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誰のために、何のために?!

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所要時間 約 4分

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今日はゴールデンウィーク後半、なかなか自分たちでは遠出ができない後期高齢者の両親を車に乗せ、妻とともに山形県の日本海方面へ足をのばしてきました。幸い今年の連休は好天に恵まれ、山形県庄内地方にある物産館などは本当にたくさんの人出でにぎわっていました。
震災前は魚好きの父親のために、休日には時々宮城県塩釜市の仲卸市場に連れて行く事がありました。豊富な種類の新鮮な魚が、どれも安く手に入る事を喜んでいましたが、塩釜港も津波で深刻な被害を受け、再開はしたものの仲卸市場も従前通りとは行っていないようです。
それに4月に桜を見に出かけた際に仙台市宮城野区蒲生、岡田地区などの惨状を見て、両親とも相当な精神的ショックを受けたため、塩釜方面は避けた方が良いと思い、思い切って庄内の物産館まで、日本海の魚を求めに行ってきました。

プラハの街 チェコスロヴァキア1978年発行

プラハの街 チェコスロヴァキア1978年発行

物産館以外にも静謐な鶴岡市内、月山付近の山岳道路あたりの残雪、東根市の農産物直売センターなどをまわり、久々に震災から少し離れた1日を過ごすことができました。

そして帰路。
山形自動車道~東北自動車道~仙台のルートがもっとも早いのですが、連休でどの高速道路も交通量が多いため、あえて高速を使わず国道48号線経由で帰宅しました。
奥羽山脈を越え仙台市に入り、青葉区愛子地区に入ったあたりから、反対車線で山形方面に向けて交通渋滞が発生していました。渋滞は長く、車の進行速度もきわめて遅く、なかなか前に進んでいません。
ほとんどはレジャーとおぼしき自家用車でしたが、中に『災害派遣』の文字を掲げた濃いオリーブ色の自衛隊車両が何台も混じっています。そのほとんどが兵員輸送の大型トラックでした。
「そうか、この人たちは今日も休まかったんだ。」
進行方向から陸上自衛隊神町駐屯地の所属と思われます。

震災発生以来毎日、神町駐屯地からは宮城県沿岸の被災地に遺体捜索、がれき撤去などのため自衛隊の方々が出動しています。津波が襲った被災地の中でも、宮城県沿岸は一面がれきと重油まじりのヘドロで覆われた地区が多く、作業も臭気も、実に大変だと聞きました。
早朝からその作業を行い、疲れ果てて駐屯地に戻るのに、今度は渋滞で思うように帰る事もままならない。
その大変さは、すでにかつての日常を取り戻しつつある自分などには想像もできないものだと思います。
1日遊んで帰ってきた事が、何だか申し訳なく思われました。
無言ながらかける言葉も思い浮かばず、心の中で深々と頭を下げました。

渋滞のため、遅々として前に進む事のできない自衛隊車両を見ながら、ふと思いました。
「この人たちに出動や連日の作業を命じた人たち、彼らは本当に現場の労苦を思いやっているのだろうか?」と。
でも、こう思い返したのです。
「命じられたからやっている、というよりは、この人たちは可能な限り被災地の人々を支えたいのだ。その思いが無ければ、こんな苦労を何日も何日も果てしなく続けられるはずが無い。」と。
そう思って、もう一度心の中で頭を下げたのです。

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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