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【 核(放射性)廃棄物、それは一刻の猶予もならない課題 】[ル・モンド]

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所要時間 約 12分

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「原発の近くの木々は実をつけなくなり、庭木は枯れ、子供たちの体調も良くない」
『貧しさのにおい』を嗅ぎつけ、『札束を突きつける』原子力発電業界

ミレル・ブラン / ル・モンド 2011年9月8日

ルーマニアで唯一の原子力発電所は1996年以来、黒海に近いこの場所で運転を続けています。今、この近くに核廃棄物貯蔵施設の建設が予定され、もし原発事故が発生した場合、核廃棄物の存在がどれ程災害を拡大することになるのか人々の懸念が深まっています。

埃っぽい道があり、水道設備も無く、公共の照明と呼ぶには値しないような街灯しか無いサリグニの町は、あらゆる意味で典型的なルーマニアの農村です。

しかしこの町は今変化を待っています。

国の南東に位置する黒海からさほど遠くない場所にある、この村の石灰岩の岩盤の上に、チェルノボダ原子力発電所から出る核廃棄物の貯蔵施設の建設が予定されているのです。

2011年8月2日、国の核廃棄物・放射性廃棄物管理機関(AN&DR)が提案したこのプロジェクトについて、地方政府にゴーサインが出されました。

しかし地元の農村の人々は、日本の福島第一原発を襲った事故の記憶に未だに動揺が続いていました。
「我々 は村のすぐ近くに、巨大な爆弾を抱えてしまうことになる。」

サリグニに住むフローラン・ゲオルゲの発言です。

「もしチェルノボダの二つの原子炉に何かあれば、福島の事故よりもっとひどいことになってしまう。」

サリグニの村長、ガブリエル・タツレスクの意見は、村民とはまるで違っています。

「ただそこで待っているだけで、たくさんの恩恵が向こうからやって来るんだよ。整備された道路、上下水道、そして照明システム。簡単には手に入らない物ばかりじゃないか。私たちはできるだけ多くのインフラ整備をしてもらえるように、これから交渉するつもりだよ。何があっても、私は住民投票を行うつもりだよ。」

確かに貧しい村ですが、その歴史は輝かしいものです。

フランス系住民の息子で教師として働くためアルザスに行ったアンヘル・サリグニは19世紀後半、ルーマニア国内で橋や道路建設を行った先駆者でした。

特に彼がチェルナボダでドナウ川に架けた素晴らしい橋は、彼の名を不朽のものにしました。

そして1910年、彼はルーマニアの公共事業を担当する大臣となり、この国には経済発展のブームが訪れました。

しかし第2次世界大戦の終了によってこの国が共産主義国家となるに及び、その途は絶たれました。

▽ サリグニはすべての条件を満たしている

それから40年後の1980年代、チェルナボダは当時の独裁者ニコライ・チャウシェスクによってこの国唯一の原子力発電所建設用地に選ばれました。
原子力発電所建設を進めた他の東側諸国の指導者と異なり、彼はこのプロジェクトにソ連の参入を認めませんでした。代わりに彼はカナダと提携し、彼は天然ウランと加圧重水を使用する2基のCANDU型原子炉を建設したのです。

長期的にはこの技術は、ルーマニアに核兵器を提供することになっていました。しかし1989年に共産主義政権が崩壊し、ニコライ・チャウシェスクが処刑されることによりその計画は棚上げされました。

革命の影響によりルーマニアでは、経済的にも政治的にも混乱が続いたため、チェルナボダ原子力発電所では計画されていた最終的に5基になるはずの原子炉の建設計画が、資金不足のため延期されました。
結果的には7年が過ぎた1996年、チェルナボダにおける最初の原子炉が稼働し、2007年に2基目が稼働しました。

