星の金貨 new

星の金貨 東日本大震災や音楽、語学、ゴルフについて語るブログです。

ホーム

【 母なる地球と父祖の土地 – 再び忍び寄るナチの足音 】 [環境保護を前面に打ち出し始めたドイツの極右]

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

所要時間 約 10分

広告
広告

【 母なる地球と父祖の土地 – 再び忍び寄るナチの足音 】
[環境保護を前面に打ち出し始めたドイツの極右]

デア・シュピーゲル(ドイツ) 4月3日

環境保護活動家は、政治的には往々にして左派に分類される傾向があります。
しかし今、ドイツのネオナチが自然の大切さに気づいた様子です。
有機野菜を販売し、環境に雑誌を発行することに加え、ドイツ極右政党のNPDは、緑のキャンペーンへの協同を表明しました。
本当のメンバーの真意がどこにあるのか、多少眉唾の感じもありますが、NPDが社会的に受け入れられるようにするための手段として環境問題を選択していることは明らかです。

イェンス・リュトゥケは、遺伝子工学や道路の拡張に反対しています。
彼はまた新しい発電所建設に反対し、年に一度の環境行動の日には抗議行動を行っています。
「自分は緑の党のメンバーのような活動をしたいのだろうか?」リュトゥケは時々自問自答することがありますが、彼は環境保護団体の支持者ではありません。
彼は極右の国家民主党(NPD)の支持者です。
彼は2012年5月に実施されるドイツ北部の州、シュレースヴィヒ・ホルシュタンの州議会選挙の党のトップ候補なのです。

リュトゥケは環境行動の日にボランティアとしてゴミ収集を行っているとき、自分がどんな党に所属しているのか、周囲の人々には打ち明けられない、と語ります。
「我々が環境行動に参加するときは、NPDの旗は持参していません。」
と彼が話しました。
それでも、党内で環境保護活動を行っているのはリュトゥケだけではありません。
NPDはそ の存在をドイツ社会に受け入れさせる密かな試みの一つとして、環境保護問題を党の政策に取り込んでいます。
こうした取り組みの背後に、極右のイデオロギーが隠されていることを見つけ出すのは事実上困難です。

極右政党の戦術は、彼らが発行する環境保護問題を扱う、一見普通の環境保護雑誌と変わるところの無い雑誌『Umwelt und Aktiv(ウムヴェルト ウント アクティーフ・環境と行動)』を読むと明らかです。

その中で扱われるのは、バイオ燃料、遺伝子工学、ガーデニングに関するアドヴァイス、そして子供たちのための歌の紹介など、ざっと見ただけでは何ら問題はなさそうです。
やや特徴的なのはゲルマン神話や異教徒の宗教儀式に関するページぐらいのものでしょう。
この雑誌の題字の下に『ホームランド・セキュリティー』のスローガンが見えますが、昨年の3月号を読んだ読者なら、それが他民族との混血が進めば生物学的にも精神的にも、ドイツ民族が滅びる、という意味のプロパガンダであることを理解できます。

自称『環境問題雑誌』はまた、麻酔なしで動物を殺すユダヤ教とイスラム教のいけにえの儀式を野蛮であると攻撃、両宗教への憎悪を煽ります。
2007年1月号では「移民を優遇しすぎるため、その地に根付いた宗教儀式までもがこの国に入り込み、男女の割礼や窃盗の罪に対する手の切断などの『東洋的』習慣までもがドイツに入り込む可能性がある」と伝えています。

▽公式の方針
『Umwelt und Aktiv(ウムヴェルト ウント アクティーフ・環境と行動)』の編集スタッフは、この雑誌には「極右勢力との政治的つながりは無い」と述べていますが、これはもちろん極右勢力が繰り返し使っているいかがわしい手口のひとつです。
実際に『環境と行動』の編集にあたってるスタッフを詳しく見て見ると、その主張がいかに眉唾であるかがわかります。
奥付には「ミッドガードe.V協会」とありますが、このメンバーのうちの何割かは南ドイツの都市ラントシャットの地方裁判所のリストに載っているNPDのメンバーと同一人物です。
その中にあってクリストフ・ホーファーは協会の役員であり、『環境と行動』の編集者である一方、NPDバイエルン支部の正式メンバーです。
そしてベルティルド・ヘーゼはNPDの書記長を務める一方、『環境と行動』の編集長を務めています。
彼女の夫ピーター・ヘーゼは低地バイエルン支部長を務め、この地区のNPDの党の候補者として定期的に選挙に立候補しています。最近では2009年、連邦議会選挙に立候補しました。

反ナチ勢力のウェブサイト、ナチ・リークスが公開した文書によると、その他の編集スタッフもNPD内部の電子メールアドレスを使って連絡を取り合っています。
執筆者にもNPDの支持者や党員が含まれており、NPDが出版する『人種、進化と行動』というタイトルを持っている『ドイツの声』のような雑誌の広告も掲載されています。
しかしながら、2007年の初版以降、NPDの党機関の文言がそのまま持ち込まれています。
ある部分にはこんな文章があります。
「ドイツの風景には文化的背景があります。そのため、ドイツにおける環境保護は、基本的に文化の発展と切り離して考えることはできないのです。」
これはNPDの環境政策の第一項に上げられているものです。

