なのですね。

私も息子が中学一年生の時に
「ちょっと学校の英語の先生と授業が苦手......」
という本人の話を聞いて、自分で教える事にしました。
以来6年間、息子の英語の家庭教師をほぼ毎日やりました、ただしできるだけ短時間。
そして6年目の最後の大学入試センター試験、息子は英語は200点満点の試験で200点を取ることができました。
順位は受験者50万人中、当然ながら1番。
もちろん1番のお子さんは何人もいらっしゃったでしょうし、本人の努力がいちばんだったでしょうが、手をかけた分、報われた、という私自身の満足感もありました。

ちょっと自慢に聞こえてしまったもしれませんね、すみません。
でも、子どもには自分が教えられる事は、何でも自分が教えてあげる、大切だなと思いました。

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【 スポンジボブは、未就学児童の思考速度を遅くする事が、研究で明らかに〈後編〉 】

アメリカABCニュー ス
コートニー・ハチソンとABCニュー ス医療担当ユニット
2011年9月12日

▽ マルチメディアと子供たち

平均的な環境にいる子供が触れることができるメディアは、インターネット、スマートフォン、ビデオゲームやテ レビであり、接触時間は最大8時間になります。これらのメディアがまだ幼い脳に与え続ける好ましくない刺激については、熱心な議論の対象となってきました。
多くの小児科医と心理学者は、年端も行かない五歳のころから音楽を聴きながらビデオゲームをプレイし、合間合 間に携帯電話でメールのやりしりをするなど、短時間のうちにめまぐるしくマルチメディア機器を操作する『ジャグリング』をすることで、子 供たちから集中力を失われてしまうことを恐れています。
「こどもたちの神経形成には、特に初めの数年間が大きく影響します。テレビの不自然さの中で特に懸念されるの は、現実世界では決してし遂げられないことが次々起きることなのです。」
「私たちの脳は、これほどのスピードで非現実的な出来事が展開されることを、処理しきる程進化はしていませ ん。この速度のために、子供たちの脳を疲れきることになります。」
シアトル小児病院の小児保健、行動と開発のセンター責任者のドミトリー・クリスタキス博士は語ります。同博士は月曜日にこの研究に関する解説を発行しました。

こうした議論の反対側では、これらすべてのマルチタスクは、子供たちが将来継承することになるインターネットが支配する社会に対し、世界中で動き続けるこれらのメディアを手際よくさばやり方を訓練することになる、と反論します。

▽ のめりこみすぎ?

たとえマルチタスクそのものに利点はあるにしても、この調査結果は落ち着かない行動が、子供たちの自主性を妨害していることだけは証明しています。
「『実行機能』が劣るということは、これら誰もが持つべきスキルについて疑いなく欠点を持っている、ということなのです。」クリスタキス博士は話します。
「興味深いのは、こうした欠点はある一種類の番組について見られ、他のタイプの番組では見られない、ということです。ということはつまり、すべてのテレビ番組が人間の脳や子供たちをダメにするわけではない、ということになります。」
ある意味、子供たちに一定の視聴制限をすることは、日常的な取り組みです。
「救われるのは、ある種の番組だけが有害であることでしょう。テレビを見ている時間だけを問題にしている親は、テレビを消すことではなく、チャンネルを変えることを学ぶべきです。」

「テレビを見て過ごす時間に、合理的な制限を設けることはもちろん重要です。」
ローゼンバーグ教授は指摘します。
「親は子供たちがテレビを見る習慣について詳細に観察し、子供たちの神経伝達組織を健全に成長させるための別の- 読書をしたり、外で遊んだり、友達と一緒に時間を過ごすなどの - 機会や方法を見つけだす必要があります。

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【 お尻に火がついたスポンジボブ〈前編〉】

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所要時間 約 6分

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このスポンジボブの原稿を訳していて思い出したのは、子供のころわくわくしながら見たテレビ番組のDVDボックスを、大人になってから買ったところ、なんだかおもしろくないなぁ、という体験でした。
私が小学校高学年、つまりは昭和40年代初頭、ということになるのですが、アメリカの戦争もので『ラット・パトロール』という30分番組がありました。
「かっこいい」テーマ音楽の開始とともに、2台のジープが砂漠を疾走し、ドイツ軍と丁々発止の戦いを展開する。
50代になるかならないかの頃、そのDVDボックスを発見、購入したところ、つまらないわけではないのですが、面白いわけでもない。

