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【 安倍政権「日本の民主主義を終わらせる!」統制国家の樹立をめざす 】〈 後篇 〉

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所要時間 約 6分

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思い通りの憲法改定を行うため、着々と地ならしをしてきた安倍首相
国民に説教する自民党

エコノミスト 6月1日

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戦争直後の日本で通訳を務めた22歳のビート・シロタが現憲法につけ加え、男女の平等を支持する人々から評価の高い現憲法の一項にも、自民党は説教めいた一文を書き加えよううとしています。
いわく『家族は互いを支え合わなければならない』。

つい最近までこの自民党の改憲案は、第三者による検証をあまり受けませんでした。
しかし自民党の意図が完全に明らかになった今、状況は一変しました。

2006年から2007年、安倍氏の首相としての最初の任期、彼は憲法改正のための国民投票を行う法律を成立させ、改憲のための地ならしを行いました。
憲法改正のためには衆議院・参議院両院の議員の3分の2以上の賛成を必要とし、国民投票において過半数の支持を必要とする、というものです。
安倍首相が率いる自民党は衆議院において、改憲を支持する他党を併せれば実現のための充分な議席数を持っています。

7月21日に実施される参議院選挙でも自民党は、改憲を支持する同盟党とともに過半数を超える3分の2の議席の確保を目指しています。

安倍氏が成立させた国民投票法は、成立要件として最低投票率についての規定がありません。

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北朝鮮と中国との間の緊張が高まったことにより、憲法第9条の見直し機運が国民の間で高まっていると、自民党の中谷氏が語りました。
しかし自民党は第9条の改正を第一目標にはしていません。

自民党の連立パートナーである公明党でさえ、自民党の改憲案には反対しています。

安倍氏がとった戦術は、改憲のためのハードルを下げることでした。
憲法第96条をまず改定し、改正手続きに必要な議員の賛成数を3分の2から、単なる過半数に減らそうというのが安倍氏の狙いです。
この法案さえ通ってしまえば、憲法のどの条項を変更することもこれまでと比較して簡単な作業になります。

しかし安倍首相の機洋行姿勢については、自民党内部からすら異論が出始めました。
最初に憲法9条改正の必要について発言し、今もその立場を変えていない憲法学者である小林節氏も、
憲法96条を守るために新たに結成された法律家によるグループに加わりました。

こうした動きを見て5月23日、自民党は今夏の参議院選のマニフェストから憲法96条改定に関する記述を密かに削除しました。

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同じく改憲論者であり、大阪市市長で維新の会の共同代表である橋下徹氏が、第二次世界大戦中に日本が組織的に行った従軍慰安婦の存在を擁護する発言を行い、日本国内、そして世界中から非難を浴びたことも、安倍氏の目論見にとっては打撃であったかもしれません。
自民党は7月の参議院選挙の後、維新の会とともに議席数の3分の2を確保して上で改憲に乗り出すつもりでした。

しかし現在では自民党が維新の会と同盟関係を構築することは、7月の参議院選挙でどのような形であっても悪影響を及ぼすことになるのは必至となりました。

日本国内の他の政党も、様々な形で自民党の改憲案に非を唱えています。
その内容について検証するためには何年も必要とするほど、その内容は多種多様です。

例を挙げると公明党は、参議院と比較し、衆議院の権限を強くすることを望んでいます。
民主党は地方分権化の推進を求めています。

こうした状況の中で、一般の国民の間には96条を改定し、その時々の政権が憲法をいかようにも変えられるようにすることには強いためらいがあるようです。

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そして本当の危険がもう一つあります。
憲法改定がどのような決着を見るにしても、まずは経済を再生させなければならないという日本にとっての緊急課題が、結局は解決されないままに終わるかもしれないのです。

〈 完 〉

http://www.economist.com/news/asia/21578712-shinzo-abes-plan-rewrite-japans-constitution-running-trouble-back-future
  + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +

第二次世界大戦終了後の70年間の民主化に向けた世界の努力を、この人間たちはどう考えているのだろう?
自分たちが命令者になる社会を作ろうとする、どうしてそこまで思い上がれるのだろう?
そう思います。

そして昨日5日に公表された「成長戦略・3本目の矢」なるものが、「民間活力の最大限の活用」とありました。
この狡猾な表現には、唖然とします。
今後の経済政策がうまくいかなかったら、その責任は「民間側」にあり、成功すれば自民党政権がうまくお膳立てしたおかげ。
何だか、そう聞こえませんか?

要するに安倍首相を始めとする自民党のセンセイ方の腹の中にあるのは、『華族意識』なのではないでしょうか?
どんな体制であっても、自分たちがてっぺんにいられればいい。
だからヨーロッパアメリカの政治家の多数が、まずは一番大切にする民主主義を、いとも簡単に捨て去ることができるのでしょう。
パッサウ市内をボートで進む救助隊、6月4日。
Donau07

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