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東京2020オリンピックの延期・中止の発表

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いつまで延期するのか、焦点はすでにその点に移っている

国際的なスポーツ競技会の開催スケジュールとの調整、予選会の日程の再編成、各種の保険手続きなど課題は山積み

                   

写真 : 2020年3月23日月曜日、東京のお台場地区の結婚式場のガラスの壁に映る五輪マーク

エディー・ペルズ / AP通信 2020年3月23日

                     

3月23日月曜日、IOCの役員、各国のオリンピック委員会、そしてアスリートたちが全員同じ結論に向け走り出しました。
東京オリンピックは2020年夏には開催されません。

                   

国際オリンピック委員会で長年メンバーを続けてきたクレイグ・リーディ氏はAP通信の取材に対し、コロナウイルスのパンデミックが世界中に広がりオリンピックの参加選手が練習すらまともにできない状況を見れば、誰もが同じ結論に至るだろうと語りました。
「確率から言っても当然です。現在の日本の状況とCOVID-19(新型コロナウイルス)の世界への影響について誰もが得ている情報は、オリンピック開催は延期すべきだということを明確に示しています。」
「延期の期間をどれだけにするのか、現在のIOCの大きな課題はその点に移りました。」

               

IOCのメンバーであるディック・パウンド氏は、7月24日に開始される予定の東京2020について同じ結論に達したことを、3月22日の早い段階でアメリカの新聞のUSA Todayに伝えました。USA Todayによるツイートは次のとおりです。
『新型コロナウイルスに対する懸念から、東京2020の開催延期はすでに決定済み』

             

                   

これらの報道に対しIOCはまだどのような決定もなされていないと述べ、リーディ氏も自分自身の個人としての認識であるとすぐに認めました。
そして最終的に判断することになるIOCのトーマス・バッハ会長からはどのような意向も伝えられていないことを明らかにしました。パウンド氏に対するAP通信の問い合わせに返信はありませんでした。

                   

IOCのスポークスマンはパウンド氏の発言について、その日のうちに「22日日曜日に開催されたIOC執行委員会の決定をどう解釈するかは、IOCメンバー全員にとって自由です。」とコメントしました。

                   

確かに一連の発言は個人的解釈や意見というべきものであり、事実だけを誤りなく伝えたものではありませんでした。
パウンド氏は先月、東京大会がスケジュール通りに開催できなかった場合、延期ではなく中止こそが唯一無二の選択肢であるとAP通信に語っていました。

                   

しかしこの時以降状況は大きく変化し、参加予定のアスリートと各国の間では「延期」への機運が急速に高まっており、IOCが最終結論に至るのに4週間すべてを費やす必要は無くなってきたようです。
4週間というタイムリミットはIOCの執行委員会が22日日曜日に決定したものであり、この際ゲームの延期に関連する大規模な物流上の問題を調査するため、ワーキンググループを編成すると発表しました。

                 

                    

問題の中には、延期後の日本国内の会場確保、新たな開催日と国際的なスポーツ競技会の開催スケジュールの調整、予選会の日程の再編成、および各種の保険手続きなどが含まれます。
IOCも日本の大会組織委員会も両方ともすでに大規模な政策を実施しており、その法的要因の整理には多大な手間と時間を要します。

                    

しかし22日のIOCの発表の後、IOCの東京大会検証チームのリーダーを務めるジョン・コーツ氏の母国オーストラリアそしてカナダの両国から、7月に開催される東京オリンピックに自国のチームを派遣できない、あるいは派遣しないという連絡が入りました。

                 

「我が国の決定はアスリート、コーチ、スタッフ、ファンなど非常に多くの人々にとって悲痛なことだと理解していますが、これは疑いなく正しい呼びかけであり、すべての人が自分たちのリーダーに従うべきです。」
カナダのジャスティン・トルドー首相はこう語りました。

                   

延期すべきだと声をあげている他の主要な代表団には、ブラジル、スロベニア、ドイツのオリンピック委員会とともに、オリンピックのハイライト競技のひとつを担う世界陸上競技連盟が含まれます。
合衆国チームの約3分の1の選手が加盟する米国水泳連盟と米国陸上競技連盟は、新しい開催日時が決定されることを望んでいます。

              

延期を要求するアスリートの声も大きくなり続けています。
トラック競技選手団体のアスレティック・アソシエーションは、別の競技選手団体のグローバル・アスリートと共同で、IOCに決断を急ぐよう促しました。