これを最近作られた同じ第二次世界大戦ものの『バンド・オブ・ブラザーズ(兄弟の絆)』と比較し、なぜ面白くないのかわかりました。
場面展開がゆっくりに過ぎるのです。
『バンド・オブ・ブラザーズ』では緊迫した画面転換が繰り返され、見てる方も緊張してしまいます。
しかし昭和40年代前半の作品の方は、見てる方が間が持たなくなってしまうのでした。
結局ボックスもののこのセット、ディスク・ユニオンさんに買い取っていただきました。
しかし、改めて思ったのは、『ラット・パトロール』が面白い、と思える人間と、『バンド・オブ・ブラザーズ』じゃなければ面白くない、という人間、
とっちなのかなあ、ということです。
具体的に何がどう、ではないのですが、
「どっちなのかなぁ?!」、なのです。

このスポンジボブの原稿、少し長いので、また2日間に分けて、掲載させていただきます。

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【 スポンジボブは、未就学児童の思考速度を遅くする事が、研究で明らかに〈前編〉 】

アメリカABCニュー ス
コートニー・ハチソンとABCニュー ス医療担当ユニット
2011年9月12日

スポンジボブ(正式名称 : スポンジボブ・スクエアパンツ)は、ニコロデオン(アメリカのケーブルテレビ・チャンネル)の歴史上、最も長く放映され、愛されている漫画の一つかもしれませんが、児童心理学者からは嫌われているようです。
9月12日小児科ジャーナルに掲載された研究によると、未就学児がほんの数分間であっても、スポンジボブのような場面転換の早いアニメを見ていると、抽象的思考、短期記憶と衝動の制御の発達が遅れることになる、と発表されました。

バージニア大学の心理学者アンジェリーヌ・リラードの指導のもと、研究者は無作為に選ばれた60人の4歳児を3つのグループに分けました。
物語の展開がゆっくりしたPBS(ア メリカの非営利テレビ局。アニメ作品も多い - NHK教育テレビに似ている部分も)のアニメーションを見るグループ、スポンジボブを見るグループ、9分間マーカーで自由に絵を描かせられるグループです。


PBSのアニメ・キャラクター

研究者は、めまぐるしくシーンが切り替わるところからスポンジボブを選びました - PBSのアニメが一分間に2回だけ場面が切り替わったのに対し、スポンジボブは11秒ごとに場面が変わりました。
その後、未就学児童は数字を逆に数えたり、パズルを解いたり、許可されるまでおやつを食べるのを我慢することで喜びを先に延ばすなどの、『認知能力』『衝動のコントロール』についてテストする、4つの異なる『実行機能』の課題を実行するように求められました。
絵を描いていた子供達、PBSの アニメーションを見ていたグループと比べ、スポンジボブを見ていた子供達の成績が著しく悪かったのです。

調査を行った研究者達は、この親しみやすい台所のスポンジが繰り広げる冒険物語が、なぜ子供たちにこうもすぐに悪い影響を与えるのか、判断するのは難しいと言います。彼らはそれが現実には起こりえない出来事や、非常に早い場面転換のせいではないかと語っています。
これとは対照的に、PBSのアニメ番組はゆっくり進行し、就学前の子供の現実世界の出来事を表現していました。
こどもたちの親や小児科医はしばしば、めまぐるしく進行する近頃のアニメ番組は、子ども達を注意散漫にし、注意力を失わせる、と指摘しています。

「これは実にしばしば指摘されてきた類のことですが、自分たちの考えを科学に優先させるちょっと時代遅れな調査だと思います。」とデビッド・ローゼンバーグ、ウェイン州立大学児童精神医学・心理学主任教授は語ります。
海の中で暮らす四角いスポンジのキャラクターが、だめだというわけではありません。
すべてが速いペースで展開する、荒唐無稽なストーリーに疑問が突きつけられたのです。

