星の金貨 new

星の金貨 東日本大震災や音楽、語学、ゴルフについて語るブログです。

ホーム

【 原子炉の地震リスクは、当初考えられていたよりも深刻である 】〈第3回〉

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

所要時間 約 9分

広告
広告

『どれだけの対応をとれば安全が証明できるのか、それだけはわかない』

3.11の大地震と巨大津波、9月に襲った台風は、この日本という国のある側面を明らかにした、と思っています。

それは効率や利便性という点では優れているが、基本的生存、という部分ではきわめて脆いのではないか?ということです。

福島第一原子力発電所の事故は、国民の意見を二分しました。
脱原発を訴える人々の基本にあるのは「基本的生存権」。

そして推進派の人々が、何かというと持ち出すのが「経済効率」です。
原子力発電は石油のような化石エネルギーを輸入する必要がないため、日本のような資源の無い国にとって「効率的」エネルギー源である、というのが その主張です。

でもそれだけです。

福島第一原子力発電所の事故は、それこそ日本が長い時間をかけて世界の市場の中で育ててきた、主に口に入る日本製品に対する「品質」と「安全性」の高さを一朝にして失わせました。
こうした価値は抽象的概念ではなく、会計学上「かんばん」として、金銭的価値が認められ、具体的金額も積算可能です。
今回、福島第一原子力発電所の事故で失った『日本品質』の金銭的価値は、膨大な金額に昇るはずです。

農業生産物、漁業資源などに対する汚染が広がったことも、観光地に海外からの観光客が来なくなったことも、すべて経済的損失を生じているはずであり、その金額もまた膨大な額に上るはずです。

そして、日本各地にたまり始めた『放射能汚染焼却灰』と福島第一原発にたまり続ける大量の汚染水。
どこにも持って行きようがなく、海外の専門業者に処分を依頼すれば、これもまた莫大な費用を必要とします。
しかも、その場所にある、というだけで近隣の人々の健康に脅威を与え続けます。

経済の根本主体である人間の生命・生存を脅かしても、経済効率を優先させるべき。
ただし、いったん事故が起きれば効率どころか莫大な損失を出し、子ども達の将来も台無しにする可能性があるが、それは考慮しない。

経済学史上最大の愚論のひとつだと思うのですが、いかがでしょうか?

+ – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +

【 原子炉の地震リスクは、当初考えられていたよりも深刻である 】〈第3回〉

ワシントンAP通信社 / アメリカCBSニュース
2011年9月2日

別の問題が先月報告されました。
GE日立ニュークリアエナジーは、原子炉が低速運転で動作中に地震が襲った場合、古い制御棒が原子炉を突き当たる可能性があることを認めたのです。
制御棒は、核反応を停止する際必要となります。
メーカーはアメリカ国内の24の原子力発電所の35の原子炉について、この問題に起因する交換が必要かどうかを検討するよう、警告しています。
AP通信社が行ったこれらの原子炉及び関連設備の保全状況に対するチェックの結果、6月に行われた一連の調査では年数が経過した原子炉を安全基準内であるとするため、安全基準そのものが緩められたことが証明されました。

NRCは昨年地震リスクの予備的な計算を行いましたが、ほとんどの原子力発電所の建設以来、政府機関が脅威の再評価を行ったのは初めてのことでした。
「原子力発電所は当初認識されていたよりも、脆弱であることが明らかになりました。ただ、地震そのものはごくまれにしか襲ってこないのです。」
NRCの地震学者カマーラーはこう指摘しました。
一世代前に建てられた原子力発電所は、これまでその地域で発生したことがあるすべての地震よりも大きな揺れにも耐えるように設計されました。
科学者は起こりうる地震について、より正確な推定をすることが可能になって います。
しかしいくつかのケースでは、起こりうる地震は、原子炉が設計上耐えられる ものより大きく、より頻繁な可能性があります。

