〈 まだまだ続く米国大手メディアの権力の横暴への糾弾 〉
アメリカNBCニュース 11月20日
我が国の富の偏在についてメッセージを送り続ける『ウォール街を占拠せよ!』の運動は、警官隊との衝突を撮影した焦点が合わない映像によって、今回人々の間に強く印象づけられることになりました。
カリフォルニア大学のキャンパス内のデモ隊に対し送り込まれた警官隊の一線を越えた行動をとらえた、今週撮影の最新のビデオがウェブ上で公開されるや否や、あっという間に広がりました。
アン・トンプソンがお伝えします。
Visit msnbc.com for breaking news, world news, and news about the economy
リポーター:この最新の映像は抗議行動を危機に追い込んだ、警官隊の横暴を証拠だてました。
投稿された映像は金曜日、概ね平静な態度を維持していたデモ隊に対し、警官隊がトウガラシスプレーを浴びせかける様子を映し出しています。
「恥を知れ!」
リポーター:警察署長は事態は不穏な空気に包まれ、一部の警官が孤立する恐れがあった、と語りました。映像は 警官たちがトウガラシスプレーを使って、道を開けようとしている様子をとらえていますが、インターネットで公開されると、たちまち怒りの 声が寄せられました。
「恥を知れ!恥を知れ!」
リポーター:何人かの人々は学長のリンダ・カテヒーの辞任を要求しましたが、彼女は拒否しました。
そして、今日になってトウガラシスプレーを使っているところを撮影された二人の警官が公務休暇を取りました。
今回の映像にとられた、学長が「身の毛もよだつ」と表現した警官隊の行為が、正当なものかどうかを検証する特別委員会が調査を行っています。
学長「私は、この大学の学生を見舞った不幸で、ひどい出来事に関し、学生たちに心から同情します。」
リポーター:国中での警官隊の厳しい取り締まりの様子は、国民に衝撃を与えました。
ニューヨークの公園における血だらけの青年。トウガラシスプレーを浴びせられた84歳の女性、そして今回はカリフォルニア大学デイヴィス校の学生たち。
彼らは居場所を取り上げられましたが、アナリストは彼らが伝えたものは大きかった、と語ります。
ニューヨーク大学ステファン・ダンコンビー「3か月前には存在しなかったこの抗議運動は、富の偏在やこの国の道徳的規準の見直しに関する議論の場を提供することになりました。」
そしてまた、批判もあります。アイオワ州で開催された共和党大統領候補による演説会でのことです。
共和党大統領候補ギングリッジ「まずは風呂に入って清潔にしてから、仕事を探しに行きなさい。」
この問題を研究する人々は、[ウォール街を占拠せよ!]の抗議運動が公園などを占拠することから、来年度の大統領選挙に関する議論の行方を左右するものになってきた、と語ります。
あるいは単に警察、抗議運動を展開する側、それぞれの戦術に関する議論で終わってしまうかもしれません。
+ – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +
もう皆さんにはご理解いただいていると思うのですが、ウォール街を占拠せよ!の話題をしつこく取り上げるのは、アメリカの大手マスコミが市民運動に対する権力の介入については、ものすごく厳しい目を持っている、ということをお伝えするためです。
そして、市民がなぜこうして立ち上がっているのか、きちんと理解するよう迫ってきました。
そして日本の経産省前で行われている女性たちの戦いを、きちんと伝えない日本の大手マスコミ。
生活や家族、その他を犠牲にしてまで、なぜ女性たちが座り込みをしようと考えたのか。
結局そのことをきちんと伝えた「日本の大手マスコミ」は、私の見た限りではありませんでした。
私は数年の間、年間購読していた週刊誌の購読をやめました。
「日本は核兵器を所有するため、原発政策を推進すべきだ」と書いてはばからない評論家の連載があるからです。
雑誌は有益な情報が度々掲載され、迷いましたが、私の支払う購読料が一円だって「日本には核兵器と原発が必要だ」という原稿の稿料にされてたまるか、という思いがありました。
そしてその年間購読料の倍の金額を、あしなが育英会に寄付するための手続きをしました。
子どもたちの中でもいちばん弱い立場の一人一人を、現実に支えてくださっているからです。
あしなが育英会さんからは毎月お礼のメールをいただきますが、今の私にとって「有益な情報」の何倍もの価値があります。
今や私の夢は現在の寄付金額を5倍にも、10倍にもしていくことです。
+ – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +
【少女の凶悪な笑いがあなたの笑いを誘う】
アメリカCBSニュース 2011年11月17日
幼い一人の女の子の非常に短いビデオをまずご覧いただき、まずはあなたに笑っていただいた後で、一緒にこの女の子の将来について少し考えてみましょう。
ビデオは「娘は暗黒面を選びとった(My daughter has chosen the Dark Side )」というタイトルで(もっともなタイトルですが)、YouTubeユーザー Stardestroyer65(星の破壊者65)によって公開されました。
さあ、どう思われますか?
