ホーム » エッセイ » 死者が急増 – 中国本土の新型コロナウィルス患者・加速する外国人の国外脱出
ウィルスが変異?! 人間の間での感染をスピードアップさせる形に?! 懸念する専門家
感染後、重篤な症状に陥る確率は約2割
写真 : 羽田国際空港に着陸した中国武漢から日本人の避難者を乗せたチャーター機
AP通信 2020年1月29日
1月29日水曜日、新型コロナウィルスの発生により中国国内をはじめ各国で感染者が6,000人を超え、中国本土で死者が132人に達したことを受け、各国政府は中国の都市の最も感染が拡大している地域から自国民を避難させ始めました。
過去24時間最新のデータによれば中国国内で新たに26人が死亡し、うち25人は今回のウィルスの発生源となった湖北省の省都である武漢の市民です。
中国本土で確認された感染患者は1日で1,459人増加し、5,974に達しました。
その新たな感染患者数の増加は、27日月曜日に報告された1,771人に比べ、多少ペースが鈍りました。
しかし中国本土以外でも、新型コロナウイルスの感染が数十件確認されています。
日本の共同通信は厚生労働省の担当者から得た情報として、武漢からの避難者206人を乗せた日本のチャーター便には機内で咳や発熱などの症状を訴えていた人が数人含まれていると報じました。
感染が疑われる人々は救急車で感染症専門の東京病院に運ばれることになっています。
武漢にある新日鉄の子会社の従業員である青山武夫氏は記者団に質問に対し、帰国できて安心したと語りました。
「武漢市内にとどまったまま事態が急速に悪化するのを見て、私たちはどんどん不安になっていきました。」
と青山氏はマスクをつけたまま、わずかにくぐもった声で記者団にこう語りました。
もう一人の避難者である加藤隆之氏は、飛行機が武漢を離陸する前、そして出発後も機内で繰り返し体温を測定されたと語りました。。
加藤氏も青山氏も、席の近くにははっきりと症状が出ている人や具合が悪そうな人はいなかったと語りました。
乗客全員はさらなる健康診断を受けることになっており、感染がないことが確認されるまで自宅から出ないよう求められています。
青山氏は必要な食料を提供している日本のスーパーマーケット・チェーン勤務の人も含め、武漢市内には帰国を希望する日本人がまだ400人以上残されていると語りました。
青山氏はさらに日本での防疫体制の強化も重要だと述べる一方で、次のように語りました。
「中国の人々にも支援を提供できるよう願っています。そうすることによって間接的にまだ中国国内に残っている日本人の役に立つことになると思います。」
武漢にいたアメリカ人を乗せた飛行機がアラスカのアンカレッジに向けすでに出発しました。
乗客は、そこでウイルスの再検査が行われる予定で、感染者が疑われる人々を隔離・治療または隔離する準備がすでに整っています。
その後、飛行機はカリフォルニア州南部のロサンゼルス・オンタリオ国際空港に飛行する予定になっています。
英国政府は新型コロナウイルスの発生を受け、中国本土への「不要不急の旅行」について警告しました。
そして香港政府当局は中国本土との間のすべての鉄道の運行を中止し、ウイルスの拡散を止めるために航空便の数を半分に予定だと公表しました。
韓国政府も自国民を避難させるために飛行機を向かわせると発表、フランス、モンゴルおよび他国の政府も自国民の避難計画について検討中です。
中国は武漢のほか湖北省内の16の都市へのアクセスを遮断し、湖北省を出た人々がウイルスを拡散することを防止しています。
感染予防対策として5000万人以上という規模での封鎖措置が採られたのは史上初めてです。
日本の航空機は急増する患者数により中国国内の病院全てで防護用品が不足していることを受け、2万個のフェイスマスクと防護服を運んできました。
武漢は数日中に2つの病院を建設し、ウイルスに感染した患者の治療のため2,500床を追加するとしています。
香港大学のウイルス学の権威であるマリク・ペイリス氏は感染患者の急増はウイルスの人から人への感染拡大が加速していることを示唆しているが、一方で検査体制が整ったことによる面もあると語りました
専門家は当初考えられていたよりも新型コロナウィルスの感染拡大が早まったことから、人と人の間の感染が容易になる形に変異したことを懸念しています。
新型ウィルスはコロナウイルス科に属し、風邪の諸症状に加え、過去20年間に出現し動物由来と考えられているSARSやMERSなどと同様にもっと深刻な病気を引き起こす可能性があります。
新型ウィルスは咳や発熱などの風邪やインフルエンザに似た症状を引き起こし、さらに重症の場合は呼吸困難や肺炎を引き起こします。
武漢市場で売られている野生動物の肉を購入した人々によって感染が拡大したと考えられています。
中国は26日日曜日、野生動物の取引を一時的に禁止し、人々に野生動物の肉を食べるのをやめるよう勧告しました。
27日火曜日、世界保健機関のテドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長は中国の習近平主席と会談し、発生に関する最新情報を交換し、感染拡大を抑え込むための具体的対策について繰り返し協議を行ったとWHOは記者会見で明らかにしました。
「中国の国家保健委員会は、呼吸器疾患の発生に対応し管理するための中国の強力な公衆衛生管理能力と整備された体制について説明しました。」
WHOのステートメントには中国側との協議内容について、武漢や周辺都市あるいは省内にウイルスを封じ込めるために協力できること、ワクチンや治療などの治療方法の開発に貢献できる研究に焦点を当てたものだったと記されています。
他のWHOの専門家もできるだけ早い機会に中国を訪問する予定になっているとも書かれていました。
「中国と世界が協力して、新型コロナウイルスの拡散を止めることがWHOの最優先事項です。」
とテドロス事務局長がこう語りました。
ウイルスの発生源の特定とその拡散の範囲はまだ特定できていません。
しかしWHOは、これまでに報告されたほとんどの症例は「軽度であり、重篤な症状を引き起こした患者は2割にとどまっています。」と表明しています。
中国以外で確認された症例には、上海から訪れた同僚に感染した可能性のあるドイツ人男性と武漢からの観光客を乗せたバスを運転した日本人ツアーバス運転手がいます。
海外の症例のほとんどは旧正月の休暇に旅行する中国人観光客、武漢を訪れた人々、またはすでに感染した人々と密接に接触した家族に関係しています。
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