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【 NRCの専門家が原子力発電所には、もっと強力な安全対策が必要だと憂慮 】
浜岡原発を止める、止めないで日本中が騒ぎになっていた時、中部電力が『福島第一原発事故を教訓に新たに準備した対策』なるものをみて、唖然としました。
新たに2トントラックの荷台に発電装置を載せた『電源車』2台を、浜岡原発に配置した、と担当者が紹介していました。
3.11の津波の映像を日本中の人が見たはずです。
あの津波は大型バス出すら簡単に押し流しました。そのスピードはジャンボ・ジェット並と言われています。
その津波が退いた後には大量のがれきが散乱、まずは自衛隊や米軍の特殊車両で通路を確保する作業から始めなければなりませんでした。
場所によっては地盤沈下により、水没したままになる場合があります。
そこを2トントラックの『電源車』は、必要な場所にどうやって『迅速に到達・対応』できるというのでしょうか?!
「この人たちはいったい何を考えているのだろう?!」という疑問が、やり場の無い怒りとともにこみ上げてきました。
今日から3回に分け、アメリカが8月23日に東部を襲ったマグニチュード5.8の『大地震』を受け、アメリカ全土の原子力発電所の見直しを始めている、という長いニュースをお伝えします。
記述の詳細で、ちょっと読むのが面倒ですが、この『星の金貨』にたまったこれまでの原子力問題と事故に関する記事、積み上がっていく事で、原発に対する『世界の意思』が少しずつ形になってきたように思います。
原子力推進派には、学者を中心とする知能集団も含まれます。
しっかりと資料を積み上げていきたい、と思っています。
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【 原子炉の地震リスクは、当初考えられていたよりも深刻である 】〈第1回〉
ワシントン AP通信社 / アメリカCBSニュース
2011年9月2日
地震によってアメリカ国内で深刻な原子力事故が発生する確率は、あるケースでは24倍と、当初考えられていたものよりも大きい、という事が政府の調査結果をAPが解析した結果わかりました。
国の原子力監視機関は、アメリカの原子炉の4分の1の原子炉については、安全性を確保するため近代化の必要があると考えています。
ヴァージニア州を117年ぶりに襲った地震によって、リッチモンドの北西に位置するノース・アンナ原子力発電所が揺さぶられ、先週突然に脅威の存在が明確になったのです。
ノース・アンナ原子力発電所の2つの原子炉は、原子力規制委員会の見解によって改修工事が必要とされるアメリカ合衆国中部および東部の27の原子炉に含まれています。
改修が必要とされる理由は、それらの原子炉が建設された際、想定された値よりも大きな地震が発生する可能性があるためです。
いったいどれだけの原子力発電所が脆弱であるか、という事については、原子力発電所のすべての運営企業自身が、地質学者の新たな調査に基づいて耐震性について再計算するまでは決定されません。
9月1日にNRCは、パブリックコメントのための要求原案を公表しました。
東海岸の地震と3月に発生した日本原子力災害のだいぶ前に始まった再調査は、より大きな危険性を示す調査結果があるにもかかわらず、全国の104の既存の原子炉について地震リスクへの最初の完全なアップデートを確認しました。
アメリカ原子力規制委員会と原子力業界は、全国の原子炉はこれまで同様、安全であると語ります。
地震によるアメリカ国内の原子炉の炉心損傷の平均的なリスクは低く、NRCのデータをAPが分析したところ、500年に一回の確率になります。
しかし、11,000以上のページを超える記録に含まれる電子メールの数々は、NRCの専門家が、個人的にはこの一年間より高い危険に対応できるよう、原子力発電所にはより強い安全対策が必要だという事を憂慮してきた、ということをAP通信社が明らかにしました。
原子力産業側は、8月23日の地震はアメリカ国内の原子炉が堅牢であることを証明したとしています。
揺れがバージニア州ミネラルのノース・アンナ原子力発電所への電力供給を遮断した時、原子炉は緊急停止の上、正常に冷却状態が保たれました。そして4基の蒸気機関車程もある大きなディーゼル発電機が稼働しまし た。
地震は約24個の使 用済核燃料コンテナも震動させましたが、いっさい損傷は無かったと、木曜日、ドミニオン・ヴァージニア電源企業が発表しました。
それでも、NRCのデータを分析したAPによれば、ノース・アンナ原子力発電所は大規模地震が発生すれば、炉心の38パーセントが損傷する可能性がある、と20年前の分析結果に出ています。
ただし、そうしたリスクは8月23日発生した地震よりもさらに大きな地震に見舞われた場合に発生します。
ドミニオンのスポークスマンで、プラントオペレータのリチャード・ザーチャーは、
「追加の安全対策は、原子力発電所が建設された当時の設計に組み入れられたため、以前の分析結果がそのままになっている。」と語りました。
しかしながら、発電所のリスクが分析よりも大きい、と判断されれば、安全対策の効果も減少する事になります。
連邦政府の科学者たちは5~6年に1度、いくつかの建物について建築基準を見直すため、地震の可能性 - 大きさと頻度 – について情報の更新を行っています。
しかし、地震科学がかつて認識されていたものよりも大きな危険がある、と明らかにしているにもかかわらず、これに似たシステムが採用されている原子炉は2基を除けばアメリカ国内には無いのです。
例外は地震が発生しやすいカリフォルニア州にあるディアブロキャニオンであり、1985年以降地震が発生するたびに、リスクについて再点検するよう求められてきました。
[ つづく ]
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動画[ 3.11の犠牲者を悼む福島の『天灯』]
アメリカCBSニュース
むかし、ポール・ギャリコというアメリカの作家の『ジェニィ』という猫たちが主人公の物語を読んで、感動した事がありました。
猫にされた少年がすてきなメス猫・ジェニィと冒険に出かけるものがたりでしたが、このABCの原稿を読んで、空白の5年間ウィローはどんな冒険をしていたのだろう、と思わず想像をめぐらせました。
そんな空想のきっかけを与えてくれたこのこの原稿、なかなかにステキです。
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【 迷子の子ねこ、 1,200キロの大陸横断 】
コロラド州からニューヨークへ5年の旅、成長して飼い主のもとへ
アメリカABCニュース マギー・パトリック
2011年9月15日
猫のウィローは本当に長い旅をしてきました。
三毛猫の子ねこがコロラド州ボールダーの自宅から姿を消したのはもう5年も前の事です。
永遠にいなくなったものと思っていましたが、彼女の家族はウィローがマンハッタンの路上を歩いていた事に驚かされる事になります。
彼女がちょうど子猫の頃、肩甲骨の間に埋め込まれたマイクロチップのおかげで、いまや6歳になったウィローは、とっくにあきらめていた彼女の飼い主と再会する事になりました。
「正直言うと、この辺りにはたくさんのコヨーテやフクロウがいるのよ。」
ボルダーのジェイミー・スクワイアーは語ります。
「彼女はほんとに小さな子猫だったの、体重は5ポンド半。私たちは『迷い猫』のポスターをあちこち貼ってまわったり、『クレイグリスト(アメリカのオンライン・コミュニティー)』に依頼を出したりしたわ。でも最後にはコヨーテの餌食になったものとあきらめたの。」
ウィローは、東第二十番街で発見され、すぐにニューヨーク市の動物避難所に連れて来られました。
スクワイアー夫妻はニューヨークの動物の救助や避難所のシステムを実行するアニマルケア&コントロールから水曜日に電話があった時、ほんとうにび
っくりしました。
「夫が私にこう言ったの、『それがウィローだって確認できるまでは、子ども達には絶対言っちゃだめだよ。』」
