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星の金貨 東日本大震災や音楽、語学、ゴルフについて語るブログです。

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【 放射能のない日本への戦い 】第8回(最終回)

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所要時間 約 10分

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[ 苦難の道を歩む東北地方のコミュニティ ]

アルジャジーラ 2011年9月

地震活動が活発なこの国において、他の原子力発電所での事故に対処しなければならなくなる潜在的危険性は、かなりのものです。
現時点では国内に54基の原子炉がありますが、少なくとも1ダース以上の原子炉が、浪江町を含め、国中に建設が予定されています。
このうち41基の原子炉は現在、検査のため閉鎖されています。

[地図 : 地震発生区域に立地する世界の原発]

[地図 : 地震発生区域に立地する世界の原発]


選択する機会を与えられ、できるだけ風力や太陽光発電への切り替えを望んでいる反原子力発電の活動家は、永久に原子力発電所が閉鎖されることを願っています。
福島第一原子力発電所近くに風力発電所の建設計画が発表されていますが、日本のエネルギー需要を満たすためにはさらに大規模な設備が必要です。

津波によって壊滅的被害を受けた海岸沿いの女川の町会議員、高野さんは彼自身の町の原子力発電所について心配しています。
女川原子力発電所は彼によると、『福島第一同様古い』原子力発電所です。
彼の長い間の戦いは特に際立っています、すでに30年間もの時間をこの問題に費やしてきたのです。

高野さんが原子力発電に反対するようになったのは、ある大学教授に以下の話を聞いた時でした。
「収納容器に使われている金属は、何かのきっかけで亀裂を生じることになるが、それは単に時間の問題です。」
「『亀裂が生じてしまうと、次に起きるのはメルトダウンです。』教授はこう語ったのです。」
地震後半年たった今も、まだ避難所暮らしを続ける68歳の高野さんはこう語りました

高野さんは同じ選挙区内から選ばれた2人の議員のうちの一人ですが、この数十年間、原子力発電の危険性を訴えてきた、この国の数少ない議員の一人でもあります。
彼はたった一度であっても事故が発生することを懸念し、この数年間、女川の原子力発電所を閉鎖するための取り組みを続けています。

福島第一原子力発電所の事故は彼の年来の主張に信憑性を与えることになり、これまで議会で彼と対立していた、一部の反対者の意見を変えさせるかもしれません。

「いいえ、単に彼らは次にこの国の首相がどう言うか、様子を見ているだけだと思います。それからでなければ、 彼らは同意なんかしませんよ。」と高野さんは自嘲気味に話しました。
そして彼の同僚たちは皆優柔不断なのだ、とつけ加えました。

しかし高野さんは国内の原子力発電所を停止するという彼のキャンペーンに対し、国から十分な支援が得られなくても、一般の人々にもっと実情を訴えていこうと思っています。
そして今こそ、そのチャンスだと思っています。
町を超え、東北地方を超え、草の根レベルで輪を広げていこうと思っています。

「私はもう、引退するつもりでした。でも、やっぱり戦いを続けなければならないようです。」
高野さんは語ります。

「今、やめるわけにはいきません。」

《 完 》

http://www.aljazeera.com/indepth/features/2011/09/2011916104957796597.html

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この原稿の翻訳は少し苦労しました。
長い、ということもありましたが、登場する人々の苦しみ、怒り、そして切なさがひしひしと伝わってきて、しばし呆然としなければならない時間が度々あったためです。
この長い原稿の主題は、第8回の冒頭に集約されていると思います。

「地震活動が活発なこの国において、他の原子力発電所での事故に対処しなければならなくなる潜在的危険性は、かなりのものです。」

全くその通りでしょう。
添付した地図をご覧いただければ、この国に次々原子力発電所を建設していくことがいかに危険なことか、一目瞭然にご理解いただけると思います。

加えて『再びマグニチュード9の地震が発生する可能性があります』[ http://nanako.sci.hokudai.ac.jp/~moriya/M99.htm ]といった情報もあります。

私たち一人一人が、放射能汚染の無い日本の実現のため、努力を積み重ねていく必要がありそうです。
68歳になっても戦い抜こうとする、私と同じ宮城県の女川町の高野さんが最後に登場しましたが、その姿に心から感動しました。
こういう方が人々を守っているんだな、と。大手マスコミでもなければ、国会議員でもない。