▽極右の自然保護活動家

『環境と行動』の拠点があるバイエルンは極右による環境運動の拠点でもありますが、他の州でも『緑のナチス』の活動は行われています。
NPDは、メクレンブルク=西ポメラニアン州の東部海岸地区の環境活動を活発化させています。
この活動の起源は2007年にまでさかのぼりますが、農民とNPDのメンバーが遺伝子工学に反対するキャンペーンをおこなったことがきっかけでした。
そして同州の議員であり、NPDの副党首であるウド・パスターズは、この地では環境保護問題の闘士として知られています。
そしてギュストローとテーテロー近くの北部地区には、NPDの党員ではない極右の環境保護活動家がいます。

『アータマネン・ゲゼルシャフト』は1920年以来続く農民運動ですが、『血と土』のイデオロギーを標榜し、かつてのナチス・ドイツとも密接な関係がありましたが、1990年代に入ってこの運動に参加する農民が現れました。
『純血民族の労働者』を称するこの運動の参加者は他の州にも広がりつつある、とNPD問題の専門家が指摘しました。
彼らのほとんどは村落社会で暮らし、学校や育児施設での活動に専念していますが、専門家によれば名前と実態は一致していません。
そして彼らの多くが有機野菜の生産と販売を行っています。
▽キャンペーンが取り上げる問題

NPDはこれまで長い間有権者の支持を得るため、環境問題を取り上げてきました。
NPDは早くも1973年に『デュッセルドルフ計画』を公表し、環境保護による人間の健康維持に言及しています。これがNPDが環境問題を前面に打ち出した、最初の出来事でした。

近年のNPDの綱領は、遺伝子組み換えによる農業生産と企業による農業の産業化に反対していることに加え、連邦政府に対しては代替えエネルギーと農業製品の自給自足に予算をもっと使うよう求めています。
農民をもっと手厚く保護すべきである、とNPDは主張しています。

メクレンブルク=西ポメラニアン州ではNPDは『環境を守ることは、故郷を守ることである』 と訴えるポスターを制作しました。そして前出のイェンス・リュトゥケは彼が現在主に取り組んでいる問題はユーロ批判ですが、シュレスヴィッヒ・ホルシュタインの地方議会選挙では環境の問題をメインに取り上げることにしています。
「私たちは環境問題を、緑の党だけに委ねるつもりはありません。」
リュトゥケがこう語りました。

2007年に発行された『環境と行動』創刊号の最後のページにはこうあります。
『環境保護の問題は未解決のままである』(原文は環境保護には緑の信号は灯っていない)

http://www.spiegel.de/international/zeitgeist/0,1518,825564,00.html#ref=rss
+ – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +

世の中ですからナチスドイツを持ち上げる人がいるのは仕方ありませんが、あのホロコーストをやった以上、ナチスそのものは絶対に許されません。
ナチスドイツの絶滅収容所に監禁された少女が、独房の壁に爪で刻んだ母親宛のメッセージを題材にして作曲した、グレツキの「悲歌のシンフォニー」が話題になったことがありました。
私もCDを買って聴きましたが、少女が感じている恐怖と絶望をそのまま音にしたような曲で、聴いているうちに自分も胸が苦しくなってきて2度と聴かなくていい、と思ったことがあります。
と同時に同じ人間にこんな思いをさせる行為は、絶対に許してはならない、と思いました。

極右にしても極左にしても困るのは、「異分子は排除する」という考え方です。
地球上にいるのが単一民族でない以上、場所や歴史によって生活習慣が異なる以上、常に「共存」していく中で、互いにとって最も快適な道を探すしかありません。
異分子は排除する」という考え方だけはきわめて危険です。
考え方が違う人は誰にとっても多少は腹立たしい存在かもしれませんが、話し合いを重ねて共存していくしか無いのが21世紀です。

【 複数の原発再稼働を目論む日本政府 】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

所要時間 約 9分

広告
広告

マーティン・ファクラー / ニューヨークタイムズ 4月13日


2012年夏に発生する可能性のある電力不足を回避するため、日本の野田内閣総理大臣は自らの政権が2基の原子炉の再稼働を目指し、国内でほとんどの原子炉が停止している状態を解消すべく動き出す、と13日金曜日に述べました。

野田首相は、昨年福島第一原発の冷却装置を破壊した規模の地震や津波が襲っても、安全性が確保できるかどうかのコンピュータ・シュミレーションによる検証が完了したとして、西日本にある大飯原発3号機、4号機の再稼働を行うことを宣言しました。

野田首相は現段階で大飯原子力発電所の2基の原子炉の再稼働を行っても安全は確保される、という難しい説得を福井県当局とその有権者に対して行う、という厳しい役割を果たさなければなりません。
福島第一原発の事故により生まれた、一般国民の原子力発電の安全性に対する懸念は、定期点検のため次々と停止している原子炉の再稼働を妨げる結果となっています。

現在日本国内で稼働中の商業用原子炉は一基だけですが、5月初旬にはこの原子炉も定期点検のため停止する予定です。
国内の電力のほぼ3分の1を供給する原子力発電所がすべて停止すれば電力不足に陥るのは明らかである上、原油価格などの資源価格の上昇がそのまま日本経済に危険をもたらすことになる、と日本の産業界は警告しています。