今日ではこの2基の原子炉が発電する750メガワットが、国内総需要の2割をまかなっています。

高レベル放射性廃棄物が発電所施設内に格納される一方、低レベル放射性廃棄物の量が増え続けるとともに、それをどう格納・保管するかが問題になってきました。

国の核廃棄物・放射性廃棄物管理機関が指揮してチェルナボダ周辺の37の町村の綿密な調査が行われ、専門家は原子力発電所が排出する低レベル放射性廃棄物の格納・保管場所として、サリグニが最もふさわしいと結論づけました。

40ヘクタールの敷地が用意され、3段階の放射性物質を格納する64のコンクリート製の貯蔵庫を持つ核廃棄物貯蔵施設が建設される予定です。

2019年に稼働を始める予定のこの施設には、チェルナボダ原子力発電所から2110年まで排出される核廃棄物を貯蔵するのに、充分な収納能力を持っています。

ルーマニア政府はEU以外からも投資を募ることにしました。

プロジェクトの第一段階で、全体予算3億4,000万ユーロ(340億円)のうち、まず1億8,000万ユーロを使って地下貯蔵施設を建設します。

「私たちは地元の人々の合意を得なければなりません。近く、議論の場を設けるつもりでいます。」

国の核廃棄物・放射性廃棄物管理機関の長官、イオン・ナスタチェスクがこう語りました。

「人々に今回の建設事業が妥当なものであり、建設されるのは信頼性の高い処理施設出せという事を理解してもらわなければなりません。私たちは将来の世代に、危険なものを押しつけるわけではないのです。」

しかし建設プロジェクトは、まだ村人全体の同意を取りつけたわけではありません。

村人の一人、ミルチア・イオンはこう語りました。

「私は賛成できません。私たちはすでに原子力発電所だけで、様々な問題に直面させられました。ここらの木々は実をつけなくなりました。庭木は枯れ、子供たちの体調も良くありません。」

「建設推進者なんか、恐ろしい廃棄物貯蔵施設と一緒に地獄に堕ちてしまえばいいんだわ!」

福島の大惨事があったにもかかわらず、ルーマニア当局は今後数十年間にわたる原子力開発計画を見直そうとはしていません。

その計画には官民の共同出資により40億ユーロを費やして、チェルナボダにさらに2基の原子炉を建設する計画が含まれています。

しかし2011年1月になって、プロジェクトのため合同企業体を構成していた5社のうち、フランスのGDF -スエズ、ドイツのRWE、スペインのイベルドローラの3社が参加を取り下げることにしました。

このためルーマニア政府はEU以外の企業に門戸を開放、現時点で中国広東省の企業と韓国の国際原子力コンソーシアム(KEPCO)が関心を示しています。

長期的にはルーマニアは、国の中央部に第二の原子力発電所を建設する計画で、この将来の施設からの廃棄物もサリグニに持ち込まれることになります。

今はっきりしていることは、中央政府にこの計画を取り下げさせるだけの反対運動が、地元で見られないという事です。

http://www.presseurop.eu/en/content/article/928691-nuclear-waste-explosive-subject

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今日から原発問題について、新たなシリーズ[ 原発とは人類にとって何なのか、何だったのか?! ]を始めたいと思います。

それぞれがまったく別個に発表されたフランス、イギリス、ドイツ、そしてアメリカの記事を組み合わせ、改めて原発の本当の姿について考えてみたいと思います。

これまでは、目につく記事を片っ端から翻訳して紹介する、というやり方でした。

しかし、このやり方では伝わるべき事が伝わらないのではないか、という懸念が絶えず私の中にありました。

少し時間がかかる事になりますが、すべてに目を通していただけば、見えてくるものが必ずあると思います。

以下の順でご紹介する予定です。

1. 核(放射性)廃棄物、それは一刻の猶予もならない課題 - ル・モンド(フランス)

2. 想定外とは?! - ニューヨークタイムズ(アメリカ)

3. フクシマ - それは津波という地獄を見た日本人が、決して見たくなかったもの - ガーディアン(イギリス)