この少女は暗黒のルールと冷たい心で、宇宙を支配する生命体になってしまうの でしょうか?
彼女がおもちゃの車を破壊する行為は、将来彼女がアメリカ大陸を叩き壊す前兆 なのでしょうか?
それは時間がたたないとわかりません。
〈警官隊の『行き過ぎ』を徹底報道するアメリカ大手メディア〉
〈『経産省前無視』を続行する日本の大手メディア〉
2011年11月19日
警官隊と抗議する人々が国内中で頻繁につばぜり合いを繰り広げる中、3本の最新の映像が手荒に扱われる人々の姿を伝えています。
警察は退役軍人と学生を含むデモ隊に、とうがらしスプレーを浴びせかけました。警官たちは超えてはならない一線を超したのではないか、この点が大いに疑問です。
昨晩までの2日間、オレゴン州ポートランド・デイヴィスと、カリフォルニア州オークランドのカリフォルニア大学における警官隊とデモ隊の衝突問題がクローズアップされ、この衝突における新たな問題に対し、注意を喚起することになりました。
カリフォルニア大学デイヴィス校の学長リンダ・カテヒーは、18日に発生したキャンパス内でのとうがらしスプレー噴射について、綿密な調査を行うため特別委員会を組織した、発表しました。その様子は複数の目撃者が映像に記録しています。
カテヒー学長は大学のウェブサイトに、以下の声明を掲載しました。
「記録された映像におけるとうがらしスプレーの使用は、見るものすべてに不快の念を抱かせ、このような状況でそれを使用することが最良の解決方法なのかどうか、疑問を抱かせました。」
何本もの映像がそれぞれ違った場所から、キャンプを守ろうとするカリフォルニア大学デイヴィス校の生徒たちが、とうがらしスプレーを浴びせられる様子が撮影されていました【ビデオNo.1】。
カテヒー学長は大学の敷地内でのキャンプ禁止の学則を引用し、キャンプを撤去するよう、学生たちに求めていました。
暴徒鎮圧用の装具に身を固めた35名から50名程の警官が現れると、学生たちはキャンプの回りで腕を組み合わせ始めました。
「5分も経たないうちに警官たちは腕づくで学生を引きはがし、逮捕し始めました。」
大学で都市開発を専攻する、スペイン人のクリス・ウォンが話しました。
「まるで映画のワンシーンのようでした。」
ウォンによると学生と周囲にいた群衆が腕を組んで、警官と数名の逮捕された学生の回りを取り囲みました。
私たちは「彼らを釈放せよ!釈放せよ!」と叫びました。
木の上からこの様子を撮影していた2年生のセレナ・グロスジャンは樹から飛び降り、カメラを近くにいた人に手渡すと一緒に腕を組みました。
この時点で一人の警官が腕を組んでいたデモ隊めがけて、とうがらしスプレーを浴びせかけたのです。
「私はスカーフとセーターで顔を覆いましたが、息をすることができませんでした。」
セレナはスプレーを浴びせられ、まる1日顔の腫れが引かなかった、と話しまた。
「とうがらしスプレーのひどいところは、触れた部分がすぐに炎症を起こすことです。目はそんなにひどくありませんでした。涙が流れて、その分助かりました。」
ウォンはとうがらしスプレーを向けられた時、あわてて顔を上着のフードで覆い隠しました。
