韓国の首都ソウルで『反アベ』の抗議集会
ただでさえ悪化傾向にあった日韓関係はこの数週間で一層険悪なものになった
アルジャジーラ 2019年8月15日
日本の第二次世界大戦降伏74周年に対する国としての対応は、中国、韓国から反発を招くことになるでしょう。
日本の安倍首相は、論争の的になっている戦没者が祀られている靖国神社への参拝を思いとどまったものの、日本の第二次世界大戦降伏74周年にあたって宗教的供物を贈り、アジアの近隣諸国からの批判を招くことになるとみられています。
共同通信は与党自民党の国会議員、元国防大臣であり現在は安倍首相の特別補佐官である稲田知美氏が首相の代理として神社に供え物をしたと報じました。
神社の広報担当者はこの件について直ちに確認することができませんでした。
これまでの日本の首相級の政治家の参拝は、靖国神社が軍事裁判で戦争犯罪者として有罪判決を受けた14人の太平洋戦争中の戦時指導者を合祀しているため、韓国と中国を激怒させてきました。
今年のソウルからの抗議は二国間関係が一連の紛争の後最悪のレベルにあるため、一段と強いものになる可能性があります。
安倍首相の靖国神社参拝は2012年の就任以降一度だけですが、8月15日と春と秋の例大祭には定期的に供物を贈り続けてきました。
第二次世界大戦の戦前戦中に日本が中国の一部を占領していたことに関し、中国政府は日本側がきちんと償いをしていないと見なしています。
一方韓国には1910年〜45年の朝鮮半島の植民地支配時代の苦痛に満ちた記憶が残っています。
このことが原因で日本の対中対韓関係はギクシャクしたままになっています。
さらに昨年、韓国の最高裁判所が第二次世界大戦中に強制労働者として徴用された韓国人に補償を命じる判決を行って以降、ただでさえ悪化傾向にあった日韓関係はこの数週間で一層険悪なものになりました。
日本政府はこの徴用工問題は1965年の日韓関係の国交正常化によって解決済みであると主張しています。
今月、日韓両国は互いに相手に対する最恵国待遇を強制的に終了させました。
さらに日本政府は8月14日の「慰安婦を讃える日」及び8月15日の「光復節」の直前、韓国への日本人旅行者に対し、周囲の状況への注意喚起を行いました。
「光復節」は日本からの独立を祝って、毎年8月15日に韓国全土で記念行事が開催されています。
同日夜には首都ソウルでろうそくを掲げた徹夜の抗議集会が開催され、日本の安倍首相が最近行った韓国への貿易上の決定を非難しました。
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冒頭の写真は私の目には自己主張をすべき内容と方法を見つけられない人々としか映りません。
そして安倍政権の対韓経済制裁については、どんな生産性もないことをなぜ国家ぐるみでやるのか?という感想が先に立ちます。
憲法改定の機運を煽るためだという観測がありますが、発想の愚劣さということも加わり、太平洋戦争直前の張作霖爆殺事件を思い出します。
さらに韓国国民だけでなく、日本の一般市民の生活や一部の企業の業績にも悪影響を与えるという点で、これ以上愚かな外交政策・経済政策はなかなか見つかるものではありません。
国民に苦痛を強いて自分たちの目的の達成、利害のみ優先しようという、そういう姿勢の人間たちを首相や副首相に据えて危機感を感じないというのはどういうことなのでしょうか?
戦前の日本は軍事をいわば玩具化したために滅びました。
現在の日本は政治を玩具化しているのではないでしょうか?
政治を玩具化してしまった国民の末路がどういうものか考えたくもありません。
政治には地味な誠実さこそ一番大切なのだと思います。