                   

               

アスレティック・アソシエーションは2度のオリンピック・チャンピオンの経験を持つ米国のクリスチャン・テイラー氏が率いています。
テイラー氏は4,000人以上の陸上選手に対する調査の結果、87%が新型コロナウイルスによって自分たちの練習が悪影響を受けたと回答したと述べています。

           

個々のアスリートも同様に発言を続けています。

                    

「今年はオリンピックが開催されないということには腹が立ちますが、延期がアスリートと観客の健康を守り、ウイルスのさらなる拡散を防ぐためには最良の決定である、トイうことには同意します。」
バウンド氏のコメントに対し、米国の体操選手モーガン・ハードはこうツイートしました。

                   

延期や中止についての決定が既に行われたと発言することは早計に過ぎるとしても、そうした発表が行われるのは避けられないでしょう。

                      

https://apnews.com/d4d9be10a63f3de92a4c5cc579c0cc4a

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他の国々は新型コロナウイルス対策に集中できるのに、日本だけはそれに加え東京オリンピックの延期のために、またまた多額の国費と労力を消耗しなければなりません。

                   

もともと「福島第一原発の事故状況は、完全に制御下にある」などと、もはや放射能汚染水の問題だけでも破綻が目前に迫っているのに、あの時全世界に向け安倍首相が偽りを発信したツケが一気に回ってきそうな今の日本。

日本のメディアは一切触れませんが、安倍政権のデタラメ政治については、これまで海外メディアは様々な問題について『失政』という指摘をしてきました。

しかしことここに至っては『失政』などという生易しいレベルにとどまるものではありません。

安倍首相が賭けに破れるとき – 東京オリンピックの中止・延期

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第二次世界大戦中以外では初めてのオリンピックの中止または延期の可能性が現実味

オリンピック開催が1年遅れたら、安倍氏は首相の座には留まれないことを心配しなければならない

                    

スティーヴン・ウェイド、山口真理 / AP 2020年3月17日

                     

東京オリンピック開催まで4か月を切りましたが、予定通りに開催されない場合、日本の安倍首相はその影響を最も強く受ける人物になる可能性があります。

               

2013年にアルゼンチンのブエノスアイレスで開催されたIOCの総会で東京での開催を強く求めて以来、安倍首相は東京オリンピックの成功に力を注いできました。
東京は「信頼できる開催地である」と自画自賛し、イスタンブールを抑えて開催地に選ばれました。

                

2016年のリオデジャネイロオリンピックの閉会式では、安倍首相は自ら任天堂のゲームキャラクター・スーパーマリオとして登場し、70,000人の観衆の前をパレードしました。

              

安倍首相は日本で最も長い任期を務めた首相として、そのキャリアを象徴するものとして東京オリンピックの成功を利用するつもりです。
しかし、日本のオリンピック組織委員会と国際オリンピック委員会は、計画通り7月24日に開催する方向で準備を進めると強調していますが、しかし現在では開催が可能かどうかわかりません。

          

                    

世界保健機関(WHO)がパンデミックを宣言した新型コロナウイルスの急速な感染拡大に直面し、第二次世界大戦中以外では初めてのオリンピックの中止または延期の可能性が現実味を帯びてきました。
そして新型コロナウイルは安倍首相にとってもうひとつの悪しき局面、日本経済の破壊をもたらしました。

                   

東京(早稲田大学)の政治学者であるデイビッド・レーニー教授は、AP通信とのインタビューで、
「彼(安倍首相)は、オリンピック開催が1年遅れた場合、もはや首相の座にはいないということを心配しなければならない状況が確実になってきました。」
「安倍首相は日本を可能な限り最高の光で世界に紹介するというアイデアに、実に多くの投資をしてきました。安倍首相にとってそれをあきらめることは何としても避けたいでしょう。」

                 

レーニー教授は安倍氏の首相在職が東京オリンピックの中止または延期を乗り切る可能性は低いと考えています。
安倍政権は繰り返し汚職スキャンダルの渦中に陥り、新型コロナウイルスの感染拡大問題に対し、その対応の遅さを非難されてきました。
しかし安倍首相の支持率は共同通信が3月中旬に発表した電話世論調査で約8ポイント上昇し、49.7%になりました。

                     

しかし同じ調査で回答者の69.9%が、東京が「計画どおりにオリンピックを開催できるか?」との質問に「そうは思わない」と回答しました。
東京オリンピックを計画どおり開催できると考えているのは、回答者のほぼ4分の1にとどまっています。