「手も写真を見てそれがウィローだってすぐにわかったわ、ずいぶん長い時間が経っていたけど。」
ウィローが行方不明になったのは2006年年末か2007年初頭の事、住宅改修を行っていた業者がドアを明けっ放しにしている間にいなくなったのです。
それから一家はコロラド州ブルームフィールドから10マイル(約16キロ)の同州ボールダーに引っ越しましたが、ウィローのマイクロチップを管理する会社と連絡をとり続けました。
スクワイアー夫妻にACC事務局のジュリー・バンクが、スキャナがウィローのマイクロチップを発見したと連絡してきました。
ウィローは現在体重は7ポンド、行儀の良い、健康的であり、ニューヨーク市の路上生活でダメージを受けている様子は無い、ということでした。
しかし、ウィローがどうやったニューヨークまでやってきたのかは謎のままです。ウィローがいなくなっていた5年間についての足取り、またはどこで生活していたかの手がかりはありません。
「ウィローがこの5年間、どんな生活をしていたのかはわからないわ。」とジェイミーは語ります。
「ウィローがいなくなったとき、彼女は本当に頭のいい猫だったし、本当にかわいい猫だったの。」
ウィローは、すぐにボールダーに戻り、なつかしい - そして新しい - 彼女の家族に会いました。
スクワイアー家には新しい赤ちゃんが生まれ、ウィローの旅立ちの後数年して、別のもう一匹のわんちゃんが家族の仲間入りをしていたのです。
さて昨日に引き続き、スポンジボブのお話ですが、お読みいただいたようにこれは幼児教育、いや子ども達の教育の問題です。
「もっと詳細に子ども達の行動を観察しましょう」
つまるところ、子どもにもっと目をかけ、手をかけましょう、という事なのですね。
私も息子が中学一年生の時に
「ちょっと学校の英語の先生と授業が苦手......」
という本人の話を聞いて、自分で教える事にしました。
以来6年間、息子の英語の家庭教師をほぼ毎日やりました、ただしできるだけ短時間。
そして6年目の最後の大学入試センター試験、息子は英語は200点満点の試験で200点を取ることができました。
順位は受験者50万人中、当然ながら1番。
もちろん1番のお子さんは何人もいらっしゃったでしょうし、本人の努力がいちばんだったでしょうが、手をかけた分、報われた、という私自身の満足感もありました。
ちょっと自慢に聞こえてしまったもしれませんね、すみません。
でも、子どもには自分が教えられる事は、何でも自分が教えてあげる、大切だなと思いました。
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【 スポンジボブは、未就学児童の思考速度を遅くする事が、研究で明らかに〈後編〉 】
アメリカABCニュー ス
コートニー・ハチソンとABCニュー ス医療担当ユニット
2011年9月12日
▽ マルチメディアと子供たち
平均的な環境にいる子供が触れることができるメディアは、インターネット、スマートフォン、ビデオゲームやテ レビであり、接触時間は最大8時間になります。これらのメディアがまだ幼い脳に与え続ける好ましくない刺激については、熱心な議論の対象となってきました。
多くの小児科医と心理学者は、年端も行かない五歳のころから音楽を聴きながらビデオゲームをプレイし、合間合 間に携帯電話でメールのやりしりをするなど、短時間のうちにめまぐるしくマルチメディア機器を操作する『ジャグリング』をすることで、子 供たちから集中力を失われてしまうことを恐れています。
「こどもたちの神経形成には、特に初めの数年間が大きく影響します。テレビの不自然さの中で特に懸念されるの は、現実世界では決してし遂げられないことが次々起きることなのです。」
「私たちの脳は、これほどのスピードで非現実的な出来事が展開されることを、処理しきる程進化はしていませ ん。この速度のために、子供たちの脳を疲れきることになります。」
シアトル小児病院の小児保健、行動と開発のセンター責任者のドミトリー・クリスタキス博士は語ります。同博士は月曜日にこの研究に関する解説を発行しました。
こうした議論の反対側では、これらすべてのマルチタスクは、子供たちが将来継承することになるインターネットが支配する社会に対し、世界中で動き続けるこれらのメディアを手際よくさばやり方を訓練することになる、と反論します。
▽ のめりこみすぎ?
たとえマルチタスクそのものに利点はあるにしても、この調査結果は落ち着かない行動が、子供たちの自主性を妨害していることだけは証明しています。
「『実行機能』が劣るということは、これら誰もが持つべきスキルについて疑いなく欠点を持っている、ということなのです。」クリスタキス博士は話します。
「興味深いのは、こうした欠点はある一種類の番組について見られ、他のタイプの番組では見られない、ということです。ということはつまり、すべてのテレビ番組が人間の脳や子供たちをダメにするわけではない、ということになります。」
ある意味、子供たちに一定の視聴制限をすることは、日常的な取り組みです。
「救われるのは、ある種の番組だけが有害であることでしょう。テレビを見ている時間だけを問題にしている親は、テレビを消すことではなく、チャンネルを変えることを学ぶべきです。」
「テレビを見て過ごす時間に、合理的な制限を設けることはもちろん重要です。」
ローゼンバーグ教授は指摘します。
「親は子供たちがテレビを見る習慣について詳細に観察し、子供たちの神経伝達組織を健全に成長させるための別の- 読書をしたり、外で遊んだり、友達と一緒に時間を過ごすなどの - 機会や方法を見つけだす必要があります。
このスポンジボブの原稿を訳していて思い出したのは、子供のころわくわくしながら見たテレビ番組のDVDボックスを、大人になってから買ったところ、なんだかおもしろくないなぁ、という体験でした。
私が小学校高学年、つまりは昭和40年代初頭、ということになるのですが、アメリカの戦争もので『ラット・パトロール』という30分番組がありました。
「かっこいい」テーマ音楽の開始とともに、2台のジープが砂漠を疾走し、ドイツ軍と丁々発止の戦いを展開する。
50代になるかならないかの頃、そのDVDボックスを発見、購入したところ、つまらないわけではないのですが、面白いわけでもない。
これを最近作られた同じ第二次世界大戦ものの『バンド・オブ・ブラザーズ(兄弟の絆)』と比較し、なぜ面白くないのかわかりました。
場面展開がゆっくりに過ぎるのです。
『バンド・オブ・ブラザーズ』では緊迫した画面転換が繰り返され、見てる方も緊張してしまいます。
しかし昭和40年代前半の作品の方は、見てる方が間が持たなくなってしまうのでした。
結局ボックスもののこのセット、ディスク・ユニオンさんに買い取っていただきました。
しかし、改めて思ったのは、『ラット・パトロール』が面白い、と思える人間と、『バンド・オブ・ブラザーズ』じゃなければ面白くない、という人間、
とっちなのかなあ、ということです。
具体的に何がどう、ではないのですが、
「どっちなのかなぁ?!」、なのです。
このスポンジボブの原稿、少し長いので、また2日間に分けて、掲載させていただきます。
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【 スポンジボブは、未就学児童の思考速度を遅くする事が、研究で明らかに〈前編〉 】
アメリカABCニュー ス
コートニー・ハチソンとABCニュー ス医療担当ユニット
2011年9月12日
スポンジボブ(正式名称 : スポンジボブ・スクエアパンツ)は、ニコロデオン(アメリカのケーブルテレビ・チャンネル)の歴史上、最も長く放映され、愛されている漫画の一つかもしれませんが、児童心理学者からは嫌われているようです。
9月12日小児科ジャーナルに掲載された研究によると、未就学児がほんの数分間であっても、スポンジボブのような場面転換の早いアニメを見ていると、抽象的思考、短期記憶と衝動の制御の発達が遅れることになる、と発表されました。
バージニア大学の心理学者アンジェリーヌ・リラードの指導のもと、研究者は無作為に選ばれた60人の4歳児を3つのグループに分けました。
