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【 3.11災害後の日本を検証する 】〈第1回〉[沖縄問題に関する再交渉]

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所要時間 約 11分

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「地震、津波、福島第一原発、急速な高齢化、一向に機能しない政治、中国の台頭…」
「原発を止めれば電力が不足する - 産業界の意向に唯々諾々の野田首相」

ニューヨークタイムズ 2012年2月8日(一部3月10日改訂)

日本は2011年3月に発生した地震と津波がもたらした壊滅的な被害、原子力発電所の危機、そしておびただしい放射線の放出により、その足取りがいろいろな意味できわめて不安定なままになっています。

すでに20年間経済が停滞し、急速な高齢化が進み人口が減少し、政治は一向に機能せず、そして長年のライバル中国の急速な台頭を目の当たりにする日本に、20,000人もの人々を殺害した巨大地震と巨大津波は改めて日本とは何か、という事を問いかけることになりました。

危機は日本のリーダーの交代にもつながりました。
与党民主党は2011年8月に新しい首相として野田佳彦を選出しました。野田はこの5年間で6人目の首相になります。
元財務大臣である彼は、災害後の日本の指導に失敗したとして辞任を余儀なくされた菅直人に代わり、首相に選出されました。
外交問題に関しては、野田首相はワシントンと密接な関係を維持し、そして沖縄の普天間空軍基地を維持するために、既存の路線を支持すると表明しました。
野田首相は公式表明について概ね控えめな表現を行いますが、ときには挑発的な場合もあります。
彼は日本のA級戦犯は戦争犯罪人では無いとのコメントを発表し、特に韓国・中国の世論の反発を招きました。

野田首相は原子力発電の将来の問題については、菅前首相が敷いた路線を踏襲しません。
菅前首相は原発依存と言われる体制から脱却することを宣言しましたが、野田首相は、電力不足の事態に陥れば経済が打撃を受ける、という産業界の意見におとなしく従う姿勢を見せています。

12月には野田首相は福島第一原発の技術者たちが同発電所を安定状態に置いた、としてチェルノブイリ以来最悪の原子力事故の収束を宣言しました。
日本政府は今や事故を起こした原子炉を開いて、そこから核燃料棒を取り出し、最終的には廃炉にするための作業を行う段階に移行したとしますが、この作業を完了するまでに40年の歳月を要する、と野田首相は語りました。

しかし多くの福島県民にとって、現実は危機は終わったなどという表現を許さないものです。

160,000を超える人々がいまだに避難生活を強いられています。
あまつさえ政府は一部の区域について『帰宅が可能』との見解を示しましたが、ほとんどの人はこれを拒否しました。
多くの専門家が政府の『冷温停止』という見解に疑いを持っています。
そして今回の事故に対する一般市民の怒りを抑え込む、そのためだけに『冷温停止』を行ったとして懸念を深めています。

▽ 沖縄問題に関する再交渉

アメリカと日本の間に頭の痛い問題として常に存在しているのが、沖縄の米軍基地問題です。沖縄本島にある普天間アメリカ海兵隊航空基地は、周辺住民がその存在自体について、激しく反発しています。

2012年2月、日本とアメリカは2006年の合意に基づき、8,000人のアメリカ海兵隊員を沖縄本島から移動させる問題について交渉中であると述べました。
アメリカ軍にとっては重要な基地である普天間航空基地の代替地をどこにするかの問題が遅れに遅れ、現在最大の懸案となっているためです。

日米両政府は基地を移転するための合意済みの前提条件の中で、海兵隊を家族と一緒に2014年までにグアムに移転するという条項の一部修正に合意しました。

戦後のアメリカ占領状態のなごりである大規模な海兵隊の沖縄駐屯は、この島の住民にとって長い間の憤慨の種でした。
そして沖縄県民は普天間航空基地の移転ではなく、廃止を望んでいます。
一方、海兵隊基地の縮小への要求がどのような進展も見せていない現状は、結果的に日米間のすべての契約事項の凍結につながっています。

アメリカは8,000人の海兵隊員が移動を完了し、普天間基地が県外に移転した後も、実質的に沖縄には軍の拠点を核をする意向です。
沖縄県嘉手納空軍基地には別の10,000人の海兵隊員が駐屯しており、アジア太平洋地区における最大の空軍基地として機能しています。
〈つづく〉

http://topics.nytimes.com/top/news/international/countriesandterritories/japan/index.html?scp=1&sq=fukushima%20surprise&st=cse
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ついに3.11の日がやってきました。
私が暮らす宮城県ではあまりに多くの死、あまりに多くの悲劇が生まれました。
そして長い長い、希望の見えなかった日々。
あの日には2度と戻りたくない、正直な気持ちはそれしかありません。
このブログも東日本大震災のショックに突き動かされるようにして始まりました。

