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再生可能エネルギー『街ごとスマートグリッド』プロジェクト始動!

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【 壮大なスケールで、スマートグリッド構想実現へ!ドリームチーム誕生 : アメリカ 】

 

アメリカAOLエナジー 1月15日

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興奮するのはまだちょっと早いかもしれません、取り組みは始まったばかりです。

2014年のどの時点かで、ナショナル・グリッド※は、『将来のエネルギー・システム』を実現するための組織を立ち上げる準備を進めています。
※英国の国営電力会社の手で作られたナショナル・グリッドは1990年の電気法により分割・民営化されて、送電部門を担当するNational Grid社に引き継がれた。現在はアメリカ北東部においても数百万世帯に電気を供給する一方、持続可能エネルギー開発への積極姿勢でも知られる。

20社以上が参加して行われる新たなエネルギー・システムは、ナショナル・グリッドの約330万世帯全体にはまだ手をつけません。
まずマサチューセッツ州ウォーセスターの15,000世帯の顧客を相手にパイロット事業が開始されます。
しかしこのパイロット事業は電気に関わるあらゆるテーマを取り扱い、ナショナル・グリッド社と提携企業が、顧客の家庭内に設置されたエネルギー管理機器と双方向のやり取りをしながら、最適なエネルギー消費を実現します。

ナショナル・グリッドは今回の取り組みを次のように説明しました。
「新たな段階の選択と最先端技術による制御により、最も効率的な電力消費を行います。
それによって電力を節約しながら、電気事業に対する信頼性を高め、停電などのトラブルにも迅速に的確な対応ができるようになります。」

ナショナル・グリッドの太陽光発電設備

ナショナル・グリッドの太陽光発電設備

今回の事業の資金面を担当するナショナル・グリッドの副社長、シェリー・ウォーレンは、この企業連合を『ドリーム・チーム』と呼んでいます。
「それぞれの分野で最も優秀な企業が結集しており、顧客のために特別な利益を供給するという私たちのビジョンを共有しているのです。」
彼女は声明の中でこのように述べました。

アイトロン、シスコとゼネラル・エレクトリックのような大手の企業がチームを引っ張ることになりますが、企業側にとってどれほどの恩恵がある事業になるのか、その点についてはまだ明らかではありません。

ナショナル・グリッドはこの事業について、北東部における最大規模の、最も総合的な事業と言っており、目立った競争相手も現れる気配はありません。
しかし、今後の運営がどうなるかは予断を許さない状況にあります。

これまで多額の国家予算がスマートグリッド・プロジェクトのためにつぎ込まれてきましたが、多くの発電・送電事業者はとかく大規模事業にばかり力を入れてきました。
しかしそんな中でも、先端を歩む企業はこの事業が、単なるスマートメーターの普及などを超え、発電事業と顧客を直接結びつけることにより、大きなメリットを顧客と電力会社双方にもたらすものであることを理解しています。

今回始まった事業は消費者にとってのメリットにしっかり焦点を当てている、この点がこれまでの事業計画と異なるところだと、ナショナル・グリッドが語りました。
顧客である消費者はこのシステムをどの程度まで自分の家庭に取り入れるかを自分で選択でき、自宅の電力の消費状況についての報告を殿形で受け取るか、それも自分で決められます。インターネット、電子メール、あるいはその他のモバイル・アプリケーションなど。

 

今回のパイロット事業はアメリカ北東部における包括的なエネルギー事業になりますが、検証されるのはどれ程広範囲に発電業者が参加できるようになるのか、その技術です。
このウォーセスターのパイロット事業には5,700万ドル(約50億円)が投じられる予定ですが、予想を超えた大きなプロジェクトに発展する可能性があります。
最もどの方向にそれが発展するのか、まだ予測できているわけではありません。

今回のパイロット事業の実施は2009年に公表されました。
その際のナショナル・グリッドの見解は以下のようなものでした。
「将来においてより広範囲に大規模に、スマートグリッド事業を展開するための技術の検証を行い、重要な情報を入手できるよう望んでいる。」

2009年以降、同社は『将来』とはいつなのか、『広範囲』とはどこまでなのが具体的には言及していません。
それらはすべて、今回のパイロット事業の検証を行って初めて決まるものだとしています。

