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2013年、人はどの仕事を選べば幸せになれるのですか?

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所要時間 約 12分

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少なくとも『ストレスは多くない』という条件での選択

スーザン・アダムズ / フォーブズ 1月3日

▽1位 大学教授 平均年俸約550万円

テキサス州立大学、ダラス。

テキサス州立大学、ダラス。


私たち職業人の中で、大学教授は最もストレスの少ない職業です。
ただし、最後の[追補]も必ずお読みください。
大学教授はサマースクールで教鞭をとらない限り、5月から9月の間はずっと休むことが出来ますし、学期ごとの長い休みを満喫することも可能です。その中にはクリスマスから新年にかけての冬休みが含まれ、そして春休みだって結構な長さがあります。
学期中であっても、教授たちが教室で過ごす時間は長くはありません。
ただし終身在職権(アメリカの制度)を持つ教授たちは、本の執筆と研究の発表は半ば義務であり、若干のプレッシャーはあります。しかしそれとて、締め切りに追われることは稀です。
そして労働条件は文化面で恵まれ、居心地の良いものです。
会議への出席も義務ではなく、出張に出かけなければならない回数も一年に2回を超えることはまずありません。
報酬に関して言えば、労働統計局がまとめた大学教授の平均給与は62,000ドル(約550万円)と思ったほど高くはありませんが、暮らしていくには充分な金額です。特に学園都市ならなおさらのことです。

▽2位 縫製、または仕立て屋さん 平均年俸約230万円
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 3位 医療記録技術者 平均年俸約280万円
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教授たちにとってさらなる朗報があります。
労働統計局は大学側が2020年までに、非常勤の常勤化と新規採用を合わせて305,700人の終身在職権教授を誕生させるとしています。
こうした状況を見てキャリア.comは、大学教授こそ今年最もストレスを感じることが少ない職業としたようです。
キャリア.comはウォールストリート・ジャーナルの後援を得て、1995年からその年どしの最良最悪の職業を選んできました。2009年にはウォールストリート・ジャーナルから、カリフォルニア州カールスバッドに拠点をまえるキャリア・キャスト.comにその運営が移りました。
このランキングは200の職業について、それぞれ100項目についての採点を行って順位を付け、毎年4月に発表します。
この順位を基に、『ストレスを感じることが少ない職業』について、キャリア・キャスト.comがランキングを担当して3年目になります。

▽4位 宝飾加工 平均年俸約310万円
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 5位 医療研究機関研究員 平均年俸約415万円
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どの職業が最もストレスが多いかを判断する材料として、キャリア・キャスト.comは200の職業のデータベースにあたり、その中から11の職業が、特にストレスを多く引き起こすものと考えられると判断しました。出張回数、成長の可能性、競争力、要求される体力、危険性、環境条件、そして本人あるいは周囲の人間の寿命に関わる要件などがストレスの原因になります。

キャリア・キャスト.comの発行人であるトニー・リーによれば、ストレスが少ない職業には共通するものが一つあります。
自主性です。
「これらの職業に共通しているのは、その肩越しに仕事ぶりを監視しながらプレッシャーをかけ続けている人間が居ない、という事です。」
彼は特に大学教授という職業について、仕事ぶりついて問いかけてくるのは自分自身に他ならないと、指摘しました。
「基本的に大学教授は、自らの王国を持つ王なのです。」

▽6位 聴力学者 平均年俸約590万円
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 7位 栄養士 平均年俸約470万円
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この点は、次にストレスの少ない職業と判断された仕立て屋さんにも共通しています。
「この二つの職業に共通するのは、どのような仕事を成し遂げるのかという点において、自分自身が基準であり、最高の専門家である、という点です。」
同じ理由から医療記録技術者が3位に、医療研究機関技術者が5位に入ることになりました。
いずれの仕事も正確性を要求されますが、その基準をどこに置くかについては本人に任されており、いちいち監視されたりすることはありません。
同じことは、4位の宝飾加工、聴覚学者、栄養士、ヘアスタイリストにも言えます。

▽8位 ヘアースタイリスト 平均年俸約200万円
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 9位 図書館司書 平均年俸約485万円
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もう一つ、ストレスが少ない仕事に共通していることがあります。
一日の終わりには彼らは仕事から完全に解放されることが可能であり、しかも9時~5時の伝統的就労時間を守る場合がほとんどです。

ただし、これらの職業によって得られる年収は、100,000ドル(880万円)を上回ることはありません。
労働統計局のデータが示すように、中には仕立て屋さんの26,000ドルやヘアスタイリストの22,500ドルのように、『低所得』と言わざるを得ない職業もあります。
しかし収入の多寡はキャリア・キャスト.comの判断基準の中のひとつでしかありません。

