ホーム » エッセイ » LGBTのカップルは「非生産的」だと主張、厳しい批判を浴びる自民党国会議員
自民党・杉田水脈議員、同性関係を認めるような社会は崩壊する可能性が高いと主張
同性愛は不幸の定義ではない - 杉田発言のような差別が同性愛の人々を不幸に追いやる
トム・エンバリー・デニス / ザ・インディペンダント(英国) 2018年7月27日
日本の政治家がLGBTのカップルを「非生産的」と表現し、税金を投入してまでその地位を認める価値はないと発言し、激しい批判にさらされています。
国会議員の杉田水脈(みお)氏は雑誌の記事で、同性関係を受け入れる社会は、『常識』や『普通であること』を見失っていく社会は、『秩序』がなくなり、いずれ崩壊していく危険性があると書いています。
安倍首相率いる自民党の国会議員である杉田水脈(みお)氏(51歳)は、
「彼ら彼女らは子供を作らない、つまり『生産性』がない。」と主張しました。
杉田氏はメディァの取材に対し、同性愛カップルを受け入れる行為は「通常のロマンスを楽しむことができ、結婚することができる」人々に、「同性愛者になる選択肢もあると信じ」こませてしまう可能性があると主張しました。
朝日新聞とジャパン・タイムズの報道によれば、月刊雑誌の新潮45に掲載した寄稿文の中で、杉田氏は次のような趣旨の発言を行っています。
「LGBTのカップルやコミュニティのために、国や地方自治体の予算を使うことの正当性には疑問がある。」
しかし多くの政治家やLGBTコミュニティの人々は、直ちにこの発言に反発し非難を強めています。
自ら同性愛者であることを最初に明らかにした政治家の一人である石川大我氏は、2020年の東京オリンピックを控えている現在、杉田氏の発言が「日本の評判を著しく損なう」ものだと語り、次のように続けました。
「同性愛そのものは不幸の定義ではありません。杉田議員のような差別的な発言が同性愛の人々を不幸に追いやるのです。」
元外務大臣政務官の武井俊輔議員は、杉田議員の発言についてこう語りました。
「政治的発言というより、単なるヘイトスピーチです。」
7月末杉田議員は「同性愛者を名乗る人物」からの電子メールによる殺害予告を受けたと警察に届け出たと語りました。
共同通信社は二階自民党幹事長が記者会見で次のように述べ、杉田氏を批判しなかったことを明らかにしました。
「人それぞれ政治的立場、いろんな人生観、考えがある」
https://www.independent.co.uk/news/world/asia/japanese-politician-lgbt-unproductive-support-mio-sugita-liberal-democratic-party-a8463431.html
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安倍政権になって以降の日本の与党政治・政治家の品性の低下、劣化、悪化については辟易するものがあります。
中でも差別が深刻化していることについては、国際的にも厳しい目が向けられています。
同性愛について何か専門的な知識があるわけではありませんが、少なくとも『差別を受けなければならない』欠陥であるはずがありません。
異性に恋愛感情も何も感じないということに非正当性があるはずもなく、異性に恋愛感情を持つことが殊更に褒められるべきことでもないでしょう。
この辺りを基準に誰かを非難するというのは、驕り以外の何ものでもありません。
同性愛者は民主主義社会が保証する基本的人権の全てを受ける権利がないというという考え方は、ホロコーストをやったナチスドイツのユダヤ人排外思想と同じ根っこを持つものです。
私自身は多種多様な価値観のもとで生きる人々が少しずつ力を合わせて生きる社会こそ活気があり、発展が期待できる社会だと思っています。
「同性関係を認めるような社会は崩壊する可能性が高い」と語っていますが、アメリカの業者に年間2兆円もの金を貢ぐカジノを認めることの方が、社会を崩壊させる可能性は高いのではないでしょうか?