福島は、大地も(昨日掲載の日本全国の放射能汚染マップ)、海も( http://kobajun.biz/?p=1268 )汚染されてしまいました。
特に地図に表された東日本の汚染実態は、そこで暮らす我々にとって本当にショッキングなものでした。
これからしなければならないことは、これ以上の日本の汚染を何としても防ぐことではないのでしょうか。

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【 ニューヨークの抗議する人々に不利な裁決 】

アメリカCBSニュース / ニューヨーク 2011年11月15日

ニューヨークの裁判官が、[ウォール街を占拠せよ!]のキャンプを撤去するというニューヨーク市の決定を認める決定を行いました。
占拠を行っている人々に当初認められていた、広場でキャンプする権利を無期限には認められない、としています。

火曜日の夜明け前、まだ暗いうちに、暴動鎮圧用の装備に身を固めた数百名の警官が、ニューヨーク市内の『ウォール街を占拠せよ!』のキャンプ地に突入しました。
警官隊は法の名の下に数百名の人々を追い立て、企業の貪欲さと社会的不公平への抗議活動の拠点となっていたテント村を破壊しました。
警官隊は午前一時ごろに行動を開始し、ズコッティ公園内の拠点にいた抗議者たちを、何時間もの間棒や樹脂製の楯を使って突いたり押したりしました。
市警本部長レイ・ケリーは、公園で腕を組み合って排除に抵抗しようとした人々も含め、約200人を逮捕したと発表しました。
一人の市会議員が、抗議者とともにいて、公園内を清掃中に逮捕されました。

午前4時30分には9月17日以来その場所に設置されていたテントは跡形もなくなり、公園内は空っぽになりました。
テントと寝袋はごみ捨て場に搬送されて行きました。
その後、作業員が電動の清掃機で公園内を清掃して回りました。

火曜日午後遅くなって、最高裁判所司法省マイケル・ストールマンは、抗議をする人々の言論の自由に関する権利は、彼らの広場での無期限のキャンプを保証するものではない、と語り、市当局がキャンプ地を一掃することに承認を与えました。
裁判官のストールマンは、デモ隊の人々が再びテントや寝袋を、公園内に持ち込むことの許可を得ようとする動きに対し、これを拒否しました。

「テント、構造物、各種発電機、その他の設備を持ち込んでズコッティ公園に留まることによって、公園所有者の正当な権利の行使を妨害すること、あるいは他の人々が安全に公園を利用する権利を排除していることについて、それが米国憲法修正第一項に基づく権利によるものであることを、抗議をする人々は立証していません。」
とストールマンは書いています。

アメリカCBSニュースの法関係のアナリスト、アンドリュー・コーエンは、抗議する人々が訴えているような演説等に対する『時間、場所、方法』の制限については、アメリカの法制度は長い歴史を持っており、それは少なくとも1960年代までさかのぼることができる、と報告しています。
いったんこのことが持ち出されれば、抗議を行う人々の主張が事態を覆すことは、まず不可能になるでしょう。

広場は金融街の近くにあり、市民に公開されていますが、私有物です。
マイケル・ブルームバーグ・ニューヨーク市長は、常に混雑してているプラザにおける衛生・安全上の問題と、「耐えがたくなっている」状況を見て一掃を命じた、と語りました。

http://www.cbsnews.com/8301-201_162-57325395/judge-rules-against-nyc-occupy-encampment/?tag=cbsContent;cbsCarousel

【日本全域の放射能汚染マップ】初めて明らかに〈米国研究機関が発表〉

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所要時間 約 13分

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[東日本の食料生産が「深刻な打撃を受ける」可能性]

イギリスBBC放送 11月14日

新たな調査研究により、東北地方の一部の放射線量が農業生産にとって安全なレベルを超えている、と見られることが明らかとなりました。

[ 日本の土壌の汚染状況 : セシウム137 ]

[ 日本の土壌の汚染状況 : セシウム137 ]


この調査は2011年に発生した原子力発電所事故による日本全域における汚染について、初めてその結果を提供することになります。
研究機関は食料生産への影響は避けられそうにない、と示唆します。

この調査結果は、米国科学アカデミー(PNAS)ジャーナルの会報で報告されます。
福島第一原発の事故の発生により、放射性物質は日本の全土とその近海に降り注ぎました。
農地への汚染の懸念は、日本の農作物と肉類が食用に適するかどうかの調査を促すことになりました。
これまでの調査研究では、収穫された農産物の汚染は、食用に関して問題ないレベルにとどまっている、というものでした。