「彼らはいったん一定の水準を満たしているとわかれば、それ以上の調査はしません。」カリフォルニア州ニューポートビーチのシンプソン・ガンパーツ& ヘッガー社の産業コンサルタント・グレゴリー・ハーディは業界が以前に行った評価のいくつかの方法について語りました。
「40年前、これらの原子力発電所が稼働したとき、地震リスクなど考えもしませんでした。誰も、何も。」
事業者が2003年に米国内中央部と東部で、すでに稼働している原子力発電所で新しい原子炉を建設するための申請をするまで、NRCの地震学者に地震リスクの増大が問題であるとの認識はありませんでした。
すべての新規の原子力発電所に必 要な現在の申請事項には、地震によってもたらされるリスクの徹底的な分析が求められています。
いくつかのケースにおいて、1990年代初めに業界によって最悪の場合の災害について幅広く検討され、計算された予測よりもリスクは遥かに高いものになったのです。
「1990年代後半から新規の原子炉建設申請までの期間、私たちは障害がより大きなものになった事について、いくつかの考えを確かに持っていたのです。」
NRC原子炉担当事務局・上級技術顧問 クリフォード・マンソンは語りました。
しかし調査のいくつかには、予測されている地震波が原子力発電所に損害を与えるかどうかで、意見の相違があったことの指摘があった、とマンソンは語ります。
もうひとりのNRCの上級技術顧問カマル・マノリーは
「私たちに迅速な行動を求める警告のようなものは、特には見当たらなかった。」と述べています。

しかし日本の事故後、米国の安全勧告を行うためにオバマ大統領が編成した特別委員会は、その事に疑問を持っています。
特別委員会が3ヶ月の検討の上明らかにした勧告書では、既存の原子炉はもっと頻繁に地震リスクを再検討すべきと結論づけています。
一方で何人かの原子炉技術者は、NRCの初期の分析に対して警戒をあらわにし、技術者自身による原子炉の最初の分析では、地震リスクはさらに低いものであると述べています。
政府と産業界のこの見解の相違について、第三者審査を依頼するよう求められています。

「原子力発電所の運営母体が地震分析者に対し、その原子力発電所が改修が必要か、それともそのままで更新可能かを決定させてしまう、という論理を無視したやり方が行われています。特にディアブロ・キャニオンでは。」
地球物理学者で、カリフォルニア州上院議員サム・ブレークスリーはこのように語りました。 
彼はカリフォルニア州議会で同州エネルギー委員会に、地震リスクを評価する役割を与える法案を後押しました。
「こうした技術情報を生かすためには、もっと大局的に物事を見る必要があります。」

不確実性は常につきまとうのです、と専門家は語ります。
「すべての原子力発電所が一度でも大地震に遭遇したことがない限り、確実なことなど何もありません。現実例は日本における、3月の福島第一原発ともう一つ、2007年の柏崎刈羽原子力発電所の事故の例しか無いのです。」
とハーディが語りました。
「合衆国内の原子力発電所は安全である、ということに技術的にはかなりの手ごたえはあります。
しかし、どれだけの対応をとれば安全が証明できるのか、それだけはわかないのです。」

+ – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +

動画 : エネルギー101【 あなたの家庭の省エネ査定 】

家庭におけるエネルギーの総点検は家の所有者に、家のどの部分からエネルギーとお金が失われているのかを知らせてくれます。
そしてどのようにそうした無駄を解決したらよいのかもアドバイスしてくれます。
プロの技術者 — しばしばエネルギー監査官と呼ばれている人があなたの家の点検をしてくれます。
そして、あなた自身もこのうちのいくつかについて、点検することが可能です。
ここで示される各種の道具は、暖房熱や冷房の冷気の漏れ、電気の絶縁状況、換気システムや配管の接続不良などについて、ブロワーや赤外線カメラな どを使いながら調査をしていきます。
もちろん、身元の明らかな、信頼できる技術者に依頼をすることも大切です。

【 原子炉の地震リスクは、当初考えられていたよりも深刻である 】〈第2回〉

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

所要時間 約 7分

広告
広告

アメリカ東部を襲った地震の規模はマグニチュード5.8。
これを東日本大震災のマグニチュード9.0と比較すると、33,000分の1から50,000分の1になるそうです。
その規模の地震がほぼ「最大規模」と予測されているにもかかわらず、記事中にもあるように、アメリカのとある原子力発電所に設置された「非常用電源装置」は、蒸気機関車並みのスケールのものが3基だそうです。

