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米海兵隊員を父に持つ玉城デニー氏、沖縄県知事選挙戦の勝利で軍事基地との対決を約束

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玉城デニー氏の勝利は、日本における人種的多様性の拡大にもにつながっていく
玉城デニー氏の沖縄知事選の勝利は、安倍首相に政治的屈辱を与えることになった

モトコ・リッチ / ニューヨークタイムズ 2018年9月30日

 

米国軍事施設が集中している南西諸島の沖縄で選挙戦が終了し、9月30日日本人の母、米海兵隊の父を持つ玉城デニー氏が日本で初の混血の県知事に就任しました。
玉城氏の勝利は沖縄にある航空機の離発着等が頻繁に行われている海兵隊基地を宜野湾市から同じ沖縄本島の人口の少ない海岸沿いの地域に移転させるという日本政府と米国の計画の妨げとなります。

 

玉城氏が目指すのは沖縄から米軍基地を解消することです。
政権与党自民党の支援を受けていた佐喜真氏は、選挙直前まで宜野湾市長を務め、基地の移転計画を支持しています。

玉城氏(58)は、8月に膵臓がんの合併症で死亡したアメリカ軍の基地の存在を批判し続けてきた全沖縄県知事の翁長雄志氏の小西武氏の後任になります。

玉木氏はNHKの選挙速報で勝利を確認すると、選挙本部内にいた支持者に翁長前知事の遺志を引き継ぎ、安倍政権が進める新基地建設計画に反対することを表明しました。

(写真)沖縄の宜野湾市の米空軍基地内の海兵隊航空局の滑走路上のオスプレー機。

 

新知事は、米軍基地を沖縄からの撤去移転を望んでいます。

「小さな蟻も象の足を動かすことができるということを知っていただく必要があります。」
と玉城氏がこう語りました。

 

9年前アメリカ人との混血の日本人として初めて衆議院議員に選出された玉城氏は、沖縄本島北部の漁村である辺野古で新しい空軍基地の滑走路建設に使用される埋立処分の承認を認めない方針を明らかにしました。

 

日米両国の政府間で締結された合意では、新基地は島の南半分にある宜野湾市の中心部にある約1100エーカー(約4.45平方キロメートル・約1,346,000坪)に及ぶアメリカ海兵隊普天間基地の代替地として提供される予定になっています。

この場所は日本の本州からは約650マイル(約1,000km)南方にあります。

 

沖縄の人びとは長い間、騒音、暴力、航空機事故の脅威にさらされ続けながら、米軍基地の存在に抗議してきました。
沖縄には33のアメリカ軍関連施設があり、日本に駐留する全米軍の約半分の25,000人の兵士が駐留しています。

しかし玉城氏が主張するように、米軍基地を島から撤去させることは容易なことではありません。
日本政府を代表する安倍首相は、最高裁判所に対し玉城氏が新たな提出するいかなる異議申し立ても却下するよう強く迫る可能性があります。

 

さらに玉城新知事は沖縄県内の貧困率が高いことや、基地の存在と引き換えに日本政府から支給されている補助金に大きく依存していることにも取り組まなければなりません。

「沖縄県はこれまで十分な教育予算と開発予算を確保できませんでした。原因は貧困です。」
沖縄国際大学政治科学部教授の佐藤学氏がこう語りました。
「アメリカ軍の存在に対するいかなる種類の反対も、結局は資金を引き上げられることへの脅威によって押さえ込まれる可能性があります。」

 

玉城知事の誕生は日本人の母親を持ちハイチ系アメリカ人の父親を持つ大阪ナオミ選手が全米オープン女子テニス選手権大会で優勝してから1ヵ月も経たないうちに実現しました。

玉城デニー氏の勝利は、日本における人種的多様性の拡大にもにつながります。

「これらのすべての出来事が日本人であるということが何をいみするか、という議論に貢献することになります。」
日本の近代史を専門とするコネチカット大学のアレクシス・ダッデン(Alexis Dudden)教授がこう語りました。
「日本人とはただ単に人種的純潔性を意味するのだというきわめて固陋な考え方を示された際、現実の日本人の定義をもっと広げることにもなるでしょう。」

 

玉城氏を支持した理由についてNPO法人の社員、リマ・リンダ・徳盛氏(31)は、玉城氏が他の多くの沖縄人同様に複数のルーツを持った人物だったからだと答えました。、

 

今回の選挙では安倍首相周辺の有力政治家が次々と沖縄を訪問して選挙運動をしていただけに、選挙結果は安倍政権に支援された佐喜真氏の当選を予想していたアナリストを驚かせることになりました。

複数のアナリストが今回の沖縄知事選の結果は安倍首相に政治的屈辱を与えることになったと語っています。

「自民党は国家の影響力と予算と選挙後に実現させる公約などを総動員し、やれる限りのことをやってきました。」
上智大学の政治学者、中野耕一教授がこう語りました。
「それにもかかわらず勝つことができなかったという事実は、自民党にとって相当なダメージになりました。」

 

沖縄県選挙管理委員会は、最終的に玉城氏が396,632票を獲得し、対立候補の佐喜真氏の316,458票を圧倒したと発表しました。

 

https://www.nytimes.com/2018/09/30/world/asia/okinawa-governor-election-us-base

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