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【 福島沖には驚くべき事実が隠されている – 海洋汚染の実態 〈後編〉】

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所要時間 約 10分

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「福島第一原発沖合の海洋汚染状況がなぜそれほどひどいのか、という事実も含め、さらなる海洋調査が緊急に必要」

ニューヨークタイムズ 9月28日

東京大学とコロンビア大学を含む他の機関の科学者とともに調査を行い、6月、 ビュッセラー氏率いるウッズ・ホール研究グループは日本の東北地方沖で15日間を過ごしました。
そして、この地域における放射性物質の拡散状況と海洋生物に対する影響について調査しました。

プロジェクトは日本政府が資金の拠出を拒否した後、ムーア財団によって後援され、7月まで日本の調査船からサンプルを受け取り続けました。

ビュッセラー氏は分析が完了し報告書が公刊される前に、調査結果の詳細を明らかにすることは拒否しましたが、 幅広い深刻な影響がみられると語りました。
「私たちが数字を確かめたとき、数億ベクレルという値ですが、これはかつてない規模の海洋汚染であることがわかりました。」
「どれほどの汚染規模なのか、見当がつきません。」
ビュッセラー氏は5ガロンの海水を分析しましたが、自然界に存在する核物質、および核兵器の実験による核物質を取り除いた上で計測を行いました。

ビュッセラー氏は放射線が海流によって拡散されたせいで、2、3ヵ月の間に海洋の放射線濃度が著しく低下したと考えています。
「汚染に対する海の解決方法は、希釈なのです。」
幸いなことに、沖合20マイルから400マイル(50~1,000km)の間の沖合の放射線量は、直ちに人間の健康に影響を与える程のレベルではないことを、研究者たちが確認しました。
しかし、歓迎されざる驚きもありました。
「観測を始めた4月初旬から7月下旬にかけては、放射線量はゼロに向かって下がるのではなく、逆に一立方メートル当たり10,000ベクレルの値まで上昇し続けたのです。」
「この事実はこの時点まで、放射能漏れの問題が解決していなかったことを示すものです。」
「このことによって得られる仮説は、海岸近くに存在する沈殿した放射性物質と汚染水が海を汚染し続けている、ということです。」

国際チームも研究のため、プランクトンと小魚のサンプルを収集しました。
ビュッセラー氏は最も大きな懸念は、食物連鎖における放射性物質の凝縮、特に福島第一原子力発電所近くの海草と数種の甲殻類にある、と語りました。

商業用に漁獲される魚類への影響については、これから後の数年間にわたる海洋中の食物連鎖についての検証が、何回もなされた後でなければ、完全な解明はできない、とも語りました。
「私たちは地層堆積物にどれほど放射性物質が集中しているか検証できません、そのため海底生物の被ばく線量が高くなっていて、それが人間の食用に具される場合、懸念が生じます。」
ビュッセラー氏は電子メールの後半、海底生物について言及した部分にこう書いています。

研究はまた、最も高濃度のセシウム汚染を確認するのに、福島に最も近い場所のサンプルにこだわる必要のないことを明らかにしました。
数箇所で、沖合の海流が放射性物質の希釈を妨げる働きのあることが判明したからです。

「今回の調査結果は、先に行われた日本の科学者による解明結果と、全体的には一致していました。」
とビュッセラー氏は語ります。
「しかし、福島第一原子力発電所沖合の海洋汚染状況がなぜそれほどひどいのか、という事実も含め、さらなる海洋調査が緊急に必要です。」
「日本の調査は全体をリードしていますが、どの国よりも、どの調査機関よりも、もっと多くの調査を行うべきなのは日本です。
そうすることで、状況が明らかになるのです。」

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もう、本当にがっかりします。
私が住んでいる宮城県の場合、沿岸の市町村の震災からの『復興』については、漁業の再生が不可欠です。
「私たちが数字を確かめたとき、数億ベクレル(hundreds of millions of becquerels)という値ですが、これはかつてない規模の海洋汚染であることがわかりました。」
このくだりを翻訳した時は、誇張でなくめまいがしました。
研究は分析が完了していないため、(場所の特定など)詳細はわかりませんが、容易ならない結果が出るのが心配でなりません。
福島第一原発の事故は、復興のあらゆる局面に暗雲を垂れ込めさせています。