スポンジボブの制作者であるニクロデオンは、今回の調査が白人の裕福な家庭の子供たちをのみ対象としている点を指摘、スポンジボブを援護します。
さらには被験者はスポンジボブの漫画が対象としている年齢よりも、2歳低い年齢の4歳の子供たちである、としています。
「本来番組がターゲットとしていない年齢層の、質的に似通っている60人の子供たちに対する9分間だけの調査は、方法論として疑わしいと言わざるを得ません。これでは、親たちが信頼できる基本的知見を提供出来ないのではないでしょうか?」
ニクロデオン代表のデビッド・ビトラーはABCニュースに語りました。
(続く)

【福島第一原子力発電所から16キロ、ろうそくの灯りの下で、缶詰を主食にし、故郷が命を取り戻すことを願い続けているのです。】

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所要時間 約 9分

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私がこの記事を読んで感じたのは、記者の強烈な正義感でした。
BBCのビデオを見ると、このシャックマン記者、見た目がちょっとひょうきんで、頼りない感じもしますが、なかなかどうして、日本の大新聞社の記者など足元に及ばぬ、まったくもってヒューマンな仕事を成し遂げたのだと思います。
その理由は
1. 現地「立ち入り禁止区域内」に自分で行って取材したこと
2. 松村さんという一人の人間の信頼を得て、彼の内面までもきちんと読者に伝えていること
3. 『危機』を等身大に伝えていること
淡々と事実が伝えられていく中で、私は松村さんの中にある、胸が張り裂けそうな悲しみを感じました。

私は一度、ごく短い時間でしたが、記憶をなくした事があり、人生 - 人の生というものが記憶の集積である事を痛感した事があります。
ここに登場する松村さんもきっと、富岡町のひとつひとつの場所に消しがたい記憶があり、その集積がこの方の人生なのだと思います。
それがある日、住んでいた町を追い立てられ、もう戻るな、と言われる。
そして見知らぬ街の体育館かどこかに連れて行かれ、その一区画を与えられ、死にたくなければ今日からはここで暮らせ、と言われる。
これを理不尽と思わない人間がいるでしょうか?!

前編の記事にある通り、松村さんは避難所を逃げ出しました。
そして立ち入り禁止区域内の故郷で、誰の『庇護』も受けず、たった独りで暮らしています。
BBCの記者はその胸に秘められた思いを、何とか世界に伝えようとして、この記事を書き上げたのでしょう。
訳し終えて『良心の報道』、そんなものに触れることができたような思いがしています。

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【 日本の原子力ゴースト・ゾーンの中で〈後編〉 】

英国BBCニュース 2011年9月13日
環境・科学担当特派員デビッド・シャクマン

▽ 過ちの町

大地震により破壊された上、蜘蛛の巣だらけになった家畜小屋の様子はおぞましいばかりです。
区画された家畜小屋の片隅に、私は腐敗した牝牛と小牛の死体を見つけました。
この家畜小屋では60頭の牛が全滅しました。

松村さんは結局、行政はこの町の人々を救うことができなかった、と信じています。
それが危険を冒してでも、私たちをこの場所に導きいれた理由なのです。

ガイガーカウンターを見つめていると、放射能レベルが予測していた通り、地面近くでは概ね高くなっていることがわかりました。
場所によっては30マイクロシーベルト前後を計測しました。
たまたまこの場所を訪れた私たちにとっては、こうした値は脅威でも何でもありません。
しかし私は松村さんに、こうした環境の中で暮らし続けることに不安はないのか、尋ねずにはいられませんでした。

「もう考えないことにしているんです。チェーンスモーキングの方がもっと健康には悪いですから。」と松村さんは冗談交じりに答えました。
立ち入り禁止区域内では、塵が放射能汚染の主な原因であると考えられています。
松村さんと行動を共にしたいという人がほかにもいるかもしれませんが、この地区への立ち入り禁止の命令はまだしばらくの間、解除されることは無いでしょう。

