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スキャンダルをもみ消し、自分の政治宣伝目的のため、オリンピックを利用できるだけ利用する安倍首相

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所要時間 約 13分

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いったい何のための巨額の公的資金投入か?
自分たちの支持者や取り巻きの人々の歓心を得るため、毎年国が資金を提供する桜を見る会を利用した安倍政権

多額の国費をつぎ込むイベントを個人の宣伝材料として利用することに、何のためらいも見せない安倍首相

                 

写真 : 1月20日衆議院の議場に到着した安倍首相

               

サイモン・デニアー/ ワシントンポスト2020年1月23日

                  

安倍晋三首相はスキャンダルに苦しむ政権に光を取り戻すため、東京オリンピックが魔力を発揮してくれることを願っています。

                      

しかし安倍政治に批判的な人々は、そう簡単にスキャンダルの追求をやめるつもりはありません。

                   

安倍首相は1月20日に衆議院本会議を開催し、安倍政権が関わっているスキャンダル - 桜を見る会をめぐる不正支出とカジノ誘致に関する贈収賄事件 - に関わる論争については一切言及せず、恒例となる所信表明演説をのみ行いました。
安倍首相は議会演説の中で、スキャンダルに関連する一切の言及を避けたのです。

                       

                  

代わりに安倍首相は7月に開催される東京オリンピックと、大会によって作られるはずのレガシーについて情熱的に語っていました。

                       

オリンピック開催に費やされる巨額の公的資金と広範囲の人々の取り組みとを考えると、政治家がオリンピックについて回るプラス・イメージを自分のために利用しようとするのは自然なことかもしれません。

                  

しかし、オリンピックへの国民的期待を利用して自分の政治目的を前に進めようとする姿勢があまりにあからさまな安倍首相には批判が集まっています。

                 

安倍首相は所信表明演説の中でオリンピック・パラリンピックについて10回以上言及し、第二次世界大戦後の日本の復興を内外にアピールすることに成功した1964年の東京オリンピック同様の興奮を呼び覚まそうとしました。

                      

「五輪史上初の衛星生中継。世界が見守る中、聖火を手に、国立競技場に入ってきたのは、最終ランナーでした。」
「広島に原爆が投下された8月6日広島生まれ、19歳となった若者の堂々たる走りは、我が国が、戦後の焼け野原から復興を成し遂げ、自信と誇りを持って、高度成長の新しい時代へと踏み出していく。そのことを、世界に力強く発信するものでありました。」
安倍首相は1964年当時のオリンピックを思い出させるべくこう語りました。

                   

写真 : 国会内の安倍内閣閣僚

               

安倍首相は長期にわたる停滞の後、自らの7年間の政権運営の下で日本はすでに停滞から抜け出していると述べました。
そして今年の夏のオリンピックは「日本のすべての人々国民一丸となって、新しい時代へと踏み出す」ことにより、日本の体質は一層強化されることになると語りました。

                 

安倍首相は演説を締めくくるにあたり、新しい天皇の下での新元号の時代、オリンピック前の躍動感に満ちた時代だとした上で、戦後の憲法を改定
するという彼の長年の目標を含め、根本的な改革に取り組む絶好の機会だと結論づけました。

                  

しかし毎日新聞は安倍首相がオリンピックを利用し、次々と明らかにされた最近の一連スキャンダルから国民の注意をそらし、その目を欺こうとしていると非難しました。
安倍政権は自分たちの支持者や取り巻きの人々の歓心を得るため毎年国が資金を提供する桜を見る会を利用した挙句、証拠となる書類をシュレッダーにかけて寸断したことに非難が集まっています。

                      

                        

さらに日本国内にカジノリゾートを設立しようとしている中国企業から賄賂を受け取った疑いで2019年12月に与党の国会議員が逮捕され、さらに有権者に法律で禁じられている贈り物をしたとして告発され、安倍内閣の2人の閣僚が同年10月に辞任しました。
毎日新聞は次のように伝えています。
安倍首相は政治に対する人々の信頼を傷つけたスキャンダルの真相を明らかにすべき立場にいながら、そんなことには全く気乗りがしないという態度をとり、「自分にとって不都合な現実から目をそらそう」としています。

                   

「安倍首相が来るべき東京オリンピックとパラリンピックを利用して楽観的な気分を広め、政権が直面しているスキャンダルや数々の問題から国民の注意をそらそうとするなら、首相は政治的目的でオリンピックを利用していると批判されても仕方がない。」
毎日新聞は社説の中でこう述べています。

                     

