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【 核兵器開発疑惑の真相に迫る 】《4》

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所要時間 約 7分

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原子力発電所の中で本当は何が行われているのか、1,000㎞話された場所から解析することが可能になる
原発で必要とされる以上の兵器級の濃縮ウランであるかそうでないか、携行装置で判断が可能になる

エコノミスト 9月5日

ECO NUKES01
据置型の探知器はより感度が高くなっています。
同条件で大量の荷物の中から隠された兵器級の核物質を新しい機械が発見する割合は、5年前の5分の1程度から格段に進歩したとカリフォルニア大学バークレー校のフェッター博士が付け加えました。
そして進化したアルゴリズムは核物質から発生られる放射線を、自然界に存在するそれと区別して探知できるようにしました。

さらに探知器はシンプルな操作インターフェースをもち、中にはiPadで動くアプリケーションもあり、こうした事が探知技術の進歩に貢献していると、米国エネルギー省国家核安全保障庁のアン・ハリントン氏が語りました。
これまでは現場の担当者には、その場で探知機器の表示結果を読み取って行動する資格は与えられていなかったのです。

▽ レンジローバー(探査範囲)

しかしこうした技術的な改善も、まだまだ広い範囲に実用化されている訳ではありません。
探知器が効果を発揮するためには、疑わしいものに近づく必要があります。
そしてこうした機器の大部分は密輸などのルートの交通発着地点、すなわち港や国境検問所などに固定されています。
探知機の走査可能範囲は10年間に約100メートル広がるかもしれませんが、これは『能動的反応測定』という技術が進歩するかどうかという不確定さに支配されています。

Nuclear 3
これは高エネルギー物質が中性子や陽子を照射した際の反応によって作り出される、検知することがもっと容易な他の物質を検知する技術です。
ただし問題は、この技術には貨物室に隠れている密航者を傷つける可能性があることです。

しかしその問題は解決済みであると主張しているのは、アメリカのロスアラモス国立研究所から分かれて設立されたカリフォルニア州のディシジョン・サイエンス([意思]決定科学の意味)という企業です。
この機器はミューオン(μ中間子)を検出するため、内容成分は秘密にされているガスが充填された16,000本のアルミニウム管を使用します。
ミューオンは電気を帯びた粒子でもともと大気中に存在するものですが、通過する際、人体はもちろんいかなる物質に対しても有害であったり、傷つけたりすることはありません。

物質を識別する際には、どの特性をどう探し出すかがポイントになります。
物質の電子軌道を測定することにより、ちょうど90秒でプルトニウム、ウラニウムを「薬、タバコ、爆薬、アルコール、人々、空白の一杯」とを識別できるコンピュータがあると語るのは、ディシジョン・サイエンス社の最高執行役員で、元アメリカ海軍調査部門責任者のジェイ・コーエン氏です。
この機械の価格は500万ドル以上というものですが、国境警備当局は一般の密輸品すら見つけ出す高い能力を考えれば、価格の高さは途方もないという程でもないと考えています。
この機械のプロトタイプは、現在バハマのフリーポートで試験的に運用されています。

Nuclear 2
他のグループはミューオン(μ中間子)を探知する機器の開発にも取り組んでいます。
いくつかは粒子物理学実験のために開発されたテクノロジーを使用したスイスにあるハドロン加速器を応用しています。
別のアプローチはニュートリノを見つけ出し、他の物資の成り立ちとどのような相互作用があるかを突き止めようとしています。
ニュートリノは太陽、そして原子炉で生み出される粒子です。

NNSAと他の組織の共同チームはオハイオ州ペインセスヴィルの岩塩坑跡に試験的に作られた『ウォッチマン』と呼ばれる装置の研究開発を行っています。
岩塩坑の中に装置を置くのは、宇宙線とその他の現象に影響されないようにするためです。
この装置は13km離れた原子力発電所で、プルトニウム生産を目的に原子炉を稼働させた場合、そのから放出されるニュートリノを細くするために用いられます。
最終的にこの装置は、1,000km離れた場所の原子力発電所の活動内容を監視することを可能にする予定です。

しかし実際にそうした監視活動を可能にするには、例え相手が有効的な隣国であっても、原子力関連施設に限っては国境付近に設置するよう要請することが必要になります。

それまで秘密にされていた核開発施設の存在が明らかにされた場合、あるいは公表・公認されたりした場合には、イランがそうしたように、国際社会の合意の下で事業を継続するためには国際原子力機関(IAEA)の専門家による査察を受け入れなければなりません。
IAEAの専門家たちが使用する機器も進化しています。

ウラン濃縮
カナダの原子力安全委員会は、綿棒の上に乗っかる程度の少量のウラニウムが発する分光的特徴をレーザーによって解析し、原子力発電に必要な程度を超えて濃縮された事実があるかどうかを突き止める携帯用分光計の試作品を完成させました。

IAEAで保安部門の委員長を務めるラウル・アワド氏がこの装置は3年以内に実用化される予定であり、そうなれば検体をいちいち研究所に送る必要がなくなる程の先例のない能力を発揮するだろうと語りました。

-《5》へ続く –
http://www.economist.com/news/technology-quarterly/21662652-clandestine-weapons-new-ways-detect-covert-nuclear-weapons-are-being-developed?zid=306&ah=1b164dbd43b0cb27ba0d4c3b12a5e227
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【 ガーディアン[目撃]2015傑作選 】

ガーディアン EYEWITNESS 2015
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)

Eyewitness 8
イスラエルとガザ市の境界線でイスラエルの警官隊と衝突するパレスチナ人のデモ隊。(写真上)

葉の上の朝露。(写真下・以下同じ)
Eyewitness 9
スイス西部のモレゾン山から、アルプス山脈をのみ込む雲海に見入る登山者。
Eyewitness 10
英国、カンブリア州ペンリス近くを流れるエデン川の夜明け。
Eyewitness 11
http://www.theguardian.com/world/series/eyewitness?page=3

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