                     

                 

「安倍首相は、新型コロナウイルスの流行が突然始まったように突然終わるという希望にしがみついている状態だと思われます。」
レーニー教授がこう語りました。

                 

そうはならないという兆候がありますが、何十万人ものアスリートと観衆が一度に東京に集まることの安全性については別の懸念もあります。

  

「世界的なパンデミックのため誰も参加しないオリンピック期間中に、首相に就任したいと考える人間などいそうにありません。」
レーニー教授このようにつけ加えました。

                   

IOCは今週、スイスのローザンヌにある本部のスタッフに対し、通知があるまで在宅ワークを行うよう求めました。
オリンピック博物館も閉鎖されました。
さらに、マドリードにあるオリンピック放送サービスのスタッフも、在宅ワークを行うよう求められています。
IOCは職員が新型コロナウイルスに感染したという報告は受けていないと述べています。

                  

アイルランドのブックメーカー(公認の賭けの胴元をする法人)は、東京オリンピックが7月24日に開催されないことに対し、1-4のオッズを提示しています。

                

オリンピックの聖火がギリシャから宮城県の空軍基地に到着する20日金曜日には小規模なレセプションが計画されています。
聖火リレーは予定 通り3月26日に福島県で正式に開始される予定ですが、観衆の数については厳しい制限があります。

             

IOCのマーケティング・ディレクターであるマイケル・ペイン氏は、AP通信の取材に対し次のように語りました。
「IOCは20年間、大会の開催スケジュールについては繰り返し深刻な課題に直面してきました。」
「IOCはメディアや政治的圧力に関係なく、早まったことはしないという経験を積んできています。」

               

                   

ペイン氏はオリンピックの開催はまだ4ヵ月先のことであり、今、決定しなければならない理由はないと述べました。
「現状は深刻ですが、今後状況が大きく変わってくる可能性があるため、最終決定は開催時期に非常に近いものになるでしょう。」
現在もIOCの顧問を務めるペイン氏がこう語りました。

                   

IOC側は中止または延期の決定に対し大きな権限を持っています。
これは2013年にIOCが東京都と日本オリンピック委員会との間で交わした開催都市契約に明記されています。

                  

現在危機的状況にあるのが何十億ドルという金額に上る放送契約とスポンサー契約です。
日本政府と東京オリンピック素式委員会はすでに126億ドル(1兆2,750億円)を費やしたと公式に発表していますが、会計監査院は実際の支出はその2倍の金額に達していると指摘しています。

                

IOCのメンバーで東京大会の検証チームを率いるジョン・コーツ氏は、オーストラリアの新聞取材に対し、1980年当時のモスクワ大会でのボイコットの方がもっと大きな懸念が生じていたと語りました。
「1980年当時、私たちが抱いていたほどの不確実性は無いということだけは確かです。」

               

2020年2月のAPとの独占インタビューで、IOCの副会長を務めたこともあるディック・パウンド氏は、オリンピック運営組織が5月末までには開催か否かの結論を公表しなければならないだろうと推測していました。
インタビューの中でパウンド氏は中止あるいは延期が最も現実的な選択肢であることを示唆しました。

            

                  

IOCが放送事業者、スポンサー、スポーツ連盟、アスリート、および200に上る各国オリンピック委員会と金銭的合意に到達できるのであれば、延期が妥当な選択肢だとして提案している人もいます。
ほとんどのスポンサー企業はIOCと長期的な関係を持っており、大勢に従うというインセンティブを持っています。

                   

無観客でオリンピックを開催することも検討されています。
「大会の延期はWHOなどの助言の下で、日本政府が観客とのホスティングのリスクが大きすぎるという結論に達した場合の唯一の選択肢です。」
有名なスポーツ・マーケティングの専門家パトリック・ナリー氏がAPの取材にこう答えました。

                     

ナリー氏もペイン氏もIOCのスポンサーシップを推進する上で重要な役割を果たしてきた人物です。

                     

無観客大会についてナリー氏は、そうなった場合にはオリンピックらしい『雰囲気』がなくなってしまうとして、その選択肢を否定しました。
無観客大会になってしまえば、地元の大会主催者の約10億ドル(11,000億円以上)のチケット販売収入がなくなってしまいます。
チケットの多くはすでにスポンサー企業に販売されており、これらの企業は顧客向けに非常に価値のある特典として利用する予定でした。