ナショナル・グリッドの広報担当のデボラ・ドリューは、
「私たちの営業圏内のお客様に、どれ程のメリットをご提供できるようになるのか、パイロット事業によって検証結果が得られた後に、それが決まるものと考えています。」

 


ナショナル・グリッドとの共同事業を行う企業は、下記の通りです:
▽BGIDGEエネルギー・グループ、▽Ernst & Young : プロジェクト管理と統合サービス
▼ネットワークと最先端通信技術分野
▽Itron(アイトロン): 家庭側での先進的スマートメーターの開発・管理、およびその基盤整備
▽シスコ : 最先端通信技術とネットワーク管理
▽ゼネラル・エレクトリック : 電気を効率よく分配する機器を稼働させるため、WiMAX通信技術を用いた高速ネットワークの構築
▼器械間の連携と電力の分配システム
▽ベライゾン企業ソリューション : 最先端IP通信、および無線通信サービス
▽IBM : 全体を統括するためのシステム作りを予定
▽Wipro : ウェブ開発サービス
▽CEIVAエネルギー、▽EcoFactor、▽シンプル・エネルギー、▽Itron: 家庭内のテクノロジー・ソリューション
▽GridMaven: エンドツーエンドのコミュニケーション・ネットワークの構築、モニタリングと管理
▼ソリューション
▽Navigant :パイロット事業の分析と評価
▽スマートマーク・コミュニケーションズ:顧客の積極的な参加と利用を促すための広報
▼顧客管理
▽S&C電気、▽G&W電気、▽ベックウィス電気 : 最先端の電力分配システムの最適化
▼工程管理
▽シュバイツァー工学研究所、▽リンジー・マニファクチャリング、▽パワーデリバリー・プロダクツ : 電気システムのための先進のコンデンサ制御とモニタリング

http://energy.aol.com/2013/01/15/national-grid-puts-together-a-smart-grid-dream-team
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「日本は大丈夫なのか?」と考えてしまいます。
アメリカ、そしてヨーロッパでは大規模な再生可能エネルギー開発プロジェクトが次々と立ち上がり、世界的にも有名な企業の参加が相次いでいることを繰り返しご紹介してきました。
そして、これまで原子力発電推進の立場だった企業や政治家、実業家が
『原子力発電は極めて危険な上、今や(安全対策その他のための)金がかかり過ぎる』として、廃止しよう、見限ろう、という動きが顕在化しています。

これに対し、日本の電力業界や政権与党などは、飽くまで原子力発電は捨てないという姿勢、それを『硬化』させています。

何なのだろう?と思います。

その姿勢は科学的でもなければ、論理的でもない。
倫理的に大いに問題があり、先見性もない。

安全でコストも安い。
万が一、事故が発生しても太陽光発電システムなら、壊れるだけの話であり、福島第一原発事故のように、大量の『難民』が生まれるという悲劇も起きようがありません。

時々テレビなどで見かける、なぜ原子力発電がだめなのか、『科学的に説明しろ』と威圧的に迫る御用学者の群れ。
彼らは福島第一原発の事故の実態の隠ぺいに加担しているだけでなく、日本の将来も壊している。
この記事を読んで、そんな思いが一層強くなりました。

【 『弱者の視点が無い経済政策、アベノミクス』企業業績さえ改善すれば、本当に何もかも解決するのか?! 】

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またも復活した巨額の公共投資、国民全員が『監視』を!
企業の業績さえ改善すれば、それで何もかも良くなるという雑な理論

ジャスティン・マッカリー / ザ・ガーディアン(英国) 1月20日

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今年初めてとなる演説で、日本の新任の安倍首相は『日本経済の復興に向け、ロケット発射並みのスタート』を求めました。
折しも2月は旧暦の新年にあたり、干支は『巳年』、安倍首相は演説の中で『商売繁盛の象徴』だと語りました。

株式市場と為替相場は、おそらくは安倍首相が期待した以上の反応を見せました。
日本円が米ドルに対してじりじりと値を下げる中、日経平均株価は劇的に値上がりしました。
円安傾向に、厳しい環境に追い込まれていた輸出業者もほっと一息つくことが出来ました。
18日金曜日には、日本円が2年半ぶりの安値をつけました。

