星の金貨 new

星の金貨 東日本大震災や音楽、語学、ゴルフについて語るブログです。

ホーム » エッセイ » 【 一歩前に進んだ市民たちの民主主義 】[IPSニュース]

【 一歩前に進んだ市民たちの民主主義 】[IPSニュース]

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

所要時間 約 10分

広告
広告

「原発を止めよう!」民間の取り組みにより、着実に変化を続けている日本の電力事情
日本のエネルギー分野の本当の発展を妨げているのは、現在の日本政府

スヴェンドリーニ・カクチ / IPSニュース 2月7日

官邸前抗議201402
東京、世界最大の都市のひとつであり、世界で最もどん欲にエネルギーを消費する都市は、2月9日の東京都知事選挙の投票への準備が整いました。
アナリストはこの選挙結果は、日本政府が今年のうちにも原子力発電所の再稼働に踏み切ろうとしている、その動きに大きく影響するだろうと語っています。
選挙結果は、再生可能エネルギー発展の一層の拡大につながる可能性もあります。

千葉商科大学の気候変動専門家である鮎川ゆりか教授はIPSの取材に次のように答えました。
「政治的なリーダーシップだけが、日本の危険な原子力を終わらせることが出来ます。そうした理由から、今回の選挙にこれまでの候補よりも一般の人々の間で知名度の高い候補者が脱原発を掲げて立候補した事が、今回の選挙を重要なものにしているのです。」
「原子力発電を推進してきた日本に対する、痛烈な皮肉があります。まさにその原子力発電が原因となって、今や日本は世界の中で原子力発電に代わることができる二酸化炭素の排出のない革新的な技術の、世界的リーダーにすでになっているということです。」
鮎川教授がこう語りました。

日本の脱原発運動の最新の展開は、76才の知事選候補である細川護煕氏がもたらしました。
細川氏は1993年、戦後長い間続いていた自由民主党による独裁政権を初めて中断させた際、首相を務めました。

細川氏は1月に選挙戦に参加したばかりです。
細川氏は2011年3月11日に発生した巨大地震と津波によって発生した福島第一原発の事故がもたらした、日本国内の原子力発電に対する日本の苦悩が形にした候補者であり、原子力発電の全面廃止を公約に掲げました。

「私が当選すれば、私は原発ゼロ政策を実施します。世界に向け、日本が危険な原子力発電を再生可能エネルギーと入れ替えるというメッセージを発信します。」
細川氏は記者会見でこう語りました。

東京03
対立候補は、安倍晋三首相が率いる自民党の舛添要一氏です。
安倍首相は現在の日本経済のための現実的なエネルギー・オプションとして、原子力発電の継続を主張しています。
日本の原子力発電は世界第3位の希望を有しています。

日本の工業界は、2011年日本の総発電量8,600億キロワットにのぼる国家エネルギー消費の43パーセントを占めます。
2番目は輸送・物流部門で24パーセントをしめています。

福島県を中心とする地域、そして周辺の海では放射線汚染が続いているにも関わらず、安倍首相は日本にとって必要不可欠な発電手段であり、新たな安全基準さえ採用すれば利用継続できると主張しています。

自民党は高額な費用を要する原子力発電所を建設する際に政府の補助金をつける制度を立法化し、これまで長い間実入りの良い原子力発電を拡大する方針を採ってきました。

その結果、福島第一原発の事故直前には日本の総発電量の30パーセントを原子力発電が占める事になりました。

しかし福島第一原発の事故によりこうした日本の政策は否応無く転換を迫られ、再生可能エネルギーの画期的な前進が始まったのです。
背景には福島第一原発事故がもたらした悲惨な現実、原子力発電に対する疑念、そして火力発電所のフル操業に伴いその燃料の輸入金額が高額に上っている事実がありました。

反原発自転車
原子力発電に大きく依存してきた従来のエネルギー政策から脱却するための鍵となるのは、本当の意味で二酸化炭素排出量を削減するための技術 - 大部分は太陽光、風力、そしてバイオマス - に国家の予算を再配分する事です。
日本では福島第一原発の事故発生後の2年間、この取り組みが続けられてきました。