日本で広く懸念されているのは、立ち入り禁止区域外への汚染の拡大です。

放射能は農業や人間の健康に脅威を及ぼしつつ、20キロ圏をはるかに超えて到達します。そして科学者は、行政などの放射能汚染対策の整備のため、信頼できるデータの収集を急いでいます。
日本の畜産科学研究所は、英国の専門家でランカスターの生態・水系科学センターから、ブレンダ・ハワード博士を招待し、彼女が長年手がけたチェルノブイリの調査結果を踏まえたアドバイスを求めました。
彼女の最初の評価は、日本ではほとんどの牛が屋内で飼育されているため、放射性降下物の被ばくを回避しており、汚染はチェルノブイリ事故ほど深刻なものではないというものでした。

▽ チェルノブイリとは違う

「この場所の家畜の飼育方法は、チェルノブイリとは異なっています。」
「牛は餌をとる場所とは別の場所で放牧されています。乳牛及び肉用牛は家畜舎内に収容されていたため、放射能に汚染されている可能性は少ないと思われます。」とハワード博士は語りました。

しかし土壌の放射能測定値は、概ね高濃度で、土壌の汚染が確認されています。- このことはどれほどの放射能が土壌を通じて、その場所の植物に取り込まれているか、という問題を提起します。

農業・生命科学が専門の東京大学大学院・中西友子教授は、汚染はほとんどが表面的であると考えています。
彼女の最近の研究結果では、放射能の大部分が土壌の表面に近い部分5cm以内にとどまっていることが証明されました。

「結果として、それほど多くはない量の放射性セシウム134及び137が、稲の茎に吸収され、米粒内に吸収された量はさらに少ないものと確信しています。」
「表面だけが汚染されているのです。表土からほぼ5cmの土壌の汚染が高濃度なのです。」
しかし中西教授は一般の人々はこうした調査結果を、素直に受け入れることができないだろうことも認めています。
「今年度産のコメは食べたくない、というのであればそれも仕方がないでしょう。しかし、来年収隠される米については、私は本当に楽観しています。来年のコメは食用として安全です。」
しかし、その結論が正しいと証明された場合でも、まだ広大な面積の汚染された土壌を除染しなければならないという課題が残っています。
表土の除去は、1つの方法ですが、汚染された土の処分問題と作業の費用が高額に上るという問題があります。
地中深く汚染された土を埋めてしまえば放射能濃度は下がりますが、コストがかかりすぎる欠点があります。

6か月が過ぎましたが、確信をもってこの場所はもう安全である、と宣言できるようになるまでいったい何年かかるのか、多くの分野の科学は答えを出せずにいます。

もうしばらく、松村さんもこの福島の影の中で、不自由な暮らしを続けなければならないでしょう。
制御不能に陥っている福島第一原子力発電所から10マイル(約16km)、松村さんはろうそくの灯りの下で、缶詰を主食にしながら暮らしています。
そんな生活を続けながらも、彼は自分が育ったこの町が命を取り戻すことを願い続けているのです。

しかし、それが実現するまでには長く待たなければならないでしょう。

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[動画]次世代のアメリカ宇宙ロケット
アメリカNBCニュース 9月14日

米航空宇宙局(NASA)は、次世代ロケットのCGを発表しました。
それはかつて建造された中でも最も強力なドレッド・ノート型(巨大な)ロケットです。
完成の暁には、火星まで到達できるほどの強力な推進力を持つこのロケットは、議会での予算獲得も容易なものとなるでしょう。
アメリカには現在新しい宇宙開発計画がないため、米国宇宙飛行士は宇宙ステーションとの行き来はロシアに依存しています。

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【 帰れない町 – 故郷は『原子力ゴースト・ゾーン』 】

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所要時間 約 7分

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今や世界最低のドラマは日本の国会で演じられている、というのが正直な感想です。
新しい総理大臣が被災地の復興に尽力したい、と所信表明演説をしても、大事故を起こした原子力発電所建設事業を推進してきた自民党が難癖をつけ、すかさず邪魔をする。
「とにかく権力をこっちによこせ。」と言っているとしか感じませんが、どんなものでしょう?
そしてその様子をさも私たちの国、今の日本で最も重要な人間達の『政治』として、大々的に放送する大マスコミ。

塩野七生さんの「ローマ人の物語」を読むと、繁栄していた頃のローマでは、為政者達は国難が生じると直ちに小異を捨てて団結し、国の総力を挙げて問題を解決する様子が描かれています。
今の日本が2千年前の国に及ばない、というのは何とも情けない話ではあります。