あれからの日本の1年を世界はどう見たのか、今日からニューヨークタイムズの『3.11大災害後の日本』を連載します。
現在上記のURLに掲載されているのは要約版ですが、ここにご紹介するのは一番文章量の多い2月8日版です。一部現在の版と項目の掲載順序が異なります。
尚、このシリーズで掲載する写真はニューヨークタイムズの以下のURLに掲載されている250枚以上の写真から選びました。

http://www.nytimes.com/interactive/2011/03/12/world/asia/20110312_japan.html?ref=asia#1

そして、以下の3月11日の地震を音声で再現したデータ。
私は当日の恐怖をまざまざと思い出しました。
私は逃げ遅れて70人程がいる1階のオフィスにいましたが、凄まじい揺れとあらゆるものが破壊される、耳をつんざくような大音響を聞かされるはめになりました。
以下のデータはその地震波を音声に直し、100倍のスピードで再生可能にしています。

最後には「あの日」の記録を図解化したものを掲載しました。

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【 3.11の巨大地震を音声で再現 】

私たちの素晴らしき地球(Our Amazing Planet : http://www.ouramazingplanet.com/ ) 3月7日

〈解りにくいですが、真ん中か左下のプレイボタンを押してください〉
科学者たちが昨年の大規模な日本の地震からの地震波を録音し、音声波に変換しました。

新しい音声波は、2011年3月11日にマグニチュード9.0の地震が地球内部を通り世界中にどのように伝わっていったかを再現しています。
これにより専門家も、一般の人々も東北太平洋沖地震そのものを音で聴くことができます。
「私たちは視覚データと聴覚データを組み合わせる事により、今回の地震データを生きたものにする事ができました。」
ジョージア工科大学の芝剛鵬がこう語りました。
「人は地震の周波数の変化を目で見ながら、音の高低と振幅の変化を耳で聞くことができます。」

今回の地震は1900年以降、世界で4番目の大きさでしたが、域内に設置された数千個の地震計と記録されたデータを世界と共有したい、と言う日本側の意欲により、もっとも鮮明にすべてが記録された地震でもありました。
今回のような新たな視点が提供された事により、科学者たちによる解明が進む事が期待されます。
このこれまでと違う地震音声は、本震とそれに続く余震の発生の様子など、地震がもつ様々な側面の理解に役立ちます。

今回の観測結果のひとつは、福島第一原発がある福島県と東京の間で測定されました。
最初の大きな爆発音のようなものがマグニチュード9.0の本震です。直後に地球内部のプレートが新たな位置に向け滑っていくのに合わせて発生した余震は、はじけるような音となって聞こえています。
こうした余震は長い場合には数年間続く事があります。

これほど大きな地震波になると、地球内部を通って移動し数千マイルも離れた場所で、別の地震を引き起こす場合があります。
今回も東日本大震災の地震波により、アメリカのサンアンドレアス断層の深層部で揺れが発生した事を、カリフォルニア州での測定結果から解っています。
遠雷のように聞こえるノイズは、日本で発生した本震が引き起こしたものです。
次に聞こえてくる雨音のような音はオン・オフを繰り返しますが、日本で発生した地震波がサンアンドレアス断層での微動を誘発している様子を表しています。

このアニメーションは、科学者が地震伝達メカニズムの概念を説明するのに役立つだけでなく、別の場所で地震の発生をいち早く捕捉できるようにできる可能性があります。

人間の耳は周波数が20 Hzから20 kHzの間の音を聴き取る事ができますが、地震計によって記録された地震信号をこの範囲に分布させ、今回の音声データは作られました。
ジョージア工科大学の鵬、大学院生チャスタティ・アイケンと米国・日本の共同研究者は、地震波の再生速度を実際の速度の100倍にする事により、人間の耳で聴き取れるようにしました。
東日本大震災について数分から数時間にわたって記録されたデータは、十数秒間で聴く事ができます。
この研究は『地震学研究通信』の3・4月号に掲載されています。

http://www.ouramazingplanet.com/2577-japan-earthquake-sound.html

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【 あの日から1年 : 地震、津波、メルトダウン : 日本のトリプル大災害 】