4. 2027年 - フランスの原子力発電がデッド・リミットを迎える?! - ドイチェ・ベレ(ドイツ国際放送)

5. 原発、それは自信過剰の単純思考が生んだ暴論の産物 - エコノミスト(イギリス)

6. 核(放射性)廃棄物 - 貯蔵する場所はもう無い - ニューヨークタイムズ(アメリカ)

7. 再生可能エネルギーに大きく舵を切り始めたアジアの国々 - AOLエネルギー(アメリカ)

多少予定が変更になるかもしれませんが、以上の7つの記事は必ず掲載します。

ぜひ、ご一読をお願いします。

そしてできれば、今年早々ご紹介した2本の記事

[ 原子力発電の欺瞞に満ちたプロパガンダ、そして大事故は「もうたくさん!]ヘレン・カルディコット(ニューヨークタイムズ)

【ついに連続殺人鬼の正体を現した、核の『平和』利用・原子力発電】チップ・ウォード(ル・モンド・ディプロマティーク)

の内容を前段の知識としてお持ちの上、読み進めていただけば、さらにはっきりとしたものが見えてくると思います。

よろしくお願いします。

なお、下記の記事で『クリーンな温室効果ガスを排出しない技術』とありますが、『原発の有毒核廃棄物を処理し、安全に貯蔵し続けるための設備の維持に、大量の二酸化炭素を放出』していることを指摘する記事をすでにご紹介しています(http://kobajun.biz/?p=1612)。

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【 原子力発電の60年 】

シフラ・ミンツァー / AOLエネルギー 2011年12月20日

アルゴンヌ国立研究所の責任者ウォルター・ジンが彼の備忘録にこう記してから、60年の月日が経ちました。

『核エネルギーにより発電、概算で45kw』

1951年12月20日午後1時23分、原子力発電により初めて生まれた電気が研究室の4つの電球を点灯しました。

業界は、そのクリーンな温室効果ガスを排出しない技術を売り込むのに対し、反対派は原子力発電の危険性の証拠として、福島および他の原子力事故を引用し、60年後の今、原子力発電は激しい議論の的となっています。

アメリカ国内では既定路線通りに新たな原子力発電所の建設が行われていますが、世界的には原子力発電のシェアは減少しており、これに合わせ古い原子炉を廃炉にし、新たな原子炉との交換が行われています。

合衆国エネルギー省はこのビデオを公開するにあたり、原子力発電政策の進行をアピールするだけでなく、安全性を高めるためより小型の原子炉建設に投資し、大型の原子炉を建設するより費用の軽減にもなることを広報しています。

[ 世界とつながり続ければ、被災地に世界の知恵が集まる ]【 大地震から2年が過ぎたハイチ 】

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所要時間 約 9分

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[人生を創り始めた幼い姉妹]

アメリカNBCニュース 1月12日

2年前の今日、巨大地震がハイチを襲いました。
翌朝現地に赴いた私たちは廃墟、そして懸命の援助活動が行われる様子を目撃しました。
しかし現地での苦難が終わったわけではありません。

地震から2年が過ぎた今、地震によって発生したがれきの約半分の処分が終了しました。
再建はじれったくなるほどゆっくりとしか進みませんが、600の学校の新築、あるいは再建が完了しました。
全壊した家に変わって、100,000戸の仮設住宅が建設されました。
悲しい出来事もありました。けれども差し出されたいたわりと愛の手が、2年前の災害から一人一人の被災者を救い出す事実を知る事もできました。
一人のアメリカ人の男性が孤児になってしまった子どもたちの事を憂い、被災地で子どもたちの姿を探し求めました。
NBCのロン・アレンがこの男性がどうやって2人の幼い姉妹を被災地から救い出し、家族として迎え入れることができたのかご報告します。