枝野経済産業大臣は人々のエアコンの利用が集中する夏場、電力不足に陥る危険性が最も高くなる、と13日金曜日に発言を行いました。
枝野大臣は大飯原子力発電所と他の原子力発電所が再稼働できなければ、関西電力の電気供給能力が昨年の夏の80%にとどまらざるを得ない、と語りました。
「私たちは非常に深刻な電力不足のリスクに、直面していると言わざるを得ない。」
枝野大臣は記者団にこう語りました。

枝野大臣は終末一杯をかけて福井県を訪れ、地元自治体などに大飯原子力発電所の再稼働を受け入れるよう説得して回る予定だと語りました。
枝野大臣は福島第一原発の事故を受け、原子力発電所の安全確保のため新しい運営基準の策定を求めている福井県知事や大飯町町長と会談する予定です。

先週野田内閣は新たな安全基準を採用しましたが、津波に対する防衛策を強化するなど、様々な対策に関する計画書を策定するよう各電力会社にも求めました。
有効な対策を施すためには数年間の時間がかかる、という苦情を前に、政府はとにかく新基準の策定を急ぐように各電力会社に要請しました。

+ – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +

下記のニュースには国内報道を見ている私たち日本人には、とりたてて新しいところも無いように感じます。
フェアウィンズ(アメリカ)のアーニー・ガンダーセン氏がその著書の中で
「日本の原子力行政は、国民の安全を最下位においている。」
と指摘していますが、まさにその通りのことが記事になっているだけのように見えます。

しかし『枝野大臣は大飯原子力発電所と他の原子力発電所が再稼働できなければ』という部分に要注意です。
これによって現政権が目指すのが、大飯原子力発電所だけではなく複数の原子力発電所の再稼働であることが見てとれます。

一カ所強行突破すれば、その後は、なし崩しに…

この「いつもの手」を許しては、世界中のメディアの
「日本では3.11を機に、これまでとは全く異なる、下からの、市民からの民主主義が盛り上がり始めている」
というせっかくの評価が、「しょせん一時的なものだった」と台無しになってしまいます。

せっかくの「日本の民主主義の進歩」を後退させないためにも、発言と行動、そして関心を持ち続けましょう。

+ – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +

【 スペースシャトル・ディスカバリー、ワシントンに着陸 】

アメリカNBCニュース 4月17日

Visit msnbc.com for breaking news, world news, and news about the economy

今日見慣れない物体がフロリダから東海岸を通り、首都ワシントンにやって来ました。
その光景を見るため人々は走っている車を止め、オフィスや家から外に出てきました。
これより 後はスミソニアン博物館の展示物として収まるスペースシャトル・ディスカバリーが、ボーイング747型 機の背に乗って最後の飛行を行う姿は、あたかも人々に最後の別れをしているかのようでした。
ディスカバリーに残されていた最後のミッションについて、NBCのアン・トンプソンがお伝えします。

レポーター : ディスカバリーのワシントン行きのセンチメンタル・ジャーニーは今朝早く、ボーイング747型 機の背面に乗せられた姿でフロリダ州のケネディ宇宙センターから離陸することにより始まりました。
ディスカバリーは何度も打ち上げが行われた発射台の上を通過し、1984年以来その飛 行を見守り続けた何世代もの人々に見送られながら、海岸沿いを飛行しました。

「ディスカバリーが地球の周回軌道に向け、初めて打ち上げられました。」
レポーター : ディスカバリーは地球を5,830回 周回し、延べ1億4,800万マイルの飛行を行いました。
NBCのジェイ・バーバリーはすべてのミッションについて取材をしました。
ジェイ・バーバリー「これは私たち人類が行った中でも、もっとも大きな知識と情報の集積だと言えます。これまでの宇宙開発プログラムがもし無かったら、私たちは50年後れを取っていたでしょう。」

レポーター : ディスカバリーの経歴は歴史的瞬間とともに刻まれてきました。アイリーン・コリンズ(1995年に初の女性スペースシャトル・パイロットになる)が飛んだのもディスカバリーなら、アメリカ最初の宇宙飛行士であり、最年長者として再度宇宙に挑んだ現上院議員のジョン・グレンが乗り込んだのもディスカバリーでした。

ディスカバリーは国際宇宙ステーションの建設とハッブル望遠鏡の導入にも貢献しました。
そしてチャレンジャーとコロンビアによる悲劇が続いた後は、残されたディスカバリーが宇宙とアメリカをつなぎ続けました。

ディスカバリーが積み上げてきた成功の数々は、今日クリスタ・マッコーリフに『宇宙は誰のものでもない、すべての人々のものである』という確信を深めさせることになりました。
「これは あなたが今まで見たことがあるものの中で、一番素晴らしいものなのじゃありませんか?」
「その通りです。」
「何と比較しても?」
「そう、一番です。」
レポーター : 人々はホワイトハウスや国会議事堂の上を飛行するディスカバリーを、この国を象徴する記念碑的存在として、愛惜の気持ちを込めて見上げていました。
この光景は地上を走る車を停止させ、教室からは先生や生徒たちが外に出てきました。
飛行機を操縦している最中のパイロットでさえ、何とか一目見ようとしていました。
「たった今、シャトルを背中に乗せたボーイング747が着陸しました。今、ディスカバリーはスミソニアン博物館から15マイルの地点までやって来ました。
レポーター : ディスカバリーがダレス空港に着陸したこの瞬間は、かつての宇宙飛行士ジャネット・カヴァンディにとってはほろ苦いものです。
ジャネット・カヴァンディ「もっと長い間、空中に浮かばせていてあげたかったわ。」