                       

「無観客になってしまえば競技者にとっては虚しさばかりが募ることになりり、質の高いパフォーマンスなど期待できない状況に陥ってしまいます。」
ナリー氏はこう語り、次のように続けました。
「これは私の見解ですが、一般観客がいない大会など不可能であり非現実的な提案です。」

                     

https://apnews.com/ef4d84063dbb0cb387b1387a7de6d8aa

Fukushima:海はいつから放射性核廃棄物を捨てても良い場所になったのか《後編》

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核廃棄物再処理工場周辺では、癌の発生率が著しく高くなったことが繰り返し明らかになっている
放射性核廃棄物とそれを生み出すすべてのものから、一定以上距離を置くことが重要

                  

                   

ティム・シャウエンベルク / ドイチェ・ヴェレ 2020年3月11日

                   

▽ 核兵器を所有しないドイツも核廃棄物を投棄

                   

IAEAによると、1967年、ドイツもポルトガル沖に480個のバレル(金属製の樽状容器)の海洋投棄を行いました。
これらのバレルの状態に関し2012年に環境保護団体から情報を公開するよう求められたドイツ政府は次のように回答しました。
「バレルは海底で放射性物資の恒久的な密閉を保証するように設計されていません。従って、少なくとも部分的には完全ではないと考えなければなりません。」

                    

ドイツ政府もフランス政府も自国が投棄したバレルを回収したいとは考えていません。
グリーンピースの活動家であるヤニック・ルースレット氏でさえ、次のように語っています。
「錆びてしまったバレルを安全な状態で海底から引き上げる方法は存在しない。」
これはすなわち放射性核廃棄物が今後数十年間も海底を汚染し続ける可能性が高いということを意味します。

                    

                  

『核のない世界財団』(Nuclear Free Future Foundation)のホルスト・ハム氏にとって、その長期的な影響は明らかです。
放射性物質は「周囲の海洋動物に取り込まれ、最終的に漁網に巻き込まれ、私たちの食卓に戻ってくるのです。」

              

2012年に環境保護団体に回答を提示した際、ドイツ政府は汚染された魚による人間へのリスクを「無視できる」程度のものだと説明していました。

しかしルースレット氏は結果はそうはならないと見ています。
「海岸沿いのエリア全体が放射能で汚染されてしまっています。海の中だけでなく、沿岸の草の中、砂の中、いたるところで放射性物質が検出されています。」

                 

                      

フランスのラ・アギュ(オラノラ・アギュ再処理工場)で行われている再処理は、現在でも放射能汚染水を海に放出しています。
欧州議会が調査した結果、オラノラ・アギュ再処理工場がある地域では癌の発生率が上昇しています。

                     

▽ 核廃棄物処分場

                

フランス北部の海岸線に沿った地域で放射線量が上昇しているという事実の背景にある主な理由は、水中の核廃棄物バレル(金属製の樽状容器)ではなく、ラノラ・アギュ再処理工場の存在です。
グリーンピースのルースレット氏は再処理工場が海岸に直接位置し、「放射性物質を含んだ水を毎年3,300万リットルずつ海に合法的に投棄しています。」と語っています。
ルースレット氏はこの事実はスキャンダラスなものだと考えています。
近年、ラ・アギュ地区では放射能レベルの増加を含め、様々な事件の舞台となっています。

                     

核廃棄物バレル(金属製の樽状容器)の海洋投棄は、1993年に海洋汚染防止に関するロンドン条約によって禁止されました。
しかし放射能で汚染された液体を海に投棄することは、依然として国際的に認められているのです。

                  

▽ 急上昇したがん発生率

                

欧州議会が調査を行い、その結果をまとめた統計によると、ラ・アギュ再処理工場周辺の地域では癌の発生率が著しく高くなったことが明らかにされています。
イングランド北部のセラフィールドにある核廃棄物処理工場の近くでも、がんの発生率が上昇しています。
2014年の調査では、長年にわたってセラフィールド工場から海に放出された放射性物質の総量は、福島第一原発の3基の原子炉がメルトダウンした事故で放出された量に等しいとの結論が出ています。

                      

                

報告書は、病気と原子力関連施設からの放射能放出との間に直接の因果関係があるという明確な証拠がなくても、健康への影響は「除外できない」としています。

                 

「放射能の正確な影響を測定し、証明することは非常に困難です。影響があるということしかわかっていません。」
ルースレット氏はこう語り、今言えることは放射性核廃棄物とそれを生み出すすべてのものから一定以上距離を置くことが重要であるとつけ加えました。