デイヴィス校の警察署長アネッテ・スピクーザは、デモ隊に包囲された警官隊が、最後の手段としてとうがらしスプレーを用いた、と公表しました。
「取り囲まれた中から出る方法が無かったのです。デモ隊は警官隊の列を分断しようとしたのです。」
スピクーザ署長がAP通信に語りました。
国内の警官はおしなべて、抗議する人々から敵意を持ってみられている、と話します。
「デモ隊が警官を押したりするのを、見ているはずです。デモ隊が騎馬隊の馬を叩くのを、警官に向かって悪態をついたり、軽蔑した仕草をするのを見ているはずです。」
オレゴン州ポートランドの警察のスポークスマン、ロバート・キングは20歳のエリザベス・イヴォン・ニコルズについての - 公開とともに反響を呼んだビデオに対する反論の中で、放送したABCの系列局にこう話しました。
エリザベスは木曜日、とうがらしスプレーを浴びせられたあと、さらに放水され、デモの解散命令に従わなかったために秩序紊乱のかどで逮捕されました。
「一人の女性警官が私の首に、警棒を押しつけたんです。」
ニコルズは釈放された後、系列局にこう話しました。
「警棒は私の気道を圧迫し、息ができなくなりました。いったん彼女が警棒を引いた時に、私は彼女に向かって猛烈に抗議しました。すると突然抗議の最中に、とうがらしスプレーをおもいっきり浴びせられたのです。」
先月抗議行動中に頭蓋骨骨折を負わされた退役海兵隊員、スコット・オールセンは回復に向かっていますが、2人目の退役軍人が警官との乱闘により、重傷を負ったという知らせが飛び込んで来ました。
11月2日のビデオの中で、棒で殴られている人物が32歳のカヤン・サベジであることを、撮影者が確認しました(ビデオNo.2)。
カヤンは逮捕されましたが、アラメダ郡刑務所で14時間勾留された後、内臓破裂のため病院に搬送された、とサンフランシスコのABCの系列局KGOテレビが伝えました。
この件に関し、ABC放送はオークランド警察署の誰とも接触できていません。
KGOテレビも問題のビデオを同警察署に送り、説明を求めていますが、土曜日の時点で返答はありません。
前月、オークランド警察署長のハワード・ジョーダンは地域の人々がデモ隊と警官隊の衝突に懸念を深めている、との声明を警察署のウェブサイトに掲載しました。
その声明にはこう書かれています。
「あなた方同様、私もまた抗議行動をする人々や警察官が負傷することの、そのどちらについても懸念しています。警察側はどの段階の鎮圧行動も、軽々しく行うことはありません。」
彼女とは関係のない世界の子供たちのことを、レイチェルは心配し続けています」
2011年11月14日 アメリカNBCニュース
ブライアン・ウィリアムズ :
『メイキング・ア・ディフェレンス』の時間です。
今日お伝えするのは、何かを成し遂げようとするのに年齢が若すぎる、などということは無いというお話です。
大災害となった大地震からちょうど2年が過ぎたハイチの取材を行った際、固い決意とともに立ち上がったフロリダの一人の少女に出会いました。
いまだに助けを求めている人々のために、彼女の努力がどれほど力になったか?