レポーター : ディスカバリーはもう二度と宇宙に向かうことはありませんが、今度は地上でアメリカのエキサイティングな次世代の宇宙開発を促す役割を果たしていくことになります。
アン・トンプソン、NBCニュース、ニューヨーク。

Visit msnbc.com for breaking news, world news, and news about the economy

【 アメリカ国防総省、フクシマの現場で働くヒューマノイド型ロボットを募集 】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

所要時間 約 10分

広告
広告

ジョン・マーコフ / ニューヨークタイムズ 4月9日

アメリカ国防総省(ペンタゴン)の研究開発機関は、一般的な工具や車両を操作しながら人間が入り込めない災害地区で作業するロボットのコンテストを4月10日から開始する、と公表しました。
このような用途から考えられるのはヒューマノイド型、すなわち人間の形をしたロボットですが、ロボット工学分野に身を置く人々はミノタウロス (ギリシア神話に登場する牛頭人身の怪物)型ロボット – つまり何本もの腕があり、歩行型だけでなく走行型など、必要に応じた機能を兼ね備えた形になる可能性がある、と語っています。
このコンテストは発表前からすでに噂になっており、サンフランシスコの『MEKAロボット』の創立者のアーロン・エドジンガーは、あらゆる可能性について検討すべく、国中のロボット専門家に声掛けをした、と語りました。
「今回の用途から制作するロボットの機能について考えると、蜘蛛、サル、クマ、カンガルーやヤギなどの動物たちが格好のヒントになります。」

火曜日の発表の中で米国防総省の国防高等研究計画機関(DARPA)は、今回ロボットに求められる8つの機能を明らかにしました。

災害区域に車両を運転して行き
がれきを避けながら前に進み
進入路にあるがれきは取り除き
梯子の上り下りができ
工具を使ってコンクリートの壁面に穴をあけ
亀裂の入った配管を探し出し、これを修理し
冷却装置のような機器の部品交換を行う

エトジンガー氏は今回の挑戦に求められるのは、それぞれ個々の作業を遂行するだけでなく、全体を一つの任務としてまとめ上げる能力である、と語りました。
「私たちは今回求められているような機能は、単一ならどの作業であっても成し遂げられる技術をすでに持っています。」
と語りました。

「今回のコンテストは1年前に発生した、福島第一原発の事故がきっかけとなったものなのです。」
DARPAの防衛科学部門のプログラムマネージャーであるギル・プラットが説明しました。
「こうした事故では最初の24時間が勝負になります。しかしこのような事故が起きれば、 福島第一原発の現場を見てもわかるように、生身の人間を送り込めるような環境は期待できないのです。」

今回のコンテストの賞金総額や最終的な開発予算について、米国防総省は明らかにしていません。
しかし2004年、2005年、そして2007年に開催され、砂漠や大都市で活動するための自走ロボット車両のコンテストを行った賞金が100万ドルから200万ドルの『グランド・チャレンジ』と、今回のコンテストは全く別の性格を持ったものであることが明らかにされています。

コンテストに参加する企業と大学は、2013年と2015年に開催されるコンテストを目標にロボット開発に取り組むことになります。
ロボットは完全な自動型である必要は無く、それよりも無人偵察機をパイロットが地上から操作するのと同様、専門家による複雑な作業を可能にする性能が求められます。

ロボット開発競争は軍事の分野を始め、工業生産や家庭生活の分野でも急速な技術発展を実現してきました。
ロボット開発に携わる人々は、開発予算の大部分が複雑な状況を認識・分析するためのセンサーと、予期せぬ環境の変化に対応するための機能に費やされている、と説明してくれました。

野心的なヒューマノイドロボットの数々が、すでに産業界の研究者たちによって実現されています。
ホンダ・アシモは2000年に発表され、2005年までにフル充電されたバッテリーにより自立行動が可能になりました。
昨年には時速6マイル(約10km)で走る能力を実証して見せました。

DARPAの職員は今回のロボット競技には国際的な参加を期待している、と述べました。
事実今回のコンテストには日本のヒューマノイドロボット開発の父と称される井上博允氏が、11月に行われた参加への勧誘に応えることになりました。
ロボット工学分野に多額の投資を行ってきた日本ですが、今回の福島第一原発の事故現場で活動できるヒューマノイド型ロボットを開発する能力は無い、と井上氏が言及しました。
「多くの人々が福島第一原発の現場で作業するヒューマノイド型ロボットの登場を望んでいますが、日本にはまだその開発能力はありません。」
井上氏が送ってきた電子メールの中の一節です。