私たちの素晴らしき地球(Our Amazing Planet : http://www.ouramazingplanet.com/ ) 3月6日

Find out how the earthquake and tsunami of 2011 devastated Japan, in this OurAmazingPlanet infographic.
Source:OurAmazingPlanet

【 福島県大熊町、そこはゴーストタウンですらない、死そのものが支配する町!】

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所要時間 約 6分

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アメリカNBCニュース 2012年3月7日

ブライアン・ウィリアムズ :
3月11日に襲った巨大地震と巨大津波が福島第一原発の事故を引き起こしてから、もうすぐ一年が過ぎようとしています。
福島第一原発の事故は周辺のあらゆる環境を汚染し、いまやその場所は全くのゴーストタウンとなり果てました。
1年前にあわてて避難させられた人々は、まだ一人も帰宅を許されません。
しかし今回見こそのチーフ海外特派員のリチャード・エンゲルを含む数名の ジャーナリストが取材を許可され、この地域内のあまり見ることのできない映像を記録することができました。

そこは時間が全く凍りついたままの世界でした。

 

レポーター : 廃墟と化した福島第一原発内の光景です。
このあまり見ることのできない映像は、今回初めて公開されるものです。
ここではいまだに高い値の放射線が検出されます。
一年前、福島第一原発が爆発を起こしたとき、放射性物質の微粒子を含む噴煙を空高く噴出させました。
それらの放射性物質は、今では福島第一原発から20km圏内の地域のあらゆる場所を汚染し、その場所は捨てられ、もはや住むことのできない場所になりました。
そこは『避難区域』『警戒区域』と呼ばれ、原子力発電という科学技術がいったん制御不能に陥れば、どれ程の惨禍をもたらすものか、そのことを私たちに警告しています。

この大熊町は福島第一原発から7キロほどの場所にあります。
かつては10,000人が住んでいたこの町も、今や完全に無住の地と化しています。
避難区域は立ち入り禁止ですが、この岩本さんのようなかつての住民は、貴重品を取り出す際すなどごく短い時間の訪問を許されています。
彼はかつての職場だった電子部品工場を見せてくれました。

 

岩本さん「ここが私の職場だったところです。」
リチャード「ここが?」

レポーター : 背広とネクタイはいつでも外出できるように、用意してあったのでしょうか?彼の自宅はすぐ近くにあります。冷蔵庫の中には食品が詰まったままです。
リチャード「冷蔵庫の中の食品はまだ食べられますか?」
岩本さん「だめだめ、すべて消費期限は3月11日に切れましたよ。」

 

この場所は私に子どものときの経験を思い起こさせます。
学校で映画を見せられた後、私たちは核兵器による大量殺戮の後、放射線によって人々が住んでいた町がどうなるかを教えられました。
まさにその光景が今、目の前にあります。

大熊町の人々は急いでこの町から逃げ出しました。
信号機が点滅していますが、車は一台も走っていません。
唯一の生命の証しは囲いの中から逃げ出し、半ば野生化した牛たちです。彼らは今や町の中を自在に走り回っています。

地面には放射性物質がしみ込んでいます。
植物の中にも放射性物質があります。
水の中にも。
林の中にも。
それを動物たちが口にします。
昆虫も、そして鳥たちも。

どうすればそれらを取り除けるというのでしょうか?
かつての住民の多くは、この場所の除染など不可能だと考えています。

大熊のような町をこれ以上作ってはならない、と私の心が叫んでいます。

ここは単なるゴーストタウンなどという生易しいものではありません、死が支配する町です。

 

レポーター : ブライアン、私はこの場所を訪れて、容易に消すことのできない光景を目の当たりにしました。これほど完璧に地図の上から消えてしまった町など、私は見たことがありません。
自然災害だけ、あるいは戦争による破壊の方がましかもしれません。
お金さえあれば再建は可能だからです。
しかしこの場所では不可能です。
この区域の汚染は今後数十年間も続くでしょう。
そして、放射性物質はあらゆる食物連鎖の中に入り込んでしまっているのです。

ブライアン・ウィリアムズ :
報告をありがとう、リチャード。
ここで、今夜リチャードが今や人が近づくことができないこの放射能汚染地帯の、さらに詳しい、本当に詳細なレポートをお伝えすることになっています。
今夜の番組【ロックセンター】でお伝えする予定です。