NBCの医療部門の執筆責任者、ナンシー・スナイダーマン博士がお伝えします。
ナンシー・スナイダーマン博士「レイチェル・ホイーラーは見た目はごく普通の少女です。友だちとくすくす笑い合い、学校へ行ってダンスを楽しんでいます。」
レイチェル・ホイーラー「私、いまだにショックが続いているんです。」
スナイダーマン博士「しかし彼女は、12歳の少女のほとんどがしていないことに取り組んでいます。数百マイルも離れた場所にあり、彼女とは関係のない世界の子供たちのことを、レイチェルは心配し続けています。
ロビン・マフードは『貧困層に食料援助を』という名の、フロリダで最大規模の慈善事業を行っています。彼はまたその日食べるものにも事欠き、とても家とは呼べないようなところで暮らしている、ハイチの子供たちのためのチャリティーを呼びかけました。
レイチェルはハイチの子供たちが置かれている状況は、どう見ても間違っていると確信し、ハイチの子供たちがちゃんとした家に住めるよう、ロビンに協力することを誓ったのです。
彼女はパンの販売から始めました…..」
男性客「レイチェル、ここだよ」
スナイダーマン博士「彼女は地元開催の試合で缶を手に持ちながら、寄付を集めて回っています。」
女性の篤志家「今夜はレイチェルに2,600ドル(20万円)寄付することにしましょう。」
男性「いいことしてるね。」
スナイダーマン博士「小さな善意が積み重なり、寄付金の額は今や25万ドル(2,000万円)を突破しました。
スナイダーマン博士「レイチェルが手ぶらでハイチに行くことはありません。」
ハイチの男の子「どうもありがとう。」
スナイダーマン博士「2010年の地震で学校と同級生5人を失った困窮している子供たちに、援助のパッケージを手渡しています。」
スナイダーマン博士「ハイチの小さな漁村、ここでも彼女は英雄です。」
「ここの歓迎ぶりには圧倒されるわね。」
レイチェル「ええ。」
スナイダーマン博士「よくお聞きください。レイチェルが集めたお金で、すでに27戸の家が建てられているのです。
大人であってもそのほとんどの人間は、ご覧になっているような貧困がハイチに蔓延していることを、想像することすらできません。
いったい何が、こんな若い少女に生活の一部を、こうした行為に捧げさせているのでしょうか?」
レイチェル「人生の大切さはどの場所だろうと同じです。口で言うだけでは何も実現できないと思います。『そうとも、私がハイチを世界で最高の場所にしてみせるよ!』そう言って指をパチンと鳴らしても、何も起きません。実際に働いて、そうすることで、めざすことを実現させていかなければなりません。」
スナイダーマン博士「『貧困層に食料援助を』の人々は、一軒一軒の新しい家がハイチの最も弱い立場の人々に、やり直す機会を提供すると考えています。
ロビン・マフード氏「私たちは子供たちと母親たちの安全を守り、きちんとした生活ができるように、テント生活から連れ出して、カギのかかるドアの付いた家の中に導いているのです。」
スナイダーマン博士「非常に完成されたコンセプトのもと、家を建設し、人々の人生を建て直していく。
まだ少女のレイチェル・ホイーラーですが、すべての人々の心に感動を与えていきます。」
ナンシー・スナイダーマン、NBCニュース、レオーネ、ハイチ。
Visit msnbc.com for breaking news, world news, and news about the economy
『ウォール街を占拠せよ!』ニューヨークその日の詳細行動記録
- そして見えて来た『答え』
一方、日本では大手メディアが『経産省前』を無視し続ける
アメリカABCニュース 11月17日
午後8時14分(東部時間・ 以下同じ)
ニューヨーク市長広報室は、逮捕された26名の記者のうち、ニューヨーク市警発行の正式の記者証を所持していたのはわずか5名のみであったと発表しました。
午後7時43分 – ABCニュース / アーロン・カタースキー
数名が交通妨害のかどで逮捕されましたが、デモ行進そのものは整然と行われました。
数千名が
「これが民主主義の姿か?!」
「これが今のアメリカの姿だ!」
というスロー ガンを唱えながらブルックリン・ブリッジを行進しています。