今回掲載した原稿は長くて、ある意味退屈な原稿ですし、翻訳するのにも苦労しました。
ただ、私が3.11以来、抱き続けている疑問に対し、一つの答えがあるような気がしているのです。
それはアメリカ東部のように、地震の懸念がほとんどない場所であっても、原子力発電所に限っては、ありとあらゆる危険の「可能性」にあらかじめ対処しなければならない、という前提を
◆ アメリカの行政・管理監督機関
◆ 産業界
◆ 学会
すべてが共通して持っている、ということです。
その前提に基づき、なすべきことはすべてやる - それは当然である、という考え方が確かに存在しています。

日本の地震頻度を考えると、国内にこれだけの原子力発電所を持つ、ということだけでも、ものすごい無理を感じるのに、日本では3.11以前、「この前提」は、少なくとも東京電力と原子力安全保安院にはありませんでしたね?
そのような会社や国が、果たして原子力発電所を持ち、運用する資格があるのか、あらためて議論が必要だと思っています。

+ – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +

【 原子炉の地震リスクは、当初考えられていたよりも深刻である 】〈第2回〉

アメリカCBSニュース
2011年9月2日

NRCは最大のリスクの増加を27の原子力発電所で確認しましたが、リスクの程度についての情報は開示しませんでした。
APは各原子炉のリスクがどの程度増加したかをNRCのデータと方法論を使用し、独自に計算を試みました。
オハイオ州のペリー原子力発電所1号機は、炉心損傷の確率が急上昇したことにより、このリストのトップに来ます。1989年の予測の24倍です。
最もリスクが上昇した他の4つの原子力発電所のうち、ルイジアナ州のリバーベンド1号機は9倍、イリノイ州のドレスデン2-3号機が8倍、アラバマ州のフェアリー1-2号機がとカンザス州のウルフ・クリーク1号機が7倍になっています。
最少の増加はノースアンナ原子力発電所の38%でした。

ペリー原子力発電所を運営するファーストエナジー社の広報担当者トッド・シュナイダーは、NRCによる推定の地震リスクの増加には誤解があると述べました。彼は、ペリー原子力発電所は、通常この地域で観測されるよりも大きな地震に耐えることができると述べました。
ニューヨーク市郊外のインディアン・ポイント原子力発電所とサウスカロライナ州のオコニー原子力発電所を含む他の複数の原子力発電所の幹部職員は、すでにNRCの計算をやり直し、地震による炉心損傷のリスクははるかに低いことを提示しています。これらの計算結果は、他の連邦機関と共働しながらすべての原子力発電所に対する地震リスクの、あらゆる側面を検証しているNRCによって、まだ検討されてはいません。

地震発生確率と被害の予測は当てになりません。
この3月、地震により引き起こされた津波が、はるかに予測を上回る規模で福島第一原子力発電所に襲いかかったとき、日本の原子力産業はただ驚くばかりでした。

「米国の原子力産業は、どちらかと言えば、完全に準備ができていない可能性があります。
現行の規制では、NRCは原子炉が地震について新たに判明した脅威に対し、そのままでも 対応できるのかどうかを確認する必要はありません。
それは単に地震だけの問題ではありません。それは洪水、竜巻やハリケーンを含む、あらゆる種類の災害がもたらす脅威です。」
NRCの最近の地震活動について話すことを許可されていなかったため、匿名を条件に取材に応じたNRC関係者はこう語りました。

地震については、核反応を起こさせるために頑丈に作られている原子炉容器に対する直接被害よりも、災害が襲った時に必要になる水槽や機械装置、電気機器についての懸念の方がより大きなものなのです。
こうしたシステムの故障は、放射性燃料のメルトダウンを防ぐために必要な冷却機能を停止させる恐れがあります。