昨年12月に行われた衆議院議員選挙で日本の有権者は、安倍首相の世界第三位の規模を持つ日本経済の復興に的を絞った公約を、他のどの公約よりも高く評価しました。
例えその公約が、IMF(国際通貨基金)によればGDPの230%にまで膨らんだ日本の公的負債の問題に、全く触れていなかったにもかかわらず、です。

前政権の公的債務の削減、そして増税による福祉政策の充実を優先する政策には距離を置く「アベノミクス」。
そこには、耳慣れた政策が盛り込まれています。
死語になったはずの政策、公共事業への巨額の投資です。
長きにわたり自民党が得意としてきたこの政策は、過疎に悩む地方の村々に立派なコミュニティセンターを建築し、そしてどこにも通じていない道路を『整備』するなど、無用な事業に多額の国費をつぎ込むことで、非常に悪名の高いものでした。

安倍首相は今度こそそのような浪費は行わないと約束し、3つの事業に集中的に資金投入を行うとしています。
ひとつは東日本大震災の被災地の復興。
もう一つは昨年12月に発生し、複数の犠牲者を出したトンネル事故が問題の存在を明らかにした、老朽化した公共設備の補修。
そして最後に学校と病院の耐震補強工事です。

今月、10兆3000億円の政府予算をつぎ込む景気刺激策の内容について、安倍内閣は合意しました。
この政策の狙いはデフレから脱却して約2%の実質的な経済成長を実現すること、そして600,000以上の雇用の創出です。

020311
財界を代表する人々は、この景気刺激策を歓迎しました。
「時宜を得た対策であり、スピード感がある、幅広い対策が盛り込まれています。」
経団連会長の米倉弘昌氏がこう語りました。

安倍首相はインフレターゲットを1%から2%に引き上げる、日銀による積極的な通貨政策により政府の政策が側面から支援されることへの期待も明らかにしました。

安倍首相の要求に基づき、政府と日本銀行は今週、共同声明を出すことになっています。
首相は日銀総裁の指名権を行使し、この4月、現在の総裁である白川方明氏を交代させ、阿部首相と見解を同じくする新総裁を指名することになる見こみです。
「私のデフレ脱却のための政策を支持する人間を、我々は後任として選ぶことになるでしょう。」

先週発表された景気刺激策の中、ひとつのもの要素が現実になろうとしています。
リーマン・ショック以来最大規模となるそれは、直ちに大きな影響力を発揮することになるでしょう。
上智大学の政治学が専門の中野孝一教授によると、それが成功すれば7月に予定されている参議院議員選挙において、自民党に議席の過半数を制する勝利をもたらす可能性があります。
「それは自民党が何よりも景気対策を重視していることの表れです。自民党はその障害になるようなら、その他の問題には関わらないという約束を行い、とにかく経済問題にのみ焦点を当て続けてきたのです。」
中野教授がこう語りました。
「しかしそれは、過去の失敗の繰り返しになる可能性があります。特に地方において、莫大な公共投資が、既得権層のフトコロに入っていく危険性があるのです。巨額のお金がどこに行くのか、国民がきちんと監視することが大切です。」

東京にあるテンプル大学のアジア総合研究所のロバート・デュジャリック所長は、安倍首相の政策が日本を20年間続く不況とデフレーションから脱却させられると信じています。
「ある程度までは成功するでしょう。」
「安倍首相の政策に欠けているものは、ミクロ経済面における改革です。女性が結婚して家庭を持ち、安心して子供が産めるようにする一方、もっと経済に貢献できるようにするための、社会構造の改革がその一つです。」

020313
「この問題について全く関心が無く、どのような対策もしてこなかったのが自民党、すなわち安倍氏の与党です。女性が仕事と家庭を両立させるための対策に、首相自身もほとんど関心を持っていません。」

世論調査の結果も、果たして安倍政権に日本の経済局面を転換できるだけの能力があるかどうか、日本の消費者が懐疑的であることを示しています。
円安傾向は輸出業者にとってはメリットがありますが、輸入に頼る品目、主に食料品とエネルギーの価格上昇は家計を直撃することになり、予想を超えるインフレになった場合はなおさらです。
雇用不安も解消されるかどうか解りません。
労働者の賃金の改善もこの先不透明であり、少なくとも2012年度において改善はありませんでした。