彼らは橋歩行者専用レーンを半分ほどやって来ました。この時点で逮捕者はいませんが、行進は整然としており平静を保っています。
このグループはマンハッタンの繁華街のベライゾン・ビルにプロジェクターを使って『99%』のロゴを映し出しています。
ロゴが『占拠せよ!』行動が展開されている、世界中の都市のリストに切り替わりました。
午後5時48分 - アーロン・カタースキー
フォーリー・スクエアからブルックリン橋への行進は、午後6時開始予定。参加者は99人 ― 象徴的な数字、活動家、組合の代表と政治家が市民たちの抵抗運動を支援するために志願しました。
彼らはセンター通りに面した橋の入口に座って、交通を妨害する予定ですが、そのことにより逮捕される見込みです。
この行動は、午後6時30分 ごろになるでしょう。参加者全員が『99パーセント』のTシャツを着ています。
午後5時30分 – アーロン・カタースキー
組合と活動家のグループの支援を受け、代表によるブルックリン橋を通るデモ行進の後に続き、数千人がデモ行進を行うためにフォーリー・スクエアに集まりました。
今日集まったうちのほとんどは、これまでのデモには加わっていなかった人々です。
運動が2か月目を迎えましたが、規模は膨らみ続けています。
〈 ストップ!経済奴隷制度 〉
午後5時23分
ブルームバーグ市長の記者会見からの抜粋:
「『ウォール街を占拠せよ!』はそのウェブサイト上で、今日の抗議行動への参加者は数万にに上る予定だとあるが、はるかに少ない参加者しか得ていない。そしてこれまで確かに彼らが行いえたことは、このニューヨークに少しばかりの損害を与えたことだけである。」
「ほとんどの抗議する人々は、公平に見て責任ある行動をとってきた。」
「ニューヨークに留まり抗議行動を続けたいのであれば、それは可能である。この街は自由の伝統の上に築かれ、人々がここにやって来るのは、言いたいことが言える場所だからだ。しかしそのことと、他人の正当な権利を取り上げることは、同義ではない。」
「憲法修正第1条はそのような行動を、保証してはいない。同条項の理念は全く正反対であり、ビジネスマンの通勤を妨害したりせず、それぞれ がそれぞれの立場で自由に働くことを保証している。それを妨害することは、大目に見られるべきではないと考える。」
午後4時28分 アメリカABCニュース / リチャード・エスポージト
ニュー ヨーク市当局の発表によれば、数名の抗議する人々が軽傷を負いました。多くは擦過傷だということです。全員が手当てを受け、現在はすでに釈放されているか、あるいは釈放の手続きを行っている最中だということです。
頭部が血まみれになっていた青年の、けがの程度は不明です。この男性は映像では、頭皮、額、鼻の部分が血まみれになっていましたが、警官たちによってプラスチック・バンドの手錠がかけられ、引き立てられていました。
彼は警官の帽子を弾き飛ばした後、警官に殴られた、と報告されています。
午後4時22分 – アーロン・カタースキー
更新された数 ― 逮捕者数177名、負傷警官8名、負傷する10人の抗議者の負傷は10名。
午後4時01分 – アーロン・カタースキー
抗議者側の予測より「はるかに少ない」参加者しか得られていない、とニューヨーク市長が会見。
都市生活に引き起こされるのは「少々の混乱」だけと。
午後3時47分 - リチャード・エスポージト
引退したレイモンド・ルイス元フィラデルフィア警察署長は、抗議行動の最中、大礼服を着たまま逮捕されました。 ルイス氏(2004年に引退)のいでたちは大体において正しかったものの、いくつかの勲章の位置が間違っていました。
加えて『フロンティスピース』と呼ばれる制帽の正面のバッジが、フィラデルフィア警察の正規のものと違っていました。正規のものは引退の際、返却されていました。
腰の低いかつての警察の要人は、手錠をかけられても、手入れされた立派な口ひげを生やし、堂々とした態度でいました。
フィラデルフィアの警察署内では、「彼はウォール街の投資で損をさせられたんだ。」というジョークまがいのうわさが飛び交っていました。
午後3時42分 - リチャード・エスポージト、アーロン・カタースキー
現場から報告を受けたマイケル・ブルームバーグ・ニューヨーク市長室の談話
警官隊が一部のデモ参加者に、糞尿や火がついたままのたばこの吸い殻を投げつけられましたが、我慢しました。