                 

▽ さらに多くの核廃棄物を海洋投棄する福島第一原発

                 

福島第一原子力発電所の運営会社である東京電力は、計画どおり処理済みの放射能汚染水を海に放出される前にトリチウムを除く62種類の放射性物質すべてが安全なレベルまでろ過されると主張しています。
日本政府の諮問委員会も、処理済みの放射能汚染水を海洋投棄することは、汚染水を蒸発させるなどの他の選択肢よりも「安全」であると考えています。

                    

トリチウムが人間にどれだけ有害かについては、未だに論争が続いています。
東京電力によると、汚染水タンク内のトリチウムの濃度は原子力発電所から排出される従来の冷却水よりもはるかに高い場合があります。

                

               

「地元の漁師と住民は汚染水の投棄を受け入れることはできません。」
中央水産研究所の森田貴海氏がプレスリリースでこう述べました。
漁獲物の汚染レベルは有害な限度を下回っていますが、福島県産の漁獲産品への需要は事故前の5分の1に減少しています。

                   

処理済みの放射能汚染水を海に放出することは「水には希釈特性があるため、良い方法です。」
フランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)のザビーネ・シャルマッソン氏がこう語りました。

「安全面で実際の問題はないと考えますが、社会的な観点から見て難しいでしょう。適切な手段かもしれませんが、放射性物質を環境中に投棄することは決して簡単な問題ではありません。」

                    

プレスリリースでグリーンピースはこう表明しました。
「海洋中または大気中に意図的に放射能汚染を加えることについては、どんな正当化もできない。」と述べた。

                   

《完》
https://www.dw.com/en/fukushima-how-the-ocean-became-a-dumping-ground-for-radioactive-waste/a-52710277
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想像してみてください。

気の遠くなるような量の放射能汚染水の貯蔵タンクが立ち並ぶ近くを、開催できるかどうかわからない東京オリンピックの聖火が駆け抜けて行く様子を。

その映像を見せられて、世界中のいったいどれだけの人が『復興を世界にアピールしたい』という思いを受け止めてくれるのでしょうか?

Fukushima:いつから海は放射性核廃棄物を捨てても良い場所になったのか《前編》

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『見えない、だから気にしなければ良い』というモットーの下、核廃棄物の海洋投棄は最も簡単な処分方法だった

すでに福島第一原発は『世界の海洋科学が見たこともない程の規模』の放射能汚染水を太平洋に流し込んでいる

                  

                   

ティム・シャウエンベルク / ドイチェ・ヴェレ 2020年3月11日

                    

福島第一原子力発電所事故は、前例のない量の放射性物質を太平洋に流し込みました。
しかしそれ以前にも、原水爆実験と放射性核廃棄物により海は汚染されていました。
その影響は今日にまで及んでいます。

                 

福島第一原子力発電所から海洋投棄されることになっている放射能汚染水の量は約120万リットルです。
これは日本の太平洋岸で発生した原子力災害から9年が過ぎた段階で、日本政府の諮問委員会が出した勧告に基づく計画です。

                     

放射能汚染水は福島第一原発事故の後、破壊された原子炉内に残った核燃料を冷却し、さらなるメルトダウンの発生を防ぐため大量の水を注ぎ続けているため増え続けているのです。

                      

現在福島第一原発の指揮にないにある大型タンクに保管されていますが、2022年までには全て満タンになると予想されています。

                

増設される汚染水タンク、2022年には限界に

                 

この放射能汚染水の処理方法をめぐっては日本国内で激しい議論になっていますが、それは単に福島第一原発の事故が福島県沖で極度の海洋汚染を引き起こしたということだけが原因ではありません。
ドイチェ・ヴェレの取材に対しフランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)のザビーネ・シャルマッソン氏は、事故当時放射能汚染水が「直接海に流れ込み、その量は世界の海洋科学の分野で見たこともないほどのものでした。」と語っています。

                          

当時の福島県沖の放射能レベルは、政府の制限である100ベクレルの数百万倍というものでした。
現在でも、日本の沿岸や太平洋の他の地域で放射性物質の検出が続いています。
アメリカ西海岸でも検出されていますが、その放射線量は小さなものであり、フランスの地中海海洋研究所(MIO)の海洋学者ヴィンセント・ロッシ氏によると、それらは「世界保健機関によって設定された有害レベルをはるかに下回る」濃度です。