アメリカでは、ゼネラル・モーターズ、ボストン・ダイナミクス、そして軍関係から資金提供を受ける小さな 研究室がヒューマノイドロボットを開発してきました。
GMのロボノート2型は、現在宇宙飛行士のアシスタントとして国際宇宙ステーションの中で試験運用されています。
ボストン・ダイナミクスが開発した運搬ロボットの『ビッグドッグ』、その進化形である4足で走ることのできる『チーター』は注目を浴びており、同社にはさらに人間型の『アトラス』もあります。

今回の発表でペンタゴンDARPAは、開発支援のため足、胴、腕、頭部の試作品をコンテストの参加者に提供すると伝えました。
数多くのロボット開発者が、ボストン・ダイナミクスが開発したアトラスの設計が今回の目的にふさわしいと考えられる、と話していますが、ペンタゴンのプラットは可能な限り多くの参加者が得られるよう、ソフトウェアの提供も行う予定だ、と述べています。
「私たちは、できるだけ多くの開発者に参加してもらうつもりです。」

+ – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +

とうとうペンタゴン、アメリカ国防総省が福島第一原発の事故収束に必要なロボットの開発に乗り出しました。
もちろんその第一目的はアメリカ国内で、福島第一原発同様の過酷事故が発生した際の対策のためでしょうが、福島第一原発の現場に実際に投入される確率は高いものと思われます。
なぜなら、現在の日本政府は福島の事故収束にこれ以上無いぐらい、無能無策だと思えるからです。

昨日はチェルノブイリの専門家が「チェルノブイリ事故の最も大切な教訓は、政府がすべての事実を明らかにすること」と指摘した、アメリカCBSニュースを翻訳し、ご紹介しました。
しかし、隠ぺいと過少報告については、日本の政府機関は事故の始まりから世界中の非難を浴びていました。
あげく危機的状況を何ら改善しないまま、ただ原子炉『周辺』の温度が下がったというだけで「事故収束宣言」を行い、再び世界の世論を激高させました。

福島第一原発の事故は単に日本にとどまらず、人類全体に深刻なダメージを与える程の事故です。
にもかかわらず原発の再稼働や電力業界・産業界の利益保護が見え隠れする日本の政府と政府機関の対応を見て、日本人だけでなく世界が危機感を抱くようになってしまいました。
すべての国民を守りきるため本格的な対策を実施するためには、すべての事実を明らかにする必要があり、それを行えば数多くの既得権が失われる恐れがあります。

「あんな政府に日本を任せるぐらいなら、いっそアメリカの51番目の州になった方が国民は安心して暮らせるのではないか?!」
と言った人がいます。
しかし政府だけではないのです。
現在の日本政界には『原発体制(大政)翼賛会』があることを忘れてはなりません。

+ – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +

【 スペースシャトル・ディスカバリー、プラスワンの飛行 】

アメリカNBCニュース 4月16日

Visit msnbc.com for breaking news, world news, and news about the economy

スペースシャトル・ディスカバリーが明日の最終フライトのため、ボーイング737型機の上にくくりつけられました。
ディスカバリーはスミソニアン博物館に収容するため、明日これまで飛んだことが無い低い高度でフロリダ沿岸を経由して運ばれていく予定です。
低い高度での飛行となるため、首都ワシントンでは肉眼での観察が可能かもしれません。
ディスカバリーはレーガン大統領当時の1984年、初めて宇宙に出発しました。
39のミッションをこなしましたが、この中には明日のフライトは含まれません。

【 すべての真実を公表しない限り、福島の解決はありえない 】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

所要時間 約 13分

広告
広告

[ 福島にはまだ望みはある – チェルノブイリ専門家 ]

アメリカCBSニュース 2月2日

ウクライナのチェルノブイリ問題の専門家が、福島第一原発周辺住民の帰還は必ずしも絶望的ではない、と語りました。この点は事故後四半世紀が経って尚、帰還の見通しも立たないチェルノブイリとは異なっている、と語りました。


〈25年が過ぎてもゴーストタウンのままのチェルノブイリの被害地区プリビャチ〉

3月11日に襲った巨大地震と巨大津波が3基の原子炉でメルトダウンを引き起こした福島第一原発ですが、キエフの国立戦略研究研究所の核物理学者オレグ・ナスヴィット博士は最終的には周辺住民の帰還が実現できる可能性がある、とAP通信とのインタビューの中で語りました。

ウクライナの政府高官であるナスヴィット博士とドミトロ・ボブロ氏はそろって、1986年のチェルノブイリ事故の最も大切な教訓は、政府がすべての事実を明らかにすることである、と語りました。
本当の状況さえわかれば、それに基づき住民は自分たちの将来について誤りの少ない選択ができるようになります。

「住民が事故が引き起こした事実をすべて理解し、その上で現実的な決断を行うためには、正確な情報提供がどうしても必要なのです。」
日本政府主催の福島の危機に関するセミナーに出席するため、日本を訪問したボブロ氏はこのように語りました。


日本の政府機関と東京電力は事故の全貌が明らかになるまで、あらゆる情報をその手の中に隠し続けていたことについて、繰り返し批判を浴びています。

双方とも当初原子炉内でのメルトダウンの発生を否定し続け、放射線が健康に及ぼす影響を過少に伝え続けてきたことを、ずっと非難されてきました。
今回の原子力危機について調査行っている外部委員会は、政府が国民に対してもっと透明性の高い情報提供を要求しました。