これでは一般家庭では、安心して金を使うことなどできそうにありません。

「消費者心理を解放するまでには、まだまだ時間がかかるでしょう。」
デュジャリック所長はこう語りました。
「20年以上もの間、景気の停滞と低成長が続いたわけですから、状況が変わったことを納得させるためには相当の時間を必要とします。」

安倍首相の経済特別顧問を務める浜田孝一氏は、政府と日本銀行が綱渡りに近い対応を行なおうとしていることを認めました。
「経済は治療薬のようなものです。」
「熱を下げるためにどれだけの薬が必要なのか、まだわかりません。とりあえず薬を飲ませて、あとは様子を見なければなりません。しかし少なくともデフレから脱却するために、できる限りのことをする必要があります。」

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12月、首相に就任する以前から、安倍氏は日本銀行に対しインフレ・ターゲットを現在の2倍にするよう圧力をかけていました。
そして安倍氏の金融緩和政策に同調しないという事は、政治的な宣戦布告をするのも同じことだと警告していました。

他の先進各国は安倍政権の経済運営の行方を、かたずをのんで見守っています。
膨れ上がる公的負債、高齢化の進行により増え続ける年金支払いなどの社会福祉事業費。
あらゆる意味で、日本は先進各国のこの先の運命を占うことになります。

巳年の今年に日本が願うことはただ一つ、蛇が脱皮するように、景気低迷とデフレから抜け出すことなのです。

http://www.guardian.co.uk/world/2013/jan/20/japan-new-prime-minister-rising-hopes-economy
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【 シリア難民子供たちの表情が伝える勇気、くじけぬ心、そして時には笑顔さえ…、しかし… 】

アメリカNBCニュース 1月31日
(写真をクリックすれば、大きな画像をご覧いただけます)

ヨルダンのザータリ難民キャンプの子供たち、1月31日。(写真下・以下同じ)
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国連の調査によれば、内戦によって近隣諸国にあふれ出した64,200人のシリア難民の半数以上はこどもたちです。
ヨルダンのサータリ・キャンプにもたくさんの子供たちがいます。
彼らの様子には打ちひしがれた様子は無く、その表情に浮かぶものは勇気であり、困難にくじけない心です。時には喜びの表情すら見せることがあります。

しかし、この地で難民の世話をする国連当局の幹部は、そうした様子は子供たちが置かれている状況を伝えている訳では無いのだと語りました。
「難民となった子供たちは危機的状況に置かれています。難民キャンプに到着した時の様子、そしてその後どんな生活を送っているのか、それを見ていると心が痛みます。
子供たちは目には見えない傷を負っており、たくさんの子供たちが寝小便をするようになったと親たちが話しています。

「ここにやって来た中には言葉では表現できない程つらい経験をし、残酷な場面に遭遇した子供たちがいます。目の前で親や肉親を殺されてしまった子供たちもいます。家を破壊され、通っていた学校もめちゃくちゃにされ、ここにやって来たのです。」

この地で難民の世話を行っている、国連難民高等弁務官事務所のパノス・マウンティスがこう語りました。

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【 ウィンター・ワンダー・ランド!〈2〉】

アメリカNBCニュース 2012年1月8日~18日
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)

林間の道を行く一組の夫婦。アメリカ合衆国ユタ州ソルトレイク・シティ、1月11日(写真下・以下同じ)。
Snowy 01
ベラルーシ共和国の軍用犬の訓練。1月11日。
Snowy 02
1995年、ユネスコの世界文化遺産に指定された岐阜県飛騨地方の合掌造りの家、1月19日撮影。この地区では毎年2月25日まで、夜間のライトアップが実施される。
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ノルウェー、オーレスンの夜景と彼方に広がるオーロラの光。1月16日。
012604
スウェーデンの天体写真家ゴラン・ストランドが、月光に照らされた景色の上に広がるオーロラを撮影しました。 オリオン座、プレイアデス星雲、そして木星の輝きも見事にとらえられています。
012605
英国北部、ボルトン・アビーにある橋を渡る男性。1月14日。
WINTER02
成人式の帰り道。東京都の豊島園、1月14日。
WINTER03

【 共に苦しい立場の日本、そして中国政府 】国家主義を煽り過ぎた、その挙句の窮地

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『領土問題』中国側の本音とは?!