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NBC放送がここまで思い切ったレポートをするとは、ちょっと驚きました。
ここに登場する海外特派員のリチャード・エンゲル氏は、先週までシリア情勢報告を行い、その惨禍を訴えてきました。

しかし、事故後1年を過ぎた福島県大熊町の現状に、それに劣らぬ衝撃を受けたようです。
その思いが
「大熊のような町をこれ以上作ってはならない、と私の心が叫んでいます。
ここはゴーストタウンなどという生易しいものではありません、死が支配する町です。」
という言葉の中に集約されているようです。

この記事を見ていて、私も生きている間には福島全県の汚染が無くなる日を見ることはできないのだな、と思った瞬間、絶望、あるいは恐怖の淵のようなものに落ち込んでいくような気分にとらわれました。
そして、改めて怒りが込み上げてきたのです。
「あってよいことか?!」

【 原子力発電は廃止しなければならない、その理由 】〈後編〉[ザ・ガーディアン]

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所要時間 約 9分

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「ストレステストは原子力業界がこれまで通り事業を継続することを、一般国民に受け入れさせるためのPR事業の一環」
「利益を上げ続けている原子力発電所に、巧妙に粉飾された公的補助金が交付され、コストを不当に安く見せている」
「福島第一原発の事故から1年、最終的な原子力発電の廃止について、次の事故の発生まで待つべきではない」

キャロライン・ルーカス/レベッカ・ハームズ/ダニー・コーン・ベンディット / ザ・ガーディアン 2012年2月17日

ヨーロッパの市民の反応は、EU全域のストレステストの結果を待っている状態です。
しかしながらこれらのストレステストは一面では、原子力業界がこれまで通り事業を継続することを一般国民に受け入れさせるための、PR事業の性格を持っています。
ストレステストの中身には火災、人為的ミス、必ず起きるはずのインフラの劣化や飛行機の墜落事故などの重要な要因が含まれず、原子力発電所の完全なリスク評価と呼べるものではありません。

英国内ではデイヴッィド・キャメロン首相とフランスのサルコジ大統領の緊密な関係を象徴するかの如く、政府が一連の原子力発電所建設計画の推進を決定しました。
両国政府の官僚と原子力産業界の連携により、福島第一原発の事故後も原子力発電賛成の世論作りのためのキャンペーンが展開されました。そして、原子力発電所がいったん事故を起こせば途方もない悲劇をもたらすという事実も、「新たな原子力発電技術」に取りつかれた閣僚たちの考えを改めさせることはありませんでした。

官僚たちは、福島と同様の事故が英国で起きるかどうかの政府自身の検証の結果報告まで、待つことすらしませんでした。
現在英国で提案されている電力市場の再編は、原子力発電に対する依存を高めようとするものです。
この提案を後押ししているのは、石油価格高騰により年間5,000万ポンド(約65億円)前後既存の原子力発電コストの方が割安である、というたなぼた式に現れた状況です。

しかし原子力発電がそれほど割安である、という事実には裏があります。
閣僚たちはそのことを強く否定していますが、すでに十分な利益を上げ続けている原子力業界に対し、いまだに公的な補助金が名前を変えて流れ込んでいるのです。
まるで政権公約をあざ笑うがごとく…
エネルギーの監視をおこなっている機関は、原子力災害に関する信頼性の問題を隠ぺいした上で、公的補助金を引き出すような行為はEUの法律に違反していると指摘を行い、彼らは実際にEU委員会に対する提訴を行っています。

福島の事故は我々に、原子力発電が高い危険性を持つ技術であることを教えてくれました。
その上、経済的な落とし穴があることも明らかになっています。

ご存知の通り、ヨーロッパでは現在新たに2基の原子炉が建設中ですが、当初計上されていた建設予算が法外に安く見積もられていました。
フィンランドとフランスで建設中のEPR原子炉は、すでに予算が倍にまで膨らんだ上、完成日時も大幅にずれ込んでいます。

原子力発電所の隠されたコスト - 廃棄物処理、保険、廃棄費用なども金額的に巨大であり、これらの費用はすべて最終的には国民が負担しなければなりません。
原子力発電がこれほど金がかかるものならば、その予算を再生可能エネルギーの技術開発に回す方がはるかに理にかなっているのではないでしょうか?