レポーター:ナッシュビル郊外で、2人の幼い姉妹はまったく新しい家族の一員として暮らしています。
彼らの養父マイク・ウィリアムズ、養母ミッシー、そして3人の新しい兄弟が新しい家族です。

「愛してるよ。」
「愛してるわ。」

レポーター:姉妹はそれまでとまったく違う生活にすっかりとけ込んでいます。

「私がティアよ。」

レポーター:実は私たちNBCのスタッフは姉妹の事を良く知っています。私たちは地震の8日後に現地で彼女たちに出会いました。そのとき、ウィルソン夫妻はアメリカ国内で彼女たちの養い親になるための手続きをしていましたが、思うようには進んでいませんでした。

ミッシー「このセンターはまさに2人がいた場所です。私たちは二度と2人には会えないかもしれない、という無力感に襲われていました。」

マイク「さあ、行こう、なんとかできるさ。」

レポーター:マイクがハイチに飛び、2人の安全を確認しました。
一週間後についにアメリカの当局はウイルソン夫妻に姉妹を連れ帰って養子にする許可を与えました。
ウィルソン夫妻はティアはすぐに連れてこれる事が解りましたが、ナイータは出国順序のリストのずっと下の方に名前がありました。
それは、彼女は本当に彼女が家族の一員と信じていた前に彼女の家と月を取得するために数週間かかった。
このためナイータを言えに迎え入れるまでに数週間、そして彼女自身自分がウィルソン一家の一員である事を納得するまでには数ヶ月を要する事になりました。

ミッシー「その時私は、何としてもこの小さな女の子が私たちを信頼できるようになるまで、あらゆる努力をする事を自分に課しました。」

レポーター:そして今、ナイータは誰よりも新しいお母さんの事を信頼しています。」
「彼女はおかあさんっ子なんだ。」

レポーター:2年が過ぎた今でも、ウィルソン夫妻はハイチの事にはあまり触れないようにしています。

ミッシー「解っていただけると思いますが、地震がハイチを襲った日の事が話題になると、2人はふさぎ込んでしまうのです。経験させられた事、そしてそのとき感じた事がよみがえるのだと思います。私は2人と一緒にいられなくような事は、どんな事でもしたくないのです。」

レポーター:ウィルソン夫妻はクリスチャンのNPOに参加していますが、少なくとも12回以上メンバーを募り、ハイチでボランティアを行っています。子どもたちに食事を提供する施設も立ち上げました。ティアとナイータの姉妹もこうした施設に保護されていたのです。

マイク「ここにある小屋は藁と泥で作った彼らの家です。」

レポーター:ウィルソン夫妻は最終的にはハイチに孤児院を設立し、子どもたちとともに暮らそうと考えています。それもすべてティアとナイータの姉妹を見ているうちに、そう考えるようになったと話します。
ロン・アレン、NBCニュース、ポルトー・フランス

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このウイルソン夫妻の取り組みこそは、私たち夫婦が目指す姿です。
しかし我家の奥さんは一度、恵まれない境遇の子どもを引き取って我が子として育てることについて、私に対しこのように指摘した事がありました。
「あなたにはまだそのための人格が足りない。」
痛い指摘でしたが、相手の子どもにとっては一生の問題であり、生半可な決意で決してやってはいけない事。
以来、ひたすら我が心に問いかける日々が続いています。
それと、経済的基盤の強化.....

ですから、このウィルソン夫人の「子どもたちの信頼を何としてもつかみ取る」という決意と実現が、どれほど大変な事なのか解るような気がします。

東日本大震災でもそうでしたが、ボランティアなど一般の方々の努力と取り組みがあったればこそ、私たちの社会が壊れずにいるのだとつくづく頭が下がります。
ここ仙台でも震災後、政治家がそれこそ「死んだふり」をきめこむ中、日本中・世界中から集まったボランティアの方々と各機関の現場の方々が、この地の人々と社会を崩壊から救ってくださいました。

