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ただ平和を願っているだけ、そうした人々の祈りも軍備拡張に利用する現政権《後編》

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所要時間 約 6分

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中国や韓国との関係を悪化させても、日本の軍備拡充を優先させる、それが安倍政権の『決断』
『対話』を口にしながら、実際には中国韓国の態度を硬化させてばかりいる安倍首相

エコノミスト 12月27日

日中紛争 1
今年11月、中国は東シナ海において防空識別圏を設置したと発表しました。
しかしその範囲は日本が実効支配する尖閣諸島上空を含め、日本が設定していた防空識別圏と大きく重なり、東アジア全体において厳しく批判される事になりました。
この時点で安倍氏に近い国家主義者たちは、自分たちの立場が一躍有利になったものと考えました。
そして、たとえ中国や韓国との関係が現在のまま悪化し続けたとしても、もはや日本の国益が損なわれる事はほとんど無い、日本政府はそう考えるに至ったのです。

この数年間何度も、政治家による靖国神社参拝やその他日本の国家主義的な行動について、中国政府当局者と国営メディアが国民の怒りを一層かき立てるような発表を行うと、北京の日本大使館周辺では大規模な抗議行動が起きました。
今回の安倍首相の訪問の翌日、中国の当局は大量の警察官を日本大使館周辺に配置しましたが、今回は目立った抗議行動は発生しませんでした。

韓国は中国政府が明らかにした抗議に同調しました。
バククネ大統領は日本との関係を改善するようアメリカから圧力をかけられていましたが、今や安倍首相との会談を拒否し続けた態度の正しさを証明されたようです。
安倍首相は韓国政府とパククネ大統領、そして中国政府と習近平国家主席と『いつでも会談する用意がある』と繰り返し表明していますが、以前にも増してその可能性を遠ざけているように見受けられます。

日中紛争03
しかし何と言っても日本にとって最大の懸念材料は、アメリカが非難を公にした事でした。
これまで首相を含めて首相閣僚が靖国神社を参拝しても、この最大の同盟国から非難される事はありませんでした。

小泉首相は複数回靖国神社参拝を行いましたが、今ほど外交的に日本を孤立させる事はありませんでした。

しかし安倍首相の行動は、その国家主義的政権が東アジア地区において外交関係を悪化させ、緊張関係を高めてしまうのではないかというアメリカ側の懸念を現実にするものだったのです。

アメリカ外交は、日本の閣僚級政治家がどんな形であれ靖国へ参拝すれば、国際的に問題を引き起こしてしまう事を日本にわからせようとしていました。
10月に東京を訪問したジョン・ケリー国務長官とチャック・ハーゲル国防長官は、靖国に代わるべきものとして東京の千鳥ヶ淵戦没者墓苑に参拝し、戦争の犠牲者を慰霊するのであればどうすべきか、無言の提言を行いました。

しかしアメリカはこれ以上、この問題には踏み込まない可能性があります。
安倍首相の靖国参拝のタイミングは、沖縄県のアメリカ軍空軍基地を反対の多い普天間から移設するため、名護市辺野古の埋め立て許可を仲井真沖縄県知事から取り付けたのと同時であったからです。

日中紛争04
12月27日、仲井真沖縄県知事はアメリカ軍空軍基地移設開始のため、辺野古の埋め立て作業を公式に認可しました。
一部の観測筋は安倍首相は靖国参拝を可能にするため、アメリカ軍における沖縄の戦略的需要性を利用したのだと分析しています。

安倍首相の政治顧問の一人がこう語りました。
第二次世界大戦で日本が降伏した8月15日のような、国内が注目する日を避ける事はあっても、安倍首相が靖国神社を毎年参拝するようになる可能性は今や高い。
例えば一年を締めくくるタイミングで。

ここに改めて、木々に囲まれた一見静寂な聖地が、東アジアの平和を危険に陥れる存在として浮かび上がってくることになったのです。

http://www.economist.com/blogs/banyan/2013/12/japans-shrine-and-regional-tensions?zid=306&ah=1b164dbd43b0cb27ba0d4c3b12a5e227
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解らないのはなんでそんなに軍備の拡張をしたがるのか?という事です。
安倍政権の強力な後ろ盾は、日本の軍産複合体なのでしょうか?

レーガン政権の右傾化を後押ししたのはアメリカの軍産複合体でしたが、副作用として一般家庭にまで銃器類が氾濫し、2013年は悲惨な銃乱射事件が枚挙に暇が無いほど発生しました。
いわば社会が壊れてきた訳ですが、銃規制に乗り出そうとしたオバマ政権に対しての、全米ライフル協会の会長の反論にはほとほとあきれる思いでした。
「銃規制をしたら、銃を持ったバッドガイ(悪漢)の攻撃から、グッドガイは身を守れない!」

じゃあバッドガイはどうやって銃を手に入れたのだ?
公の場で背後から突然銃を乱射されても、銃さえ持っていれば身を守れるのか?
ところがアメリカでは、こんな稚拙で乱暴な議論がまかり通り、オバマ政権は銃規制法案を成立させる事が出来ませんでした。

兵器の進歩は、人間を退化させるのではないでしょうか?

1990年イラク戦争。『正義の戦い』をしたはずのアメリカ軍、その攻撃の犠牲者。

1990年イラク戦争。『正義の戦い』をしたはずのアメリカ軍、その攻撃の犠牲者。


一度使えば瞬く間に大量殺人が出来る兵器がいくらでもある現代にあって、軍備の拡張は人間性の否定に他ならない。
そうは思われませんか?

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