▽ 汚染された収穫

今回、研究者の国際的チームは、これまでの判断が見直されるべきである、と示唆します。
アメリカ合衆国メリーランド州にある大学連合空間調査協会( Universities Space Research Association )のテッペイ・ヤスナリ氏と彼の同僚は、土壌と草に含まれる放射性物質のセシウム137について47都道府県から一県だけを除外し調査した結果に、メルトダウン以降の気象の変化のシュミレーションを組み合わせ、汚染レベルの推定値を算出しました。

セシウム137は数十年の間環境に留まり続けますが、原子炉の冷却システムが機能しなくなり、その結果発生した水蒸気爆発によりまき散らされた、セシウム以外の放射性物質についてはより一層大きな懸念があります。
研究チームは福島県東部の耕作地では、放射性物質の量が政府の安全基準を上回っていることを突き止めました。

▽ ベクレルとシーベルト

*1ベクレル(Bq)(フランスの物理学者アンリ・ベクレルの名をとって名づけられた)は、放射能の測定基準です。
*1個の原子核が崩壊過程で1秒間に放射する放射性物質の量が1ベクレルです。1,000ベクレルは1,000個の原子核が1秒間に放出する放射性物質量です。

*シーベルト(Sv)は、人によって吸収される、スウェーデンの医学的な物理学者ルドルフ・シーベルトの名をとって名づけられた、放射線量の単位です。

日本の食品衛生法の下では、1キログラムあたり5,000ベクレルの放射性物質量が、土壌に含まれるセシウムの安全限度とされています(セシウム137は放出されるセシウムの中の約半分を占めています)。

研究機関は、近隣の地区の放射性物質の値が安全基準におさまっていても、福島第一原発近くの土壌には安全とされる制限値の8倍の放射性物質が含まれていた、と見積もっています。
調査結果は日本のほとんどの地区で、平均1キログラムあたり25ベクレルと、安全とされる制限値を下回っていることを明らかにしました。
論文の執筆者は、西日本各地は放射性物質の排出に対し、高峻な山脈が防護壁の役割を果たし、汚染を免れたと説明できる、としています 。

研究は、最も汚染がひどい地区では食料生産が「深刻な打撃を受ける」可能性がある、としています。
そして福島県に隣接する、岩手、宮城、山形、新潟、栃木、茨城、千葉は影響を免れないだろう、としています。

米国科学アカデミーの席上、研究機関は「隣接するいくつかの県については、場所によっては我々の調査と測定値が食い違う場合があります。それぞれの地方ごとのセシウム137の蓄積量の測定はについては、場所による大きなばらつきが発生している可能性があります。」と説明しました。

研究機関は日本政府に対し、これから行う除染計画をたてる前に、日本全土にわたって徹底な汚染状況の調査を行うよう、強く求めています。

2度目の調査では(米国科学アカデミーの同じ会報で発表される)福島第一原発の半径70km以内から100を超えるサンプルを収集し、福島全県とその近隣から高い濃度のセシウム137を検出しています。

ランカスターにある環境・水理学センターの放射線生態学者ニック・ベレズフォードは、セシウムがいったん土壌の中に取り込まれると、土の中のミネラル類と混じり合い、植物に取り込まれることになる、と説明します。
しかしながら、そのプロセスは土の質によって左右されます。
「セシウムは有機土壌には、長く留まることになります。イングランドとウェールズの高地地域で未だに、チェルノブイリの影響による作付け制限などが行われているのは、このためなのです。」
ベレズフォードはこのようにBBCに語りました。
「良く耕し、適度に肥料を与えることで、農民は作物が危険な放射性物質を取り込む量を、減らすことができます。そして、家畜のえさに(放射性物質を)吸着する薬剤を入れれば、動物が腸管から放射性物質を取り込むことを、阻害することができます。」
最後に彼がこう付け加えました。

記事原文 : http://www.bbc.co.uk/news/science-environment-15691571

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今日は【 放射能のない日本への戦い - 苦難の道を歩む東北地方のコミュニティ 】の最終回を掲載するつもりで、すべてをセットアップし終えて「今日も無事終了」と何気なく、いつも通り世界の各局のチェックを始めました。
そこで目に飛び込んで来たのが、この地図だったのです。
「この地図こそ、自分も見たかったものだ!」と全面差し替えを決めて、大急ぎで記事を翻訳しました。

「研究機関は日本政府に対し、これから行う除染計画をたてる前に、日本全土にわたって徹底な汚染状況の調査を行うよう、強く求めています。」
ここのところ、もののすごく大事だと思うのですが。