そして後半はまたまた宇宙ゴミ襲来のお知らせです。
記事の本文にもありますが、このコーナーでこの宇宙ゴミの襲来についてご紹介するのは3度目、1度目がアメリカの衛星、2度目は旧西ドイツの衛星でした。それぞれいつご紹介したのか、サイトマップで探しましたが、やたらと翻訳しまくったのがたたり、自分でも両方とも見つける事ができませんでした。
ただ第1回目が【 あなたの頭上に迫る巨大な影 】、2回目が【再びあなたの頭上に迫る巨大な影 】というタイトルだったはずでしたので、今日はこのタイトル、それだけの話なんですが…

この話題、第1回目でNBCの特派員が世界でただ一人、宇宙ゴミの直撃を受けた、というアメリカ人女性にインタビューしました。
この女性が知ったかぶりをして支離滅裂な受け応え、特派員はいかにも「こんな所まで来るんじゃなかった」とばかりに後悔する様子がおかしくて、以来、この話題を必ず取り上げるようにしています。
最後の方でB.ウイリアムズ氏が「移動」について語っているのは、ロシアはソ連時代から宇宙から帰還する衛星は、自国の領土の中央アジアの平原に着地させていた事をさし、今回の着地予定が「南に外れてしまっている」事を揶揄しているのだと思うのですが......

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【 三たびあなたの頭上に迫る巨大な影 】

アメリカNBCニュース 1月12日

また宇宙ゴミの破片に襲われる事になりそうです。
この5ヵ月で3度目になりますが、今回はちょっと事情が違います。
その正体はロシア製の14.5トンの宇宙衛星で、制御不能のまま地球に向かって落ちてくる天からの思いがけない贈り物としては、これまでで最大で最も重いものになります。
それは昨年11月に火星探査の目的で打ち上げられましたが、電気系統の突然の故障により、ただの宇宙ゴミに成り果てました。
ロシアは非常に重いこの物体は、分解した破片のうち、地球の大気圏内まで突入してくるのは20個から30個の破片に過ぎないだろう、と保証しています。
最新の予想では、この突入と衝突は日曜日から月曜日(日本時間 : 1月16日月曜日正午~17日火曜日正午)、場所はインド洋、その中でもマダガスカル島付近と予測されています。
だとすれば彼らに着地地点を移動してもらわなければなりません、移動できないものでしょうか。
ともあれ、週末になればもっと詳しい情報が解るでしょう。

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【 イランの核科学者・技術者5人、次々と暗殺される 】

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アメリカNBCニュース 1月11日

ブライアン・ウイリアムズ :
アメリカの人々は今朝、驚くべきニュースを目の当たりにしました。
テヘランで通勤途中の核科学者が暗殺され、アメリカとイランの緊張関係がさらに悪化する懸念が出てきました。
この日の白昼堂々と行われた暗殺は、まるで映画のワンシーンのようでした、
誰の犯行かまだはっきりしたことはわかりませんが、イランはアメリカとイスラエル、特にシオニストを非難しています。
海外特派員チーフのリチャード・エンゲルがスタジオに来ています。

レポーター(リチャード・エンゲル) : こんばんわ、ブライアン。
今日発生した暗殺事件はイランの核開発計画に対し、水面下で進行している長い戦いのひとつです。
午前8時ごろ、一人のイラン人核科学者が出勤しようとしていました。
目撃者によると、オートバイに乗った2人組が背後から近づき、磁石付の小型爆弾を投げつけ、車の流れの中に紛れ込んで逃走しました。
この直後に爆発が起き、科学者とボディーガード兼運転手の二人が殺害されました。
標的になったのはイランのウラン濃縮のサイトで働いていた、32歳のムスタファ・ロスハンです。

2週間前にもイランの別の核科学者が暗殺されています。

昨年11月最初の1人が殺害され、これまでミサイルの専門家を含む問題の核実験施設の関係者5人が殺されました。
イランは11日、イスラエルと米国を非難する声明を発しました。