福島第一原発の事故から1年、私たちは最終的に原子力発電をあきらめるため、さらなる事故の発生まで待つべきではありません。
〈完〉

※ レベッカ・ハームズとダニー・コーン・ベンディットは、ともに欧州議会の緑の党/ EFAグループの会長を務めています。

http://www.guardian.co.uk/environment/2012/feb/17/phase-out-nuclear-power?INTCMP=SRCH
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「これらのストレステストは、原子力業界がこれまで通り事業を継続することを一般国民に受け入れさせるための、PR事業の一環のようにも思えます。」
このような表現は本当に、日本のメディアができないところです。
でもこの部分を読んで思わず「その通り」、と思われた方は多いのではないでしょうか?

ところで、毎日この【星の金貨】の為にニュースの翻訳をしていて一番いらだつのは自分のタイプミスです。
それが音声入力がすらすらできるようになったら、どんなに楽でしょうか。
以下の iPad 2のニュースを見ると、将来はそんな私のいらだちも解決されるかもしれません。
でも指先を使わなくなる分、脳の退化が進んでしまうかもしれませんね。

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【 新発売の iPad 2、注目するのはどこ?】

アメリカABCニュース 3月7日

video platformvideo managementvideo solutionsvideo player

まあ、なんて美しい画面なんでしょう。
これがあたらしい iPadを見たときの第一印象でした。
しかし人々が iPad 2を 見ての第一印象はオリジナルのiPadと比べ、格段に薄くなったことです。
しかしアップルとしてはやはりみんなに話題にしてほしいのは、その画面の美しさでしょう。
その願いはかなえられると思います。

実測値で iPad 2は9.7インチ画面、1インチあたり246ピクセルに相当する2048×1536の解像度を持っています。
これを実際に見てみると信じられないほどシャープな画像、そして鮮明なテキストを目で確かめる事ができます。
私は時間の大半を使ってデモ用の画像と1秒あたり1,080コマの動画を確かめましたが、どれもきわめて鮮明な事に感動しました。ハードディスク内蔵テレビを見ているような感じです。
文字も鮮明で、電子書籍の読書にうってつけです。

そうですね、iPad 2は白と黒のツートンカラーですが、前モデルと比較すると厚さ9.5ミリのボディに搭載されているアプリケーションは一見同じように見えますが、実はまったく新しいコンテンツが詰まっています。

私は短い時間で5メガピクセルのiSightカメラと、撮影された画像の品質を徹底的に調べる事はできませんでしたが、カメラの起動時間の早さと、『インフィニティ・ブレード』のようなゲームのスムースな動きには驚かされました。これは5倍速のクアッドコア・グラフィックス・プロセッサの働きによるものと思われます。
すべての動作が軽快なのが、新しいiPad 2の特徴のひとつです。

「Siriは新しいiPadには搭載されている?」
こんなことを同僚が、イベント会場にいる私宛のメールで尋ねてきました。
でも驚いた事に、iPhone 4に搭載されていた音声起動システムは iPad 2には移植されていません。その代わり、あなたがテキスト入力したい文章を、音声入力できる機能があります。アップルが iPad 2を貸してくれましたが、残念ながらこの騒々しい会場内では、その性能を試す事は不可能でした。
同様に4G / LTEの速度を試す事もできませんでした。

「だけどねえ、新型画面、新型カメラ、そして高速プロセッサ、それだけの事じゃないの?」
会場内の数人の評論家はこう言って、iPad 2をさほど高くは評価しませんでした。
しかしiPad 2に搭載されるアプリはこれから、各社が開発競争を行う事になります。
4.99ドル支払えば、写真撮影を始め、驚く程高度な作業が iPad 2を使って可能になります。
私は写真の影の調整作業をする事ができました。
同様に、新しいiMovieのアプリケーションは、ビデオ編集ツールの中でも非常に使いやすく感じました。

今後も iPad 2についてたくさんの試験・改良が続けられ、その全容は発売時に明らかにされます。
iPad 2が発売される予定の来週3月16日には、大勢の人々がその画像の美しさを賞賛する事になるでしょう。

【 原子力発電は廃止しなければならない、その理由 】〈前編〉[ザ・ガーディアン]

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「福島ではこれから生まれてくる世代まで、放射能汚染の脅威に苦しまなければならない」
「福島第一原発が放出したセシウム137は、 広島原爆の168倍の量」
「放射線被爆が原因の死者は数万人に上る恐れがある」
「数多く対策を実施するドイツは2030年には電力需要の100%を再生可能エネルギーが賄う」