物語の展開がゆっくりしたPBS(ア メリカの非営利テレビ局。アニメ作品も多い - NHK教育テレビに似ている部分も)のアニメーションを見るグループ、スポンジボブを見るグループ、9分間マーカーで自由に絵を描かせられるグループです。
PBSのアニメ・キャラクター
研究者は、めまぐるしくシーンが切り替わるところからスポンジボブを選びました - PBSのアニメが一分間に2回だけ場面が切り替わったのに対し、スポンジボブは11秒ごとに場面が変わりました。
その後、未就学児童は数字を逆に数えたり、パズルを解いたり、許可されるまでおやつを食べるのを我慢することで喜びを先に延ばすなどの、『認知能力』『衝動のコントロール』についてテストする、4つの異なる『実行機能』の課題を実行するように求められました。
絵を描いていた子供達、PBSの アニメーションを見ていたグループと比べ、スポンジボブを見ていた子供達の成績が著しく悪かったのです。
調査を行った研究者達は、この親しみやすい台所のスポンジが繰り広げる冒険物語が、なぜ子供たちにこうもすぐに悪い影響を与えるのか、判断するのは難しいと言います。彼らはそれが現実には起こりえない出来事や、非常に早い場面転換のせいではないかと語っています。
これとは対照的に、PBSのアニメ番組はゆっくり進行し、就学前の子供の現実世界の出来事を表現していました。
こどもたちの親や小児科医はしばしば、めまぐるしく進行する近頃のアニメ番組は、子ども達を注意散漫にし、注意力を失わせる、と指摘しています。
「これは実にしばしば指摘されてきた類のことですが、自分たちの考えを科学に優先させるちょっと時代遅れな調査だと思います。」とデビッド・ローゼンバーグ、ウェイン州立大学児童精神医学・心理学主任教授は語ります。
海の中で暮らす四角いスポンジのキャラクターが、だめだというわけではありません。
すべてが速いペースで展開する、荒唐無稽なストーリーに疑問が突きつけられたのです。
スポンジボブの制作者であるニクロデオンは、今回の調査が白人の裕福な家庭の子供たちをのみ対象としている点を指摘、スポンジボブを援護します。
さらには被験者はスポンジボブの漫画が対象としている年齢よりも、2歳低い年齢の4歳の子供たちである、としています。
「本来番組がターゲットとしていない年齢層の、質的に似通っている60人の子供たちに対する9分間だけの調査は、方法論として疑わしいと言わざるを得ません。これでは、親たちが信頼できる基本的知見を提供出来ないのではないでしょうか?」
ニクロデオン代表のデビッド・ビトラーはABCニュースに語りました。
(続く)
私がこの記事を読んで感じたのは、記者の強烈な正義感でした。
BBCのビデオを見ると、このシャックマン記者、見た目がちょっとひょうきんで、頼りない感じもしますが、なかなかどうして、日本の大新聞社の記者など足元に及ばぬ、まったくもってヒューマンな仕事を成し遂げたのだと思います。
その理由は
1. 現地「立ち入り禁止区域内」に自分で行って取材したこと
2. 松村さんという一人の人間の信頼を得て、彼の内面までもきちんと読者に伝えていること
3. 『危機』を等身大に伝えていること
淡々と事実が伝えられていく中で、私は松村さんの中にある、胸が張り裂けそうな悲しみを感じました。
私は一度、ごく短い時間でしたが、記憶をなくした事があり、人生 - 人の生というものが記憶の集積である事を痛感した事があります。
ここに登場する松村さんもきっと、富岡町のひとつひとつの場所に消しがたい記憶があり、その集積がこの方の人生なのだと思います。
それがある日、住んでいた町を追い立てられ、もう戻るな、と言われる。
そして見知らぬ街の体育館かどこかに連れて行かれ、その一区画を与えられ、死にたくなければ今日からはここで暮らせ、と言われる。
これを理不尽と思わない人間がいるでしょうか?!
前編の記事にある通り、松村さんは避難所を逃げ出しました。
そして立ち入り禁止区域内の故郷で、誰の『庇護』も受けず、たった独りで暮らしています。
BBCの記者はその胸に秘められた思いを、何とか世界に伝えようとして、この記事を書き上げたのでしょう。
訳し終えて『良心の報道』、そんなものに触れることができたような思いがしています。
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【 日本の原子力ゴースト・ゾーンの中で〈後編〉 】
英国BBCニュース 2011年9月13日
環境・科学担当特派員デビッド・シャクマン
▽ 過ちの町
大地震により破壊された上、蜘蛛の巣だらけになった家畜小屋の様子はおぞましいばかりです。
区画された家畜小屋の片隅に、私は腐敗した牝牛と小牛の死体を見つけました。
この家畜小屋では60頭の牛が全滅しました。
松村さんは結局、行政はこの町の人々を救うことができなかった、と信じています。
それが危険を冒してでも、私たちをこの場所に導きいれた理由なのです。
ガイガーカウンターを見つめていると、放射能レベルが予測していた通り、地面近くでは概ね高くなっていることがわかりました。
場所によっては30マイクロシーベルト前後を計測しました。
たまたまこの場所を訪れた私たちにとっては、こうした値は脅威でも何でもありません。
しかし私は松村さんに、こうした環境の中で暮らし続けることに不安はないのか、尋ねずにはいられませんでした。
「もう考えないことにしているんです。チェーンスモーキングの方がもっと健康には悪いですから。」と松村さんは冗談交じりに答えました。
立ち入り禁止区域内では、塵が放射能汚染の主な原因であると考えられています。
松村さんと行動を共にしたいという人がほかにもいるかもしれませんが、この地区への立ち入り禁止の命令はまだしばらくの間、解除されることは無いでしょう。
日本で広く懸念されているのは、立ち入り禁止区域外への汚染の拡大です。
放射能は農業や人間の健康に脅威を及ぼしつつ、20キロ圏をはるかに超えて到達します。そして科学者は、行政などの放射能汚染対策の整備のため、信頼できるデータの収集を急いでいます。
日本の畜産科学研究所は、英国の専門家でランカスターの生態・水系科学センターから、ブレンダ・ハワード博士を招待し、彼女が長年手がけたチェルノブイリの調査結果を踏まえたアドバイスを求めました。
彼女の最初の評価は、日本ではほとんどの牛が屋内で飼育されているため、放射性降下物の被ばくを回避しており、汚染はチェルノブイリ事故ほど深刻なものではないというものでした。
▽ チェルノブイリとは違う
「この場所の家畜の飼育方法は、チェルノブイリとは異なっています。」
「牛は餌をとる場所とは別の場所で放牧されています。乳牛及び肉用牛は家畜舎内に収容されていたため、放射能に汚染されている可能性は少ないと思われます。」とハワード博士は語りました。
しかし土壌の放射能測定値は、概ね高濃度で、土壌の汚染が確認されています。- このことはどれほどの放射能が土壌を通じて、その場所の植物に取り込まれているか、という問題を提起します。
農業・生命科学が専門の東京大学大学院・中西友子教授は、汚染はほとんどが表面的であると考えています。
彼女の最近の研究結果では、放射能の大部分が土壌の表面に近い部分5cm以内にとどまっていることが証明されました。
「結果として、それほど多くはない量の放射性セシウム134及び137が、稲の茎に吸収され、米粒内に吸収された量はさらに少ないものと確信しています。」
「表面だけが汚染されているのです。表土からほぼ5cmの土壌の汚染が高濃度なのです。」
しかし中西教授は一般の人々はこうした調査結果を、素直に受け入れることができないだろうことも認めています。
「今年度産のコメは食べたくない、というのであればそれも仕方がないでしょう。しかし、来年収隠される米については、私は本当に楽観しています。来年のコメは食用として安全です。」
しかし、その結論が正しいと証明された場合でも、まだ広大な面積の汚染された土壌を除染しなければならないという課題が残っています。
表土の除去は、1つの方法ですが、汚染された土の処分問題と作業の費用が高額に上るという問題があります。
