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【 原発事故による放射能汚染が、どれほどの災厄を人類にもたらすかこの目で見ました 】

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所要時間 約 5分

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【 放射能がどの程度の期間影響を与え続けるかは、誰にもわかりません。】
- アメリカNBC放送・科学担当特派員が見たフクシマ -

3月の大地震と津波、そして引き続き起きた福島第一原発の事故は日本を打ちのめしました。
私は福島に関して毎日東京からレポートしていました。
そして事故から3ヶ月が経とうとしている今、私は福島第一原発そのものまでは行けませんでしたが、福島県内の破壊された原子炉から12マイル(約20km)までの地点までは確かに行く事ができました。

その場所に立ったとき、私が始めに感じたのは景色の美しさでした。
起伏に沿って整然と並ぶ水田、そして小川や滝が流れる丘のそばに立つ日本の伝統家屋。
それらは自然景観としてはアメリカのカリフォルニア州の Big Sur に勝るとも劣らぬ美しさです。

[カリフォルニア州 Big Sur ]

[カリフォルニア州 Big Sur ]


しかし、私にさらに強烈な印象を与えたのは、放射能漏れによって引き起こされた人々の悲劇でした。
私の3月の報道のほとんどは、150マイル(約240km)の外に逃げようとする外国人労働者や一部の日本人のパニックを沈静化させようとするものでした。
私は今その事を悔いてはいませんが、しかし原発施設に近づけば近づく程、放射能漏れが人類に対しどれほどの災厄をもたらすものかを見て取る事ができます。
ある原子力技術者が私に言った通りなのです。
「原子炉がだめになった時、ほんとうの失敗が始まったのだ。」(つまり原子炉の破壊という機械的問題よりも、恐怖、汚染、避難、大量の失業者の発生などの社会的問題の方が遥かに大きくなったという事)

3ヶ月経った今でも、着の身着のままで逃げ出し未だ避難所生活を強いられる人々のための、政府や県の住居を確保する取り組みはまったく実を結んでいません。家族は引き裂かれ、たとえ1人が仕事や住む場所を見つけたとしても、全員が一緒になることはできません。

そして放射能に関してはどうなのでしょう。
40万人を超える人口を有する郡山市や福島市は福島第一原発から35マイル(56km)程離れていますが、空気中の放射能の値は通常の2倍から50倍に達しています。ほとんどの放射能は事故直後の数日間で地面に撒き散らされました - 学校の校庭、住民の家屋、そして広大な面積の農地を汚染したのです。
政府は福島県内に設けた7カ所の「大気中」観測点を設けました。しかし放射能は微粒子として降り注ぐため、ある場所でほとんど検出されなかったとしても、数フィート離れた場所では非常に高いレベルに達することもあります。
放射能の影響がどの程度の期間影響を与え続けるかは、誰にもわかりません。
放射線量の増加による健康被害、低レベルの放射線量がどのような健康被害をもたらすかは、最も大きな医学上の論争を引き起こしています。
住民は彼ら自身への影響、とりわけ子供たちに対する影響を心配しています。
農民は春に植え付けをした作物を秋になって収穫したとき、果たして商品価値があるかどうか、心配しています。
そして誰もが福島第一原発の事故が、終息しそうも無い事を知っています。
畜産農家を営むハナイ・ヒデオさんが言う通りなのです。
「見る事のできない化け物に、追い払われているようなものです。」

動画はこの記事の中に埋め込まれていた6月8日(日本時間9日)のニュースで、ロバート・バゼル記者自身がレポートしています。

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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