星の金貨 new

星の金貨 東日本大震災や音楽、語学、ゴルフについて語るブログです。

ホーム » エッセイ » ウイルス感染の拡大を放置・助長、安部政権の失政が国民を追いつめている《後編》

ウイルス感染の拡大を放置・助長、安部政権の失政が国民を追いつめている《後編》

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

所要時間 約 10分

広告
広告

                 

不毛の選択の中ではまだましな選択肢、そう思われていた安部氏の首相再任
与党自民党内においてすら強力な言論統制と恐怖支配を行い、異論を許さない安倍首相とその側近たち

日本政府が集会などの自粛を呼びかけている最中に、パーティ会場に姿を現した安部首相

                 

              

ベン・ドゥーレイ / ニューヨークタイムズ 2020年3月5日

                 

安部政権のスキャンダルが何度も繰り返される間、一般の国民はずっと本当の問題に気づきませんでした。
日本人の有権者の政治不信による恩恵を長年享受してきた安部首相ですが、彼は2006年の記憶に残らないほど短命に終わった第一次安倍内閣の後、2012年に再び首相就任を果たしました。

              

安部氏の首相官邸への返り咲きは、政治的な理想実現の国民の期待を裏切り続けた頻繁な首相交代劇の不安定な期間の後に実現しました。
彼は7年の間に就任した7番目の首相であり、就任したのは福島第一原発の事故に対する日本政府の対応がまるでなっていないと見なされた1年後であり、安部氏は不毛の選択の中ではまだましな選択肢だと信じられていました。

              

しかし安部首相は期待を上回り、日本経済を適度なそして比較的安定した成長に導き、オリンピックの開催権利を東京にもたらし、手練手管を用いて習近平氏とトランプ大統領の両方の歓心を買いました。

                 

               

しかし安部首相の新型コロナウイルスへの対応は、彼が7年以上にわたって築いた前向きな評価を急速にしぼませることになりました。

                   

これまでの数々のスキャンダルとは異なり、新型コロナウイルス対策は「すべての国民の健康に直接関わる問題です。」
かつて民主党衆議院議員を務めたことがある早稲田大学の中林美恵子教授がこう語りました。
「これは国民一人一人に直結する問題です。」

                 

「このような誤った対応は、熟練の政治家であるとか強いリーダーシップを発揮するとかいう問題以前に、人々が安部首相の政治課題の優先順位に疑問を持つきっかけになります。」
中林教授がこうつけ加えました。

                     

中国からの観光客が殺到するのを期待していた日本でしたが、中国で新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、日本政府がなかなか本格的対策を行おうとしなかった1月、問題が大きくなり始めました。

              

安部政権がダイヤモンド・プリンセス船内の感染防止に失敗し、横浜沖に停泊中の船内で2週間の隔離期間を待っていた3,700人以上の乗客乗員の間で感染が拡大した2月上旬に状況は急速に悪化しました。

                  

一方陸地でも日本政府はコロナウイルス検査の需要の高まりについていくことができない状況に陥りました。
日本以外の近隣諸国ではすぐにウイルス検査能力を高めましたが、日本はウイルス検査体制の整備に苦労しています。

                  

しかし、問題が山積みになっていくにもかかわらず、安部首相はまるで無関心な態度を見せていました。
彼は政府の対策会議にわずか数分出席しただけで、夜は友人や閣僚の接待や飲食に費やしました。
その挙句日本政府が人々に集会などの自粛を呼びかけている最中に、パーティ会場に姿を現しました。

                     

そして明らかに慢心している安部首相は2月末ぎりぎりの段階で、全国の学校の閉鎖を求めるという決定を行いましたが、それは国民にとって衝撃以外の何物でもありませんでした。
日本の政治家も子供を持つ親達も安部首相の決定の科学的根拠に疑問を呈し、いったいどうすれば子供達の世話と仕事を両立させることができるのか、納得できる説明を求めました。
安倍首相はさらにウイルスの感染拡大に対処することを理由に、緊急事態権限を自分が握るための法整備を要求し、一部の人々に警戒心を抱かせています。

                

しかしニューヨーク大学政治学部のエイミー・カタリナック准教授は、与党内ではたとえ安倍首相が窮地に陥ったとしても、彼に対する反対意見明らかにしても自分の身は安全だと感じる人間はほとんどいないと指摘しました。
「安倍首相は与党内において首相批判を行うことをありえないほどに困難にしました。」

                  

                  

「いったいどこまで支持率が下がれば自民党が安倍氏を見限ることになるのか、私には見当もつきません。」

                   

安倍首相が自分の政治的将来をどう考えているのか、それが重要な問題です。

                      

彼は2021年9月まで続く与党自民党の総裁としての現在の任期が終了した後の計画について沈黙しています。
これまでも安倍氏が周囲を説き伏せて先例のない、そして衝撃的とも言える首相としてさらに3年間4期目を目指しているという観測がありました。

                  

あるいは安倍首相が後継者を指名することにより、かなりの程度舞台裏から影響力を発揮し続けることができるようになります。

             

しかし今となってはほとんどの専門家は、両方の可能性とも著しく低いものになったという点で意見が一致しています。
東京2020オリンピックが中止延期されたり、日本経済の不振が明らかになった場合、安倍首相は辞任を余儀なくされる可能性さえ出てきました。

                  

問題は次に何が来るのか?ということである、こう語るのはコロンビア大学の政治学部名誉教授のジェラルド・L・カーティス氏です。
「野党はこの状況を有利に利用するにはあまりにも無力な状況にあり、与党自民党内で安倍氏の後継者として名乗りを上げたいと考えている有力議員もこの前例のない危機の真っ只中に権力を握ることは望んでいません。」

                

                

そしてカーティス教授がひとつだけ間違いがないことがあると語りました。
安倍首相の後継者は「政治に不信感を持ち、疑い深くなった国民と向かい合わなければならなくなるでしょう。」

                     

《完》
https://www.nytimes.com/Shinzo Abe, Japan’s Political Houdini, Can’t Escape Coronavirus Backlash
  + - + - + - + - + - + - + - + 

                     

首相の座にいるべきではない愚かな人間の一言一句をあげつらっていても仕方がありません。

私たちがすべきことは本当にふさわしい人間を首相の座に据えることです。

2011年、民主党政権の最後になった首相を選出する際に野田氏が選ばれた瞬間、私は民主党政権を内部から瓦解させるため自民党あるいはその周辺から送り込まれたスリーパー、あるいはそそのかしに易々と乗った議員達が小沢氏の首相就任を阻んだのだと思いました。

                  

民主党のこの「小沢外し』を見て、私はこの『星の金貨』の中で、『民主党は自ら扇の要を外すという最も愚劣な選択を行った。』と書きましたが、今でもその思いは変わりません。

                         

『陰謀論』の類だと思われるかもしれませんが、すでに20世紀初頭、英国保守党から首相になったディズレーリは、近代政治が陰謀なしでは語れないということを語っています。

                    

小沢氏のツイートを時々見かけますが、志位さんや福島瑞穂さんと同様、安倍首相などより政治家としても人間としてもはるかに真っ当だと感じています。

                   

あの時もし、小沢氏が民主党の党首、そして首相になっていたら、日本はこんな世界中から軽蔑同然の視線を向けられることはなかったのではないでしょうか?

広告
広告

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事に関連する記事一覧

このサイトについて
ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
最近の投稿
@idonochawanツィート
アーカイブ
広告
広告
カテゴリー
メタ情報