尚、英文ですが福島県から関東北部の汚染状況について、イラストマップを掲載し詳述している、論文の原文の一部が閲覧・印刷可能です。
http://www.pnas.org/content/early/2011/11/09/1111724108.full.pdf+html
をご参照ください。

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【 小児がんの問題に挑む7歳のレーサー 】〈続編〉

アメリカNBCニュー ス 10月31日

ブライアン・ウィリアムズ :
さて今夜最後にお送りするのは、24日にお送りした【 小 児がんの問題に挑む7歳のレーサー 】 の続編です。
たくさんの方からこの少年の挑戦に関する反響をいただきました。
彼の取り組みは小児がんの子供たちのために寄付を続けるという、本当の意味での挑戦というべきものです。
その彼のヒーローもまた、その挑戦を知り、戦列に加わることにしました。
アン・トンプソンがさらに広がるMaking a Differenceをお送りします。

レポーター : アン・トンプソン
7歳の『ミニ』ティレル、彼はできるだけ早く彼自身が思い描く理想に到達しようと走り続けています。
ここはヴァージニア州マーティンズビルにある、全米自動車レース協会の競技場の修理コーナーです。
『ミニ』ティレルはジェフ・ゴードンの招待を受けることになりました。

ジェフ・ゴードン「君がミニだね、そうだろう?」
『ミニ』ティレル「そうです、ゴードンさん。」

レポーター : すべては『ミニ』ティレルの小児がん患者のための寄付が始まりでした。
ジェフ・ゴードン「君がやっていることは、つまり…..」
『ミニ』ティレル「はい?」
ジェフ・ゴードン「今まで僕が聞いたことがある中で、一番素晴らしいことだよ」
『ミニ』ティレル「ありがとうございます、ゴードンさん。」

レポーター : ゴー ドン氏は先週の『ミニ』ティレルを取り上げたMaking a Differenceを見て、感動したのです。

番組『……事態は深刻であり、それを乗り越え、そして解決に向かうためには危険を冒し続ける必要がありました。』
レポーター : 『ミニ』がなぜ友だちのエラを助けたいのか、というストーリー。
ティレル「僕がそこから取り出してゴミ箱の中に放り込みたいのは、悪性のがんなんだ。」

ゴードンはすでに何百万ドルも、小児がん患者のための寄付を行いました。でもその必要を教えてくれたのは『ミニ』ティレルだったのです。
ゴードン「私には4歳になる娘と1歳の息子がいます。そして、子供たちについては……子供たちに伝えたいことは、『ミニ』のようになって欲しい、ということです。」

レポーター : ミニに触発され、ゴードン氏はミニが寄付をした7,000ドルに見合う行為について考えました。
ゴードン「全米自動車レース協会所属のレーサーで、一番好きなのは誰かな?ここにいるからって、僕に遠慮することは無いよ。」
『ミニ』ティレル「はい?好きなのはデニー・ハムリン、もちろんあなたのことも。」

レポーター : 彼らはレースの記念品を交換しました。
ゴードン「誰かを助けるためにタイヤをすり減らしているのかい?」
『ミニ』ティレル「そう、そして面白いから。フェイスブックの僕のページに書いたので、見てもらえますか。」
ゴードン「よし、君のページを見てみるよ。」

レポーター : ミニの取り組みがよくわかります。
ゴードン「僕に言えることはひとつ、君がとっても早い、ってことだよ。」
『ミニ』ティレル「ありがとう!」

レポーター : ミ ニがレーサー姿で現れました。ゴードンの車に乗った姿もなかなかのものです。
ゴードン「もう少し身長が必要かもしれないね。でも、かっこいいぞ。」

レポーター : 2人のドライバーが勝つために必要な情報を交換しています。
彼らの勝利が偉大なのは、勝つことすなわち与えることだからです。
「どう、ゴードンのことを友だちだって思うことができる?彼はいったいどんな人だと思う?」
『ミニ』ティレル「そう、えーと、僕たち最高の友達だと思うよ。」

レポーター : 人生という競争の中で、最高のことができるように啓発し合う二人。

ゴードン「まったく、君はかっこいいよ。ミニ、ありがとう。」

ヴァージニア州マーティンズビルから、NBCニュースのアン・トンプソンがお伝えしました。

ブライアン・ウィリアムズ :
いかがでしたか?
参加されたい方は、私たちのウェブサイト[ http://nbcnightlynews.com ]で詳しい情報をご覧ください。