2011年12月に『冷温停止状態達成』の宣言を行った後、3度にわたるCAT-スキャンを行った結果に基づき、日本政府は空間線量が20ミリシーベルト以下の汚染地域についいて、帰還が可能であるとのガイドラインを提示しました。
政府はこの場所はもう安全だとしていますが、さらなる低線量化が必要であることは明らかです。

福島では
10万人以上の人々が、20キロ圏内の立ち入り禁止区域からの避難を余儀なくされました。


ナスヴィット博士は、住民の帰還は福島第一原発からの距離ではなく、帰還した住民の累積被ばく線量が数値的にどうなるか、きちんと積算した上でなされるべきである、と指摘しました。
「年間被ばく線量が20ミリシーベルト以下に保たれるのであれば、国際基準に照らして帰還を望む人々に許可を与えることは可能です。しかし、帰還は20キロ圏内などという尺度で行ってはなりません。個別に放射線量を測定した上で、初めて帰還を許可すべきです。場所ごとの放射線量がすべて明らかになった上で無ければ、人々の帰還を許可すべきではないのです。」
そしてその上で、もっと科学的で徹底的な除染の取り組みが必要である、とナスヴィット博士が語りました。

2月初旬、福島第一原発周辺に設定されている避難区域にある川内村の村長が、現在行われている除染作業によって、もはや村内への帰還を行っても安全である、と宣言しました。
遠藤村長は役場、学校などの公共施設が2012年4月に再開される、と語りました。

川内村の約3分の1は避難域内に位置し、立ち入り禁止のままです。
そして避難区域外の住民も、自ら村を去る選択を行いました。
こうした住民は今回の呼びかけに複雑な思いで接しました。故郷に帰りたいと思う半面、 放射線の健康被害、特に子供たち対する悪影響を懸念しているのです。


〈ゴーストタウンと化した福島第一原発の被害地区、富岡町〉

1986年4月26日に発生したチェルノブイリ事故は、ほとんどヨーロッパ全土に放射性物質による死の灰をまき散らし、中でもウクライナ、ベラルーシ、ロシア西部で暮らす数十万の人々に深刻な被ばくをさせました。
その時汚染された森林や農地はいまだに汚染されたままになっており、この事実は今日本人に対し、福島第一原子力発電所事故による汚染も、これから長い期間その被害が続くことを警告しています。


当時のソ連の指導者は事故後数日間周辺住民に対する避難させず、健康被害に関する警告も行わなかったため、これら周辺地域で暮らす人々の間に大きな不信感を与えることになりました。

チェルノブイリの事故は最終的に、アメ リカが広島に投下した原子爆弾の約400倍以上の放射線を放出しました。
国連の世界保健機関(WHO) はこの事故の影響を受けたとみられる600,000人の中、平均死亡者数を約4,000人を上回る人々が、この事故が原因となったガンによって死亡したものと見ています。



日本政府は福島第一原発を廃炉にするまで約40年以上の年月を必要とする、と言っています。
しかし土壌から汚染を取り除かれ、水や空気、そして食品の中から放射線の影響が消える までの年月は、現時点では全く分からないのです。
そのためには長い、長い道のりをこなしていかなければなりません。

東京電力と政府はこの問題に対し、迅速な取り組みが要求されます。


そして人々の感情をなだめるのではなく、科学的に適切な措置を採らなければならないのです。

http://www.cbsnews.com/8301-505245_162-57370493/chernobyl-experts-hopeful-on-fukushima/?tag=mncol;lst;2
+ – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +

また残念な出来事がありました。
御前崎市長選挙で再び『脱原発』の民意が証明されなかったことです。
毎日新聞の報道の中に
「原発に頼って生きている人の生活を考えてほしい。」という50代の男性のインタビューが掲載されていましたが、こうした意見が当然のことのように出てくる背景にはやはり、福島の真実が十分に日本国民の間に伝わっていない、という事を感じます。

生活が苦しい、とはどういうことなのでしょうか?
ここ被災地(宮城県)は福島第一原発が吹き上げた放射性物質があちこちに飛び散ってしまいました。
福島県を還流して宮城県南部で太平洋に注ぎ込む阿武隈川では日々汚染濃度が増している、と漁業関係者に直接聞きました。
そして日本有数の米どころの大崎平野の農民の方々は、何を育てても収穫してもびくびくしています。
被災地の真ん真ん中にいる感想としては、生活環境の中に日々放射能汚染の脅威が潜んでいる生活は苦しい以上のものがあります。
この上『欠陥型原子炉』と言われるGE MarkⅠ型原子炉と、そのマイナーチェンジ型原子炉がずらりと並んだ女川原発が再稼働などしてしまったら、大げさでなく南東北は終わりだと思っています。
そして北東北・青森県の六ヶ所村の核廃棄物施設が、福島第一原発と同じ災害に見舞われたら半径100kmに暮らす人々は即死する、とある本に書いてありました。