ニューヨーク市警が付け加えました。
「我々は、いろんなものを投げつけられた。」
〈 おもいやり!〉
午後3時42分 - ABCニュース / ダン・ハリス
ニューヨークで始まった『ウォール街を占拠せよ!』の運動も、統一された目標がある訳ではありません。
一人がまずは公園を取り戻すことだ、と言っている間にも、別の参加者は目標は『言論の自由』だと語り、その他、戦争の終結、ガソリン価格の引き下げ、そして思いやりまできりがありません。
しかし、人々が共通して持つ、ひとつの答えが見え始めています。
それは『政治家に対する企業の影響力を小さくすること』のようです。
〈以下省略〉
午前8時48分 - ダン・ハリス
ナッソーストリートとパイン・ストリートの角で。
数百名のデモ隊がニューヨーク証券取引所から1ブロック程のところで、交差点を占拠しました。
警官隊が道路から立ち去るよう、警告を発したところです。
今にも逮捕が始まりそうな気配です。
http://abcnews.go.com/blogs/headlines/2011/11/occupy-wall-streets-day-of-disruption-wn-live-updates/
+ – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +
一度書いたように、日本では経産省前のデモ隊は大手メディアに無視され続けています。
しかしアメリカでは、[ウォール街を占拠せよ!]運動に関してメディアが伝えない日は無く、今回のように警官隊の『横暴』な態度が確認されれば、 直ちに全国配信されることになります。
まずは前半のABCニュース、午前8時48分から午後8時14分まで、まさに『分単位』でデモ隊と警察の一挙一投足が、全国民に向け克明に報告されます(あまりに長いため、午前8時から午後3時過ぎまでの14本を割愛させていただきました)。
ここまでされれば、いかに権力と言え無法な振る舞いに及ぶことは不可能です。
一方のNBCニュースは短いものの、警官隊の横暴な振る舞いを端的に捉えています。
私もブライアン・ウィリアムズ氏の顔を見ない日がなくなってしまいましたが、 今回のニュースで彼の表情と口調は明らかにこう言っています。
「警官側は、ここまでやる必要があったのか?!」と。
経産省前の女性たちのデモも、彼女たちがどこから来たどんな人たちで、どんな思いで連日がんばっているのか、寄り添うように伝える日本の大手メディアがあっても良い、と思うのですが、無視を決め込んだままです。
かわりにどうでも良い国会の政争については、取り上げない日がありません。
市井に暮らす国民ではなく、政治家や企業家がこの国の『主人公』であるがごとく扱う日本のメディア。
その姿勢が一般国民の『良識』といかに相容れないものであるか、アメリカABC、NBCの今回のニュースを見ていると痛感するのですが......
+ – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +
【 警官隊、84歳の女性の顔面にとうがらしスプレー 】
アメリカNBCニュース 11月16日
ブライアン・ウィリアムズ :
国内各都市のキャンプ地から追い立てられた[ウォール街を占拠せよ!]の人々は、今日はグループの再編成を行っています。
シアトルでは昨夜、デモ行進から抗議する人々と警官隊の間でにらみ合いとなりました。
そして唐辛子スプレーが使われました。
聖職者も含め、数十人の人々がスプレーを浴びせかけられました。
一人の女性が顔中にスプレーを浴びせられた写真が、シアトルのウェブサイトにアップされました。
抗議を行っている人々は、彼女は84歳のドーリー・レイネーであることを確認しています。
Visit msnbc.com for breaking news, world news, and news about the economy
「福島第一原発の作業員は家族のために、放射線被ばくの危険を冒す」
Cordula Meyer / デア・シュピーゲル(ドイツ)2011年9月21日
福島第一原発の事故発生以来、管理者である東京電力は原子炉を制御下に置くための作業を、臨時作業員に頼っています。