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【 放射能のない日本への戦い 】〈第7回〉

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所要時間 約 8分

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[ 苦難の道を歩む東北地方のコミュニティ ]

アルジャジーラ 2011年9月

⑥ 長く遠い道のり

核のない日本という目標に向かい、彼らが信頼するに足るとする情報を集める作業は、長い過程の途上にあります。
そして、活動を続ける人々は長い闘いの道のりを、自らの足で進んでいかなければなりません。

「この種のことは、今日や明日のためだけではないのです。これから来る20年間のために行われなければなりません。」
こうした活動家の一人である宗像さんはアルジャジーラに語りました。
テレジャパン社の社長である宗像さんは、4月以来放射線濃度が高い地点の数値を確認している、セイフキャストのボランティアもしています。

宗像さんは、県内各地を何日もかけて車で回っています。
セイフキャストから借りた放射線測定装置を積んだ車で田舎道を走り、高速道路を驀進し、人影のない避難区域の街中をめまぐるしく走り回っています。
彼は県内すべてのポイントに、自動放射線検出装置が整備されることを望んでいます。

彼は1999年式フォルクスワーゲン・ゴルフに放射線モニターをぶら下げ、毎週200キロを走破しているため、放射線に対する恐怖で身を固くする暇もありません。
放射線モニターは車内のノートPCに接続され、大気中の放射線レベルを5秒ごとに記録しています。

助手席にノート型パソコンを置き、膝の上には地図を表示させたiPadを置いて走り回る宗像さんは、福島製ガイガーカウンターを製造するベンチャー企業にも従事しています。
本来であれば東京電力や政府が行うべき、放射線量と換算状況に関する迅速で正しい情報提供が行われないため、自ら行動しているのです。

結局のところ、原子力発電所から20 km以内の『警戒区域』の中の一部では、区域外よりも低い放射線レベルが計測されました。

「ここにある一群の空き家を見ていると悲しくなってしまいます、住んでいた人々はたぶんもう決して戻ることはできない、って解ってますから。」
宗像さんは浪江町内の捨てられた家々の群れのわきを通りすぎながら、こう語りました。

彼は日本政府と東京電力が発表している内容については懐疑的です。

「だから私はこうする必要があるのです。(放射能は目には見えないため)私は何が起こっているか、他に確かめようがないのです。」
福島第一原子力発電所から60キロの、郡山市の住民でもある彼は語りました。

〈つづく〉

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しばらく掲載できなかった【 放射能のない日本への戦い 】です。残すところ、あと一回で完結となります。

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【 小児がんに挑む7歳のレーサー 】
アメリカNBCニュース 10月24日

ブライアン・ウィリアムズ
今夜のMaking a Differenceの時間です。
今回は一人のお母さんが私たちに知らせてくれた話です。
彼の息子さんが友だちがガンと診断されてしまったことを知り、そして行動を始めました。
このお話の場合、少なくとも事態は深刻であり、それを乗り越え、そして解決に向かうためには危険を冒し続ける必要がありました。
アン・トンプソンとともに、お送りします。

レポーター : アン・トンプソン
一人のプロのレーサーが一連の問題を解決するため、レースに臨みます。
勝利を目指して、カーブをこなし、疾走していきます。
しかし、ティミー・ティレル・ジュニアと同じ目的でレースに臨むドライバーはまずいないでしょう。

ティミー・ティレル・ジュニア「僕は誰も病気になってほしくないから、だって病気になると人は死んでしまうでしょ。ぼくは誰にも死んでほしくなんかないんだ。」

レポーター :『ミニ』という愛称の彼は、とりわけ友達のエラ・デイのことを心配しています。
エラ・デイ「私は脳の中にこぶがあって、それがガンになってしまったの」
ティレル「エラはのガンは本当に、本当に大変な病気なんだ。何とか助けてあげたいんだよ。」

レポーター : そのためこの7歳の少年は、エラのような小児がん患者のいる家庭のため、大好きなゴーカート・レースで寄付を始めることにしました。
彼はそれを『ミニの作戦』と名づけました。
「行け、ミニ!」
「ゴー、ゴー!」
「がんばれ、ミニ!」

レポーター : 誰かを助けるため、タイヤをきしらせていきます。
ゴーカート・レースは3月から12月の間、毎週土曜 日夜に開催されます。レースはトラックを500メートルを走って行われますが、『ミニ』はすでに7,000ドル(50万円)の賞金を獲得し、さらに獲得し続けています。