地中深く汚染された土を埋めてしまえば放射能濃度は下がりますが、コストがかかりすぎる欠点があります。
6か月が過ぎましたが、確信をもってこの場所はもう安全である、と宣言できるようになるまでいったい何年かかるのか、多くの分野の科学は答えを出せずにいます。
もうしばらく、松村さんもこの福島の影の中で、不自由な暮らしを続けなければならないでしょう。
制御不能に陥っている福島第一原子力発電所から10マイル(約16km)、松村さんはろうそくの灯りの下で、缶詰を主食にしながら暮らしています。
そんな生活を続けながらも、彼は自分が育ったこの町が命を取り戻すことを願い続けているのです。
しかし、それが実現するまでには長く待たなければならないでしょう。
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[動画]次世代のアメリカ宇宙ロケット
アメリカNBCニュース 9月14日
米航空宇宙局(NASA)は、次世代ロケットのCGを発表しました。
それはかつて建造された中でも最も強力なドレッド・ノート型(巨大な)ロケットです。
完成の暁には、火星まで到達できるほどの強力な推進力を持つこのロケットは、議会での予算獲得も容易なものとなるでしょう。
アメリカには現在新しい宇宙開発計画がないため、米国宇宙飛行士は宇宙ステーションとの行き来はロシアに依存しています。
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今や世界最低のドラマは日本の国会で演じられている、というのが正直な感想です。
新しい総理大臣が被災地の復興に尽力したい、と所信表明演説をしても、大事故を起こした原子力発電所建設事業を推進してきた自民党が難癖をつけ、すかさず邪魔をする。
「とにかく権力をこっちによこせ。」と言っているとしか感じませんが、どんなものでしょう?
そしてその様子をさも私たちの国、今の日本で最も重要な人間達の『政治』として、大々的に放送する大マスコミ。
塩野七生さんの「ローマ人の物語」を読むと、繁栄していた頃のローマでは、為政者達は国難が生じると直ちに小異を捨てて団結し、国の総力を挙げて問題を解決する様子が描かれています。
今の日本が2千年前の国に及ばない、というのは何とも情けない話ではあります。
当然ながら、苦しむのは国民、その様子が今日の英国BBC放送のこの記事に綴られています。
この記事も長いので、今日と明日、二回に分けてご紹介します。
特に「年老いた人たちはここに戻りたいのです。戻ってこの町で死にたいのです。」という部分には胸をつかれます。
そして「ゴースト・ゾーン(Japan's nuclear ghost zone)」の表現。
「死の町」と表現する人間より、「死の町」をつくり出した人間達の方を責めるべきだと思うのですが。
尚、この原稿の動画がありますが、埋め込みコードが提供されていませんので、残念ながらこのページ内ではご覧いただけません。
英国BBC放送のホームページに直接アクセス[ http://www.bbc.co.uk/news/science-environment-14881476 ]し、ご覧くださるよう、お願いいたします。
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【 日本の原子力ゴースト・ゾーンの中で〈前編〉 】
BBCニュー ス 2011年9月13日
環境・科学担当特派員デビッド・シャクマン
空っぽの富岡町の中心部で動いているものは何もありません。
福島第一原子力発電所の大事故の後、人口16,000人の町は不気味なゴーストタウンと化してしまっています。
メインストリートの商店に人影はなく、バイクと車が打ち捨てられ、雑草がコンクリートの割れ目から伸びています。
日本ではどこにでもある飲み物とスナックの自動販売機に電源ははいっておらず、静かに立っています。
富岡町はこの3月、爆発した原子力発電所から放射能が漏出した際、直ちに設定された20キロ の立ち入り禁止区域内にあります。
逃げるために急いでいたのか、家々のドアが大きく開かれたままになっていました。
地震と津波によってめちゃめちゃになった窓や屋根は、まだ修復されていません。
自転車が一台、街灯に立てかけてありました。
我々はこの地区に降り注いだ放射線の量について、科学者や他のジャーナリストから十分な情報を得た上で、この地区への訪問を行っています。
富岡町が南に位置するのに対し、最悪の汚染は福島県の北西方向に向かいました。
それでも我々は、放射能の主な発生源である可能性が高い粉塵との接触を最小限にするため、専用に作られたオーバーオール、ブーツ、手袋、フェイスマスクで身を固めて行きました。
一般市民とメディアは、このゾーンに入ることを禁止されていますが、警察の検問所に近づいていきましたが、制止は受けませんでした。
▽ 放射線濃度
私たちは滞在中ずっとガイガーカウンターの電源を入れていました。避難エリアに入った途端数値が上昇しましたが、予測していたほどの数値ではありませんでした。
撮影のための3時間の訪問の間、放射線被ばくの量を最小に抑えるため手際よく作業を行いましたが、被ばく量は平均すると一時間当たり3マイクロシーベルトでした。
私たちの被ばく量は、胸部レントゲンの際に受ける半分の放射線量ということになるでしょう。
私たちのガイド、富岡町の農家を経 営する松村直人さんは、彼の故郷がどれほど苦しんでいるかを、世界中がその目で見てくれるよう熱望しています。
松村さんは事故直後にこの街を脱出した一人でしたが、避難所暮らしに耐えかね、退避命令に従うことなくこの町に戻りました。
今や松村さんはたった一人この町に残る『最後の富岡町民』ですが、この富岡町を再び人の住める場所に戻すことが、自らの責務だと考えています。
豚やそ 他わずかな動物だけが、その生存を確認されています。
「この町が再び、安全で平和な場所に戻ってほしいのです。」
静まりかえった町や草がぼうぼうのままの水田のわきを通りすぎながら、松村さんが私に語りかけ ました。
「ここには今や、ガスも水道も電気もありません。でも私の父や母を含め、年老いた人たちはここに戻りたいのです。戻ってこの町で死にたいのです。」
「この町で動物たちの世話をしているのは、もはや私一人だけです。」
家畜たちの運命はたった一度の出来事で大きく変わりました。
何十頭もの牛が人々の避難の後解き放たれ、あてどもなくさまよっています。
豚や養殖イノシシも逃げ出し、今では野生化してしまっています。
放射能汚染地区で私が見たたった唯一の生き物は、数匹の赤ん坊のイノシシたちでした。
しかし多くの家畜を悲劇が襲いました。飼い主の人々の避難はあまりに唐突で、家畜を開放する暇すらなく、その結果餓死を待つ他ありませんでした。
松村さんは私をある大きな農場に導きました。この町の牛は味と品質の高さで高い値段で取引されていたのです。
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南カリフォルニアからシロナガスクジラがえさを探して、何頭か集まっている様子をご覧ください。
シロナガスクジラは大きいものは85フィート(約25メートル)80トン程にもなる、地球最大の生物です。捕獲によって数が減少し、絶滅危惧種に指定されているため、今やどこの海に現れても大歓迎されます。
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昨日アップした原稿をツイッターでご案内したところ、たくさんの方にリツィートしていただきました。
それ程にこのドイチェ・ベレ(ドイツ国際放送)の記事は、これまでみなさんの胸につかえていたものを、下ろしてくれたのだと思います。
でももちろん、喜んではいられません。
それだけ私たち日本の国民は偽られ、だまされてきたわけですから。
そしてこの記事の最後にあるように、事故処理費用の大部分は私たちが『税金』という形で『徴収』される事になります。
いったい、この国はどうなっているのでしょうか?!