ブラジルの政府当局者は経済停滞やジカ・ウイルスの発生などの暗いニュースから一時的に国民の目をそらすため、は2016年のリオデジャネイロ・オリンピックを利用しました。
2008年の北京オリンピックは、中国の政治指導部が自国の世界的な影響力が強大になったことを誇示する機会として利用しました。

                 

野党である生活の党の小沢一郎代表は、オリンピックさえ成功させれば「何もかも許される」という安倍首相の考え方を非難しました。
「オリンピックをまるで個人の所有物であるかのように利用することは許されません。」
小沢氏はこうツイートしました。

                  

                  

安倍首相は福島県で2011年に発生した地震、津波、原子力発電所事故に対する線引きするため、東京2020を「復興オリンピック」と名づけました。

               

演説の中で安倍首相は聖火リレーが福島第一原発事故の後、2011年から2017年まで事故収束・廃炉作業の臨時の拠点として使われてきた南隣りにある福島のJヴィレッジ・サッカー・トレーニングセンターをスタート地点に選んだことに言及しました。
「かつて原発事故対応の拠点となったその場所は、今、我が国最大のサッカーの聖地に生まれ変わり、子どもたちの笑顔であふれています。」
安倍首相は議会でこう語りました。

                  

隣接する宮城県に本拠を置く新聞、河北新報は、首相のコメントは「空虚」だと評しました。

                 

安倍首相は福島第一原子力発電所の廃炉に30年から40年かかる可能性があること、放射性トリチウムで汚染された放射能汚染水がサイトに蓄積し続けていること、地域からの農産物の安全性に疑問を投げかける風評が払拭されていないことを指摘しました。
「国のリーダーとして安倍首相は、事故発生から9年近くが過ぎた今なお、私たちが復興のために直面し続けている課題について話すべきだったのではありませんか?」
河北新報は社説の中でこう述べました。
「安倍首相は『復興オリンピック』というスローガンを強調するため、成果ばかりを列挙したという印象を拭えません。」

               

                 

福島第一原発周辺では放射能汚染のために、数万人の元住民が未だに自宅に戻ることができず、半分捨てられたような町に戻ってきた人々もいますが、若者の姿を見かけることはほとんどありません。
こうした地域が復興を果たしたという表現について、多くの人が苦い思いをしています。

                      

しかし日本の他の多くの場所ではオリンピックへの注目が集まり、期待も高まっています。
日本国内の居住者にオリンピックとパラリンピックのチケットを割り当てるための一連の抽選には、申し込みが大量に入っています。

                  

東京の上智大学で政治学を専攻する中野浩一教授は、安倍首相の目くらまし戦術は「日本のマスメディアも大企業も今年の前半に稼げるだけ稼ぐことに非常に熱心であるため、ある程度うまくいくかもしれない。」と語りました。
しかし安倍首相がオリンピックへの国民の歓迎ムードを、そのまま自分の好感度と人気を高めるための材料に転換してしまうことは難しいかもしれない、とも語っています。

                  

                   

安倍首相が自分の政治的目的のためにオリンピックを利用しているという批判は、国際オリンピック委員会が競技者に対し競技会場あるいは表彰式を利用して、ひざまずく、手でジェスチャーを行う、腕章をつけるなどの政治的主義主張を行うことを禁止する厳格なガイドラインを公表した直後にも明らかになりました。

                   

しかし一方でIOCのガイドラインは、アスリートはインタビューや記者会見、ソーシャルメディアで自由に政治的見解を表明できるとしています。
事実IOC自体が自身のあり方について独自の政治的メッセージを表明しないわけではありません。

             

今月、IOCはトーマス・バッハ会長の写真つきでユース・オリンピックでイランと米国のライバル同士が競い合う様子を伝えました。
これは、オリンピックが紛争の当事国間にも平和をもたらすことができるという信念を強調するためです。
IOCは朝鮮半島に平和をもたらすことができる「歴史的」イベントとして、北朝鮮が2032年大会を韓国と共催するという提案を歓迎しています。

                      

サイモン・デニアーはワシントンポスト東京支局長で、日本と韓国を担当しています。それ以前は北京とニューデリーでワシントンポストの局長を務めていました。

                    

https://www.washingtonpost.com/world/asia_pacific/japans-abe-hopes-a-dash-of-olympics-magic-will-distract-from-scandals/2020/01/22/c71c060a-3c61-11ea-afe2-090eb37b60b1_story.html

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久しぶりに翻訳作業をしていて気分が悪くなりました。

これだけ日本の政治の質を貶め、ただでさえ窮迫している日本の国庫から自分の取り巻きに金をばら撒き、アメリカの事もあろうにトランプに盲従して日本の品位を地に堕としていながら、どんな反省もしない。

なぜ私たちはこのような人間を首相に据えているのでしょうか?

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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