「素晴らしいわ!」
レポーター : 大会があるたび、『ミニ』は賞賛されています。
「私たちの誇りだよ。」
レポーター : そして寄付金も……

ティレル「今日の賞金は100ドルだよ。」
レポーター : 賞金はジェフリー・ヴィロステック基金に寄付されます。
ティレル「ぼくはもっと賞金を.....たくさん賞金を寄付したいよ。」

レポーター : ジェフリー・ヴィロステック基金は、ターシャ・ヴィロステックの息子が4歳の時白血病を発症したことがきっかけで設立され、ガンという重荷を背負った家庭の援助を行っています。
ターシャ・ヴィロステック「支払らうことが必要な交通費の問題もあります。抵当や借金の返済、さらには精神面で小児がんの子供たちを支えるため、誰かがそばにいてあげる必要もあり、そのための費用も必要です。」

レポーター : 幸いにも、8歳のエラの脳腫瘍は完治しました。しかし、『ミニ』はなお、彼女のような子供たちを支えようとしています。
ティナ・ティレルさん(ミニのお母さん)「寄付が彼の目標になったの。」
レポーター : お母さんも、お父さんも、手を貸す必要はありません。
ティレルのお母さん「息子はこう言うんです、『今日は3着でちょっと残念だったけど、25ドル寄付すること ができたよ。』母親が何か口を出す必要がありますか?なんというか、わが子ながら、頭が下がります。」

レポーター : 大きなゴールを目指す少年。
男性「ミニじゃなくて、ジャイアント、って呼ぶべきじゃないのかい?」

レポーター : 一周ごとに、ガンの問題に挑む少年。

ヴァージニア州キング・ジョージから、NBCニュースのアン・ トンプソンがお伝えしました。

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【 推定量より高い、福島第一原発の放射線量 】

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「セシウム137の実際の放出量は日本政府発表の2倍」

ザ・インデペンダント(英国) 2011年10月29日

福島第一原子力発電所の事故は、日本政府が見積もった量の2倍のセシウム137を大気中に放出し、その量は現在、1986年に起きたチェルノブイリ事故の総放出量の40パーセントに達している、という報告がなされました。

単に発がん性を高める、というだけの量を遥かに上回る高い放射線量の分析は、世界中に配置したセンサーによって明らかにされました。
ノルウェー大気調査研究機関の研究者で発表者のアンドレアス・ストールは、これまでの分析は日本からしかもたらされていなかったが、それには海に向かって放出された放射性物質の分が欠落している、と指摘しました。

【 スウェーデン国内の6カ所でヨウ素131を検出 】
「福島第一原発で新たに核物質が漏れ出したのを受け、調査を開始した結果」
ノルウェー放送協会 11月11日

スウェーデン国内の6カ所の観測所で、空気中からヨウ素131が検出されました。
これらの観測所では、福島第一原発で新たに核物質が漏れ出したのを受け、11月7日から観測を始めていましたが、11日になってヨウ素131を検出しました。

専門家は検出された量は人間にも環境にも影響を与える量ではない、と強調しました。
ストックホルムでは1立方メートルあたり、0.3ミリベクレルを検出しました。
報告によれば、この量は通常地面から環境に排出されている量の10,000分の1に過ぎません。

IAEAはこのヨウ素131の福島第一原発からの飛来については、否定しました。
ノルウェー政府機関が現在、ノルウェー国内の汚染状況の調査を行っています。
( http://www.nrk.no/nyheter/verden/1.7873038 で動画を見ることができます)

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ボン・ジョビの『心のキッチン』

「地域社会の空腹と心を満たす、とてもシンプルなアイディア」

アメリカNBCニュース 10月21日

さて今日もメイキング・ア・ディフェレンス(Making a Difference)の時間です。
今日ご紹介するのは過去にご紹介した番組『価格の無いレストラン(http://kobajun.biz/?p=607) 』 がヒントとなって始まったお話です。
このアイディアは以前も今回も、地域に十分な食事と温かい思いやりを一緒に届けようというものです。
そしてこの取り組みをバックアップしている人物にも注目です。
NBCのサバンナ・ガスリーのMaking a Differenceレポートです。

レポーター : ニュー ジャージー州レッドバンクの町、鉄道線路がここで一つになり、再び別れていく町には、人々もまた集まり去っていきます。
この町にできた新しいレストランは今、そうした人々みんなが同じ食事のもと、絆を強めていくことを願っています。