テレビなどで日本の国会の様子を見ていると、ともすれば「くだらなくて見てられない。」と思ってしまいます。
でもくだらないのは『政治』ではなく、『今の日本の政治家』のはず。
足の引っ張り合いではなく、いちばんいい答えを見つけるためにきちんと議論ができる人。
強い者の方ではなく、きちんと国民の方を見ている人。
そういう人々を、私たちが『日本の政治家』として選ばない限り、この国の『失敗も隠ぺいも終わらない』のではないでしょうか?
尚、解りやすいよう〈 ▽ スキャンダル、失望、そして失敗 〉の項は、昨日とだぶらせて掲載させていただきました。
また動画には春にCNNの番組に出演し、「日本の人々は3基の原子炉がメルトダウンしている、というこのきわめて異常で、危険な状況に、あまりに無感覚すぎます」と発言された、アメリカの物理学者カク・ミチオ博士が、フランスの核廃棄物処理施設の爆発事故のニュースを伝えるABCの番組に出演しています。
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【 東京電力のサクセス・ストーリーの、暗い側面を明らかにした福島の原子力発電所事故〈後編〉】
ドイチェ・ベレ(ドイツ国際放送)2011年9月5日
▽ スキャンダル、失望、そして失敗
日本の大衆は2002年8月、東京電力の成功の物語の闇の部分に遭遇しました。
20年以上にわたり、すべての事件、事故、そして設備の故障を隠していました。
そ して疑われそうなことはすべてカモフラージュしていたのです。
安全性報告書は改ざんされ、長期間懸案となっていたメンテナンスや修理作業は延期されたままでした。
スキャンダルが明らかとなった時、国民はショックを受け、東京電力の役員数名が辞任を余儀なくされました。
政府は17基の原子すべての停止を命じました。
しかし、1年後、国民の抗議の声が大きいにもかかわらず、原子炉は再稼働されました。
政府は新しい経営陣を信頼しましたが、実際には失敗も隠ぺいも続けられたのです。
津波が襲ったちょうど10日前、日本の原子力保安院は東京電力の点検とメンテナンス作業に相当な手抜きがあることを発見しました。
地 震と津波の後、福島第一原子力発電所で事故を起こした原子炉の冷却ポンプ、ディーゼル発電機、温度制御弁は11年以上も適切な点検が行われていませんでした。
福島の大事故の後、事故が終息するよう適切な制御を行い、事故を懸念する日本国民に正しい情報を伝えることが、東京電力にとってはどれほど難しいことであるか、世界中の知るところとなりました。
数日の間、なお悪いことには、青い色の作業服を着た東京電力の担当者は、公衆の面前に立ち、事故後適切な対応をとれたのかどうかさえ、説明することができなかったのです。
▽ 金融災害
災害は金融面での大きな被害を及ぼしました。東京電力は今年度75億ユーロ(7,900億円)の損失を計上しました。そして修理に必要な金額は12億ユーロ(1,260億円)に膨らみました。さらには福島第一原発から30キロ圏内に住み、一時的あるいは永久に、住んでいた場所を離れなければならなかった16万人の人々に賠償金を支払わなければなりません。
東京電力はその金額について、400億ユーロ(4兆4,000億円)に達するであろうと積算しています。
しかしながら政府は東京電力を倒産させるわけにはいかず、菅首相は一時同社の国有化さえ考えました。
国はすでに膨大な額に上る費用の大部分を支払っています。
巨額の損失を日本の納税者が負担させられているにもかかわらず、これまでの利益は東京電力の財源に繰り入れられました。
▽ 再び影響力を行使する原子力ロビー
悲惨な事故であっても日本の原子力ロビーが、謙虚な態度をとる事は一切ありませんでした。
今では知られていることですが、東京電力が安全記録を改ざんしたり、担当者がさらに厳しい安全基準の制定に抵抗した際、日本の原子力発電所の監視責任を持つ2つの国の機関がこれに加担、あるいは少なくとも黙認していました。
原子力安全保安院はさらに一般市民の世論を原発支持に振り向けるため、啓発イベントの際に原子力発電所の従業員を、市民の中に紛れ込ませることすらやっていたのです。
その結果、菅政権は経済産業省のエネルギー機関、原子力安全保安院の3人の高官を更迭し、独立した原子力監視機関の設立を呼びかけました。
菅首相はまた、更なる日本国内の再生可能エネルギーの活用を呼びかけ、原子力ロビーに宣戦布告しました。
しかし、日ならずして辞任に追い込まれたのです。
彼の後継者である野田首相は原子力勢力に対し、より攻撃的ではないスタンスをとっています。
http://www.dw.de/dw/article/0,,6611373,00.html
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動画【フランス原子力発電所事故で1人が死亡】
アメリカABCニュース 9月12日(日本時間13日)
「フランスで起きた核施設で起きたミステリアスで憂慮すべき爆発事件について、福島の『今』とあわせてお伝えします。
フランスの原子力施設での爆発は、一人を死亡させ、少なくとも4人を負傷させましたが、負傷者のうち1名は深刻な火傷を負い、近くの病院に収容さ れました。放射能漏れは起きてはいないようだ、とフランス当局は本日発表しました。
爆発は、南フランスでマルクール原子力施設における核廃棄物処理センターで発生しました。
フランスの原子力委員会の職員がABCニュースに語ったところによれば、爆発は低レベル放射性廃棄物を溶融するために使用される炉内で発生しまし た。爆発は完全に炉内でとどまっています。
フランス政府の原子力安全の中心分門、ASNは爆発事故の一時間後、いかなる放射能漏れも発生は確認されていない、と発表しました。
「これは、産業事故であり、原子力事故ではありません。」原子力施設を運営するエネルギー会社EDFのスポークスマンは語りました。
マルクール原子力施設では、稼働中の原子炉は所有していません。
事故の原因は人為的なものだと考えられています。
米国物理学者カク・ミチオ博士
「どうして、こうした施設のオペレーターが操作ミスを犯さない、なんてことが言えるでしょうか?! そして、あの施設にはきわめて膨大な量の核廃棄物が貯蔵されているのです。」
日本に目を転じてみましょう。
福島第一原子力発電所事故の危険性は、いまだ高い状態のままです。そして12マイル圏内に放射線を放出し続けています(ナレーションはspewで すから、『ぶちまける、吐き出す』というニュアンスなのですが、『煽ってる』なんて言われると業腹なので放出にしておきます)。
フランスでは全発電量の75%を原子力で発電しています。日本では福島第一原子力発電所の事故の後、多くの原子力発電所が停止中です。
しかし今、アメリカと日本では、原子力発電所の再稼働を求める声が上がっています。
9.11に焦点を合わせている間に、危なく大切なニュースを見落とすところだった!というのがこの記事を読んでの感想でした。
個人的感想はともあれ、この記事は今の問題を切り分けて考えなければならない、という視点を与えてくれます。
その2つとは
1. 原子力発電所そのものの危険性
2. 東京電力という会社に、原子力発電所という危険な発電施設を所有する資格はあるのか
ということになると思います。
少し長いため、今日と明日、2回に分けて掲載しますので、じっくりお考えいただければ幸いです。
もうひとつ指摘をさせていただきたいのは、日本の大マスコミはなぜこのように問題を取り上げないのか?! ということです。
毎月購読料金を支払って、新聞を購読されておられる方が大勢いらっしゃると思います。
その新聞は遥か遠くのドイチェ・ベレ(ドイツ国際放送)が伝えるこのような事実を、あなたにきちんと伝えていますか?