作業員については毎日、被ばく線量を計測していますが、彼らのうちの多くは日本のために働いているわけではなく、金のために働いている、と語ります。
シュピーゲルは厳しく立ち入りが禁止されているJ-ヴィレッジに潜入し、隠れたヒーローたちに会ってきました。
[ 第1部 : バリケードの向こう側で ]
〈重労働と暑熱で消耗しきって〉
『231』 の道路標識は、ここが道路の終点であることを示しています。バリケードが交通を遮断し、破壊された福島第一原子力発電所につながる常磐自動車道を、それ以上北上することを阻んでいます。
制服姿の警官が『止まれ』の旗を打ち振っています。
夕方の黄昏の中、赤いネオンサインが「立入禁止…災害特別法」の文字を浮かび上がらせます。
赤い警棒を抱え込んだ警官は、道に迷ったあらゆるドライバーを締め出しています。
3人の警官が右方向へ通り抜けを阻んでいます。
歩いて近づいてくる人々は、大声で注意されることになります。
日夜、合計20名の警官がこの場所に詰めています。封鎖されている右方向へ進むと、そこにJビレッジがあります。
ここはかつてサッカー日本代表チームのトレーニングセンターでした。
しかし3月11日以来、日本でもっとも大きなサッカー複合施設は日本の隠れたヒーローたち、制御不能に陥っている福島第一原子力発電所を機能させるために働く、緊急作業員のベースキャンプに姿を変えています。
来る日も来る日も1,000人を超える作業員がこの場所で交代に備え、待機しています。
福島第一原子力発電所を運営する東京電力は、数年前にこの施設建設のスポンサーになりました。
しかし、この施設が福島第一原発の復旧工事のための中継所になって以来、東京電力はあらゆるメディア、そして一般市民からこの場所を隔離しました。
フロントガラスに東京電力の許可証を掲示した、バスとバンだけが検問所の通過を許されます。
これらの車両は作業員を乗せ、福島第一原発とJビレッジの間を往復しています。窓越しに疲れ切った様子の作業員の頭が見えますが、ほとんどの人が30分間の帰路、居眠りしているのがわかります。
一台のバスがJビレッジに向かう坂を上ろうとしていますが、その中に白い防護服を身に着けた51歳 の佐々木ヒトシさんの姿があります。建設作業員としてここに来て3週間になります。彼の仕事は破壊された原子炉への道を舗装することです。
その仕事には原子炉を覆うプラスチックカバーを設置するために使われる600トンクレーンの通行を可能にするため、鋼材の支柱を敷いていくことも含まれています。
▽ 放射線チェックの列に並んで〈みんな無言で〉
佐々木さんがJビレッジに着いてまずすることは、体育館の右側にある建物に向かうことです。
その建物に向かって白い防護服、防護マスクをつけた人々の長い列ができています。
ジムの入口には箱が並んでいます。
佐々木さんは彼の靴からビニールの覆いを取りはずして、最初の箱の中に入れます。
次にマスク、合成紙でできている白い防護服、手袋、それぞれ別の箱の中に入れていきます。
たくさんの作業員が重い足取りで体育館に向かって歩いていきます。口をきく人はほとんどいません。
何人かが靴からプラスチックカバーを取り外す際、つまづいています。
別の人々は暑苦しくて汗まみれになった防護服を一刻も早く脱ごうとして、両手を使い、むしりとるように脱ぎ捨てています。
その後、彼らは放射線チェックを受けるため、列を作って並ぶのです。
ほとんどの作業員が防護服の下に、長袖の濃紺の下着だけをつけています。
長時間暑苦しく湿度も高い環境で働かなければならない作業員は、防護服の下に青い色のベストをつけることを許されます。このベストには暑熱によって体力が奪われないよう、冷却剤が装着されています。
何人もの作業員が倒れました。
8月だけで13人の作業員が、原子炉5号基、6号基の前に建てられた緊急処置室に入ることを認められました。
5月、60歳の労働者が一人死亡しました。
心臓発作だったということです。
にわか仕込みで訓練された作業員の一団が、作業員一人一人の被ばく線量をチェックします。
これらの担当者も防護服を着込み、青い帽子と紙製のマスクを着けています。
体育館の隅にあるバスケットボールのゴールの下、折り畳みテーブルの上に4台のガイガーカウンターが用意され、その隣には3台の線量計がしっかりと固定されています。