AP通信社が入手した電子メールの一部には、NRCの職員が、米国の原子炉は余震の影響と津波と地震の複合的影響について、綿密な検証を行ってこなかったのではないか、と懸念を深めているものがありました。
彼らは、原子力発電所がより耐久性のある配管を行うだけでなく、より大きな洪水への障壁と中枢機器の防水機能を必要とするかもしれないと提案しました。
職員たちは大量の燃料の供給手段と、大規模な電力喪失への対応の必要性について論じました。一つのメールには、地震で機能しなくなる可能性がある、ドレスデン原子力発電所のメインポンプに関する懸念が表明されていました。
[ つづく ]

+ – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +

動画【エネルギー101】

今日はアメリカ政府エネルギー省のシリーズ・キャンペーン・ビデオ「エネルギー101」から、改めて太陽光発電編をご覧ください。

『太陽光発電電力(PV)システムは、太陽が輝く場所である限り、どんな場所でも清潔でコスト効率の良い電力を生成することができます。このビデオは家庭とビジネスに電力を供給するため、PVパネルが太陽のエネルギーをどのように、再生可能な電気に変換するか、その働きについて解説しています。』

【 アメリカCBSが伝える 9.19 反原発集会 】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

所要時間 約 7分

広告
広告

今日は【 原子炉の地震リスクは、当初考えられていたよりも深刻である 】第2回を掲載する予定でしたが、アメリカ3大ネットワークのひとつ、CBSニュースに9月19日の反原発集会のニュースが出ましたので、急遽こちらをお送りします。
3大ネットワークの『反原発レベル』は、これまで見てきた限りでは CBS ≧ ABC ≧NBC と感じていますが、さてどんなものてしょう?
地震リスクの第2回以降は明日から掲載させていただきます。

それにしても、米国CNN、英国BBC、そしてドイツ国際放送などが指摘する、福島第一原発事故に関する『発表』や『報道』の[ Downplay(過小報告)]。
記事中にもありますが、今度は警察が発表した反原発集会の参加人数に登場しました。
5〜6万人をどう数えたら『2万人』になるのか、そういう算数・数学は習った事が無いので理解できません。

なぜ、あった事をそのまま認めたり、発表できないのか?!
[ Downplay(過小報告)]も隠蔽の一種かもしれませんが、このきわめて幼稚で姑息な手段を多用する限り、『国民の納得』など得られるはずがありません。
そして、国民の信頼のかわりに、世界の冷笑を買い続けているのです。
なぜ、その事に思い当たらないのでしょうか。

+ – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +

【 東京で数万人が反原発集会とデモ 】

アメリカCBSニュース

AP 東京 -「さよなら原子力発電」と唱えながら、横断幕やプラカードを掲げ数万人の人々が、福島原発事故を契機に原子力を放棄することを日本政府に要求するため、9月19日月曜日東京の中心部をデモ行進しました。

デモは、津波による被害で福島第一原発の3つの原子炉でメルトダウンを引き起こした3月11日の危機で、原子力に長く慣らされてきた日本の大衆が、どれ程大きな衝撃を受けたかを強調しています。

チェルノブイリ以来最悪となる原子力事故は東日本・東北日本一帯に広く放射性物質をまき散らし、原子力発電所付近で暮らしていた10万人の人々に避難を余儀なくさせ、果物や野菜、魚やそして水に至るまで汚染の懸念を高めました。

「放射線は恐ろしいです。」
8歳から14歳までの4人の子供を連れてこの祝日に抗議に来た、43歳の母親である野地ナミさんは話します。
「食品の安全については、不確かな情報ばかりがたくさんあります。子供たちのための安全な未来が欲しいのです。」
今回のデモの参加者数について、警察は20,000人と推計しましたが、主催者側は少なくともその3倍の参加者があったと発表しました。

放射線の恐怖に加えて、日本の54基の原子炉のうち30基以上の原子炉が検査のため一時停止状態となり、日本の人々や企業はうだるような暑さが続いた夏の間、電力不足に見舞われました。

今月初めに就任した野田総理大臣は、安全性チェックがクリアされれば、日本としては原子炉を再稼働すると述べています。
しかし、彼はまた、国が長期的には原子力への依存を減らし、代替エネルギー源を模索すべきであると表明しました。
ただし、具体的にどのエネルギーを採用するかについて明らかにしていません。