カトリーン・ハイレ、ジョナサン・ソブル / ファイナンシャル・タイムズ / ワシントンポスト 1月22日

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北京 — 中国のメディアに掲載されている解説記事を読めば、中国国外から様子を見守っている人々は早晩武力衝突は避けられないと判断するかもしれません。
「ダイユー(尖閣)諸島で日本と武力衝突になれば、中国側が30分で制圧できる。」
中国軍の作戦本部の張兆中少将が先週、取材に対しこう答えました。

アジアの2大強国間の武力紛争の不安要因を作り出しているのは、中国側の強硬派だけではありません。
昨年の9月、日本側が尖閣諸島と呼び、中国側がダイユー諸島と呼ぶ東シナ海の島々を日本が国有化して中国政府を激高させて以来、両国間の緊張は高まる一方です。

問題となっている空域では両国のジェット戦闘機が頻繁に飛び交い、互いにスクランブル発進を繰り返しています。

さらに日本の海上保安庁は、尖閣諸島の接続水域を航行する3隻の中国船を確認しています。
海域から出ていくよう促す日本側の警告に対し、中国側はラウドスピーカーを通し、日本語と中国語で同じスローガンを連呼し、これに応じます。
「この場所が中国の領土であることは歴史上明らかである。」

020201
日中両国のこうしたやり取りが先鋭化するのを見て、関係者は武力衝突への発展を懸念します。
「衝突発生の危険性は常にあります。しかしそれが全面的な武力紛争に発展する可能性は極めて小さなものです。」
北京人民大学の黄大恵教授がこう語りました。

日中間の武力衝突が発生すれば、否応なく巻き込まれる可能性があるアメリカは、先週に入って外交工作を活発化させ始めました。
東アジア・太平洋地区担当のカート・キャンベル国務省副長官は1月の第三週に日本を訪れ、事態の鎮静化を図るよう申し入れをしました。
「我々は少し頭を冷やしてほしい、そう考えていることを率直に伝えました。」

ヒラリー・クリントン国務長官が
「日本の領土を侵そうとする、いかなる行動も容認できない。」
と発言したことについて、中国は18日、アメリカを批難する公式声明を出しました。
中国外務省報道官は、
「アメリカもまた、今日の状況についての責任がある。」
と言及しました。

中国を支配する中国共産党の新しい指導者である習近平氏と、あまりに早い段階で対立関係に陥ってしまう事を避けたいと考えるアメリカは、これ以上中国側を刺激しないよう、日本政府に申し入れを行いました。

020202
しかし、日本も首相が交代したばかりです。
日本の安倍晋三首相も中国の習近平氏も、『弱腰』を見せれば、国内での評価がダメージを受けてしまうという懸念を持っています。
これからの10年間、世界一人口が多い国を率いることになる習近平氏ですが、中国の軍当局と国内の国家主義者たちは、前任者である胡錦濤氏よりもより強硬な態度で、中国の権利を主張するよう望んでいるのです。
日本政府の尖閣諸島国有化に関する一連の動き、法的手続きと周辺海域の監視・警戒体制の強化に対し、中国政府は激しい批判を繰り返しました。

一方日本では、自由民主党とその総裁である国家主義者の安倍氏が、中国側により厳しい姿勢で臨む事を公約し、昨年12月の衆議院議員選挙で大勝しました。

安倍首相は選挙期間中に公約した、日本政府の職員を尖閣諸島に常駐させるというプランを密かに捨て去りましたが、中国側の挑発の意図を見誤って適切な対応を取れなければ、彼を支持する保守系の支持者を失望させる危険を冒すことになります。

