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【 2013年、人間はどの国に生まれれば、幸せになれるのですか? 】

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所要時間 約 9分

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エコノミスト 2012年11月21日

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おそらく世界で最も成功した投資家であるウォーレン・バフェットは、生まれるべき国に[アメリカ合衆国]、生まれるべき時に[1930年]生を受けたことが、成功の最大の要因だと語ったことがあります。

ちょうど25年前の1988年、『ザ・ワールド』誌が世界中のどこで生まれれば、一番幸せになれるかというランキングを、気楽な感じで制作し公表しました。
1988年、あらゆる意味で世界一はアメリカ合衆国でした。
では2013年は、どこの国の赤ちゃんが幸せになれるのでしょうか?

ジ・エコノミスト社の姉妹会社であるエコノミスト・インテリジェンス・ユニット社が今回はあらゆる条件を検証し、ランキングを制作しました。
健康に生きるための最良の条件が整い、これから安全で豊かな暮らしができる国はいったいどこなのか、真剣な取り組みの下制作されました。

生活のクオリティの指標となったのは、生活対する主観的な満足度の調査結果です、つまりは自分がどれ程の幸福感を感じているのか。これが世界共通の客観的判断基準となりました。
生活が豊かである事がすべてに優先しますが、それがすべてという訳でもありません。
犯罪発生率や社会機構の信頼性、家族の健康もまた無視できません。

市民の幸福度を測る尺度として、最終的に11項目が統計的に有効と認められました。
その内容は多岐にわたります。
いくつかは定番と言うべき条件、たとえば地理的要因です。
他の要因は時間的経過の中で様々に変化してきました。
人口の変化、国ごとの社会の特徴、そして文化的特徴。
そのほかに、政治体制、世界経済の状況なども加味されなければなりません。

さらに、その国の将来性も重要な条件です。
国民一人あたりの収入が今後どうなっていくのか、生活の質を決める要件も少しずつ変化しており、このランキング制作に影響しています。
私たちは2013年に生まれた子供たちが18歳になる2030年までの各国の経済について、EIU社の予測を利用しました。

世界的な経済危機の中、これまで行われた将来の予測に明るいものはありませんでした。
世界中の国々で経済成長率が鈍化してきましたが、所得水準は各国とも歴史的にみてほとんど最高のレベルにあります。
平均寿命は確実に長くなり、北アフリカや中東を中心に、政治的な自由が世界中に広がりつつあります。
しかし他方では、特にユーロ圏内や一部の先進国においては、失業率と個人の生活保障という点において、危機的状況が深まっているという印象をぬぐえません。
これらの国々で見られるのは、家庭生活、として社会的生活の崩壊です。

どこに生まれれば、人は幸せになれる?
2013年ランキング

  どこに生まれれば、人は幸せになれる?
2013年ランキング


さて本題に入りましょう。
これまでの状況と来たるべき未来について検証した結果、2013年に生まれるべき、幸福な国とはどこでしょうか?

EIUはスイスを文句なく第1位に据え、2位にはオーストラリアを選びました。

小規模な経済しか持たない国々が、トップ10を独占する結果になりました。
半分がヨーロッパ諸国ですが、このうちユーロ圏からランクインしたのはオランダ1か国でした。
北欧各国の検討が目立ちます。一方で南欧のギリシャ、ポルトガル、スペインの南欧3国は深刻な危機に陥ったままです。
最も経済規模の大きなドイツ、イギリス、フランスは特に良いところも無い状況です。

2013年に生まれる赤ちゃんがベビーブーム世代がこしらえた巨額の負債を引き継がなければならないアメリカは16位までランクを下げ、元気がありません。
その旺盛な経済活力の割には、BRIC諸国(ブラジル、ロシア、インド、中国)に生まれる事に、それほどの魅力は無いようです。
今回順位がつけられた80カ国の中で、2013年に生まれる国として最悪の評価となったのはナイジェリアでした。

どこに生まれれば、人は幸せになれる?
1988年版

       どこに生まれれば、人は幸せになれる?
1988年版


▽ 最高位は退屈するほど平和な国

揚げ足を取る気になればスイスにだって、今回のランキング調査で検討された他にもかなりの欠点があるはずです。
アメリカが1988年に世界1位になった時の、評価に関する詳細な記録が残っています。
それによると当時のアメリカは、審査基準となった、文化的貧困さを示す『実利性、あるいは俗物性』において1位となり、さらには数々の長所があるにもかかわらず、それが皆均一的で変化に乏しい『あくびが出る頻度』おいても1位となりました。
映画『第3の男』の中でオーソン・ウェルズが演じた、常に危険につきまとわれている男ハリー・ライムの有名な台詞があります。
「ボルジア家がイタリアを実質的に支配していた30年間、戦争が続き、残虐な事件や殺人が相次いだが、その時代こそミケランジェロ、レオナルド・ダヴィンチが活躍したイタリア・ルネッサンスの時代なのだ。」

スイスでは500年もの間平和が続き、その民主主義体制が揺らいだ事はありせん。そして鳩時計を世界に送り出したのです、え?

しかし今日のように(そして多分これからも)、不安定さばかりが目立つ時代にあっては、退屈するほどの平和、そして鳩時計を作り続けられる毎日には、口では言い表せないほどの価値があります。

それはすでに証明皿ているはずです。
ルツエルンからラゴスにかけて世界中から集まり、これからの食糧問題について話し合わなければならない時代なのですから。

http://www.economist.com/news/21566430-where-be-born-2013-lottery-life?fsrc=scn/tw/te/tr/thelotteryoflife
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ランキングをご覧いただいてわかるのは、『経済大国』と言われる国々が軒並みランキングを下げていることです。
代わって経済については堅実な、政治的には安定している、そしてもちろん民主主義がしっかり根付いた国々が上位に来ていることに気づきます。
オランダなどは世界に名の通った企業は、おそらくはフィリップス1社しかないでしょう。
その経済規模は大きいものでは無く、弁護士や医師などのレベルの高い資格を持っている人々ですらワークシェアリングをしっかりと行い、週に3日程度しか働かないというお国柄です。

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【 大雪は楽しみですか?それとも… 】

アメリカNBCニュース 12月26日
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)
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ケンタッキー州ヘンダーソンにある、アトキンソン公園にて。12月26日

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[迷い足]ニュージャージー州ニューアーク市内、12月26日。

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ニューヨーク市内、12月26日。

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ペンシルヴェニア州ピッバーグ市内、12月26日。

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[大渋滞]コネティカット州ノーウォーク、12月26日。

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スイス、ヴイラースでの雪上マウンテンバイク・レース『聖シルベストゥル・グランプリ』。

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