                   

しかしそれはリスクがないという意味ではない、こう語るのは『核のない世界財団』(Nuclear Free Future Foundation)のホルスト・ハム氏です。
「たった1ベクレルでも私たちの体に入り込めば、細胞を損傷し最終的に癌細胞に変異するのに十分な量なのです。」

                  

2011年東日本大震災の犠牲者に黙祷を捧げる人々

                   

EU欧州議会の調査研究によっても同様の結論が出ています。
「最小限の被曝であっても、光量子が人間の細胞核を通過すれば癌を発症するリスクがあります。このリスクは非常に小さいですが、それでもリスクであることに変わりはありません。」

                    

そしてそのリスクは増大しています。
海の放射能汚染は、福島第一原発事故に由来するものだけではなく、世界的に増加傾向にあるのです。

                  

▽ 原水爆実験

                    

1946年、米国は世界で初めて太平洋ビキニ環礁で水爆実験を行いました。
以来数十年に渡り公海上でさらに250回以上の核爆弾の実験が行われました。
このうちのほとんど(193回)はフランス領ポリネシアで行われ、米国(42回)は主にマーシャル諸島と中部太平洋地区で実験を続けました。

                     

                     

しかし海は核兵器戦争の訓練場として利用されただけではありませんでした。
1990年代初期までは、原子力発電所からの放射性核廃棄物の巨大な投棄場所でもあったのです。

                     

国際原子力機関(IAEA)によると、1946年から1993年にかけて、200,000トン以上の核廃棄物(その一部は高放射性)が、主に金属製のドラム缶に入れられ世界各地の海洋に投棄されました。
この中には核弾頭を装備したままの原子力潜水艦も何隻か沈められたのです。

                  

▽ 海は核廃棄物の最終的な保管場所なのですか?

                    

国際原子力機関(IAEA)が公開した資料を検証するとわかりますが、このうち最大量の核廃棄物を投棄したのは英国とソビエト連邦です。
さらに1991年までに、米国は北大西洋と太平洋で90,000バレル以上、少なくとも19万立方メートルの放射性核廃棄物を投棄しました。
ベルギー、フランス、スイス、オランダを含む他の国々も、1960年代、70年代、80年代に北大西洋で大量の放射性核廃棄物を処分しました。

                

放射性核廃棄物が海洋投棄された場所。
単位はテラベクレル。

                  

「『見えない、だから気にしなければ良い』というモットーの下で、核廃棄物の海洋投棄は最も簡単な処分方法だったのです。」とホルスト・ハム氏は言います。

                     

今日まで、海洋で計測される放射線の約90%は北大西洋で廃棄されたキャスク由来のものであり、その大部分はロシアの北または西ヨーロッパの沖に沈んでいます。

「核廃棄物の詰まったキャスクはいたるところにあります。」
グリーンピース・フランスの生態学者ヤニック・ルースレット氏がこう語りました。

                    

2000年に環境保護団体が潜水艦を使用してフランス北部の海岸から数百メートルの地点で深さ60メートルまで潜水し、投棄された核廃棄物のドラム缶を調査した際、一緒に潜水艦に乗り込みました。

                  

バインドされた放射性核廃棄物を詰め込んだバレル(金属製の樽状容器)が海に投棄される瞬間。

「投棄された核廃棄物が想像とていた以上にが海岸に近い場所にあることに驚きました。
ルースレット氏がこう語りました。
「ドラム缶はすで錆びて中身が漏れだし、放射線量は目に見えて上昇していました。」

                     

1960年代、英仏海峡では放射性核廃棄物を詰め込んだバレル((金属製の樽状容器)の海洋投棄が一般的に行われていました。
現在、この数十年前に投棄されたバレルが錆つき、放射性物質を漏らし続けているのです。

                  

《後編》に続く
https://www.dw.com/en/fukushima-how-the-ocean-became-a-dumping-ground-for-radioactive-waste/a-52710277
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核廃棄物が海洋投棄された実態を表した上の地図を見ると、放射線に対する無知が生んだ人類の無謀な行為に慄然とならざるを得ません。

                  

そして福島第一原発の膨大な量の放射能汚染水がここまで積み上がってしまったことについては、日本政府すなわち安倍政権が問題をここまで放置した、そのことに最大の責任があることは明らかです。

                  

これほどの問題に真剣に取り組もうとせず、原子力行政と東京電力に丸投げにしたまま、問題をここまで大きくしてしまったその無能ぶりが最大の原因であることは明らかです。

放射能汚染水の海洋投棄、『処理済み』の安全性は?

