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[オピニオン]かつては不正とされたこと、それは安倍政権下の日本では普通のこと《前編》

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安倍政権下の省庁で蔓延する公的記録の隠滅と改ざん

財務省は安倍政権にとって不利になる記録を、依然として隠している可能性があるという疑惑は去らない

 

中野晃一 / ニューヨークタイムズ  2018年6月11日

現職の首相夫人の関与が疑われる国有地の売買契約の存在が明るみに出た後、今度は政府関係者による広範な隠蔽工作が行われていたことが明らかになりました。
担当大臣は不正行為を認め、閣僚としての1年分の給与、すなわち約15,600ドル(約1,700万円)を返納して謝罪し、職務を継続することによって責任を果たすと述べました。

現在の日本政府は、こうしたやり方で自分たちの職分の責任が果たせると考えているのです。

 

問題になっている政府閣僚とは麻生太郎財務大臣であり、安倍晋三首相の支持のもと辞任を拒否しています。

疑惑をもたれている国有地の売却をめぐり、安倍首相の夫人と関係を持つ学校経営者が関わる取引内容の詳細は不明です。

 

すでに隠蔽工作が実際に行われた犯罪行為よりも悪質であることは明らかですが、肝心の犯人は何の罰も受けずに逃げてしまう可能性があります。

相次いだ不祥事に慌てふためいた安倍政権の支持率は低迷していますが、政権の座にある強みを利用して残り少ない切り札を切りつつ、一般国民の政治に対する無関心に乗じて混乱を乗り越えることができると考えているのかもしれません。
彼らの思い通りになる可能性はあります。

2016年6月財務省の職員が学校運営者の森友学園に対し、国有地を市場価格から85%以上割り引いた金額で売却しました。
安倍首相は自身や夫人の関与を証明する証拠が見つかった場合、辞任すると公約しましたが、その直後から政府関係者は土地取引に関連する文書を破棄したり首相周辺の関与を疑わせるような記録が改ざんされました。

 

財務省自身の調査によると、野党議員の追求に対し財務省職員が返答した内容との不一致を解消するため、数十点の公文書の記述300箇所以上が2017年の早い時期に改ざんされました。

 

国会における議員の疑問に対し、副総理を兼任する麻生財務大臣は11回、国有財産を管理する立場にあった佐川宣寿元財務省理財局長の場合は43回以上、繰り返し虚偽の答弁を行っていたことが明らかになりました。

さらにリークされた政府文書は、会計監査院による独立した調査委員会と閣僚とが共謀の上、安倍首相に影響が及ばないよう共謀している可能性があることを示唆しています。

 

さらに財務省は安倍政権にとって不利になる記録を、依然として隠している可能性があるという疑惑が残されています。
しかし5月31日、大阪検察特捜部は国民の基本的権利を侵害した疑いで捜査の対象としていた(政府当局者37人を含む)38人について刑事告発しない決定を行いました。

そしてもうひとつ大きなスキャンダルとなっている事件では、別の教育機関が獣医学部を開設するため国から例外的な優遇措置を受けるための便宜供与が行われました。

 

2015年の公式文書は「総理大臣の意向」について言及し、地方自治体の職員と総理大臣補佐官、そして安倍総裁とその大学時代からの友人である学校法人加計学園の加計甲太郎理事長との関係に基づく圧力があったことを示唆しています。

 

加計甲太郎理事長と安倍首相はいかなる不正もなかったとすべてを否定しています。
しかし5月26日から27日にかけて毎日新聞が行った世論調査では、回答者のうちわずか14%が首相の説明を信頼していると答えました。
70%の回答者は首相の釈明を信頼できないと答えているのです。

 

日本は長い間、政治に対する信頼性に問題を抱えてきました。

 

第2次世界大戦後、日本では大選挙区制度が導入されました。


これにより小規模な政党にも選挙の機会を与えられ、多数の意見が反映されやすい比例性と代表性が確保されることになるはすでした。
ところが結果的には、時代時代の雰囲気に合わせて候補者を選定するという手法をいち早く学習した保守政党自民党の地位を固めることになったのです。
と同時に野党は細分化されることになりました。

 

安倍首相率いる自民党は約40年間日本の政界を支配してきました。
「鉄の三角形(トライアングル)」と呼ばれる政治家、官僚、企業の癒着関係が強まり、これら少数者の利益の追求が日本の政治を支配し、談合体質と腐敗がはびこることになりました。

 

冷戦後代には英国と同様の2大政党制を作り、権力の交代を促すために様々な改革が導入されました。
また政権与党の総裁に権力を集中させれば、選挙で国民の負託を受けた指導者の権限が強化されることになり、民主主義的な説明責任が果たされる可能性も高まるとも考えられたのです。

 

《後編》に続く

https://www.nytimes.com
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今日の日本の政権の問題というのは、保守とか右翼とか右派、国家主義云々ということではなく、完全に良識、モラル、資質、品性といった類の問題だというとです。

海外メディアの報道で日本を『世界第3位の経済力を持つ最先進国』と表現することがありますが、だとしたら歴代の政権の中で最も日本という国に相応しくないのが安倍政権ではないでしょうか?

 

安倍政権という言葉から私が連想する言葉に『庸劣』という言葉があります。

世界史の本を読んでいると、どんなに繁栄した国家であっても、この庸劣の君主が出てくるとその国は滅亡に向かい始めます。

それは中国でもヨーロッパでも同じこと。

それによって都度悲惨な目にあわされるのは一般市民。

 

私たちは権力を持たない一般市民です。

権力の頂点にいる人物の横暴が極まっても、太公望呂尚のような軍師を従え軍勢を率いて、悪逆の王を討ち滅ぼすことなどできないのです。

『その時』が来てしまったら、一方的に『やられてしまう』だけの弱い立場しか持ち合わせていません。

だからこそ『その時』が来ないように、今誰が自分たちの生活を支配する政治の世界にいて何をしているのか、もっともっと切実に敏感になるべきです。

 

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