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かつての原発のパイオニア、原子力発電から撤退、風力発電のパイオニアに転身

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所要時間 約 13分

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【 米GE社の風力発電設備事業、記録達成! 】
世界進出を狙い、あらゆる課題の克服に取り組む

フェリシティ・カラス / アメリカAOLエナジー 12月17日

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アメリカのゼネラル・エレクトリック社が先月、20,000台目となる風力発電装置の納入を祝いました。
GE社はアメリカを代表する巨大な発電装置事業会社ですが、最近倒産したエンロン社よりその風力発電設備事業を購入し、2002年にこの分野に進出して10年にしかならない同社にとって、この数字を達成した事には大きな意義があります。

様々の面で、GE社の風力発電装置事業の著しい成功は、世界的な風力発電事業の興隆に負っています。
世界で実現した風力発電の容量は31.1ギガワットですが、アメリカ、中国の風力発電量はそれぞれ50ギガワットを突破し、ヨーロッパの風力発電容量は100ギガワットを突破しました。(日本は平成20年現在で3ギガワット)
「10年前私たちが設備した風力発電装置は、世界に2,000基ありました。今日ではその数が20,000基になりました。非常に小さな事業から出発しましたが、特に最近の4年間の設置実績には目を見張るべきものがあります。」
GE社の風力発電部門の事業構想責任者で、マーケッティング責任者を兼任する、マーク・ガイエッテ氏がこう語りました。

全米風力発電協会によれば、この5年間でアメリカ国内の風力発電容量は35%以上増加しました。これはわずかの差で天然ガスに次ぐものであり、原子力発電と火力発電を合わせた数字より大きくなっています。
昨年は前年比で27%増加しましたが、2012年はさらに数字が伸びる見込みとなっており、1月~9月だけでこれまでの記録を更新する、4,728メガワット分の風力発電装置が設備されました。

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「過去10年間の風力発電の躍進は、我々が想像したものよりはるかに大きなものになりました。」
ガイエッテ氏はこう語り、さらに続けました。
「確かに私たちは、風力発電事業の躍進を予測していました。しかし今年、あらゆる発電手段の中で最大となる設置が行われることまでは予想していませんでした。10年前、風力発電ビジネスがこれほどの規模のものになるとは、考えもしませんでした。」

PTC期間満了は、エネルギー産業を劇的に変える

しかしアメリカの風力発電業界は2013年に重要な条件である生産税控除が期限切れを迎えることにより、『経済の崖』同様の崖に直面します。
生産税控除が最初に導入されたのは1992年のことでしたが、最初の10年間の操業の間、1kWhあたり2.2セントを控除しました。
しかしこの控除が期限切れとなった3度とも、アメリカの風力発電業界は深刻な打撃を受けました。

全米風力発電協会は37,000人分の雇用が、危機に瀕していると見積もっています。
そして『兆候』が『現象』に変わり始めているとの認識を持っています。
「この前途がはっきりしない期間は、顧客にとっても、業界にとっても厳しいものになっています。」
ガイエッテ氏はこう語ります。
「しかしこの状況は打開できるものと考えています。風力発電市場は、ここ米国内だけではなく、世界的にも大きな需要を生み出していくものとなるでしょう。」

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風力発電を推進する立場の人々は生産税控除について、アイオワ州選出のチャック・グラスリー上院議員によって提出された期限延長提案が上院財政委員会で超党派的な支持を得ることにより、2013年に期限切れを迎える前に延長が決まることを期待しています。
「私たちは生産税控除問題が行き詰まりを解決することを望んではいますが、同時にそれが簡単な問題では無いことも理解しており、場合によっては延長の決定が遅れることにより、一時的に風力発電装備の実績の低下もあり得ると覚悟しています。」
「こうした状況からも、風力発電業界の人々は、一刻も早く延長法案が可決されることを願っています。でも大統領選、そして上下両院選挙の結果を見るまでは、こうした期待も持てない状況でした。」
「オバマ氏が大統領に選出され、上院で民主党が優勢を確保したことにより、現在ではこの法案の可決に大きく期待しています。」

生産税控除を一年間延長することにより、アメリカの納税者は向こう10年間で約120億ドル(約1兆円)の税負担が増えると見積もられています。
そのことから、風力発電業界も補助金に頼る状態からの脱却を目指しており、技術開発などによりその道筋が見えてきました。
この20年間で、風力発電のコストは約80%下がりました。
そして最新の調査によれば、場所さえ選べば1kWhあたりたった5セントで、発電することが可能になったのです。
「風力発電業界の中では、もはや補助金から脱却し、自律的にこの産業を発展させることが進むべき身とであるという合意形成がなされつつあります。」
ガイエッテ氏がこう語りました。

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「アメリカ国内では天然ガスのコストがきわめて安価なため、これと競争するのはまだ無理ですが、それ以外の発電手段に対しては、充分に競争できるだけの内容を備えるまでなっています。石油などの化石燃料の価格が始終乱高下しているのに比較しても、風力発電の価格の低値での安定性は際立っています。」

「10年前、いや5年前だって、天然ガスの価格が3ドル以下になるなどと言う事は誰にも予想できませんでした。
現在、今後5年から10年の間天然ガスの価格は低値のまま安定すると予想されています。
その影響により、風力発電などの再生可能エネルギーは今後20年~25年の間に、さらにもう一段固定費の値が下がるものと見られています。」