女性店員「心のキッチンにようこそ。メニューにはお食事の価格は載っていませんよ。」

レポーター : 運営の仕組みは簡単です。20ドル(1,500円) の食事代を支払うことができる人は、自分の分と見知らぬ他の人の分の食事代を支払うことになります。
食事代を負担してもらう側の人々は、 このレストランでも働くことができず、地域社会でも仕事を得ることができない人々です。
今週の週末、正式に開店したばかりですが、すでにあらゆる立場のお客さんが来店しています。

男性客「わかるでしょう、誰にだって不遇のときはあるんです。そして自分がそこから抜け出すことができたら、今度はあなたが助けを必要としている人々の力になってあげれば良いのです。」
女性客「私はにここに座って、知らない人々と気軽に会話を交わすことができました。世の中にはいろんな人がいるんだなあ、って興味深かったわ。」

ジョン・ボン・ジョヴィ「あなたのグリーンサラダ、無くなりそうですよ。」

レポーター : こ のアイディアはここニュージャージーで生まれ育ったロック・ミュージシャン、ション・ボン・ジョビさんのものです。
『心のキッチン』を開設したことに対する、人々の印象は…..
ボン・ジョヴィ「個人的には、ここがニュージャージーの中でも、料理も心もあったかいカフェだと思っているよ。」

レポーター : NBCニュースが飢餓の問題について取り上げた番組を、彼と奥さんが見たことがこのレストランを始めるきっかけになった、と語ります。

ボン・ジョヴィ「わたしたちはMaking a Differenceの 番組を見ていて、住宅問題の次に、食べることが多くのアメリカ人にとって差し迫った問題だ、ということに気がついたのです。私たち二人とも決心しました。
「私たちも、できることをしなければならない。」

レポーター : 前庭で有機野菜を植え、古い修理工場を陽光の降り注ぐカフェに改造しました。
共感する人々がたくさん現れ、アメリカ中に同じようなレストランができ、この景気後退の中で苦しんでいる人々に食事と絆を提供できるようになれば。
それが彼らの願いです。

男性客「それこそが地域社会、それこそが思いやりのある社会なのではありませんか?」

レポーター : 地域社会の空腹と心を満たす、とてもシンプルなアイディア、『心のキッチン』。

サバンナ・ガスリー、NBCニュー ス、ニュージャージー州レッドバンク。

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【 まだまだ続く『がんばろう!』〈後編〉】

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「前に進もうと言う取り組みが、恐怖、怒り、そして時には暴力的なほどの感情の爆発に支配されることがあります」

フランス/ル・モンド2011年9月

災害後の混沌と暴力的な無政府状態の大部分は単なる伝説であり、私は後で、私が体験したことの方が一般的な現象であることに気づきました。
危機の中だからこそ連帯することを通し、人間の魂の本当の強さが証明されたのです。

ボランティアとして海岸で作業することは楽しいことではありません - 魅力にもかけるし、ヒーローとみなされるわけでもありません。
ほとんどの場所では、何時間もかけで泥をかき出し、再び植え付けができるよう田畑の土を洗浄し、各家の敷地から壊れた家具などを取り除ける仕事を行います。

写真はニューヨークタイムズから

しかし仕事を終え、一日かけた仕事の成果を振り返れば、その場所が作業を要する数千か所のうちのたった一か所だとしても、心を満たすのは満足感や達成感です。
私が沿岸部に行って尋ねると、ボランティアを行った人々は例外なく、これが自分たちにできることの中で最も納得がいき、被災者を勇気づける行為なのだ、と話します。
ボランティアの人々は日本中から、時には海外からもやってきますが、ときにがれきの中から、今回の人々の悲劇の大きさを思い知らせるようなものを拾い上げることがあります。

私の場合、痛烈な悲しみを感じたのは、私自身ががれきの山の中から拾い出した子供のおもちゃと写真でした。
これらの品物を手にする時、その持ち主達があの瞬間に、何とか生き延びたことを願わずにはいられません(あまりに多くの人々が津波にのまれ、流されていきました)。

そう、これらの写真で、私は回復を伝えたいのです。

仙台市も、東北も、その他の地区も、表面的には正常な状態に復帰しています(変わってしまったことは、地中深く埋められました)。
いたるところにある『がんばろう、東北』のポスター : 『東北よ、あきらめるな、闘い抜こう』という意味です。
このスローガンは東北ではすっかり有名になりました。しかし、みんなの心をつかんでいるかけではありません。
とあるコンサートで一人のシンガーが、このスローガンに関する不安を語りました。
問題を単純化しすぎている、ということでした。
彼の指摘は置かれている状況も、直面している問題も、一人一人違っている、というものでした。
私も同感です、私自身の問題は微々たるものですが。