検査担当者は大きな器具を抱え、ガイガーカウンターに見入っています。
彼らはセンターをまず頭部にあて、次に左右の腕をなぞっていきます。そして胸、胴体、そして両脚をチェックします。
検査を受ける間、作業員は放射性物質を吸着するよう作られたマットの上に立たされています。
多くの男性が20代前半のように見受けられますが、何人かの年老いて疲れ切った様子の男性も混じっています。
〈つづく〉
出典 : http://www.spiegel.de/international/world/0,1518,786650,00.html
+ – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +
今日から新しいシリーズを始めさせていただきます。
このシリーズもこれまでご紹介した、
◆ フランスのル・モンドの【まだまだ続く『がんばろう!』】( http://kobajun.biz/?p=1297、 http://kobajun.biz/?p=1303 )、
◆ アメリカCBSニュースの【津波のあとの姉妹都市】( http://kobajun.biz/?p=1217 ほか)、
◆ アルジャジーラの【放射能の無い日本への戦い】( http://kobajun.biz/?p=1155 ほか)
と並んで、静かな語り口で淡々と叙述される文章を読み進むうちに、いつしか感動すら覚える内容を持っています。
タイトルにある「使い捨てられる人々」の意味は、第3回で明らかになります。
日本の東日本大震災の新聞報道等は、読む人にある特定の画一化された感想を求めているように感じることがあります。
登場する人々も、少し美化され過ぎているように思える時があります。
今回のJ-ヴィレッジの登場人物は、美化されている人など一人もいません。
しかしその代わり、一人一人の登場人物にしっかりした存在感のあることに驚かされます。
個人的には、記録文学の受賞に値するクオリティを持っていると思うのですが、皆さんのご感想はいかがでしょうか?
後半はABCニュースの記事として、一度ご紹介したことがあります( http://kobajun.biz/?p=1098 )。
NBCの[ メイキング・ア・ディフェレンス ]は、様々な人々が、様々な場所でアメリカを良くしようとしている姿を伝えるシリーズです。
可能な限り数多く、ご紹介していきたいと考えています。
+ – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +
【 2人の若者の大陸横断ごみゼロ作戦 】
アメリカNBCニュース 11月17日
NBC国際放送の緑の週間に合わせ、ナイトリーニュースが大きな夢と丈夫な足を持った二人の青年をご紹介します。
ジェフ・チェンとデイヴィー・ログナーの2人が運営する非営利組織[ピックアップ・アメリカ]は、大陸横断をしながらごみを拾い集め、ごみゼロのメッセージを普及させています。
2010年3月から、チェンとレグナーは、ほぼ2,000マイルを走破しながら140,000ポンド(6.3トン)以上のゴミを集めました。
しかし、彼らは二人きりではありません。
彼らは進みながら、たくさんのボランティアと協力し合いました。ある人は一日付き合い、一カ月間行動を共にした人もいました。
チェンとログナーの2人は[ピックアップ・アメリカ]の取り組みによって、この国の一人一人がこれまでの振る舞いを改める気になり、そうした変 化が長続きするよう願っています。
「僕は、人間が地球に対し、こうした敬意を持つようになるよう、願っています。そして、こうした取り組みは私たちのような、若い世代が率先してやるべきだと思っています。」
チェンはこのように語りました。
[ピック・アップ・アメリカ]は予定通りに、その旅程の半分を完了しました。
彼ら二人は現在デンバー郊外に居り、メリーランド州でゴミ拾いを行い、その後サンフランシスコを目指すことになります。
彼らの旅は一年以内にサンフランシスコで終了します。
しかし二人は彼らのメッセージが長く人々の心に残ることを願っています。
Visit msnbc.com for breaking news, world news, and news about the economy