ヘアスタイリストの報酬はリストの中で最下位ですが、キャリア・キャスト.comのリーはそこには金で測ることのできない価値があると語りました。
ヘアスタイリストと言う職業は、客と友人関係を築くことが多く、仕事ぶりに対して直接評価や感謝を得ることが出来ます。
「一生懸命働けば働くほど、その評価は高くなり、自らの心が満たされることもまた多くなるのです。」

▽10位 ドリル加工技術者 平均年俸約280万円
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[追補]

上記の記事掲載後、私のもとには150件以上のコメントが寄せられました。
その多くが自分たちの仕事はストレスだらけだと憤慨する大学教授の皆さんからのものでした。
私は彼らの仕事ぶりについて、時間に拘束されず、自由に時間を使うことが出来る上、締め切りに追われることも無く、しかも長い休暇を取ることが可能であると紹介しました。
これに対し教授の皆さんは、講義の準備に一週間あたり60時間を費やし(週休二日で一日12時間)、試験の採点、論文の発表や本の執筆のための下調べには膨大な時間を要するとおっしゃっています。
その上、長い夏休みなどあったためしがなく、クリスマスや新年の休暇を取るためには、毎晩深夜まで働き詰めに働かなければならないと。

下調べなどの地道な作業にどれだけの時間を費やすものなのか、多くのコメントが詳しくその内容を伝えてきました。
ジョナサン・レイノルズさんは、12月19日以降、12,600語からなる書籍の1章を執筆し、1,000語の書評を書くためにその著作を精読し、専門雑誌とオックスフォード大学通信に掲載された論文を検証しました。彼はさらに書籍の注釈もこなし、学業成績が思わしくない学生の指導も行わなければなりませんでした。
確かにその様子は『時間に拘束されず、自由に時間を使うことが出来る上、締め切りに追われることも無い』生活などではない、という事に私も同意せざるを得ません。

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グエン・シャグさんは私が引用した大学教授と言う職業について、非常に解りやすく解説したサイトのリンクをしらせてくれました。
大学教授と言う職業のあらゆる面について詳述され、一回の講義を行うためには最低3時間は準備すること、教授1人に対しては最低55人の担当大学生がいて、それぞれの学生の成績を決めるには少なくとも1時間は必要であること、そして個人面談にもそれぞれ30分。
そして学会への参加は年2~4回あるが、参加するための費用を大学が全額負担してくれることはまずありえない、など。

私はいただいたコメントすべてに感謝申し上げるとともに、読者の皆さんもできるだけ目を通されるようにお勧めします。
今回の原稿の意図は、キャリア・キャスト.comが制作した興味深いリストをご紹介することでした。
このリストは200の職種について、出張回数、成長の可能性、競争力、要求される体力、危険性などの要素について検討しながら、最もストレスの少ない職業を選び出す、と言うものであることは、ご紹介した通りです。
しかしキャリア・キャスト.comも、競争的環境の中で出版のための原稿を執筆することや、研究への補助金を要請するための文書を作成するストレスについては、見逃してしまったようです。

私自身はキャリア・キャスト.comのランキングには価値があると思いますが、一方で大学教授と言う職業について、学術研究のための長時間の執筆からくるストレスについては、それを見逃していたという見解にも大いに納得がいきます。
しかし私は夏の間長期間のバカンスを楽しみ、、学期ごとの長い休みを満喫している終身在職権教授を個人的に何人か知っていますが、それについて詳述するつもりはありませんでした。
それは疑いようのない事実ですし、その数も決して少ないものではありません。

それらすべてを飲みこんだうえで、私が一番印象的に残ったことをご紹介しましょう。
それは実際に私が受け取ったコメントの中、多忙でストレスに満ちてはいても、大学教授という職業に心から満足し、幸福だと考えている方が多かったことです。
以下にご紹介するデイヴィッド・ペリー氏の言葉は、こうした意見を代表するものです。
「私は大学教授と言う職業を愛しています。明らかに大きな価値のある仕事です。しかし一方ではストレスも多く、こなさなければならない課題もまた、無限にあります。」

http://www.forbes.com/sites/susanadams/2013/01/03/the-least-stressful-jobs-of-2013/
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【 ホグワーツ魔法魔術学校のライトアップ 】

アメリカNBCニュース 1月11日
(写真をクリックすれば、大きな画像をご覧いただけます)

Lalock Abbey 01
中世に建設され、2本のハリー・ポッターの映画の舞台になったイギリスのラロック修道院が、英国ナショナル・トラスト(歴史的建造物維持目的で土地や建物の取得をし、管理する非営利団体)によって『光の中へ』というタイトルで、2週間ライトアップされる事になりました。その特徴的建築が、何色ものまばゆい光の中に浮かび上がります。

英国BBC放送によると、ハリーポッター・シリーズの収録の際に、修道院の回廊といくつかの部屋がホグワーツ魔法魔術学校の教室に変わりました。
今回のイベントは、1月12日から一般に公開されます。

Lalock Abbey 02
Lalock Abbey 03
Lalock Abbey 04
Lalock Abbey 05

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