私の年上の隣人は、4月に起きた二度目の大地震で屋根が壊れてしまったため、家の中で使える部屋は二つだけになってしまいましたが、
「私の人生もずっとガンバローだったのよ。」と語ります。
彼女は今回の震災はもっと深刻なもの、ただしまったく違うというわけでもない、と語ります。
こうした感想の方が一般的です。
今や地震が起きたことをはっきりと指し示すものは、人々の脳裏にしかないのかもしれませ ん。

最近、私は幸運にも、遠足途中の小学生たちと話をする機会がありました。
「3月11日には、どうしていたの?」という質問を受けました。
子供たちは地震のとき私が彼らと同じように仙台にいた、ということを聞いて驚いたようでした。
そして私の故郷のアイルランドには地震は起きない、『震災』などというものを体験するのは初めてなのだ、と聞いて驚いていました。

今度は私が、前日に起きた日本の基準でいう震度4 - それ自体かなり大きな地震なのですが - の余震が起きて、驚いたかどうか尋ねました。
すると一人の少年、11歳の星ケンシロー君は私の目をまっすぐ見て、こう言ったのです。
「別に、ふつうだよ。」
それが恐怖を感じるほどの揺れであっても、友達や家族と一緒にいれば、
「大丈夫だよ。」
と彼は語りました。

仙台市、宮城県、そして日本は概ね、いまだに3月11日の災害からの復旧作業が続いています。
一つの場所で、一度にこれほどの悲劇が重なって起きたことに、人々の心はまだ動揺しています。
発生した事実のすべてを受け入れることは、まだまだ難しい状況が続いています。
前に進もうと言う取り組みが、恐怖、怒り、そして時には暴力的なほどの感情の爆発に支配されることがあります。

しかし、生き残った人々のほとんどは、どれほどの代償を払うことになっても、この大災害を乗り越えようとしています。

取材や調査を行う人々にとって、ここは災害現場のひとつです。
しかし、仙台市、宮城県や東北の人々にとって、この場所が故郷なのです。

〈完〉
記事中に記載されている写真は、こちらのオリジナルサイトからご覧ください。
http://mondediplo.com/blogs/ganbaro-keep-fighting-on

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【イタリア歴史遺産『発売中!』』】
借金返済のため広告塔にされた名勝

アメリカABCニュース 11月10日

世界的な金融大災害のため、ローマがグラウンドゼロになってしまいそうです。

イタリアの金融の混乱は重症化しています。
同国の負債は、その経済規模全体より大きい2兆5千億ドル(192兆円以上)です。
このためイタリア政府は、その債務返済のためありとあらゆる方法を検討しましたが、その中にイタリアの歴史遺産の数々が含まれていました。
ミケランジェロのダビデ像や、ピサの斜塔を忘れるイタリア人はいません。
その結果この数年間、これらの歴史的建造物が広告塔にされてしまいました。
ローマのコロッシアムからヴェネツィアの運河にいたるまで、今や手つかずのものなど無くなってしまいました。

「この世の見納め」、美しいため息の橋をめぐる金を稼ぎ出すための契約は、ブルガリのような企業から200万ドル以上の利益をもたらしました。
これらの広告は、最近になってやっと撤去されました。
破綻を防ぐためには、イタリア政府は負債の利子だけで、来年4,080億ドル(3兆円以上)にのぼる金額を支払わなければなりません。
そのためには272,000件以上の、歴史遺産広告を獲得しなければならない計算になります。

専門家は、イタリアが投資家の信頼をとり戻すためには、政府の信頼性の回復と責任を果たすことが必要だと語ります。
スキャンダルだらけのシルヴィオ・ベルルスコーニ首相の首を、マリオ・モンティという名前の経済学教授の首とすげ替えることは、そのための第1ステップですが、それは来週になれば実現するでしょう。

第2ステップには痛みが伴います。
増税と社会保障のカットです。
イタリア人は彼らの『美しき人生』をあきらめなければならなくなります、加えて終身雇用、長いバケーションと手厚い年金なども。

しかし痛みを分かち合うことは、容易なことではありません。
ベルルスコーニ首相が先月、歳出削減を行おうとした際には、街中で暴動が発生しました。

しかし、それを行わなければ事態はもっと悪くなります。
残りのヨーロッパの国々もアメリカも、ともに破綻を迎えることになるのです。
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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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