お金の使い道が、無言の意思表示になる事もあるのです。
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【 東京電力のサクセス・ストーリーの、暗い側面を明らかにした福島の原子力発電所事故〈前編〉】
ドイチェ・ベレ(ドイツ国際放送)2011年9月5日
半年前に襲った地震と津波は、チェルノブイリ以来最悪の危機を引きおこしました。
と同時に日本最大の電力会社・東京電力がこれまでに、どれだけの隠ぺいを行ってきたかも明らかにしたのです。
壊滅的な津波が3月11日に日本を襲った3日後、内閣総理大臣菅直人がキレました。
彼は東京電力本社の本部に飛び込んで行き、いったい今何が起きているのかを問いだだしました。
菅首相は東京電力の清水正孝社長に対し、情報提供が十分でないことを抗議しました。首相はテレビの報道で福島第一原発で爆発事故が起きたのを知りましたが、東京電力から報告があったのは、その数時間後だったのです。菅首相は東京電力内に首相自身の危機管理センターを設置し、自分のスタッフを送り込みました。
一方、清水社長は5月に不名誉な形で社長を辞任すると、公の場に姿を表さなくなりました。
「先の見えない」避難を強いられる人々
これまで政府のトップにある者が、このような巨大企業を公然と攻撃したことはありませんでしたし、部分的にであってもその決定権を取り上げたことはありませんでした。
このことに日本の原子力陣営は憤慨したのです。
東京電力は52,000人の従業員を有し、日本最大の企業の一つであり、日本の原子力エネルギーの四分の一以上を供給してきました。
東京大都市圏への電力供給を独占し、約4,500万の顧客に電力を供給しています。
1950年代に始まった日本の経済成長は、東京電力のようなかつての国策会社がエネルギー不足の国に、安い電力を供給してきたことの結果でもあります。
なぜならこの国には良質の石炭も、天然ガスも、石油などの資源はほとんど無いため、東京電力は1970年代に大規模な原子力発電事業を立ち上げ、三か所の原子力発電所と17基の原子炉を所有するまでになりました。
現在事故を起こしている福島第一原子力発電所は、1971年に初めて、同社の送電網に電気を送り込んだ原子力発電所なのです。
▽ スキャンダル、失望、そして失敗
日本の大衆は2002年8月、東京電力の成功の物語の闇の部分に遭遇しました。
20年以上にわたり、すべての事件、事故、そして設備の故障を隠していました。
そして疑われそうなことはすべてカモフラージュしていたのです。
安全性報告書は改ざんされ、長期間懸案となっていたメンテナンスや修理作業は延期されたままでした。
スキャンダルが明らかとなった時、国民はショックを受け、東京電力の役員数名が辞任を余儀なくされました。
政府は17基の原子すべての停止を命じました。
しかし、1年後、国民の抗議の声が大きかったにもかかわらず、原子炉は再稼働されたのです。
政府は新しい経営陣を信頼しましたが、実際には失敗も隠ぺいも続けられたのです。
津波が襲ったちょうど10日前、日本の原子力保安院は東京電力の点検とメンテナンス作業に相当な手抜きがあることを発見しました。
地震と津波の後、福島第一原子力発電所で事故を起こした原子炉の冷却ポンプ、 ディーゼル発電機、温度制御弁は11年以上も適切な点検が行われていませんでした。
福島の大惨事の後、事故が終息するよう適切な制御を行い、事故を懸念する日本国民に正しい情報を伝えることが、東京電力にとってはどれほど難しいことであるか、世界中の知るところとなりました。
そして数日の間、なお悪いことには、青い色の作業服を着た東京電力の担当者は、公衆の面前に立ちながら、事故後適切な対応をとれたのかどうかさえ、説明することができなかったのです。
(続く)
http://www.dw.de/dw/article/0,,6611373,00.html
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[動画]【 親愛なるNASAのみなさん、あとかたづけをきちんとさせてね 】
[宇宙ゴミの掃除当番は国立科学アカデミーです]
アメリカNBCニュース 9月2日
「後片付けをきちんとしなさい!」世の始まりから両親が、子供たちに言い続けてきたこの言葉。
ところが今やこの言葉、NASAと他の宇宙関連部局から国立科学アカデミーに突きつけられているのです。
理由ですか?
