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安倍首相・トランプ大統領のノーベル賞推薦について明言せず

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所要時間 約 7分

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サイモン・デンヤー / アキコ・カシワギ / ワシントンポスト 2019年2月18日

安倍首相は国内メディアがすでに報道しているにもかかわらず、北朝鮮との交渉でトランプ大統領をノーベル平和賞に指名したかどうかについて、18日月曜日確認することを拒否しました。

         

トランプ大統領は2月15日、北朝鮮の指導者キム・ジョンウンとの会談と緊張緩和の功績により、安倍首相が5ページにのぼる「最も美しい文章で綴られた」推薦状を個人的にノーベル賞委員会に送付したことを発表しました。

           

しかし安倍首相は18日その事実を確認しませんでした。
「50年間が過ぎるまでノーベル賞委員会は、誰が推薦し、誰が推薦されたかを明らかにしていません。この原則を尊重し、この件に関するコメントは差し控えます。」
安倍首相は野党議員からの質問に対しこう返答しました。

          

報道内容について繰り返し確認を求められると、安倍首相は次のように返答しました。
「推薦していないとは言っていません。」

         

しかし16日の日本国内のメディア報道はトランプが真実を語っていたことを示唆するものでした。
日本政府内部の情報源を引用した日本経済新聞は、安倍首相が実際に推薦を送付したと伝えました。
「安倍首相は過去に開催された首脳会談で、トランプ大統領にノーベル平和賞の推薦状の5ページ分のコピーを見せていた。」

          

朝日新聞は安倍首相の推薦は昨年のシンガポール米朝首脳会談の後「非公式の」米国からの要望があり、それに応えて行われたという匿名の日本政府関係者の証言を伝えました。
その証言によれば安倍首相による推薦は昨年秋に行われました。

          

安倍首相がトランプをノーベル賞に推薦したかどうかについて明言しないことは理解出来ます。
なぜなら安倍首相はトランプのうぬぼれにこびへつらう一方で、自分自身の有権者には過度ともいうべき丁寧な態度で接するという紙一重の演技を続けているからです。

         

日本の世論は1970年代から1980年代に北朝鮮に拉致されたとされる国民のうち、少なくとも10人の帰国に固執しています。
もしこの問題について進展がなければ、安倍首相はトランプをノーベル賞候補に推薦したことは時期尚早に過ぎたとして国内の批判に直面する可能性があります。

           

しかし安倍首相は18日にも国会でトランプを賞賛する機会をつかまえることを忘れませんでした。
「トランプ大統領は、北朝鮮の核兵器開発問題とミサイル問題の解決に向けて信念を持って行動してきた。」
安倍首相はこう語りました。

         

ソウルではムン・ジェイン大統領のスポークスマンは韓国の大統領はトランプを述べる平和賞候補に推薦したのかどうかを尋ねられると、現在まで知る限りにおいてムン・ジェイン大統領はそうしたことはしていないと答えました。

           

しかしムン・ジェイン大統領は、トランプが北朝鮮との首脳会談を通じて朝鮮半島の平和のためにどれだけ多くの貢献をしてきたか、そして彼のリーダーシップと決断力が朝鮮半島に新たな平和を実現しようという雰囲気を支配的にする決定的な役割を果たしたことを強調していると広報担当者が語りました。

          

「こうした事情からムン・ジェイン大統領は、トランプ大統領がノーベル平和賞をに受ける十分な資格があると考えています。」

            

https://www.washingtonpost.com/world/japans-abe-wont-confirm-trump-nobel-prize-nomination-but-media-reports-say-he-did/2019/02/18/26f62310-3337-11e9-946a-115a5932c45b_story.html?utm_term=.e21818b02f6e

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安倍首相が推薦してトランプがノーベル賞を受賞したら、世界の劣化はそこまで進んだのかと愕然とするかもしれません。

私たち鉄腕アトム世代は21世紀は夢の世紀だと思っていました。

ところが21世紀に来てみたら、確かに科学技術は進歩したものの、国民生活に直結する日本やアメリカの政治はペテンやごまかし、阿諛追従や政治の私物化が常態化している世界。

真っ先に思い浮かぶ言葉は「劣化』、人間の劣化、日本人の劣化、アメリカ人の劣化…

                           

そしてここのところ気になるのが『マスコミ演出世論』によるトランプ・安倍コネクションの持ち上げです。

2月20日付のアルジャジーラ電子版の紙面のトップは「トランプ、サウジアラビアへの核輸出を急ぐ」という見出しの記事でした。

議会での審議を通さずサウジアラビアに核技術を輸出しようとするトランプに対し、中東での核兵器開発競争が加速する恐れがあると伝えています。( https://www.aljazeera.com/news/2019/02/report-trump-rushing-sell-saudi-arabia-nuclear-technology-190219181918317.html )

記事中トランプの交渉相手として掲載されている写真には、ジャーナリストのカショギ氏を謀殺したあの王族です。

こういう人間がーベル平和賞に推薦されることこそ異常であり、その異常をなんとも思わないのが日本の首相です。

         

あんまりといえばあんまり、しかし嘆いてばかりもいられません。

もっともっと議論を積み重ねていくこと、議論をしようとしない人間を政治の世界から追い出すことが必要です。

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