キャロライン・ルーカス/レベッカ・ハームズ/ダニー・コーン・ベンディット / ザ・ガーディアン 2012年2月17日


写真:2007年4月、ブシェール原子力発電所の内部機器を点検する技術者。

昨年3月11日、日本を巨大地震と津波が襲い数万人が犠牲者となり、そして福 島の原子力大災害が発生しました。
世界の関心は他の問題に移りつつありますが、福島の事故そのものは解決には程遠い状況にあります。
そしてこれは原子力災害の宿命ですが、福島の事故はいつまでも続く放射性物質の影響をその地にきざみつけました。

1年を過ぎでも、状況はまだ安定などしていません。
政府が行った『冷温停止状態』宣言は、この事故の影響を受けた国民の怒りを買い、原子力専門家からの不信を集めました。
2月中旬に始まった原子炉2号機の温度上昇が示すように、福島第一原発の状態は不安定であり、再び大地震が起きれば大事故を繰り返す恐れが残っています。
この状況を克服し、真に安定した状態を取り戻すには、数千人の作業員を毎日動員しても数十年を要すると見られています。

そして原子炉周辺から20km圏内の避難区域に目を転じれば、これらの地域、そして隣接する地域においては、これから生まれてくる世代まで放射能汚染の脅威に苦しむこと になってしまいました。

具体例を挙げましょう:福島第一原発がこれまでに放出した放射性セシウム137(約30年の半減期を持っている)の量は、広島に投下された原爆が放出した量の168倍なのです。
このことにより、この地区で放射線被ばくに関連して死亡する人は数万人に達する恐れがあります。

福島も25年前のチェルノブイリと同じように、原子力事故の発生割合は高くは無いかもしれないものの、いったん事故が起きれば途方もない被害が発生する危険性があることを、私たちに教えました。

原子力発電の利用を継続することは原子力技術の拡大につながりますが、結果的には取り返しのつかない結果をもたらすことにもなります。
このような悲惨な結果を生まないようにするには、世界で一斉に原子力発電を段階的に廃止する以外、途は無いのです。

一部の国々はこの事実に気がついているようです。
ドイツでは福島第一原発の事故を受けて、政府がいち早く方針変更を行い、すでに合意済みであった原子力発電の段階的廃止を実行に移すことになりました。
数多くの対策を実施することにより、2030年にはドイツは電力需要の100%を再生可能エネルギーによって賄う見通しが立ちました。
そしてイタリアでは、国民の大多数を占める90%が原子力発電反対の国民投票を行いました。

しかし日本では同じようなことはまだ起きていません。
54基ある原子炉のうち、現在は3基だけが稼働し発電を続けていますが、原子力安全保安院をはじめとする政府機関が『ストレステスト』の陣頭指揮を行っています。
そして政府は大部分の原子炉の再稼働を目論み、さらには40年とされる原子炉の寿命を60年にまで延長させようとしています。

しかしこれには日本国民は強く反対しています。
各種の世論調査は、今や日本国民の多数が一貫して原子力発電に反対していることを示しています。
原子力発電に反対する各地方の草の根運動は、日本中で盛り上がりを見せています。
信念を持って原子力発電に反対している県知事や市町村長は多くはありませんが、それでも選挙で票を失う事を恐れ、とりあえず市民の意見に追随する動きを見せています。
〈つづく〉

http://www.guardian.co.uk/environment/2012/feb/17/phase-out-nuclear-power?INTCMP=SRCH
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「国民は原発再稼働に強く反対している・政府はそれを無視した政策を進めている」
たったこれだけのことすら言わない日本のマスコミ、断言する英国のメディア。

そしてもっともショッキングなのが、
「福島第一原発が放出したセシウム137は、 広島に投下された原爆の168倍の量」という記述です。

私たちは何となく、根拠もなく、「福島は広島や長崎程ひどい事はあるまい」と考えていた節があります。
しかし私自身、何本も何本も世界各国の福島第一原発の事故に関する記事を翻訳するうち、疑問がわき、疑問が疑念に変わり、そして疑念は確信に変わって来ました。
「原子力業界は常習的に不正表示を行い、自分たちに都合の良い解釈を広め、疑惑はすべて否定し、ときにはあからさまに他人をだます。」( http://kobajun.biz/?p=1606 )という記事がありましたが、日本の場合、「日本では原子力業界だけでなく、政府機関までが常習的に不正表示を行い…以下同」とならなければなりません。