当然ながら、苦しむのは国民、その様子が今日の英国BBC放送のこの記事に綴られています。
この記事も長いので、今日と明日、二回に分けてご紹介します。
特に「年老いた人たちはここに戻りたいのです。戻ってこの町で死にたいのです。」という部分には胸をつかれます。
そして「ゴースト・ゾーン(Japan's nuclear ghost zone)」の表現。
「死の町」と表現する人間より、「死の町」をつくり出した人間達の方を責めるべきだと思うのですが。

尚、この原稿の動画がありますが、埋め込みコードが提供されていませんので、残念ながらこのページ内ではご覧いただけません。
英国BBC放送のホームページに直接アクセス[ http://www.bbc.co.uk/news/science-environment-14881476 ]し、ご覧くださるよう、お願いいたします。

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【 日本の原子力ゴースト・ゾーンの中で〈前編〉 】

BBCニュー ス 2011年9月13日
環境・科学担当特派員デビッド・シャクマン

空っぽの富岡町の中心部で動いているものは何もありません。
福島第一原子力発電所の大事故の後、人口16,000人の町は不気味なゴーストタウンと化してしまっています。
メインストリートの商店に人影はなく、バイクと車が打ち捨てられ、雑草がコンクリートの割れ目から伸びています。
日本ではどこにでもある飲み物とスナックの自動販売機に電源ははいっておらず、静かに立っています。

富岡町はこの3月、爆発した原子力発電所から放射能が漏出した際、直ちに設定された20キロ の立ち入り禁止区域内にあります。

逃げるために急いでいたのか、家々のドアが大きく開かれたままになっていました。
地震と津波によってめちゃめちゃになった窓や屋根は、まだ修復されていません。
自転車が一台、街灯に立てかけてありました。

我々はこの地区に降り注いだ放射線の量について、科学者や他のジャーナリストから十分な情報を得た上で、この地区への訪問を行っています。
富岡町が南に位置するのに対し、最悪の汚染は福島県の北西方向に向かいました。
それでも我々は、放射能の主な発生源である可能性が高い粉塵との接触を最小限にするため、専用に作られたオーバーオール、ブーツ、手袋、フェイスマスクで身を固めて行きました。

一般市民とメディアは、このゾーンに入ることを禁止されていますが、警察の検問所に近づいていきましたが、制止は受けませんでした。

▽ 放射線濃度

私たちは滞在中ずっとガイガーカウンターの電源を入れていました。避難エリアに入った途端数値が上昇しましたが、予測していたほどの数値ではありませんでした。

撮影のための3時間の訪問の間、放射線被ばくの量を最小に抑えるため手際よく作業を行いましたが、被ばく量は平均すると一時間当たり3マイクロシーベルトでした。
私たちの被ばく量は、胸部レントゲンの際に受ける半分の放射線量ということになるでしょう。

私たちのガイド、富岡町の農家を経 営する松村直人さんは、彼の故郷がどれほど苦しんでいるかを、世界中がその目で見てくれるよう熱望しています。
松村さんは事故直後にこの街を脱出した一人でしたが、避難所暮らしに耐えかね、退避命令に従うことなくこの町に戻りました。

今や松村さんはたった一人この町に残る『最後の富岡町民』ですが、この富岡町を再び人の住める場所に戻すことが、自らの責務だと考えています。
豚やそ 他わずかな動物だけが、その生存を確認されています。

「この町が再び、安全で平和な場所に戻ってほしいのです。」
静まりかえった町や草がぼうぼうのままの水田のわきを通りすぎながら、松村さんが私に語りかけ ました。
「ここには今や、ガスも水道も電気もありません。でも私の父や母を含め、年老いた人たちはここに戻りたいのです。戻ってこの町で死にたいのです。」
「この町で動物たちの世話をしているのは、もはや私一人だけです。」
家畜たちの運命はたった一度の出来事で大きく変わりました。
何十頭もの牛が人々の避難の後解き放たれ、あてどもなくさまよっています。