中国に対する対決姿勢を解いてしまえば、日本は中国に対し尖閣諸島問題では防戦一方になってしまっている、中国側にそう思わせてしまう事を安倍政権は恐れています。

中国政府は日本政府に対し、日中関係の変化を認めるよう求めています。
こうした姿勢を反映するかのように、北京清華大学の国際関係が専門の柳江永氏がこう語りました。
「日本だけが単独で、ダイユー(尖閣)諸島を自由にできる状況ではなくなっているのです。」

安倍首相は就任以来、国防費の増額を主張し続け、中国に対する対決姿勢を明確にしたアジア外交を展開しています。

020204
しかし東京と北京の政府関係者は、両国政府共にこの問題を暫時鎮静化させることを本音では願っているものの、その具体的方法の見つけ出すことに苦慮している、そう証言しています。

日本の元外交官で、現在は京都にある立命館大学の客員教授を務める三宅邦彦氏は、どのような鎮静化策であっても、その検討は極秘に行わざるを得ないと指摘しました。
「どちらにもメンツの問題があります。両国政府共に、最初に鎮静化を言い出したとは思われたくない事情を抱えています。」

日本政府が採用するかもしれない対応、それは『領土問題は存在しない』という見解を覆すことです。
政府に近い立場の人々は、中国がもし望めば、日本は国際司法裁判所による調停を受け入れる可能性があると語っています。

「中国政府は、そうはしないでしょう。」
長年に渡り、日本に外交問題に関する助言を行ってきた、ある人物が語りました。
「日本は尖閣諸島を長い間実効支配してきましたが、それこそが中国政府が認めたくない事なのです。」

http://www.washingtonpost.com/world/asia_pacific/japan-china-struggle-to-curb-tensions/2013/01/21/62e8fe42-63f9-11e2-9e1b-07db1d2ccd5b_story.html
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今週は日本の政治についての記事を集中的に翻訳したため、現在の日本の首相の写真を何枚も見なければなりませんでした。
その中で、軍の閲兵式や儀仗兵の出迎えなどになると、この人が異様な程「高揚した」表情になることに気づきました。

人間は生まれ落ちたときから、そして成長の過程で様々な『嗜好』をその性格に加えていきますが、この人は様々な『理屈』より、『嗜好』として軍隊が大好きなのではないか、ふとそう思いました。
もちろん写真を見ただけの感想ですから、根拠のある話ではありません。

似たような嗜好を持っていても、ほとんどの人はプラモデルで丹念にジオラマを作るなどするだけで満足しています。
しかし生まれたときから経済的にも何不自由のない生活をしてきて、欲しいものは何でも手に入る中、この人だけは『本物』が欲しくなったのかもしれません。
そしてこの人は、常に人の上に立つことだけを考えればよい、という稀有な門地に生まれました。

この人にとっての戦争は、下の写真でご紹介する様子とは無縁なのです。
以下に掲載した写真に写っている人々は、いつ何時殺されるかわからないという環境の下、ぎりぎりの暮らしを強いられています。

今日までご紹介したCNNニュース(米国)、ドイツのデア・シュピーゲル、エコノミスト(英国)、ワシントンポスト(米国)、いずれもが憲法を改正してまで日本の軍備の強化、再軍備を行う『必要性』について、はっきりと疑問を投げかけています。

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【 戦場になってしまった街、そして人々 】

アメリカNBCニュース 1月22日

ダマスカス市内、アルグータ通りにめりこんだまま放置された不発弾、12月19日。(写真下。以下同じ)
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トルコ国境近くのビブサラーム難民キャンプで、12月22日。
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アレッポ市内に鳴り響く空襲警報に聞き入る少女、後は避難する子供たち、2013年1月1日。
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アレッポ市内で、薪にするため木の枝を切り落とそうとする少年、2013年1月1日。
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アレッポ市内のワタ飴を売り歩く露天商の男性、2013年1月1日。
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大雨の後ぬかるみだらけになったヨルダン、マフラク市のザータリ難民キャンプ。それぞれのテントの床も同じような状態で、とても人が住める環境ではない。1月10日。
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政府軍部隊がいるアブ・ベーカーに向け、アレッポの北東部のアルバブから小型ミサイルを発射するシリア反乱軍の兵士、1月16日。
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アレッポ市内で薪を集める男性たち、1月22日。
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【 大物政治家のメディア支配を終わらせよ!素手で立ち上がった男 】〈後編〉

