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事故調査・未解決の疑問を放置したままのIAEAの見解〈2〉

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世界は今、福島第一原発の事故対応をどう見ているか 『日本の原子力産業の監視態勢は企業と政府との「馴れ合い」 』

環境問題特派員 リチャード・バック / イギリスBBC放送 6月23日

6月28日に〈1〉を掲載し、〈2〉〈3〉と続けてお送りするつもりでしたが、29日にロス・アラモス国立研究所に迫る大火災、30日には水没するフォート・カルフーン原子力発電所の話題をお送りしたため、今日〈2〉をお送りすることになりました。
日本のNHKなどは東京電力に対する原子力保安院の監視が「充分に機能しない」などと、一応は機能していたかのごとく報道しました。
しかし、BBCは「COZY」、つまり東京電力と原子力保安院の関係は「なれ合い」だったと伝えています。
このように、ちょっとしたニュアンスを「変える」事で、伝わり方は大分違って来ます。その結果としての認識の方は、大きく違ってしまうことになります。

- 以下、記事の翻訳 -
(6月のIAEA閣僚会議が公にしたレポートについて)
しかしながら、ひとつの条項が数名の各国関係者をうろたえさせました。それは「原子力産業における企業と担当者の安全規則実行責任...云々」に言及している点です。
日本の原子力産業の監視態勢は企業と政府との「馴れ合い」関係に陥っています。
これを見ても、監視機関が能率的に手早く、利害関係から完全に解き放たれてこの規則を厳格に実施できるようにすることは、大変難しい事のように見受けられます。

福島第一原発の事故に関して、主席調査官であるイギリスのマイク・ウェイトマンに率いられた国際的な実状調査団による調査報告書が、IAEAの会合で配布されました。
報告書の中では(2、3週間前に発行された日本の政府報告書にもあったように)3月11日の東北太平洋沖地震が発生した当時、予測されていたよりもはるかに早く、そして深刻なメルトダウンが進行していた事実が明らかにされています。
例えば原子炉一号機に関する分析結果は、冷却水の高さが事故三時間後には燃料棒を露出させるレベルにまで、急激に下がった事を示しています。
「停止後2時間後には炉心は完全に露出していました。露出4時間後には炉心の損傷が始まり、中央部の燃料は5時間30分後にメルトダウンを始めたと計算されています。」
「停止後14時間30分で炉心は完全に損傷、15時間後には容器の底に燃料が溶け落ちて溜まっていたことになります。」
他の3基の原子炉もほぼ同じような状態に陥りました。
知られているように、電源の供給、冷却装置、そして各種装置がすべて稼働しなくなり、そこに人為的ミスも加わり、これらが連続していった結果、福島第一原発の重大事故は起きました。
しかし最も重要な原因を「ひとつ」あげるとすれば、それは実際には14メートルもの高さの津波が襲ったにもかかわらず、この原子力発電所はその3分の1の規模の津波しか想定せず、そのための備えしかしていなかった事です。

本日の動画【王宮の花火の音楽】
夏になると演奏される機会が多くなる、ヘンデルの「水上の音楽」と「王宮の花火の音楽」。
いずれも当時莫大な借金を抱えていたヘンデルが、イギリス国王の発注により、いわばイベント用に作曲しました。
こちらの動画、「王宮の花火の音楽」から序曲。エリザベス女王の誕生50年を祝って、バッキンガムで開催されたコンサートから。

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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