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【 安倍政権に日本のほんとうの危機は見えているのか? 】

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所要時間 約 9分

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解決しなければならない日本経済の課題リストには、多数の困難な問題が並んだままになっている

安倍政権の発足以降、世界銀行調査による「事業のしやすさ」報告書の日本の順位は14位から26位に転落

 

 

ダニエル・シェーン / CNNマネー 2017年10月20日

日本の安倍首相は、2017年10月に突然の解散総選挙を行うという賭けに出て、充分な形の勝利を手にしました。

しかし批評家は、安部首相が約5年前権力の座に返り咲いた際、公約に掲げた日本経済復活を果たすために必要なだけの努力を行っていないと指摘しました。

個人名を使ってブランド化されたアベノミクスの下で、安部首相は世界第3位の規模を持つ日本経済について、ほぼ20年間近く続いてきたゼロ成長と物価低迷を打破しようとしました。における価格の停滞の20年を逆転しようとしました。
この点については改善の兆しが見えてきました。

過去数度の四半期ごとに経済成長率が回復し、企業業績の好調感は10年ぶりの高い水準にあります。

しかし安倍首相が取り組まなければならない日本経済の課題のリストには、依然として多数の困難な問題が並んでいます。

 

▽ 巨額に膨らみ続ける国の借金

日本は世界で最も巨額の債務を抱える富裕国であり、政府の公的負債は国民経済の2倍以上の規模に膨らんでいます。

日本政府はこの借金を返済するために資金を調達する必要がありますが、急速な勢いで高齢化進んでいる国民の生活を支える社会保障制度を維持していくために多額の現金を必要としています。

 

安部首相の目論見はこうです。

経済成長を加速させることで、日本政府は税収を増やすことができるため、債務削減が容易になる。

しかし東京大学国際基督教大学のスティーブン・ナジ教授は、

「短期的中期的に財政問題に取り組むよりも、まずは成長を実現させるための見通しを立てることが重要です。」

と語りました。

 

そのためにはまず厳しい決断を下す必要があります。

2014年様々な分野からの反対があった消費税の引き上げは税収入の増大が目的でしたが、肝心の日本経済が不振に陥る原因を作りだしました。

結局安倍首相は昨年予定されていた二度目の引き上げを延期することになりました。

しかし日本は巨額の財政赤字について直ちに返済するよう迫られている訳ではありません。

その負債の大半は日本銀行とその他の政府機関が保有しており、海外の金融機関などが保有している分は多くありません。

 

▽ 労働力不足という痛点

 

日本の失業率はフランスのような他の主要先進国と比較して驚くほど低いものですが、すべての問題がこうした数字に表れている訳ではありません。

労働者の賃金給与は思ったようには伸びておらず、日本の一般生活者の日常の消費支出が伸び悩む原因となっています。

その結果日本銀行が思い切って積極的な金融政策を行ってきたにもかかわらず、日本国内のインフレ率を目標の2%近くまで引き上げられなかった原因の一つとなっています。

経済の停滞や物価の下落は、一般的には経済不振を表すサインだと見られています。

消費者は買い控えを続け、企業は利益を増やすことが難しくなり、新製品開発や賃金引き上げにまわす資金が不足する状況を作りだすことになります。

「日本の一般世帯の考え方を変えることはきわめて困難です。」

調査会社のキャピタル・エコノミクス(Capital Economics)の日本担当上級エコノミストであるマルセル・ティリアン氏がこう語りました。

▽ 相次いだ日本企業の不祥事

過去数年間、日本企業は一連の巨大なスキャンダルに悩まされてきました。

2017年10月、大手の神戸製鋼はトヨタやボーイング社を始めとする大手顧客に販売してきた製品のデータを偽装していたと認めました。

日産自動車は安全検査の手続きに法令違反があったため、日本市場向けの自動車生産を停止していることを公表しました。
エアバッグ製造の世界的大手であるタカタの欠陥商品問題に端を発し、東芝(の原子力事業および会計上の問題、三菱自動車の燃費に関するデータ偽造問題、オリンパスの詐欺や汚職のスキャンダルなどと続いた日本企業の相次ぐ不祥事が、さらに拡大する結果となりました。

シドニーのUTSビジネススクールのコーポレート・ガバナンスセンターの責任者であるトーマス・クラーク教授が次のように語りました。

「日本企業の競争力と企業水準の低下が懸念されています。」

 

▽ダイナミズムに欠けている

 

安倍政権が発足して以降、世界銀行が調査している「事業のしやすさ」報告書によれば、経済協力開発機構(OECD)加盟国のうち日本の順位は14位から26位に転落しました。

その原因は多くの企業が赤字に転落していることです。
キャピタル・エコノミクスは、日本の従業員は米国の同業他社に比べて生産性が約3割倍低いと報告しています。

また他の先進経済圏と比較して、外国企業の投資する金額は少なくなっています。


キャピタル・エコノミクス(Capital Economics)の日本担当上級エコノミストであるマルセル・ティリアン氏は、次のように語りました。

「日本のビジネス分野にはあまりダイナミズムは感じられません。」

彼は安倍政権が改革を強化しなければならないと考えており、でなければ2年以内に日本経済は失速すると警告しています。

安部首相は改革の一環として女性の労働市場への進出を促進するため、子育て世代の女性たちの支援体制を整備に取り組む姿勢を見せましたが、成果と呼べるほどのものはありませんでした。

積極的に外国人労働者を受け入れるという方法もありますが、国内に移民が増えることに心理的抵抗の多い日本という国においては大きな政治的障害に直面する可能性があります。
日本の困難は大きくなり続けています。

国民の4分の1以上がすでに65歳以上であり、状況の悪化が続いています。

 

http://money.cnn.com/2017/10/20/news/economy/japan-economy-election-abenomics/index.html?iid=EL

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現在の日本経済を見ていると『粉飾決算』のもろさが垣間見えるようです。

企業業績が好調と言っても、全業種において活況を呈しているわけでは無く、製造業を中心にこれまで起業努力を積み重ねてきた企業が結果を出しているという事ではないか、と感じます。

しかしそうして積み上げられた利益は株主(個人の場合おそらくは年齢が高い人々が多数)を中心に分配されており、実際に働いてる労働者、特に若年層に還流しない形になっています。

こうした形を改める取り組みを始めた企業も荒れりますが、未だ一部に留まっているようです。

国民全体の高齢化が進めば衣食住の需要が減るのは世の中の理とも言うべきものであり(現に私自身がそう)、世代交代が順調に進まない社会に明るい未来はあるのだろうか、と考えます。

結婚しにくい、子どもを生みにくい、育てるのに高額な費用が必要という日本社会の三悪を改めない限り、持続的成長など実現しようがありません。

歴史上、高齢者が中心となって活気ある経済社会を築いたという話を聞いたことがありません。

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