豚や養殖イノシシも逃げ出し、今では野生化してしまっています。
放射能汚染地区で私が見たたった唯一の生き物は、数匹の赤ん坊のイノシシたちでした。

しかし多くの家畜を悲劇が襲いました。飼い主の人々の避難はあまりに唐突で、家畜を開放する暇すらなく、その結果餓死を待つ他ありませんでした。
松村さんは私をある大きな農場に導きました。この町の牛は味と品質の高さで高い値段で取引されていたのです。

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南カリフォルニアからシロナガスクジラがえさを探して、何頭か集まっている様子をご覧ください。
シロナガスクジラは大きいものは85フィート(約25メートル)80トン程にもなる、地球最大の生物です。捕獲によって数が減少し、絶滅危惧種に指定されているため、今やどこの海に現れても大歓迎されます。

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[ 福島第一原子力発電所で事故を起こした原子炉の冷却ポンプ、ディーゼル発電機、温度制御弁は11年以上も適切な点検が行われていませんでした ]

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所要時間 約 9分

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昨日アップした原稿をツイッターでご案内したところ、たくさんの方にリツィートしていただきました。
それ程にこのドイチェ・ベレ(ドイツ国際放送)の記事は、これまでみなさんの胸につかえていたものを、下ろしてくれたのだと思います。
でももちろん、喜んではいられません。
それだけ私たち日本の国民は偽られ、だまされてきたわけですから。
そしてこの記事の最後にあるように、事故処理費用の大部分は私たちが『税金』という形で『徴収』される事になります。

いったい、この国はどうなっているのでしょうか?!
テレビなどで日本の国会の様子を見ていると、ともすれば「くだらなくて見てられない。」と思ってしまいます。
でもくだらないのは『政治』ではなく、『今の日本の政治家』のはず。
足の引っ張り合いではなく、いちばんいい答えを見つけるためにきちんと議論ができる人。
強い者の方ではなく、きちんと国民の方を見ている人。
そういう人々を、私たちが『日本の政治家』として選ばない限り、この国の『失敗も隠ぺいも終わらない』のではないでしょうか?

尚、解りやすいよう〈 ▽ スキャンダル、失望、そして失敗 〉の項は、昨日とだぶらせて掲載させていただきました。

また動画には春にCNNの番組に出演し、「日本の人々は3基の原子炉がメルトダウンしている、というこのきわめて異常で、危険な状況に、あまりに無感覚すぎます」と発言された、アメリカの物理学者カク・ミチオ博士が、フランスの核廃棄物処理施設の爆発事故のニュースを伝えるABCの番組に出演しています。

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【 東京電力のサクセス・ストーリーの、暗い側面を明らかにした福島の原子力発電所事故〈後編〉】

ドイチェ・ベレ(ドイツ国際放送)2011年9月5日

▽ スキャンダル、失望、そして失敗

日本の大衆は2002年8月、東京電力の成功の物語の闇の部分に遭遇しました。
20年以上にわたり、すべての事件、事故、そして設備の故障を隠していました。
そ して疑われそうなことはすべてカモフラージュしていたのです。
安全性報告書は改ざんされ、長期間懸案となっていたメンテナンスや修理作業は延期されたままでした。
スキャンダルが明らかとなった時、国民はショックを受け、東京電力の役員数名が辞任を余儀なくされました。
政府は17基の原子すべての停止を命じました。
しかし、1年後、国民の抗議の声が大きいにもかかわらず、原子炉は再稼働されました。
政府は新しい経営陣を信頼しましたが、実際には失敗も隠ぺいも続けられたのです。

津波が襲ったちょうど10日前、日本の原子力保安院は東京電力の点検とメンテナンス作業に相当な手抜きがあることを発見しました。
地 震と津波の後、福島第一原子力発電所で事故を起こした原子炉の冷却ポンプ、ディーゼル発電機、温度制御弁は11年以上も適切な点検が行われていませんでした。

福島の大事故の後、事故が終息するよう適切な制御を行い、事故を懸念する日本国民に正しい情報を伝えることが、東京電力にとってはどれほど難しいことであるか、世界中の知るところとなりました。
数日の間、なお悪いことには、青い色の作業服を着た東京電力の担当者は、公衆の面前に立ち、事故後適切な対応をとれたのかどうかさえ、説明することができなかったのです。