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所要時間 約 12分

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食物連鎖の中で低線量被ばくが長期的にどう影響するか、完全には解明されていない
汚染水タンク増設のため、私有地を提供する福島第一原発の近隣住民

海洋投棄をしても安全だという政府と東電の一方的な主張を確かめる手段はない

                 

福島県大熊町にある福島第一原子力発電所の放射能汚染水処理施設で、ホースを運ぶ防護服を着た作業員。2020年2月12日撮影。

                

山口真理 / AP通信  2020年3月10日

               

今から9年前の2011年3月11日、マグニチュード9.0の地震と津波が福島第一原発の主要な冷却機能を破壊、3基の原子炉のメルトダウンにより大量の放射性物質が漏れ出し、約16万人の住民が避難を余儀なくされました。
そのうち約4万人は未だに戻っていません。

                     

破壊された福島原子力発電所の巨大な事故収束・廃炉作業現場で、防護服に身を包んだ労働者は、メルトダウンした3基の原子炉の基礎部分から汲み上げられた放射性汚染水を検査し、完全ではないもののほぼ適切に処理されていることを確認していました。

                      

この薄暗い照明の広大な施設内を何重にも蛇行しているパイプは3系統にまとめられそこに接続されている装置は、1日最大750トンの汚染水を処理できます。
発電所内には他にも4つのラインがあり、さらに多くの汚染水を処理できます。

                  

この装置から汚染水は原発の敷地を埋め尽くしている約1,000基の様々な形状の一時保管タンクにポンプで送られます。
一時保管タンクは現在も建設が続けられています。
しかし当局者は、2022年の夏までにこれらの巨大なタンクがすべて満杯になると語っています。

放射能汚染水の貯蔵タンクの増設作業。2020年2月12日撮影。

                 

AP通信が最新の現地視察で確認した事故収束・廃炉作業は、この夏に開催される予定の東京オリンピックを控え、約120万トン近くある、処理済みではあるもののまだ放射性物質が残留している汚染水をどう処理するのか、注視し続けるて世界中の政府や組織にとって最大の議論の的の一つです。

                     

発電所の運営者である東京電力は、損傷した原子炉を廃炉にする作業が重要な段階に近付いた場合、原発内に広いスペースを確保する必要が出てくると語っています。
東京電力はもし日本政府が汚染水の投棄を許可する決定を行えば、東京電力は段階的に放射能汚染水を近くの海に放出するだろうとされています。
しかし同社はそのタイミングを明らかにしていません。 

                     

放射能汚染水から放射性物質を取り除く作業スタッフ。2020年2月12日撮影。

                 

しかし地元住民、特に漁業関係者は漁獲海産物が厳しい残留放射能検査をクリアしているにもかかわらず、年間の売り上げ高は福島第一原発事故以前の約半分にとどまっている現状から、放射能汚染水が放出されれれば今以上に福島の漁業の評判を悪化させるとして計画に反対しています。

                 

東京電力の事故収束・廃炉作業の責任者である小野明東京電力廃炉推進カンパニー代表は、メルトダウンした核燃料デブリを保管する施設を建設するための用地として現在放射能汚染水タンクが密集しているエリアを使うしかなく、廃炉作業の進行に応じて汚染水を処分する必要があると語っています。

                   

東京電力側は2021年12月までに最初の核燃料デブリを取り出しに着手することを計画しています。
現在遠隔制御クレーンが最初に核燃料デブリを取り出す予定になっている原子炉2号機近くにある、汚染濃度の高い排気塔の解体を行っています。
3号機では核燃料デブリの除去に先立ち、冷却プールから使用済み燃料ユニットの取り出しが行われています。

                

増え続ける放射能汚染水の問題は、2011年3月11日に発生したマグニチュード9.0の巨大地震と巨大津波が福島第一原発の主要な冷却機能を破壊した結果残された数限りない傷跡の一部です。
3基の原子炉がメルトダウンした結果大量の放射線が放出され、16万人の住民が避難を余儀なくされました。
建材もまだ約40,000の人々がまだ戻っていません。

                  

防護服の上にさらにプラスチックのカバーを装着している作業スタッフ。2020年2月12日撮影。

               