GE社は今年度中に、世界中でさらに3,000台以上の風力タービン装置を設備することになっています。
GE社の風力タービンはアメリカ国内では40%の市場占有率を持っていますが、世界規模で比較すると中国メーカーなどの追い上げもあり、その位置は7番目に後退してしまいました。
しかしGE社は漢エナジー社との合弁することにより、中国国内でも一定のシェアの確保に動いています。

「私たちは進出先の市場の特殊性をしっかり把握する方法として、その場所の地元企業と提携することにより、西側の企業がなかなか入り込めない市場での競争が可能になりました。中国市場は何と言っても最大の市場ですから。」

GE社は南米でも、入札になった事業の20%の落札に成功しました。
いくつかの場所の洋上発電事業にはきわめて高い成長性がありますが、GE社が設備した20,000基の風力タービンの中で、洋上発電用はたった一基です。
それも4kWhの現在テスト中のものだけです。

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英国で行われる洋上発電事業のための巨額の予算は、GE社にとって大きなビジネスチャンスですが、ただし価格が合えば、という話だと、ガイエッテ氏が述べました。
「私たちにとっての課題は洋上発電設備にありました。顧客にとって経費的に見合うようにするためには、かなりの努力が必要でしたから。」
「しかし、英国も世界各地も同じことです。私たちは洋上発電分野での遅れを取り戻すため、四半期ごとに見直しを続けています。」

機敏な対応、そして技術開発の早さは、この世界で生き残るための必須の条件です。現在世界一位のヴェスタスとて例外ではなく、同社は現在の勢いを持続させるため懸命の取り組みを行っています。
GE社はその経営規模の大きさと、幅広い商品構成により有利な位置を手に入れることが可能です。
同社は今、天然ガスを動力にした発電用タービン開発の分野で急成長しています。
「常に厳しい競争を強いられています。」
ガイエッテ氏が語りました。
「製造分野でも、販売の分野でも、強いものしか生き残ることはできません。まあ、どの工業分野でも同じですが。世界企業として業界をリードし続けるためには、繰り返し訪れる拡大と縮小の波を乗り切っていかなければなりません。
GEが風力発電事業を目下最優先に据えている理由の一つが、そこにあります。」

http://energy.aol.com/2012/12/17/ge-reaches-milestone-for-wind-installations-as-us-industry-heads?icid=rfy/
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原発を推進する新政権は、原子力発電こそが『現実的』発電手段であり、再生可能エネルギーなどはまだまだ『非現実的』発電手段だと主張します。
しかし、何が現実的なのでしょうか?

全国に50基の原子炉がある事
3.11以前、実際に大規模発電を行っていた事

それだけではないでしょうか?
そして、以下のような『数々の現実』を無視しています。

1. 原子力発電事業に対し、各種補助金が税金から「国民にはできるだけ解らないようにして」交付されている( http://kobajun.biz/?p=2001 )
2. 全国の原子力発電に溜め込まれている高放射性核廃棄物の、処理コストを運営費用に含めていない(京都大学原子炉研究所 助教 小出浩章氏著『原発のウソ』ほか)
3. 青森県六ヶ所村の再処理工場は全く稼働せず、上記核廃棄物処理の目処が立たない( http://kobajun.biz/?p=1689 ほか)
4. その上福島第一原発の事故により大量の核汚染物質が作り出されてしまったが、その処理の目処は全く立っていない( http://kobajun.biz/?p=6129 )
5. ドイツの電力大手が事業の継続性を疑問視し、原子力発電事業から撤退を開始している( http://kobajun.biz/?p=6012 )
6. アメリカの原子力発電始業最大手のエクセロンの元会長が、原子力発電事業には将来性は無いと明言( http://kobajun.biz/?p=2337 )
7. ゴア元米国副大統領が原子力発電の実際のコストは、安全対策の徹底強化などにより「法外な高さ」になっており、将来のエネルギーミックスの選択肢にはなり得ないと発言( http://kobajun.biz/?p=6615 )
8. アメリカの自治体が、地元の原子力発電所の「前倒しの廃炉」を次々に要求( http://kobajun.biz/?p=7141 )
9. 福島第一原発の事故の被害の深刻さ
10. (日本国内のメディアは取り上げないが)アメリカ、ヨーロッパで想像以上のスピードで発展・拡大する再生可能エネルギーによる発電、スマートグリッドの普及。( http://kobajun.biz/?p=5921 ほか)

要するに原発推進の言い訳にされる『現実』とは、全体の中の少数でしかない、彼らにとって都合の良い現実に過ぎないのです。

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【 2013年 カウントダウン in ニューヨーク始末 】

アメリカNBCニュース 2013年1月1日
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)

2013年1月1日深夜、ニューヨーク・タイムズスクエアの舗道の紙吹雪を片付ける清掃員。
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異常気象による災害に苦しめられ、銃による無差別殺人におののき、財政の崖に象徴される惨憺たる経済に暗澹とした2012年。
世界中の人々が、2013年がもっとずっと良い年になるように願いながら、新年の到来を祝いました。

タイムズスクエアに集まり、カウントダウンを待つ人々。2012年12月31日。
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ニューヨーク証券取引所にはこんな人も。2012年12月31日。
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そしてカウントダウン。2013年1月1日
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カウントダウンも終わり、朝が来て。ドイツ、デュッセルドルフ。2013年1月1日
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