ウソ、隠蔽、謝罪

▽ 金融災害

災害は金融面での大きな被害を及ぼしました。東京電力は今年度75億ユーロ(7,900億円)の損失を計上しました。そして修理に必要な金額は12億ユーロ(1,260億円)に膨らみました。さらには福島第一原発から30キロ圏内に住み、一時的あるいは永久に、住んでいた場所を離れなければならなかった16万人の人々に賠償金を支払わなければなりません。
東京電力はその金額について、400億ユーロ(4兆4,000億円)に達するであろうと積算しています。
しかしながら政府は東京電力を倒産させるわけにはいかず、菅首相は一時同社の国有化さえ考えました。
国はすでに膨大な額に上る費用の大部分を支払っています。
巨額の損失を日本の納税者が負担させられているにもかかわらず、これまでの利益は東京電力の財源に繰り入れられました。

▽ 再び影響力を行使する原子力ロビー

悲惨な事故であっても日本の原子力ロビーが、謙虚な態度をとる事は一切ありませんでした。
今では知られていることですが、東京電力が安全記録を改ざんしたり、担当者がさらに厳しい安全基準の制定に抵抗した際、日本の原子力発電所の監視責任を持つ2つの国の機関がこれに加担、あるいは少なくとも黙認していました。
原子力安全保安院はさらに一般市民の世論を原発支持に振り向けるため、啓発イベントの際に原子力発電所の従業員を、市民の中に紛れ込ませることすらやっていたのです。
その結果、菅政権は経済産業省のエネルギー機関、原子力安全保安院の3人の高官を更迭し、独立した原子力監視機関の設立を呼びかけました。
菅首相はまた、更なる日本国内の再生可能エネルギーの活用を呼びかけ、原子力ロビーに宣戦布告しました。
しかし、日ならずして辞任に追い込まれたのです。
彼の後継者である野田首相は原子力勢力に対し、より攻撃的ではないスタンスをとっています。

http://www.dw.de/dw/article/0,,6611373,00.html
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動画【フランス原子力発電所事故で1人が死亡】

アメリカABCニュース 9月12日(日本時間13日)

「フランスで起きた核施設で起きたミステリアスで憂慮すべき爆発事件について、福島の『今』とあわせてお伝えします。

フランスの原子力施設での爆発は、一人を死亡させ、少なくとも4人を負傷させましたが、負傷者のうち1名は深刻な火傷を負い、近くの病院に収容さ れました。放射能漏れは起きてはいないようだ、とフランス当局は本日発表しました。
爆発は、南フランスでマルクール原子力施設における核廃棄物処理センターで発生しました。
フランスの原子力委員会の職員がABCニュースに語ったところによれば、爆発は低レベル放射性廃棄物を溶融するために使用される炉内で発生しまし た。爆発は完全に炉内でとどまっています。
フランス政府の原子力安全の中心分門、ASNは爆発事故の一時間後、いかなる放射能漏れも発生は確認されていない、と発表しました。
「これは、産業事故であり、原子力事故ではありません。」原子力施設を運営するエネルギー会社EDFのスポークスマンは語りました。
マルクール原子力施設では、稼働中の原子炉は所有していません。
事故の原因は人為的なものだと考えられています。
米国物理学者カク・ミチオ博士
「どうして、こうした施設のオペレーターが操作ミスを犯さない、なんてことが言えるでしょうか?! そして、あの施設にはきわめて膨大な量の核廃棄物が貯蔵されているのです。」
日本に目を転じてみましょう。
福島第一原子力発電所事故の危険性は、いまだ高い状態のままです。そして12マイル圏内に放射線を放出し続けています(ナレーションはspewで すから、『ぶちまける、吐き出す』というニュアンスなのですが、『煽ってる』なんて言われると業腹なので放出にしておきます)。

フランスでは全発電量の75%を原子力で発電しています。日本では福島第一原子力発電所の事故の後、多くの原子力発電所が停止中です。

しかし今、アメリカと日本では、原子力発電所の再稼働を求める声が上がっています。

このサイトについて
ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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