それにしても、
「信念を持って原子力発電に反対している県知事や市町村長は多くはありませんが、それでも選挙で票を失う事を恐れ、とりあえず市民の意見に追随する動きを見せています。」
なんて日本のマスコミなら書けないイギリス流の表現、皮肉たっぷりに真実をついています。
しかし、大切な部分です。

今、反原発の姿勢を「見せて」いる地方の首長や政治家の何割かは、一般市民の怒りの凄まじさに「迎合」しているだけの可能性が高い。
ということは、市民の感情がおさまったり、関心が薄れてくれば再び態度を変える可能性が高い、という事です。

この手は2002年、時の政府と東京電力が原発再稼働の際に使った手なのです。
2002年8月、東京電力のあまりにずさんな原子力発電所の管理・運営の実態が明らかになり、17基全部の原子炉の停止が命じられましたが、国民の怒りと関心が低下したと見た政府は翌年には早くも、すべての再稼働を許可しました( http://kobajun.biz/?p=927 )。

現在50基以上の原子炉が「停止」中ですが、廃炉が決まっているのは福島第一原発1~4号機の4基だけなのです。

下の画像に出てくる子どもたちの笑顔、こんな笑顔を日本中に取り戻すためには「停止」ではなく「廃止」が必要です。

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【 はがしてから食べますか? 】

アメリカNBCニュース 3月4日

今週、たっぷりミルクを練りこんで作られたクッキーとして知られる古典的なアメリカのスナック、『オレオ』が100回目の誕生日を迎えました。
当時は国立だったビスケット会社は、1912年 にニューヨークにあるベーカリーからオレオ・クッキーの第一号を売り出しました。
今日、クリームで一杯のチョコレート・サンドイッチは100か国で販売され、年間15億ドルの売り上げを誇っています。
ところで、オレオ・ブランドを持っているクラフト社によれば、オレオの愛好者の中では、食べる前に二枚重ねのクッキーを2つにはがしてから食べる人が半数に上る、ということです。
どうです、覚えがありませんか?

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【放射能汚染・こどもたちの真のガン発生割合】〈第7回・最終回〉[フェアウィンズ]

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「最新の研究は、20ミリシーベルト以下の放射線被ばくであっても、遺伝子の損傷を引き起こすことを突き止めた」

フェアウィンズ

Cancer Risk To Young Children Near Fukushima Daiichi Underestimated from Fairewinds Energy Education on Vimeo.

このビデオでは、これまで正しいとされてきた放射線生物学的研究、そして最新の放射線生物学的研究、その両方の成果をご覧いただきました。

全米科学アカデミーは20mSv/年以下の被ばくによるガン発症の危険性を予測しています。

科学アカデミーが2006年に発表した研究が、その事実を裏付けています。
しかし最新の研究はこの科学アカデミーの研究が、真のガン発生リスクを低く見積もりすぎていることを示唆しています。
最新の研究は、20ミリシーベルト以下の放射線被ばくであっても、遺伝子の損傷を引き起こすことを突き止めました。

したがって、これら権威ある研究、そして最先端の科学研究の両方から得られる結論は以下の通りです。
日本が設定した年間20ミリシーベルト以下の被ばくを続けることは、まったく安全とは言えないのです。

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アーニー・ガンダーセン :

まず、イアン·ゴッダードが行ったこの卓抜した分析と結論に、敬意を表したいと思います。
アメリカ国立科学アカデミーのBEIR第7号レポート[電離放射線の生物への影響]を基に、日本が福島において設定したガン発症リスクは500人に1人というものでした。

しかし、現実はそれよりも悪いものです。
5歳の少女のガン発症リスクは、発表されたデータの5倍に上ることがわかりました。
これは彼女たちが『放射線量20ミリシーベルト以下の比較的安全な地区』に戻ったなら、100人に1人の割合でガンを発症する危険性があることを意味します。

しかもゴッダード氏が行った明快な低線量放射線被ばくの分析にはホット・パーティクルの問題が含まれておらず、現実はさらに危険であると考えられます。

ご覧いただき、ありがとうございました。
これからも皆さんに対し、情報を絶やさないようにします。

〈 完 〉

http://fairewinds.com/content/cancer-risk-young-children-near-fukushima-daiichi-underestimated

