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【 足元を直撃された安倍政権 】

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日本の政界における大きな地殻変動の鳴動が始まる

驚くべき政治変動が起きる可能性がある、その点だけは日本は英国、フランス、米国と異らない

 

ドイチェ・ヴェレ 2017年7月2日

 

政権与党とたもとを分かち、独自路線を進むことにした東京都知事は、彼女自身の政治改革グループを組織し、これまでこの国を牛耳ってきた既成エリートたちに対する挑戦を開始しました。

今回の東京都議選の結果は、今後の日本の政局に対する国民の気持ちを代弁するものかもしれません。

東京都の有権者は7月2日、東京都議会議員選挙のための投票を行いましたが、その結果は安倍晋三氏が率いる政権に難題をもたらす可能性が出てきました。

 

各種世論調査は、安部首相の周辺でスキャンダルと失言が相次いだことを受け、選挙では小池百合子東京都知事が率いる都民ファーストの会が圧勝し、政権与党である自民党候補者は圧倒的に不利であると予測していました。

安倍首相は発足以来高い支持率に支えられ安定した政権運営を続けてきましたが、ここに来て情実が絡んだ便宜供与のスキャンダルが次々と明らかになったことにより支持率が低下、その対応に苦慮しています。

 

東京都議選の結果はしばしば現在の国政に対する国民の感情を代弁してきましたが、今回の選挙結果を見て、小池氏が首相就任を視野に国政に復帰するという見方もあります。
小池氏はこれまで既得権勢力に支配されてきた東京都議会にあって、2020年開催の東京オリンピックの開催費用の思い切った削減策など、小池氏自身の政策を明確にすることによって、既成勢力に果敢立ち向かう政治という役割を演じてきました。

おかげで小池東京都知事は60%という高い支持率を誇示してきました。

 

小池氏の前身は自民党所属の国会議員で員で、防衛大臣を含む重要な閣僚ポスト、党内ポストを歴任してきました。

小池氏は昨年事前の根回しも何もなく東京都知事選挙に立候補し、重職にある自民党議員を怒らせましたが、自ら申し出た離党届が正式に受理されたのは6月も末になってからのことでした。

今回の大勝を受け、再び国政の場に戻って首相の座を窺うのではないかとの観測も飛び交っていますが、実現するとすれば2020年の東京オリンピックの開催後になるだろうとの見方が有力です。

 

今回の選挙では最大野党の民進党の目論見も外れましたが、それ以上に国政の場における自民党と連立与党の公明党の間に溝を作った可能性があります。

 

今回の都議選における惨憺たる結果により、安倍氏が2018年9月の党首選以降も首相を務め、長い間の宿願であった平和憲法、日本国憲法を書き換えるという道筋を狂わせる可能性が出てきました。

それと同時に、自民党内の別の首相候補者にも改めて立候補の決意を固めさせた可能性があります。

「小池氏の勢力の大勝により、日本の政界における大きな地殻変動の鳴動が始まる可能性があります。」

コロンビア大学のジェリー・カーティス名誉教授は、ロイター通信の取材に対し、こう語りました。

「驚くべき政治変動が起きる可能性を秘めているという点で、日本は英国、フランス、あるいは米国とそれ程異なってはいないという現実に、私たちが遭遇する可能性は充分にあります。」

 

http://www.dw.com/en/tokyo-votes-in-election-that-could-spell-trouble-for-abe/a-39509417

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今、世界の中で信念を持つ数少ない良識派の政治家として多くの人々に期待を寄せられているドイツのメルケル首相の言動を見ていると、高い論理性があることに気づかされます。私は高い論理性はそのまま倫理性の高さに通じると考えています。

物理学のPh.Dである面目躍如といったところでしょう。

これに対するに日本の首相の論理性の低さについては、論を待つほどのこともありません。

政権全体にも倫理性など求めようも無いありさま。

 

その意味では、今回大勝した東京都知事にもメルケル首相のような高い論理性は感じません。

都知事以前の言動を見れば、仮にここに報道されているように日本の現在の首相に取って代わっても、平和憲法を護り、真剣に国民の福祉を考えてくれるかどうか心もとありません。

要は今より日本の政治が良くなるという保証はないのです。

英国も保守党も労働党も議員には高い倫理性が求められ、たとえば現在の日本の防衛大臣のクオリティでは地方の党支部の段階でアウトでしょう。

これに対しテレビに出ていた『有名人』なら国会議員になれる、その日本の政治風土は問題です。

 

メルケル首相はキリスト教民主同盟、すなわち保守系の政治家であり、私自身はドイツであれば社会民主党の方針の方に共感してきました。

しかしメルケル首相の論理性と倫理性の高さに基づく数々の政策には、心から賛同できるものが少なくありません。

日本の政治の舞台で地殻変動が起きつつあるのであれば、私たち自身が今度こそ政治家に対し論理性と倫理性の高さを強く求めていくべきではないでしょうか。

 

 

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