【星の金貨】でも、福島第一原発の事故により周辺住民の方々がどれ程の苦しみの中に突き落とされてしまったか、くりかえし各国の記事をご紹介してきました。

原子力発電所がいったん事故を起こせば、人々の生活はおろか無数の人生そのものを破壊してしまうことを、

英国BBC放送、ガーディアン(英国)、ル・モンド・ディプロマティーク(フランス)、ドイチェ・べレ(ドイツ国際放送)、デア・シュピーゲル(ドイツ)、アルジャジーラ(アラブ首長国連邦)、そしてアメリカCNNテレビ、CBS放送、NBC放送、ABC放送など世界中のメディアが繰り返し報道してきました。

それを当の日本人が、それほど深くは理解していないように思います。
政府や大手メディアの隠蔽が功を奏してしまっているようです。

こうなれば私たち自身がもっと冷静に、理路整然と、しかしできるだけ多くの場で正しい情報発信をしていきましょう。

+ – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +

【 タイタニック、生存者たちのそれぞれの思い 】

アメリカNBCニュース 4月13日

Visit msnbc.com for breaking news, world news, and news about the economy

4月15日日曜日はあのタイタニックが沈没してからちょうど100年目に当たります。
事故の生存者とその子孫にとってはあの日を振り返り、その一日が意味するところを深く考える時間かもしれません。
今夜はあの日の出来事によって、生まれたときから数奇な運命により結ばれた一組のアメリカ人カップルについてお伝えします。

キャサリンとボブ・マクガイアはランニングなど数多くの共通の情熱を持っていますが、この数年間の結婚生活を始める前から同じ情熱を共有していたのです。

「私たちは二人とも、祖先がタイタニック号の乗客だったのです。」
ボブの祖父であるジャック・フェールは当時17歳、ヨーロッパでの休暇を過ごした後、タイタニック号の一等先客としてアメリカへの帰路についていました。

そして当時60歳だったキャサリンの曾祖母エマ・バックネルも一等先客として乗船していましたが、彼女はもう何十回も大西洋上を行き来した経験を持っていました。

2人は凍りつく水面上に見せている姿に対し、実際にはその3倍の大きさの氷山に衝突し、1,500もの人々が犠牲となったタイタニック号の悲惨な事故の生存者でした。

ポルトガルを出港したそもそもの始まりから、彼らは共通の運命を持っていました。
ジャックは、タイタニックが沈没するわずか数分前に、デッキから飛び降りていました。

「飛び込んだ後、私の体はめちゃくちゃに回転しながら、どんどん沈んでいきました。それでも私は船からできるだけ遠くに離れようと、必死に泳ぎ続けました。」
しばらくして彼は何とか水面上に頭を出し、そこにあった転覆した救命ボートにしがみついて、その夜を過ごしました。
一方その時ミセス・バックネルは、別の第8番の救命ボートの上にいました。

「その救命ボートに乗り合わせた人々は暗闇の中、何とか生き延びようと努力を続けました。夜は永遠に続くように長く感じました。」
彼女のその夜は1958年に映画化 された「忘れえぬ一夜」のシーンそのものでした。

幸い二人とも無事生還を果たしましたが、多くのタイタニック号の生存者は事故の後同じような試練を抱えて生きることになりました。
バックネル夫人はその後、二度と大西洋を横断しようとはしませんでした。

ジャックの方は第一次世界大戦に従軍の後銀行家として成功しましたが、自分だけが生き残ったという罪悪感にとらわれ続け、わずか50歳でこの世を去りました。

多くの人命が失われたくさんの悲劇が生まれましたが、ケイトとボブはこの巨大な悲劇が無ければ生まれなかっただろう、数々の人々の物語に着目することの大切さの方を感じています。

現実の世界において、それは彼らの3人の子供たちに象徴されています。

ルーシーとジャックは、二人とも音楽にかぐれた才能を発揮、そして長男ボビーはプロのピアニストです。
キャサリンとボブは再び自分たちの祖先の話を進んで話そうとはしませんが、彼らは祖先が長い間引きずってきた影を海に対して感じながら、祖先を愛する気持ちを抱き続けています。

【地震活動が活発化するリング・オブ・ファイア(環太平洋地震火山活動活発地帯)】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

所要時間 約 8分

広告
広告

アメリカCNNスチューデント・ニュース 4月13日

~ 今日は中東の話題からです。
シリア国内で続く暴力を停止させるべく、世界中から様々なグループが訪れ停戦の後押しをしています。
昨日、わずかな時間ですがそれが実現したようです。シリア各地の都市では。砲撃の音が響き渡るのが常態化しています。
一部停戦案は12日の木曜日までに実現される予定です。

町の真ん中に戦車がいますが、砲撃の音は聞こえません。少なくともしばらくの間、先頭は行われていないようです。
国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長は、シリアの暴力を終わらせるための重要な瞬間が訪れた、と語りました。しかし彼はまた一方で、世界は、シリア政府に対し世界は懐疑的な目を向けている、と語りました。これまであまりにも多くの約束が繰り返し反古にされてきました。

~ 太平洋をぐるりと『リング・オブ・ファイア(環太平洋地震火山活動活発地帯)』が取り囲んでいます。実際には環というよりはアルファベットのSに近い馬蹄形をしています。
リング・オブ・ファイアは地震活動が活発な巨大なエリアです。
事実、世界で発生する地震の90%がこのエリアの内側で発生しています。
4月11日にインドネシアを襲ったその地震もこのエリアで発生しました。
その後マグニチュード8.2の余震も発生しています。現在までに大きな被害の報告はありません。