大災害 以前には、この地震多発国では原子力発電により電力の30%を供給していました。
日本は資源の乏しい国であり、実行可能な代替エネルギーを考え出すためのプロセス作りには、困難が伴い、時間もかかることになるでしょう。

自宅からそれほど遠くない、東海第一原子力発電所を閉鎖する請願のための署名を集めるため、日立市からやって来た64歳の女性城まりさんは、国のエネルギー源を転換するためには20年はかかるだろうということを認めています。
「しかし、政府が新しい途を選択することを強く決心しなければ、私たちは現状のままで暮らしていかなければなりません。」
「私は太陽、風力、バイオマスなどの自然エネルギーを使用したいのです。」
行進の前に抗議行動をする人々は、その日発言する人の演説を聴くため明治公園に集まりました。
その中の一人、福島県からやってきた武藤れい子さんは、広島、長崎における原子爆弾投下の生存者の気持ちもあわせて背負っている、という意味を込めて、着ている服に『被爆者』と大きく書き出しました。
これら福島第一原発周辺から非難した人々は、不安定な立場に置かれたままであり、もし可能だとすれば、いつ自宅に戻れるのか解っていません。

AP - GfKの調査では、日本人の55%は国内の原子炉の数を削減することを望んでおり、35%は現状のままで良い、と考えています。
3%の人は完全に無くす事を望んでおり、4%は逆に増設を望んでいます。
この調査結果は7月29日から8月10日の間に1,000人を対象にした世論調査によるもので、プラスマイナス3.8ポイントの誤差の可能性があります。
1994年にノーベル文学賞を受賞し、平和と反核のための運動を行っている作家、大江健三郎氏が講演を行いました。
映画『ラスト・エンペラー』の音楽を作曲した音楽家坂本龍一氏の姿も、この集会のサポーターの中にありました。

+ – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +

動画【 スマートグリッドにかけるマイアミの賢明な選択 】

『GEとその協力企業がマイアミにおける新たなスマート・エネルギーシステムを提唱しています。
これは100万ドルを超える設備投資を行い、最新の無線スマートメーターをマイアミ・デイド郡内の家庭や主要企業に設置するものです。
この草分け的な事業は、アメリカ合衆国内で着手された始業中でも、とりわけ広範囲にわたるスマートグリッド都市を実現する可能性を秘めています。』

GEと言えば、私たち東北人、いや日本人の天敵となった福島第一原発1〜3号機の原子炉メーカー。
そのGEも今やプロモートしているのはスマート・グリッド。
だめなものはだめ、日本の『要路の皆さん』もそれをちゃんと学習してほしいものです。

【 原子炉の地震リスクは、当初考えられていたよりも深刻である 】〈第1回〉

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

所要時間 約 7分

広告
広告

【 NRCの専門家が原子力発電所には、もっと強力な安全対策が必要だと憂慮 】

浜岡原発を止める、止めないで日本中が騒ぎになっていた時、中部電力が『福島第一原発事故を教訓に新たに準備した対策』なるものをみて、唖然としました。
新たに2トントラックの荷台に発電装置を載せた『電源車』2台を、浜岡原発に配置した、と担当者が紹介していました。

3.11の津波の映像を日本中の人が見たはずです。
あの津波は大型バス出すら簡単に押し流しました。そのスピードはジャンボ・ジェット並と言われています。
その津波が退いた後には大量のがれきが散乱、まずは自衛隊や米軍の特殊車両で通路を確保する作業から始めなければなりませんでした。
場所によっては地盤沈下により、水没したままになる場合があります。

そこを2トントラックの『電源車』は、必要な場所にどうやって『迅速に到達・対応』できるというのでしょうか?!
「この人たちはいったい何を考えているのだろう?!」という疑問が、やり場の無い怒りとともにこみ上げてきました。