メルトダウンした原子炉を格納する放射線量の非常に高い原子炉建屋を除き、原子力発電所の地上部分のほとんどは、手術用マスク、綿手袋、ヘルメット、個人線量計を装着するだけで訪れることができます。
原子力発電所のすぐ外側の土地はほとんど手付かずの状態で、放射線量は概ね高いままです。

                 

一方地下部分は危険な上混乱も収束していません。
放射線量が高い冷却水がメルトダウンした原子炉から漏れ出し、地下水の中に流れ込んでいます。
こうして汚染された地下水は、海や他の場所に流れ出さないように汲み上げなければなりません。

                    

専門家によればこれとは別にさらに汚染濃度の高い危険な汚染水が地下にあり、原子力発電所の敷地外の地下水に漏れ出し続けています。

                  

地下から汲み上げられた汚染水は最初にセシウムとストロンチウムの除去装置を通過し、その後多くは破壊された原子炉内に残されたままの溶け落ちた核燃料の冷却水としてリサイクルされています。
リサイクルされない分はトリチウム以外の62種類の放射性汚染物質をすべて除去するよう設計されたALPSという名前のメインの放射性物質処理システムによっててフィルタリングされると東京電力が説明しています。

                  

放射性物質除去装置ALPS。2020年2月12日撮影。

                

日本の産業省と原子力規制当局によれば、トリチウムを放射能汚染水から除去することができませんが、少量であれば実質的に無害です。

                   

しかし公的機関が安全だとのアナウンスを繰り返しているにもかかわらず、処理済みの放射能汚染水を海に放出した場合さの影響を受ける可能性のある海産物を食べることについては、多くの人々が懸念を抱いたままです。

                 

東京大学の放射線学の専門家で福島第一原発周辺の地下水の分析調査を行っている小豆川勝見(ショウズガワカツミ)博士は、食物連鎖の中で低線量被ばくが長期的にどう影響するかについいては完全には解明されていないと述べています。
「この時点で、どんなリスクがあるのかを予測することは困難です。」
小豆川博士がこう語りました。
「放射能汚染水がいったん環境中に放出されてしまえば、その動きを追跡して監視することは非常に困難になります。その意味でも放出前のデータの正確性は非常に重要であり、慎重に検証する必要があります。」

                

休憩を取る作業スタッフ。2020年2月12日撮影。

福島の経済と評判を損なうことなく放射能汚染水をどう処理するかについて長年の議論が行われてきましたが、政府の委員会は今年結論として処理方法の選択肢を2つに絞り込んだ報告書を公表しました。
ひとつは管理された方法で海に放出するか、1年をかけて放射能汚染水を蒸発させる方法です。

                     

報告書はさらに日本政府に対し食品フェアの促進、新しい販路の獲得、第三者による品質検査システムの活用などを行い、福島県産の水産品と農産物に対する『風評被害』の払拭に努めるよう求めました。

                     

東京電力と政府当局者は福島第一原発からの汚染水放出前に、法的要件を満たすために水を2度に渡って処理することを約束しています。

                 

処理施設の見学の最終盤、福島第一原発の担当者が処理装置から採取した透明な水を入れたガラス瓶を見せてくれました。

                   

                

発電所内の担当者は、敷地内にある研究所で分析するため、定期的に汚染水のサンプルを収集しなければなりません。
APジャーナリストが立ち入りを許されなかった研究室背の一つでは、放射線技師が水を分析していました。
日本政府の担当者は、処理済み汚染水は環境中に放出される前に淡水で希釈されると語っています。

                    

処理済み放射能汚染水の内容分析をする技術者。

                      

2年前、タンクに貯蔵された汚染水のほとんどにガンを発症させるセシウム、ストロンチウム、およびその他の放射性物質が安全基準を超えるレベルで含まれていると東京電力が認めたため、福島第一原発の汚染水処理の内容に対する疑念が深まりました。

                      

福島第一原発の一部がかかる大熊町に住んでいる小和田(こわた)真澄さんは、近隣の住民の何人かがさらに多くの貯蔵タンクを建設できるよう、土地を提供していると語りました。

                   

「完全に安全だという証拠が得られるまで、汚染水を投棄するべきではありません。」
小和田(こわた)さんがこう語りました。
「日本政府は安全だと言っていますが、私たちはそれが本当なのかどうか確かめる方法がありません。」

                    

増設された汚染水タンクの確認作業。2020年2月12日撮影。
https://apnews.com/e1bdf26e41f4c611fbe4cf31aa2ff1a5
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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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