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【 いま、あなたの頭上をよぎる黒い影 】
小惑星、地球と月の間を通過中

アメリカABCニュー ス 2011年11月7日

NASAによると、私たちはお客さんを迎えることになります。
『2005YU55』という名の大きめの小惑星が地上約201,700 イル(512,300km)の地点を、11月8日(日本時間9日)通過していきます。
この地点は月の周回軌道よりわずかに内側になります。
小惑星は時折このぐらいまでやって来ることがありますが、そのほとんどは小さなものです。
数えきれないほど多くの星の破片が大気中に突入し、地上に到達する事無く燃え尽きます。
もしそれらが地上近くで砂粒ぐらいの大きさがあれば、多分、そして運が良ければ、私たちは流れ星として見ることができます。

しかし『2005YU55』 はレーダーの解析によれば、少なくとも1,300フィート(約400メー トル)ほどの大きさ(航空母艦よりも大きい)があります。
これほどの大きさの小惑星が最近地球をかすめたのは過去には1976年、 そして次は2028年になるまで見ることはできないだろうとNASAが発表しました(この間思いがけない小惑星の飛来もありましたが、遠くからその存在が確認できるほど大きなものはありませんでした)。

この接近通過がCタイプの小惑星についてより多くを学ぶよい機会であると、カリフォルニア州パサデナにあるNASAの飛行物体研究所・地球近接物体解析オフィスの責任者ドン・ヨーマンズは語ります。
CタイプのCはカーボン、すなわち炭素組成物のことであり、「我々の太陽系が何によって、いつのようにできたのか」を解き明かすための手掛かりを与えてくれます。

ヨーマンズ博士とそのチームは地球近接物体の解析を行い、予測しうる将来においてこれらの小惑星がアメリカ国土に衝突する可能性についての計算に、数年間を費やしてきました。

こうした小惑星はおよそ数十億年前、地球の生成期にたびたび衝突しました。
そして地球上に有機物 – 炭素生成物を運び込み、生命誕生のきっかけをもたらしました。
「このタイプの小惑星の衝突が無ければ、いま私たちは地球上に存在していなかったでしょう。」

しかし、地球が現在の姿になってからの衝突は、破滅的な結果をもたらしました。
こうした衝突は数回ありましたが、特筆すべきは6,500万年前、恐竜時代の終わりの衝突は地球上の何種類もの生命体を絶滅させました。

世界安全保障基金と呼ばれる組織の長であるレイ・ウイリアムソンは『2005YU55』の存在が、将来への有意義な警鐘となってほしいものだと語ります。
将来、地球に向け大きな小惑星が接近してきたときに、世界の国々が結束して事態の解決に当たれるように。
「恐ろしい事態が発生しうる、ということを思い起こさせるものとして、『2005YU55』 の存在は意義があります。」と、彼は言いました。
「それがいつ起きるのかは、我々にはわかりません。」
小惑星の軌道を修正させるさまざまなスキームが提案されました – 進 化したロケットエンジンによってゆっくりと軌道を変えさせる方法から、核兵器によって吹き飛ばす方法まで。

NASAのレーダー解析によると、小惑星『2005YU55』 は概ね球形をしており、ゆっくりと自転しています。
そして漆黒の闇に覆われています。

地球上から詳細な観察が可能な現代では、この小惑星の接近はとりわけ一部の研究者にとってエキサイティングなものです。
以前なら無人宇宙船を近づけて観察する以外、方法はありませんでした。1976年の小惑星接近時に比較すれば、技術は驚くほど進化しています。

小惑星『2005YU55』­は肉眼ではとらえられません。
口径が6インチ(15cm) 以上の凹面鏡を備えた反射式望遠鏡を持っているアマチュアの天体観測マニアの方なら、観測することができます。

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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