クリントン国務長官「イラン国内の暴力事件にどのような形でも米国が関与していることを、断固として否します。」

レポーター : イスラエル当局は これらの殺害への関与について一切公式のコメントを出していませんが、元情報当局担当者は明らかに満足の意を表しました。

元モサド長官「全面戦争に至らない戦いで済むなら、全面戦争の恐怖から免れることができるはずです。」

レポーター : 今日起きたジェー ムズ・ボンド・スタイルの攻撃は、イランの核開発計画がもたらす、大きな緊張が続く中で起きました。

先月アメリカ議会はイランに対する厳しい制裁措置を承認し、すでにその通貨の流通量は20%減少しています。
イランは現在の状態を戦争であると宣言し、報復をほのめかし、ミサイルの発射訓練などを行って軍事力を誇示しています。
さらに原油輸送の玄関口であるホルムズ海峡を封鎖するとの脅迫も行っています。
アメリカ第5艦隊は、ホルムズ海峡の安全確保は可能であると談話を発表、NBCテヘラン支局長は イランは追い詰められつつある、と話しました。
NBCテヘラン支局長「ここでの緊張は高まっています。経済制裁がじわじわと効果を発揮し、イラン政府は敵はそこまで来ている、と警告を発しました。イラン政府は宣戦布告の無い戦争状態に入っている、と感じており、今回の暗殺事件は何らかの報復行為に結びつく可能性があります。」

レポーター:イランは現在行っている核開発は平和利用が目的だと主張し、今後も計画を推進すると強調しました。
このためのリスク、アメリカがイランと戦争状態に入る危険性ですが、核疑惑と石油がらみ、という事を考えると、新たな戦争が起きる可能性は否定できません。

ブライアン・ウィリアムズ : ほとんどの人はこの問題が戦争などに発展せず、一刻も早く収束することを願っているはずです。
リチャード・エンゲル、レポートをありがとう。

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A.J.クィネルというアメリカの作家の「スナップ・ショット」という小説を読んだ事があります。
サダムフセイン統治下のイラクが核開発施設を建設したとき、イスラエルのジェット戦闘機2機が飛来、空爆によって施設を壊滅させた実際の作戦を小説化したものでした。
小説はイラクに侵入した工作員が、秘密にされていた施設の場所を探り当てて写真撮影し、イスラエルに戻って復命するまでのスリリングな物語でした。
このときのイスラエルの作戦責任者が、現在のネタニヤフ首相だったそうです。

しかし、イランの核科学者・技術者がこれまで5人も暗殺されていたなんて、日本のニュースだけ見ていたらまったく解らない事でした。
確かに核兵器開発は許せませんが、これで武力衝突でも起きれば、私たちの心証はイランに対し一方的に悪いものになっていたでしょう。
戦前、一部の帝国主義者・軍国主義者のお先棒を担ぎ、日本に勝算のない戦争を始めるよう国民を煽った日本の『大』新聞。
太平洋戦争中、大本営発表なるものを国民に垂れ流し、日本を壊滅の縁にまで追い込んだ日本の『大』新聞。
そして今、原発問題を始め、意図的に「伝えない」事によって国民の目を欺こうとする日本の『大』新聞。
その本質が何も変わっていない事を、私たちは肝に銘じなければならないのかもしれません。

【 不調のハリウッド、新年の挽回策を探る 】

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『少年マイロの火星冒険記』『ドラゴン・タトゥーの女』ともに惨敗

アメリカNBCニュース 2012年1月1日

ケイト・スノウ :
ハリウッドは新年の到来を最も喜んでいる日人々の一人です。
2011年は興行収入が130億ドル(約1兆円)を下回る、失望の年となりました。130億ドルと言うとずいぶん大きな金額に感じますが、ここ16年で最も低い成績なのです。
NBCのジョージ・ルイスがお伝えします。