2012年にまとめられた国家エネルギー政策は、再生可能エネルギーによる発電割合をこれまでの11パーセントから、2030年までに35パーセントに引き上げる新しい目標を設定しました。
この目標を達成するため、70超円以上の予算が投入される事になっています。

昨年4月における重要な進展は、再生可能エネルギー産業への民間投資を促進することによって、これまで巨大電力会社による独占を政府が守ってきた電力市場に風穴を開けるべく、補助金制度がスタートした事でした。

この補助金制度の下では、各地の民間企業に対し、再生可能エネルギーにより作り出した電気を高い価格で主要電力各社に販売するよう促す事になります。

CB04
この制度をいち早く取り入れたのが、ソーラー・シェアリング協会( http://solar-sharing.org/ )です。
農家の人々に休耕地などを利用して太陽光パネルを設置、余剰電力の売電事業の導入を提供している民間の機関です。
「私たちのコンセプトは、この国で太陽光による発電量を増やし、原子力発電への依存を少しでも減らしていこうというものです。私たちは収入を増やしたいと考えている農家の皆さんを対象としています。」
同協会の広報を担当する山田まゆみさんがこう説明してくれました。

同協会には、100人以上の会員がいます。
昨年7月、約80万円を投資して自分の土地に同協会の太陽光パネルを設置したひああさ健太さんは、以来月収が15万円増えたとIPSニュースの取材に答えました。

再生可能エネルギー分野の発展でもうひとつ重要なのが、風力発電量の増加です。
風力発電は今回津波の被害に見舞われた東北地方北部の不毛な土地と、北海道が主要な舞台です。

北海道電力は今後10年間で、原子炉3基分に相当する3億9,000万キロワットの風力電気を購入すると公約しました。
このプロジェクトにより、北海道電力は約30億円の出費をする事になりますが、その大部分は新しい補助金制度によって補償されます。

福島市のデモ
日本国内のこうした重要な動きに対し、現在大きな障害となっているのが今後原子力発電をどうするか、言葉を濁してばかりいる日本政府の対応だと、ソーラー・シェアリング協会の鮎川さんが指摘しました。
「現在日本政府は再生可能エネルギーによる電力の公的な購入目標を設定する一方で、実際には原子力発電は未だに重要な選択肢のひとつだと考えています。こうした政策では、日本の再生可能エネルギー分野の発展のための基盤にはなりません。」

今回の東京都知事選挙において原子力発電が主要な争点のひとつとなった事は、市民がこれまでずっと望んでいた変化にとって重要な事実です。

http://www.ipsnews.net/2014/02/energies-clash-tokyo-election/
  + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +

東京都知事選挙で宇都宮氏も細川氏も破れてしまった事について、大いに失望されておられる方も多いと思います。
しかし戦いは3年前に始まったばかりなのです。
イギリスの市民革命も、フランス革命も3年で成就したわけではありません。

私は福島第一原発の事故後に安倍政権が誕生してしまった事は、フランス革命における『フランス復古王政』のようなものだと考えています。
まずはこうした勢力の圧力をはね返す、市民層の分厚い団結が必要です。
緒戦に1勝しても、戦線を維持できなければ社会の持続的な発展は不可能です。

戦いをひとつひとつ経験し、私たち自身が成長していきましょう。

  + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +

【 50年前に開始された[英国の侵攻] 】

アメリカNBCニュース 2月5日
(掲載されている写真は、クリックすれば大きな画像をご覧いただけます)

Beatles01
今からちょうど50年前、ビートルズが初のアメリカ国内ツアーを行うためアメリカにやってきました。
エド・サリヴァン・ショーに出演し、全米をまわったビートルズは大量のビートルマニアを生み、ポピュラーミュージックの世界を根底から変えてしまいました。
Beatles02
Beatles03
Beatles04
【 パテイ・ボイド(ジョージ・ハリソンの最初の妻)と愛すべき4人の50年 】
アメリカCBSニュース 2月8日

初の訪米の際の38点の写真集は、以下のアメリカCBSニュースのサイトでご覧いただけます。
http://www.cbsnews.com/news/how-a-makeup-artist-got-the-beatles-camera-ready/

広告
広告

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事に関連する記事一覧

このサイトについて
ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
最近の投稿
@idonochawanツィート
アーカイブ
広告
広告
カテゴリー
メタ情報