実に22,000個もの宇宙ゴミが地球を周回する宇宙船や大切な衛星の軌道上に漂っていて、いつなんどき衛星などを傷つけるかわからない、というのです。
ネットや磁石、巨大な傘などを使って、それらのゴミを救い集めなければなりません。
NASAの職員はこう話しています。
「どの方法でやるかは、国立科学アカデミーが考えるさ。」
Visit msnbc.com for breaking news, world news, and news about the economy
障害を持つ子供たちに、改造した三輪車を贈り続ける夫妻について紹介した記事( http://kobajun.biz/?p=886 )を訳している時も、ともすれば涙がこぼれそうになりましたが、今回の記事もまた、涙がこぼれました。
妊娠中の妻を残したまま、9.11同時多発テロの犠牲者になってしまった「お父さんたち」。
彼らはもうすぐ自分の人生が終わる、という事がわかったとき、まだ見ぬ自分の子供の事を思い、その子をこれから一人で育てていかなければならない、未だ身重の妻の身を案じた事でしょう。
そしてもうどうしようもなくなってしまった状況が、無念の上にも無念であったに違いありません。
それにしても、ABC、NBCともに、子供たちを取り上げたニュースから私が感じ取るのは、「何としても子供たちを守りたい!」というあふれんばかりの『熱意』。
日本のニュースが子供たちを語る時、感じ取れるのは「そうあるべきだ」という『義務感』、そして彼らの片方の目は、力を持つ者の顔色をうかがっているのです。
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〈 9.11の子供たちが、一生会う事のできない父親について語りました 〉
『会った事は無いけど、心から愛してる』
アメリカABCニュース 9月9日
10年前、悲しい絆で結ばれた妊娠中の女性たちが、父親に一生会うことのできない赤ちゃんたちを出産しました。
父親は9月11日の同時多発テロで殺されてしまいました。
もうすぐこの赤ちゃんたちは、10歳になります。
この子供たちは父親と一緒の時間を過ごす事はできませんでしたが、身の回りの品々から父親の事を偲んでいます - ラクロスのラケット、自転車用のジャージ、あるいはロック・コンサートの通しチケットですら。
モルガン・ロドリゲスはまだ彼女の父、アンソニー・ロドリゲスの消防士のメダルを身に着けています。
ロン・ミラム・ジュニアは、父親のバスケットボールを持っていると話してくれました。
「これは私のお父さんの写真です。」
フェラン・ハローランはヴィンセント・ハローランについて、ABCニュースのダイアン・ソーヤーに語りました。
「私は心からお父さんを愛してるわ。お父さんがいなくて本当に寂しいけど。私は会ったことはないけど、でも私はお父さんを愛してるって、心から思ってるわ。」
「これはお父さんの写真」グレース・ダナヒューは管楽器を演奏している、額に入った父親の写真を見せてくれました。
「この写真を見つめていると、お父さんが演奏している姿が目に浮かんでくるの。」
▽『お父さんはそれがあなただって、ちゃんとわかっていた』
「パトリックが抱いている赤ちゃんは自分自身だ、と考える事ができるのは、グレースが考えだした魔法だと思っています。」彼女の母、メアリー・ダナヒューが言いました。
「今では彼女も現実を受け入れていると思います。だからこそ私はグレースの心の中に、より一層の深い悲しみと尽きる事の無い涙を見てしまうのです。」
メアリー・ダナヒューは妊娠中、彼女の夫が自分たちの子供が、男女どちらの性別なのかを尋ねたことはないと話します。
「私たちが妊娠第2期の超音波検査のために行った時、私はトイレに行言っている間、彼(パトリック)は赤ちゃんの性別を尋ねましたが、私にはその事を話しませんでした。彼が死んでしまった後に、医師がその事を教えてくれたのです。」
「わかる?グレース、お父さんはそれがあなただって、ちゃんとわかってたのよ。」
「私はお父さんのシャツのどれかを、パジャマ代わりにして寝るのよ。」
父親の名にちなんで名付けられたショーン・オニールが話してくれました。
「だってそうすると、何となく安心して眠れるから。」
心理療法士のベス・カーペンターは、シャツは同じ重さの金と同じくらいの価値があると述べました。
「それだけが子供たちが見て、触れる事ができるものなのです。子供たちは具体的な思い出を作り上げる事ができるものを、探しているのです。思い出を作る事ができないとき、それはただひたすらに悲しいものになってしまいます。」
子供たちは自分はお父さんの子供なんだ、そのことを証明する絆となるものを探し続けているようです。
「それはこの子供たち自身と、そしてこの父親とともに生きる世界を結ぶ、目に見える絆なのです。」とカーペンターは語ります。
「ジャックはマヨネーズが好きじゃない、ということを取り上げるのは、馬鹿げた考えかもしれませんね。」
ジャック・エッセの母親のテリリン・パトリック - エッセは言った。
「そう、父親のジムもやはりマヨネーズが嫌いだったの。」
「お母さんは私の目はお父さんの目だ、って言うわ。」グレース・ダナヒューが言いました。
「お母さんはお父さんが自由奔放な人だった、っていってるけど、私もそっくりだって言うのよ。」
「ぼくはお父さんにそっくりらしいんだ。」ジェームズ・カーソンは父親のジェームズ・カーソンのことを話しました。
「ユーモアたっぷりの人だったらしいけど、ぼくも同じだって。」ショーン・オニールが話します。
▽ 9月11日の子供たちは絆を深める事に慰めを見いだす
ロン・ミーラム・ジュニアは、時折母親に自分が父親に似ているかどうかを尋ねます。
「似てるわよ。あなたはおとうさんにそっくりよ。」ってお母さんが言うんだ。それを聞くと、何だかお父さんに近づいたような気がして、ほっとするんだ。」
ケリー・リーは、彼女の夫ダニエル・リーはドラマーだったと語り、娘のアリソン・リーがやはり楽器が好きだと語りました。
「お母さんはいつも、お父さんはとてもエネルギッシュな人だった、って話してくれるわ。」とアリソンが話します。
ロバート・アトウッドの父、ジェラール・アトウッドは消防士でした。ロバートはお父さんの風貌が、彼の心に刻みこまれていると話しました。
「これがぼくのお父さんだよ。ラダー21の帽子をかぶってる。これは全部お父さんの道具なんだ。夜寝る前、ぼくはお父さんの写真を見て、それから鏡で自分を見るんだ。お互いよく似てるんだ、特に目のあたりが。」ロバート・アトウッドは語ります。
「キャリア・デイ(学校で様々な職業について学ぶ日)の時、ぼくはお父さんの消防士のユニフォームを着てみせたんだ。そしたら先生が『とっても大切なものだから、誰もさわっちゃいけません』て、言ったんだ。
子供たちは子供たち同士の絆が寂しさをまぎらせてくれる、と話します、『あの9.11の子供たち』同士の絆が。
「私はこの子たちが私を支えてくれなかったら、とてもここまでやって来れなかったと思います。」フェラン・ハローランが語ります。
ギャビー・ディックは彼の父、アリ・ジェイコブスについて学校で尋ねられた時、友達を避けようとした、と語りました。
「だって一度答えると、毎月毎月、何度も何度も同じ事を訊かれる事になるから。それがこれまで学校で体験した事なんだ。」
「ぼくたちがこうしてまた一緒にいる事はすてきな事だよ。」ダニー・ソーラスはダイアン・ソーヤーに話しました。彼の父の名前はティモシー・ソーラス。
「僕たちにとって、大きな意味があると思う。僕たちは一人じゃない、って感じられるから。ここにいるみんながそう感じているように.....」
〈動画 : 新たに公開されたアメリカ9.11の記録ビデオ〉
今日、2011年9月11日は東日本大震災からちょうど半年、そして9.11同時多発テロから10年です。
東日本大震災では2万人近くの人々が死亡・行方不明となり、9.11同時多発テロでは約3,000人の市民が犠牲となりました。
ここ仙台市でも膨大な数の人々の命が失われ、その惨烈さを思うとき言葉は出てきません。
涙ばかりがこぼれます。
肉親を一人も失わずに済んだ私ですらそうなのですから、大切な人を失った方々の胸中はいかばかりでしょうか。
少し長くなりますが、どうしても2011年9月11日の今日は、この二つの事件に関する記事をアップしたいと思っていました。
ご了解ください。