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インターネットを通し、『直接民主主義』の実現をめざす
「必ず見返りを要求する、それが今の政治家」
「市民のために機能しない政党など、もう要らない!」新たな市民運動、イタリアで広がる

ジョン・フーパー(ミラノ)ザ・ガーディアン 1月3日

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2001年から2006年までの5年間、イタリアの首相シルヴィオ・ベルルスコーニはイタリアの7つの主なテレビ・チャンネルのうち、6つまでを支配下に置いていたのです。

「まるでマトリックスの世界に住んでいたようなものでした。」
グリヨはインターネットを使い、一切のタブーを打ち破るような情報提供を行い、コメントを流し始めました。
「そしてグリヨが伝えていることが正しいと解った時、人々は今まで得ていた情報はいったいなんだったのだと疑い始めたのです。」

ブログも、驚異的な数の市民の参加を促すことになりました。
一回の投稿に、10,000件のコメントが寄せられたこともありました。
彼らがネット上に作り上げたコミュニティは非常に大きいもので、カサレッジョとグリヨは『ミートアップ』という名のソーシャルネットワークを利用し、地域ごとに参加者をグループ分けし、それを組織化して行きました。
現在その数は650近くにまでなっています。

次なるステップは『リステ・リビチェ』と呼ばれる地方選挙の無所属候補の名簿に掲載されている人々に会い、グリヨ達に支持されることを望むかどうか、その意思を確かめることでした。

こうした活動を続けるうち、650のグループの中から自分たち自身の候補者を擁立したいという声が上がりました。
2009年3月にフローレンスで開催された会議で、複数の候補者を立てることが決議されました。
彼らは環境問題に精通し、全員がグリヨをトレードマークに使いました。

Beppe Grillo 2
カサレッジョとグリヨのコミュニティは、『運動(カサレッジョは政党という名称を使われることを拒否しています)』へと発展し始めました。
その年の後半、カサレッジョとグリヨは10月4日の聖アッシージの聖フランチェスコの祭日をもって、運動を開始したのです。

これまで、カサレッジョとグリヨの運動は、お金に対する神秘的なまでの潔癖さを持つウンブリア州民そのままの感覚を持っていました。
シチリアでの選挙に勝利し、カサレッジョは人々から寄せられた約80万ユーロの義捐金を変換するつもりであると語りました。
「議員になれば月額5,000ユーロ(約60万円)の報酬が支払われることになるので、余ったお金は返還することにしたのです。」

『五つ星運動』が必要とする時間と労働は、カサレッジョの会社の従業員すべて賄っているため、余分なお金は必要ないのです。

彼らが達成した最新の功績、それはかれらの運動の中から国会議員候補者が生まれたことでした。
「インターネットのつながりの中から国会議員が生まれたことなど、世界中のどこでもあり得なかったことでしょう。」
カサレッジョが少し得意げに語りました。

しかし、全部が全部成功であったわけではありません。
『五つ星運動』のメンバーは255,000人以上いますが、今回候補者を選ぶための手続きに参加登録を行ったのは31,612人、そして実際に選出作業に加わったのは20,252人だけであったと、グリヨのサイトには書かれています。

その上、カサレッジョは彼らの運動に反発する人々からの、激しい批難とも戦わなければなりませんでした。
『五つ星運動』の中身については、独立した検証を行わなければならないという意見が寄せられ、選挙候補者はテレビのトークショーに出演してはならないというグリヨの主張も、やり玉に挙げられました。

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しかしカサレッジョはへこたれません。
「今日の形に到るまで私たちはルールを作り、それを守って来ました。そのルールに反対なら、彼らは別の運動を組織すればよいのです。」
『今日の形』にしたのは誰ですか?という問いに対し、カサレッジョはこう答えました。
「グリヨ、そして私。」

今回の批判は、『五つ星運動』の組織は本質的に非民主的であり、カサレッジョには秘められた別の思惑があるという非難を改めて浮き彫りにしました。

「本質的な問題は、これまでの政治家というものが何かをすれば必ずその見返りを要求する、という点にあります。」
カサレッジョがこう語りました。
「私たちが受け取るのは、人々と心と心でつながる事です。私たちが望むものは、それだけです。」
こう言ってカサレッジョは少年のように笑いました。