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全7回の長い原稿が終わりましたが、すべての結論を一言で言えば、日本政府、日本のマスコミ、そして一部の科学者が主張してきた
「低線量の放射線を長期に被爆しても危険性は少ない」
という見解には、科学的根拠が乏しい、という事になります。

以下、全7回の連載の要点を抜き出してみます。
▽ 15か国40万人に上る原子力産業の労働者について、51人の科学者が調査・研究を行った結果、以下のことが明らかになった。
1. 年間被ばく量2ミリシーベルトを境に、ガン発生の危険性が明らかに高くなる
2. 成人男性と比較し、5歳の少女は5倍、乳幼児の女の子は7倍、放射線被爆に対し傷つきやすい
3. 原子力産業の労働者の発がんリスクは、原子爆弾の被爆者(原爆症患者)よりもさらに高いものであった
4. これら原子力産業の労働者の年間被ばく量の平均は2ミリシーベル トである
5. (1)(2)を組み合わせれば、5歳の少女は年間0.4ミ リシーベルト、乳幼児の女の子は0.3ミリシーベルトの被ばくで、ガン発症の危険性が高くなる。
6. (2)(3)を組み合わせれば、低線量の放射線被ばくにより、5歳の少女は原爆症患者の5倍以上、乳幼児の女の子は7倍以上の発がんリスクを抱えてしまうことになる
7. では低線量被ばくの具体的危険性とは何か?それは放射線被ばくにより、染色体転座(染色体の一部、または全部がちぎれて, 他の染色体に結合した状態)が発生、発がん・奇形児出産の直接原因となる。

これは、世界の中の一つの研究グループ(ゴッダード)がそれまで世界で行われた研究結果(アメリカ科学アカデミー、ジェイコブ、ブハティ)を取りまとめて結論を出し、別の研究グループ(フェアウィンズ)が検証し、その正当性を認めた、という形をとった結果、得られた結論です。
したがって、ひとつの見解ということになり、受け入れるかどうかは読んだ方しだい、という事になります。

実は昨日、ツイッターで「低線量被爆の発ガン割合は高い、といっても5%程度なんだから、あまり神経質にならなくていい」というツィートを見ました。
5%の発ガンとは、たとえば40人の生徒がいる教室で2人がガンを発症してしまうという事です。
これが1学年4クラスなら、各学年から8人ずつ、小学校の場合全学年あわせて48人。
毎年40人の生徒がいる教室すべてから、2人ずつの小児がん患者が生まれる事に、「あまり神経質にならなくていい」でしょうか?

この長期・低線量放射能被爆とこどもたちの真のガン発生割合の問題については、ひとつひとつの数字が持つ意味を慎重にお考えいただきたいと思います。

グンダーセン氏も、そしてゴッダード氏も誠実な研究を行った上で結論を出された数字には非常に思い意味がある、そう指摘させていただいて、この長い連載を終えたいと思います。

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【 メルセデス・ニンジャ?! 登場!】

アメリカABCニュース 3月5日

メルセデスは燃料電池技術、そして目には見えない車の開発を推進しています。
これは水素燃料電池が二酸化炭素を排出しないことを、どうしたら人々に印象づけられるか?と考えた挙句、生まれた企画のようです。

それでは、車を消してご覧に入れましょう。

これはまさにメルセデスが、来たるべき世代の燃料電池自動車を両面から広告するための手段です。
同社は自動車の左側全体を数珠つなぎのLEDライトで覆い、車体半分を大画面にしてしまいました。
次にキャノン5D SLRデジタルカメラを右側に取りつけて、車の左側から見える右側の景色を撮影し、左側の大スクリーンに映し出したのです。
結果はご覧のとおり、車が周囲の景色の中に溶け込んでしまいました。

メルセデスは、水素燃料を燃焼した後には水蒸気だけを放出するので、有害物質ゼロ技術として同社のコンセプトを売り込んでいます。
市場にはすでに100%電気自動車としてシボレーボルトと日産リーフが投入され、我々も購入することが可能ですが、水素燃料電池を搭載した車はまだ実用化されていません。
しかし、先週シボレーボルトの低調な販売状況が報告され、4 月まで生産中止に追い込まれたことが発表されたばかりでした。

メルセデスのこのマシャブルという名の水素燃料自動車は「すでに量産体制が整っている」と発表されました。
しかしその他の車種については2015年まで生産の予定はありません。

そしてもちろん、本当に「目には見えない」車の登場までは、私たちはまだまだ待つ必要があります。

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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