今日から3回に分け、アメリカが8月23日に東部を襲ったマグニチュード5.8の『大地震』を受け、アメリカ全土の原子力発電所の見直しを始めている、という長いニュースをお伝えします。
記述の詳細で、ちょっと読むのが面倒ですが、この『星の金貨』にたまったこれまでの原子力問題と事故に関する記事、積み上がっていく事で、原発に対する『世界の意思』が少しずつ形になってきたように思います。
原子力推進派には、学者を中心とする知能集団も含まれます。
しっかりと資料を積み上げていきたい、と思っています。

+ – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +

【 原子炉の地震リスクは、当初考えられていたよりも深刻である 】〈第1回〉

ワシントン AP通信社 / アメリカCBSニュース
2011年9月2日

地震によってアメリカ国内で深刻な原子力事故が発生する確率は、あるケースでは24倍と、当初考えられていたものよりも大きい、という事が政府の調査結果をAPが解析した結果わかりました。
国の原子力監視機関は、アメリカの原子炉の4分の1の原子炉については、安全性を確保するため近代化の必要があると考えています。
ヴァージニア州を117年ぶりに襲った地震によって、リッチモンドの北西に位置するノース・アンナ原子力発電所が揺さぶられ、先週突然に脅威の存在が明確になったのです。
ノース・アンナ原子力発電所の2つの原子炉は、原子力規制委員会の見解によって改修工事が必要とされるアメリカ合衆国中部および東部の27の原子炉に含まれています。
改修が必要とされる理由は、それらの原子炉が建設された際、想定された値よりも大きな地震が発生する可能性があるためです。

いったいどれだけの原子力発電所が脆弱であるか、という事については、原子力発電所のすべての運営企業自身が、地質学者の新たな調査に基づいて耐震性について再計算するまでは決定されません。
9月1日にNRCは、パブリックコメントのための要求原案を公表しました。
東海岸の地震と3月に発生した日本原子力災害のだいぶ前に始まった再調査は、より大きな危険性を示す調査結果があるにもかかわらず、全国の104の既存の原子炉について地震リスクへの最初の完全なアップデートを確認しました。
アメリカ原子力規制委員会と原子力業界は、全国の原子炉はこれまで同様、安全であると語ります。
地震によるアメリカ国内の原子炉の炉心損傷の平均的なリスクは低く、NRCのデータをAPが分析したところ、500年に一回の確率になります。

しかし、11,000以上のページを超える記録に含まれる電子メールの数々は、NRCの専門家が、個人的にはこの一年間より高い危険に対応できるよう、原子力発電所にはより強い安全対策が必要だという事を憂慮してきた、ということをAP通信社が明らかにしました。
原子力産業側は、8月23日の地震はアメリカ国内の原子炉が堅牢であることを証明したとしています。

揺れがバージニア州ミネラルのノース・アンナ原子力発電所への電力供給を遮断した時、原子炉は緊急停止の上、正常に冷却状態が保たれました。そして4基の蒸気機関車程もある大きなディーゼル発電機が稼働しまし た。
地震は約24個の使 用済核燃料コンテナも震動させましたが、いっさい損傷は無かったと、木曜日、ドミニオン・ヴァージニア電源企業が発表しました。
それでも、NRCのデータを分析したAPによれば、ノース・アンナ原子力発電所は大規模地震が発生すれば、炉心の38パーセントが損傷する可能性がある、と20年前の分析結果に出ています。

ただし、そうしたリスクは8月23日発生した地震よりもさらに大きな地震に見舞われた場合に発生します。
ドミニオンのスポークスマンで、プラントオペレータのリチャード・ザーチャーは、
「追加の安全対策は、原子力発電所が建設された当時の設計に組み入れられたため、以前の分析結果がそのままになっている。」と語りました。
しかしながら、発電所のリスクが分析よりも大きい、と判断されれば、安全対策の効果も減少する事になります。

連邦政府の科学者たちは5~6年に1度、いくつかの建物について建築基準を見直すため、地震の可能性 - 大きさと頻度 – について情報の更新を行っています。
しかし、地震科学がかつて認識されていたものよりも大きな危険がある、と明らかにしているにもかかわらず、これに似たシステムが採用されている原子炉は2基を除けばアメリカ国内には無いのです。
例外は地震が発生しやすいカリフォルニア州にあるディアブロキャニオンであり、1985年以降地震が発生するたびに、リスクについて再点検するよう求められてきました。
[ つづく ]
+ – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +

動画[ 3.11の犠牲者を悼む福島の『天灯』]
アメリカCBSニュース

[ まいごの子ねこが5年 – 1,200キロの旅をして飼い主のもとへ ]

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

所要時間 約 5分

広告
広告

むかし、ポール・ギャリコというアメリカの作家の『ジェニィ』という猫たちが主人公の物語を読んで、感動した事がありました。
猫にされた少年がすてきなメス猫・ジェニィと冒険に出かけるものがたりでしたが、このABCの原稿を読んで、空白の5年間ウィローはどんな冒険をしていたのだろう、と思わず想像をめぐらせました。
そんな空想のきっかけを与えてくれたこのこの原稿、なかなかにステキです。

+ – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +

【 迷子の子ねこ、 1,200キロの大陸横断 】
コロラド州からニューヨークへ5年の旅、成長して飼い主のもとへ

アメリカABCニュース マギー・パトリック
2011年9月15日

猫のウィローは本当に長い旅をしてきました。
三毛猫の子ねこがコロラド州ボールダーの自宅から姿を消したのはもう5年も前の事です。
永遠にいなくなったものと思っていましたが、彼女の家族はウィローがマンハッタンの路上を歩いていた事に驚かされる事になります。
彼女がちょうど子猫の頃、肩甲骨の間に埋め込まれたマイクロチップのおかげで、いまや6歳になったウィローは、とっくにあきらめていた彼女の飼い主と再会する事になりました。
「正直言うと、この辺りにはたくさんのコヨーテやフクロウがいるのよ。」
ボルダーのジェイミー・スクワイアーは語ります。
「彼女はほんとに小さな子猫だったの、体重は5ポンド半。私たちは『迷い猫』のポスターをあちこち貼ってまわったり、『クレイグリスト(アメリカのオンライン・コミュニティー)』に依頼を出したりしたわ。でも最後にはコヨーテの餌食になったものとあきらめたの。」

ウィローは、東第二十番街で発見され、すぐにニューヨーク市の動物避難所に連れて来られました。
スクワイアー夫妻はニューヨークの動物の救助や避難所のシステムを実行するアニマルケア&コントロールから水曜日に電話があった時、ほんとうにび
っくりしました。
「夫が私にこう言ったの、『それがウィローだって確認できるまでは、子ども達には絶対言っちゃだめだよ。』」
「手も写真を見てそれがウィローだってすぐにわかったわ、ずいぶん長い時間が経っていたけど。」

ウィローが行方不明になったのは2006年年末か2007年初頭の事、住宅改修を行っていた業者がドアを明けっ放しにしている間にいなくなったのです。
それから一家はコロラド州ブルームフィールドから10マイル(約16キロ)の同州ボールダーに引っ越しましたが、ウィローのマイクロチップを管理する会社と連絡をとり続けました。
スクワイアー夫妻にACC事務局のジュリー・バンクが、スキャナがウィローのマイクロチップを発見したと連絡してきました。
ウィローは現在体重は7ポンド、行儀の良い、健康的であり、ニューヨーク市の路上生活でダメージを受けている様子は無い、ということでした。

しかし、ウィローがどうやったニューヨークまでやってきたのかは謎のままです。ウィローがいなくなっていた5年間についての足取り、またはどこで生活していたかの手がかりはありません。
「ウィローがこの5年間、どんな生活をしていたのかはわからないわ。」とジェイミーは語ります。
「ウィローがいなくなったとき、彼女は本当に頭のいい猫だったし、本当にかわいい猫だったの。」

ウィローは、すぐにボールダーに戻り、なつかしい - そして新しい - 彼女の家族に会いました。
スクワイアー家には新しい赤ちゃんが生まれ、ウィローの旅立ちの後数年して、別のもう一匹のわんちゃんが家族の仲間入りをしていたのです。

video platformvideo managementvideo solutionsvideo player

このサイトについて
ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
最近の投稿
@idonochawanツィート
アーカイブ
広告
広告
カテゴリー
メタ情報