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【 沖縄県知事、アメリカ軍基地の建設を凍結 】[NYT]

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所要時間 約 6分

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20年に渡り日本、アメリカの軍当局者が進めてきた計画が初めて頓挫
南方の小さな島に対して突出して重くなっている米軍基地負担、根本解決を求める沖縄県民
これ以上沖縄県民の意見を無視すれば、何事にも傲慢だという安部首相の評価はさらに大きくなる

ジョナサン・ソブル / ニューヨークタイムズ 10月13日

沖縄米軍基地
沖縄で長期間にわたり政治的紛争が続いているアメリカ軍海兵隊航空基地の移転・建設問題は、13日火曜日新たな局面に入りました。
沖縄県知事は現在計画中の口が稠密な場所にあるアメリカ海兵隊の普天間航空基地を、人口の少ない島嶼地区に移転・建設する許可を取り消す決定を行いました。
この決定について日本政府の官僚は取り消しを求めて異議の申し立てをすると表明していますが、20年に渡り日本、アメリカの軍当局者が進めてきた計画が初めて頓挫することになりました。

基地を巡る意見の対立は、安倍政権の下で一層深刻なものとなりました。
安倍首相は辺野古への海兵隊航空基地の移転建設計画を最後までやり遂げることを誓っています。
これまでの日本政府の政権は、完成時期の関係で工事の着手とは無縁でいることが出来ました。

日本政府とアメリカ政府の移転に関する合意は1990年代に成立していましたが、死元沖縄における一般市民の反対が激しく、計画の実行は見送られてきました。
県民はアメリカ軍の基地負担が沖縄という南方の小さな島に対して突出して重くなっていることに長年不満を募らせており、単なる県内の移転ではなく、基地負担の軽減を求めています。

沖縄米軍基地02
安倍首相は基地の移転・建設計画を復活させることにより政治的反発を受けるというリスクを敢えておかしましたが、これは日本の安全保障の物理的側面を強化するという政策の一環になります。
安倍首相の軍事面における政策は、部分的には中国の軍事的台頭という事実に影響されてはいますが、本来タカ派的なものです。

すでに強力なアメリカ合衆国との間の軍事的同盟関係を一層強化し、武器輸出に対する規制を撤廃し、10年間続いていた防衛予算の削減を覆して増額に転じさせ、さらには国内での反対議論が最も激しかった平和憲法の解釈変更による集団的自衛権の行使容認を実現しました。

しかしながら安倍首相が進める政策によって、また新たな役割を演じるようさらなる負担を強いられることになる人々の不満もうっ積し続けています。

県庁所在地の那覇市で13日火曜日に行われた記者会見の席上翁長雄志知事は、防衛省の管理監督の下で建設工事に従事する建設業者に前任者の沖縄県知事が交付した許可証には「法律欠陥」があると語りました。
「私は、許可を取り消す旨の通知をすでに送付しました。」

沖縄05
翁長知事が望むのは海兵隊基地が沖縄の地から移転・撤去されることです。

沖縄は約25,000人の米国軍人の拠点となっており、日本全国に展開するアメリカ軍兵士の半分以上がこの狭い島に常駐しています。
世論調査によれば、沖縄県民の大部分が翁長知事の姿勢を支持しています。

翁長知事がこうした決定を行うだろうことは、日本国内では広く予測されていたことですが、辺野古湾(キャンプシュワブ)にすでに存在する米軍施設前で抗議のため詰めかけていた数十人の反対派の住民は、この決定を伝える日本の国内報道に歓喜し、その様子は日本の放送局によって全国に中継されました。

新しい移転計画の下では新設される滑走路は海域を埋め立てて建設されるなど、キャンプシュワブは大幅にかくだい拡充される予定です。
これまで実質的に作業と言える作業は行われてきませんでしたが、事前の調査測量程度であっても抗議を招いてきました。

安部沖縄式典02
日本政府は翁長知事の決定を覆すべく直ちに対策を取ると語っています。

国土交通省は基地建設の可否に関する最終的な権限を持っていますが、防衛省の訴えにより翁長知事の建設許可取り消しを覆すことになれば、日本政府が日本政府に訴えて自治体の首長の決定を無効にすることになります。

「基地移転を実現させるため、建設を続ける我々の計画に変更はありません。」
政府のスポークスマンである菅義偉内閣官房長官がこう語りました。

専門家は問題が最終的に司法の場に持ち込まれることになるだろうと語っています。
訴状の提出から裁判官の決定までは何年もかかる可能性があり、その間新基地建設工事が続行できるのかどうか、あるいは凍結が続くのかどうか、その点は不明です。

阿波連正一(あはれんまさかず)静岡大学教授は、翁長知事の決定を覆すことについての安倍首相の政治的代償は高くつく可能性があると語りました。

この夏安全保障関連法案を強引に可決成立させたことにより、安倍首相に対する支持率が大きく下がったことを、世論調査の結果が明らかにしました。

沖縄04
沖縄の問題についても沖縄県民や一般市民の意見を無視することになれば、何事にも傲慢だという安部首相の評価はさらに大きくなる可能性があります。

「翁長知事の決断は、非常に大きいものです。」

http://topics.nytimes.com/top/news/international/countriesandterritories/japan/index.html?8qa

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