しかし、リング・オブ・ファイア上の地震はこれだけではありません。
翌日早朝にはメキシコ沿岸でも大きな地震が発生しました。
しかしインドネシアの地震ほどは大きくなく、本震はマグニチュード6.9、余震はマグニチュード6.2でした。

+ – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +

【 北朝鮮は今回の失敗をどう言い訳するつもりか?! 〈後編〉】
[新たな発射実験の準備に入ることは、世の中にとって有害無益]

NBC放送宇宙問題解説者ジェームズ・オバーグ / NBCニュース 4月12日 (日本時間13日)

Visit msnbc.com for breaking news, world news, and news about the economy

▽神話を傷つけるわけにはいかない

今回の失敗について、見学者たちに対しありとあらゆる言い訳が用意されているに違いありません。
ロケット開発に当たった科学者たちは次の失敗を引き起こすものは、最初に起きた失敗を忘れること、もあるいは失敗があったことを否定する、その態度であることを知っています。
しかし北朝鮮の国そのものは、以前に行った2回の打ち上げが成功した、と主張しており、この事実はこの国の未来が明るくないことを示唆しています。

今回の失敗に対する平壌からの最初の、そしてお決まりの対応は「今回の打ち上げは成功した」と主張することでしょう。
同じことが1998年と2009年にもありましたが、しかし今回は招待した西側の報道機関と世界中のアマチュア無線家からがしっかり見ていましたから、そんな茶番は通用しないでしょう。

しかしながらとんだ言いがかりをする可能性もあります:外国の敵を非難することです。
失敗が飛行を始めた段階で起きたとすると、韓国が干渉したと主張することが可能です。
北朝鮮の無線が届かないエリアで衛星の墜落した場合には、アメリカの敵対感情が標的にされる可能性があります。
これは本能のようなもので、かつてロシアが火星探査衛星の打ち上げに失敗した時、ロシアの科学者の間でまことしやかにアメリカ陰謀説がささやかれた例がありました。
アメリカのレーダーによる捕捉範囲は広大であり、この状況を踏まえた北朝鮮が自国の失敗を他人に転嫁する必要上、卑怯な振る舞いに出る可能性は十分にあります。

その他、北朝鮮政府は随分昔のスターリン時代から用いられてきた手段、外国の干渉によるサボタージュがあったと主張する可能性があります。
そうなった場合には、今回の権力移譲に批判的な政権内部の人間に対し、粛清などの苛烈な処置がとられる可能性があります。
数百人が文字通り首を切られ、多数の銃殺者が出る可能性があります。
政権内部の大掃除の格好の理由にされるわけです。
ところでロシアは最近、そのフォボス・グラント火星探査衛星の事故について、『神のなせる業』とも言うべき責任転嫁のための格好の口実を見つけました。
宇宙放射線です。
おそらくは2個のコンピュータチップが地球に住んでいる人間にはどうすることもできない、宇宙の力によって破壊されてしまったのです。
この言い訳を北朝鮮も採用してくれれば、無用の流血を避けることができます。

▽ 別の秘密兵器の実験説

今回の失敗は実は最初から計画されたものであった、とするのであれば、欧米各国にその模範例を求めないわけにはいきません。
今回の打ち上げ失敗はトップシークレットに属する秘密兵器の実験のため、最初から計画されていたものなのだと発表するかもしれません。
優れた極秘開発計画については、これまで実際にあったことがウェブ上で公開されているのですが、それに多少のフィクションを加味することで、もっともらしい結論を作り上げることができます。

現実にそのような秘密兵器は実在します。
秘密兵器である『衛星』ミサイルはまだ発射されたことはありませんが、すでに一部は実戦配備されており、大気圏への再突入に際し、先端のカプセルは熱に対する防御力を持っています。
この技術が開発されるまでは、いったん宇宙空間を飛行して目的地に向かったミサイルの弾頭は、再度大気圏に突入した際に燃え落ちてしまっていたため、何千発発射したところで目標には到達できなかったのです。

この問題を解決するために、ノーズコーンの下に試験用の弾頭を配置する技術が考案されました。
これを装着したミサイルを『衛星』として打ち上げ、完成度をチェックするのです。
打ち上げた後、第2段階の噴射装置を切り離すと同時に、この弾頭も大気圏に向け落下させ、小艦艇や潜水艦で電波を傍受しながら追跡するのです。
こうすると落下した弾頭をいちいち回収して、実物を検証する必要がないのです。

ご紹介したようなすべての言い訳は、単純で理解しやすいという長所を持っています。
ともあれ今回北朝鮮が世界に向け証明してみせたことは、その国内が異常なほどの緊張感に覆われているという欠点とは別に、要するに北朝鮮は間違っている、ということです。
そして北朝鮮が新たな発射実験の準備に入ることぐらい、世の中にとって無益で有害なことはありません。

http://www.msnbc.msn.com/id/47030095/ns/technology_and_science-space/#.T4e9-NkXR6Y

このサイトについて
ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
最近の投稿
@idonochawanツィート
アーカイブ
広告
広告
カテゴリー
メタ情報