[ 『五つ星運動』その5つの規約 ]
1. まず自分の居場所を決めること。始めるに当たり、所属するコミュニティを決めてください。
2. インターネットを理解すること、特にその社会性について。何かの付け足しだとは考えないこと。それは新しい現実であり、新たな社会です。
3. インターネットにふさわしい言葉づかいをすること。
特にインターネット上のやり取りで、理解不能な表現はしないこと。
4. あなたの運動方針を明快にしてください。
5. あなた自身が力の源であるという事を実感してください。
あなたが作り出した細胞は、それ自体生命を持つのですから。
〈完〉

http://www.guardian.co.uk/world/2013/jan/03/italy-five-star-movement-internet
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違う世界の出来事に触れて、自分の価値観が変わるという事は良くある事ですが、インターネットの普及によりその機会が大幅に増えたかもしれません。

これまで日本の有権者は、行政において何か実現してほしいことがあれば、『議員さんのコネを伝って陳情する』、それ以外にはこれといった方法も見つからなかったのではないでしょうか?
だからこそ日本の議員は当然のように、先生と呼ばれ、『上から目線』で周囲を見回していました。

しかし『選良(せんりょう)』という言葉があるように、本来議員というものは民意を実現するための民の僕(しもべ)であるはず。
それが日本の風土ではいつの間にか、立場が逆になり、民意をくみ取るどころか、話を聴いてもらうだけで見返りを要求されるケースもあると聞いたことがあります。

そんな議員、政党などもう不要だという言うのですから、痛快です。
私たちもフェイスブックやツイッターだけにとどまらず、もっともっと民主主義の進化のために工夫をかさねていきましょう。

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【 汚染スモッグに覆い尽くされた北京、またもや 】

ブラッド・レンドン / アメリカCNNニュース 1月30日
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)

1月30日の北京市内。

1月30日の北京市内。


1月28日火曜日、危険な汚染スモッグが北京市内を覆い尽くしたため、200m未満と著しい視界不良となり、航空機のキャンセルが相次ぎ、高速道路も閉鎖されたと中国のメディアが伝えました。

北京のアメリカ大使館は現地時間の28日午前8時、大気の状態がこの24時間で最悪の状態になり、『すべての人が屋外での一切の活動を控えなければならないレベル』に達したと報告しました。
でなければ心臓疾患または肺に疾患を起こす危険性があり、特に高齢者と子供は屋内に留まり、できるだけ体を動かさないようにする必要があると、米国大使館のウェブサイトが警告しました。

市民たちは危険な汚染大気にうんざりしています。
今回の中国東部を覆った大規模な大気汚染は月曜日に始まり、火曜日にピークに達しましたが、大規模な大気汚染は今年に入ってこれで4回目です。

「最悪の大気汚染です。市民の健康に対する脅威です。政府は対策を取る必要があります。環境問題を取り扱う政府機関は、早急に解決を図るべきです。」
北京在住の張樹青氏がこう語ったと、中国国際ラジオが伝えました。

国営の新華社通信によると、一人の会社員が中国WEIBO(中国版ツイッター)にこう書き込みました。
「私はオフィスビルの外に立っていますが、ビルの最上階が見えません。」
新華社通信はまた、一般の歩行者が市販マスクではこの汚染に対応できないため、ガスマスクや防護マスクを着用していたと伝え、さらに北京市内の小児科病院が、大気汚染が原因で呼吸器疾患に陥った9,000人の子供の治療を行うという、『記録』を打ち立てたと報じました。。

中国日報は30日水曜日夜には風が吹き、雨も予想されるため、大気汚染も若干は緩和されるだろうという、気象当局の予報を伝えました。

1月30日、北京市内。

1月30日、北京市内。


1月29日、北京市内。

1月29日、北京市内。


1月30日、北京市内。

1月30日、北京市内。


1月29日、北京市内。

1月29日、北京市内。


1月23日、北京市内。

1月23日、北京市内。


1月16日、北京市内。

1月16日、北京市内。

http://edition.cnn.com/2013/01/29/world/asia/china-beijing-smog/index.html?hpt=ias_c2

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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