レポーター : 2011年最大のヒット作品は『ハリーポッターと死の秘宝パート2』で北米では3億8,100万ドル(約290億円)、世界全体では130億ドル(約1兆円)の興行成績を収めましたが、これだけでは映画産業界全体に、魔法を感じさせるというわけにはいきませんでした。
このように2011年は映画界にとって、死の影がちらつく年になってしまいました。

ハリウッド・ドットコム「2011年は1990年代半ば以降最低の興行成績を記録し、ハリウッドにとって厳しい年になりました。」

レポーター : 最も期待はずれに終わった作品は1億5,000万ドル(約115億円)をかけて制作したアニメーション映画『少年マイロの火星冒険記』で、興行収入はたった3,900万ドル(約30億円)に終わりました。

A.O.スコット(ニューヨークタイムズ映画担当)「おかげで映画産業には、人々は今後もこれまでと同じ程度の本数の映画作品を、これまで同様興味を持って鑑賞してくれるかどうか、という心配が生まれてしまいました。」

レポーター : 『ドラゴン・タトゥーの女』のプロデューサーが製作に1億ドルを費やしたのに、クリスマス休暇に公開されて1,940万ドルしか興行収入を上げなかった際、映画ファンにいったい何が起きているのか、映画産業界は大いに疑問に思った事でしょう。
彼ら映画ファンは映画に行く回数を減らしているについては、それなりの理由がある、と話しています。

映画ファンの男性「チケット代も馬鹿にならないし、話題作全部を見るという訳にはいきませんよ。」

映画ファンの男性「子どもたちの面倒を見なければならないので、その類いの映画はどうしても家で見る事になるんだよ。」

レポーター : そして映画を見るための新たなテクノロジー、 ipad やコンピュータで楽しめるストリーミング・ビデオ、そしてテレビも控えています。
昨年早々に行われた調査では、アメリカではインターネット上を流れるデータの3割がストリーミング形式の映画、そしてTV番組でした。そして2011年の映画劇場の観客層動員数は2010年から5パーセント減少しました。しかし人々は本当に魅力ある作品なら、まだまだチケットに飛びつくだろう、と話しています。

「復活のため、何か起爆剤のようなものが必要ですね。」

レポーター : まさに今ハリウッドは観客を呼び戻すため、それが何なのかを模索しているところです。
ジョージ・ルイス、NBCニュース、ロサンゼルス

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【 新作『戦場の馬』は第2の『プライベート・ライアン』ではない 】

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スティーヴン・スピルバーグ監督インタビュー

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アメリカABC放送 12月14日

アカデ ミー賞受賞監督でもあるスティーヴン・スピルバーグ監督が近日公開予定の『戦場の馬』について第2の『プライベート・ライアン』ではないと述べ、アメリカ映画協会の『PG - 13』の評価基準(子供たちの親はこの映画の視聴に充分注意すべきである : 10代前半の少年には不適当なシーンを含む)を守るために暴力シーンの描写を控えたわけではない、と語りました。
「私はこ の映画は家族がそろって鑑賞するのにふさわしい映画だと思っています。」
スピルバーグ監督がABC放送のケイト・カーリックに語りました。
「ことさらに幼い子供が見る必要はありませんが、家族が一緒に鑑賞することに問題は無いはずです。戦争映画の監督としても私の名前は浸透しており、残虐なシーンを連想するかもしれません。しかし今回は残虐なシーンは無いはずです。」

『戦場の馬』はクリスマスの日に発売されます。
第一次世界大戦当時のヨーロッパを舞台に、新人俳優ジェレミー・アーヴィンが演じるイギリスの農場の少年と仔馬との特別な絆を描いた物語です。
この物語はロンドンのウェストエンドで劇として公開された後話題になり、スピルバーグ監督は1982年に刊行されたマイケル・モーパーゴの子供向けの原作を読んでこの物語を知った、と話しています。