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【 災害の証人 】
〈 東日本大震災から半年を経て(後編) 〉
アメリカCNNニュー ス9月5日 - 釜石、日本
海を見下ろす崖の上に誇らしげに建つ4階 建てのホテル蓬莱館は、皮肉にも避難を求める近隣の住民のための指定避難場所になっていました。 しかし、何人かの人は3月11日には48フィート(約15メートル)の高さの津波が襲ってきたのではないか、と考えています。
津波は、入り口とキッチンを破壊し、ホテルの2階までのフロアを水没させました。 岩崎さんは、奇跡的に生機残ることができましたが、彼女は数名の従業員や親しい友人を失いました。
しかし、彼女はすべてを建て直すことを決心しました。
彼女にとって臨死体験は、人生に向かい合う姿勢を変えた、と話します。
「私は毎日どう生きるべきか、ということを考えるようになりました。」彼女は語ります。
「その答えがわかったような気がするときもありますが、やはりわからない、と思い直すこともあります。しかし、私はその答えを探している間にも、私には人生において重要な役割がある、と考えようと努力しています。」
「私はまだ明確な答えを持ってはいません。でも、生き残った私は、私は亡くなった人々のためにも、最後まで自分の人生を生き抜かなければならない、と考えています。」
津波から半年、彼女は政府によって建てられた仮設住宅のひとつに住んでいます。
その場所は彼女のホテルから12マイル(約20km)離れて いますが、彼女は復興作業を見るために毎朝ホテルまでやって来ます。
朝8時には、労働者は大変な仕事に取りかかっており、電気ドリルやハンマーの音が朝の空気の中に響き渡ります。
岩崎さんが最初に彼女の母親が開始されたホテルを再建することを決めたときに、8月までには再建を終え、営業を再開したいと思いました。
そして最大の障害は融資先を確保することだ、ということがわかりました。
他の多くの津波の生存者と同じように、岩崎はホテルの再建のため2重のローンを背負う必要がありました。彼女は政府から少しばかりの義援金を受け取っていましたが、個人として彼女にお金を貸すよう、銀行を説得しなければなりませんでした。
伊藤さんは、ホテルの支配人として残りました。
地元の自治体も、政府も、被害者を助けるために迅速な対応を取ってはいない、と彼は話しま す。
「政府の復興に関する意思決定には、時間がかかりすぎています。」伊藤さんは言いました。
「私は彼らの対応が、あまりにも鈍重だと思います。」
融資に関する手続きは8月上旬までかかりました。
この月の半ばまでには、電気も回復し、水は再びホテルのバスルームの蛇口まで供給されてい ました。
津波に襲われなかった3階と4階にはお湯の出が悪いという問題はありますが、客を迎える準備はできています。
彼らの新たな目標は、10月までに新たな客を迎え入れることです。
釜石全体では、復興はゆっくりと進んでいます。かつて街の通りを埋めつくしていた膨大な量の瓦礫は片づけられ、多くの全半壊した建物が将来的に再構築するため、その基礎を残して解体されました。
震災で船を失わなかった漁師が海に戻っていきました。
かつて鉄鋼業界が反映して有名だった釜石市の復興が始まりました。
約900人が命を失い、200名が行方不明のままのこの街にも、ゆっくりではありますが人々の日常が戻りつつあります。
岩崎さんのように決意も新たにした人々が、この再建の中心にいます。
彼女の夢はホテルを再建するだけではなく、かつてそこにあった近隣の人々との付き合いを取り戻すことです。
彼女はいつの日か野外ステージを建設し、人々が一緒になって音楽を楽しめるようにしたいと考えています。
岩崎さんはこう語ってくれました
「自分のことだけではなく、他の人々のことや故郷について考えることが、私にとってはますます大切なことになっています。」
「私は子どもたちの未来のために、この場所にあったコミュニティを再建したいのです。そして、ここを訪れる人々のために、美しい釜石を回復したいのです。」
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【新たに公開された9.11の記録が混乱と恐怖を証明】
アメリカNBCニュース 9月8日(日本時間9日)
私たちは今、9.11同時多発テロからちょうど10年を迎えようとしています。
今夜我々は初めて、当時特に飛行管制塔とハイジャックされた航空機との間で、どのような緊張したやり取りが行われていたのかを聞く事になります。
あなたがこれから聞こうとしている録音テープは、元々9 / 11事件調査委員会のために準備されていたもので、今まで公開されたことの無い、新しく公表された当時の資料の一部です。
今夜NBCの社会部特派員ピート・ウィリアムズが、9 / 11の当時のこれらの記録についてレポートしてくれます。
レポーター:ある晴れた朝に、アメリカン航空11便はボストン空港からロス・アンジェルスに向け離陸しました。進路の確認が行われ、それが同便との最後の交信となりました。
「アメリカン航空11便、20度右に曲がってください。」
「了解、右に旋回します。」
「こちらボストン、アメリカン航空機は左に20度の進路変更を行いました。同機と交信しようとしましたが、応答がありません。」
記者:その直後、アメリカン航空から連絡が入りました。
「パイロットと乗務員が刺されてしまっている、という我々の担当者に助けを求める客室乗務員の呼び出しをモニターしました。」
そしてその直後にハイジャック犯人モハメッド・アタの声が入りました。
「ちょっとでも動いてみろ、お前もこの飛行機もこの場で吹き飛ばしてやる。静かにしていろ。」
「おお、飛行機が降下しているぞ、それに何で減速なんかしてるんだ?!」
「ケネディ空港管制塔から報告。世界貿易センターで火災が発生している。あの場所は我々が飛行機を見失った、まさにその場所だ。」
レポーター:管制官と他のパイロットはすぐに、さらに別の飛行機がハイジャックされたということに気づきました。
「たった今175便と連絡が取れなくなってしまった、どこに行くつもりなんだ?!」
「すぐに窓の外を見てくれ!その機もビルに突っ込むつもりじゃないか?!」
「急降下してるぞ!」
「ビルに突っ込んだ!」
「ビル全体がバラパラになってしまう.....」
「聖なる煙…」
レポーター:ワシントンの南郊では3機目の飛行機と交信ができなくなっていました。
「アメリカン航空77便、交信できますか?
レポーター:近くを飛んでいたパイロットが、77便が衝突するのを見ていました。
「その航空機はペンタゴンに突っ込んだ。 」
レポーター:さらにその後、4機目のハイジャックされた飛行機のパイロットは、絶望的な呼び出し交信を行い、すぐにレーダーから消えまてしまいました。
「ユナイテッド93便の位置がわかるか?」
「変な音が聞こえるぞ、位置を確認したいんだが、93便の状況がわかるか?」
「わからない。」
「最後に報告した場所あたりに黒煙が上がっている。」
「ジョンズタウンの15マイル南側だ。」
録音された音声の終了間際、軍用無線の交信には、起きた事がそのまま記録されていました。
「これは新しい形の戦争だ、まさにそれだ。」
レポーター:そしてブライアン、我々は今週末9月11日の記念日を控えています、今日からの数日間について当局はテロを懸念している、という新しい情報が入りました。
治安機関がチャタリングと呼んでいる会話などからこの24時間諜報活動を行い、彼らは特定の情報につながると判断されるものをピックアップしていますが、確認がとれたものはありません。それは内部的に見ても矛盾しているのです。
そして今夜、現在の状況がどの程度深刻かを判断するための会議が開催されます。
そして予測されるテロの脅威の程度を判断し、国土安全保障態勢を強化するかどうかに関する議論が進行中です。
彼らは警戒態勢をとらせるため、地元の警察にも情報を提供するでしょうが、それを一般に公開するかどうかを決定するまでにはまだ時間がかかるでしょう。
9.11以降、少なくともアメリカ国内においては大規模テロは発生していませんし、そして現在も平穏が保たれています。今後の報道に注目したいと思います。
ピート・ウィリアムズ、いつものことですが、ありがとう。
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