「私はこの物語は映画向きの優れた骨格を持っている、そう考えました。
あらゆる季節について語っているように見えたのです。全世界に共通の伝統、その土地ならではの習慣、自分自身と闘う人々。
そしてこの物語はアメリカとは直接は関係がありませんが、現代のアメリカ人に通じる大きな何かを持っていると思います。」
実はこの映画はスピルバーグ監督の15歳になる娘、デストライとの間の「いつか馬に関する映画を撮る」という約束から生まれた、という一面も持っています。
「私の娘は狩猟が大好きな上、妻はいまだに馬術競技に夢中です。私たちはまさに馬と一緒の生活を送っているのです。」
「馬に関 する映画を撮ることは、これまでとは全く違った意味を持っていたのです。」

『戦場の馬』の撮影以前、スピルバーグ監督は数百万頭もの馬が戦場に連れてこられ死んでしまったことを除けば、第一次大戦中に馬が果たした役割についてはほとんど知らなかったことを認めました。
しかし監督は撮影中、馬たちを守ることに多大の努力をしました。
スピル バーグ監督は撮影中に実際に馬を走らせたため、馬が乗り手に馴れる効果があった、と語りました。
そして全米動物愛護協会のバーバラ・ カーを撮影現場に招きました。

「撮影初日、私はバーバラにこう言ったのです。『この映画の監督をしているのは私だけど、あなたは好きなタイミングで「カット!」と言っていいですよ。』とね。『アクション・シーンの責任者や監督の私、あるいは誰であっても、もし馬が傷つきそうだと感じたらいつでも「カット!」と声をかけてください。』そう彼女に頼んだのです。」

今年3 - Dアニメーション映画"タンタン"と4本のテレビ番組を含むを含む6つの映画のプロデューサーであるだけでは飽き足らず、スピルバーグ監督は俳優ダニエル・デイ・ルイスが主演する次の映画『リンカーン』の制作にすでに着手しています。

「私は映画人生のすべてをかけて、エイブ ラハム・リンカーンの生涯について語ろうと思っています。」
スピルバーグ監督はこう語りました。
「このアメリカで永遠に続いているリンカーンの業績について本当に理解しない限り、私たちアメリカ人はリンカーンが行った正義を実現することはできません。それは私自身にとっては、永遠に奴隷制度を終わらせたことなのです。」

スピルバーグ監督は映画館が政争の場にならないよう、2012年の大統領選挙が終わるまで発表を遅らせる、と話しました。
「リンカーンについては、正しい理解を得るための彼のためだけの場が必要です。今、このタイミングでリンカーンを持ち出してしまえば、民主・共和両党の政争の具にされ、正しい理解を得られずに終わってしまうでしょう。」

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war horse、日本ではなんというタイトルで公開される予定なのが知りませんが、そのまま訳せは『軍馬』。
しかしこれではあまりに素っ気ないので、戦場の馬にしておきました。
予告編を見る限り、この映画も必見のように思えてきます。

『プライベート・ライアン』は私のDVDコレクションの中の大切な一枚です。
実は私は古今の戦争映画の名作と言われるもの、そしてNHKの『映像の世紀』や フランクリン・ミントから発売された『戦争の世紀』全34巻のビデオなどを持っていますが、それを見ていると「もう戦争など、決してしてはならない時代になった。」と強く感じます。
例によって日本のニュースなどでは報道されませんでしたが、『戦争の世紀』湾岸戦争の巻で紹介された、アメリカの空からの攻撃を受け全滅したイラクの地上部隊の惨状は息をのむものがありました。
戦争というよりは、一方的な殺戮であったことをうかがわせるものでした。
ここで長々と私の戦争論を展開するつもりはありませんが、現代が決して安易に『戦争する』『武力行使する』などと言えない時代であることを、機会を捉えて皆さんもご自分の目でお確かめくださるよう、伏してお願いしたいと思います。

このサイトについて
ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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