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【 全原発停止を祝う人々 】

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所要時間 約 10分

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「こどもたちが何の心配も無く、無邪気に遊ぶことが出来る地球を取り戻そう」

アメリカABCニュース他多数 / AP通信 5月5日

5月5日土曜日、この国の稼働可能な50基の原子炉の内、最後の1基が止まったことを祝うため、数万人が東京でデモ行進を行いました。
人々は反原発の強い意志を象徴するものとして巨大な鯉のぼりの横断幕を打ち振っていました。
日本では北海道にある泊原発の原子炉が法律で定められた定期点検のため停止し、この40年間で初めて日本国内で稼働中の原子炉が無くなりました。

昨年3月11日に襲った巨大地震と巨大 津波が福島第一原発の3基の原子炉でメルトダウンを引き起こした後、原子力発電に対する一番の人々の懸念の高まりを受け、点検のため停止中だった原子炉はまだ一基も再稼働していません。
「今日は、歴史的な日です」
と、東京の公園に集まった群衆に向け、石川まさしさんが叫びました。
この呼びかけに、人々は反原発運動のシンボルとして、本来は子供の日に家庭で掲げる鯉のぼりを振って応えました。
「日本国内には多くの原子力発電所があります。しかし、今日稼働している原子炉は一基も無くなりました。これはここに集まったみなさんの努力のたまものです。」
石川さんはこう語りました。

活動家の一人は最後の原子炉が『こどもの日』のこの日に停止したことは、非常に意義深いことだと話しました。
なぜなら福島第一原発が未だに大気中、そして海洋中に放射性物質を放出し続けており、それによる子供たちの健康被害が、彼らの懸念のうち最も大きなものであるからだ、と語りました。
政府は原子力発電所の再稼働の必要性を、執拗に唱えています。電力不足の懸念に加え、日本が原子力発電所を停止させた結果、石油や石炭などに頼らざるを得ず、その結果二酸化炭素の排出量が増える、というものです。
これから日本の原子炉は地震の 被害、津波の被害を耐え抜く強度があるかどうかのテストを通過し、その上で地元の自治体の了承を得て始めて再稼働が可能になります。

既存の原子力発電所の近くで暮らす人々の反応は様々です。
一部の人々は雇用を守り、地元に補助金が交付され、その上様々な恩恵に預かれることから再稼働を支持しています。
北海道泊町の牧野町長は、こうした考えの下、原子力発電所の再稼働を支持する中の一人です。
「いろいろな考え方があるかもしれませんが、しかし、今回のことはとても残念です。」
牧野町長は原子炉が停止した後、こう語りました。


〈北海道泊原発〉

反原発の大きな抗議行動は、概ねこれまでは東京などの大都市圏に限られてきました。こうした地域は福島第一原発などを含め、遠く離れた場所にある原子力発電所から電気の供給を受けてきました。
福島第一原発の事故直前には、日本は総発電量の3分の1を原子力発電によって得ていました。

この日集まった主催者側の発表で5,500人の抗議行動の参加者は、政府が警告する電力不足について、てんで相手にはしていませんでした。
どんなふうに国民を脅してみたところで、1基ずつこの国の原子炉が停止し、どんな混乱も起きなかった以上、原子力発電など本当は必要が無いことが明らかになったはずだ、と話しました。

日本が著しい電力不足に陥るかどうか、それはまだ明らかではありません。
しかし現在のところ電力不足が予測されているのは、夏の間気温が急上昇し、電力需要が一気に増加するわずかの間のことなのです。
この点については政府や電力会社、一部の大企業やマスコミなどが、国民から再稼働容認を引き出すために起こり得る状況を誇張している、という批判があります。

北海道電力社スポークスマンの 木林氏は泊原発の原子炉の停止作業は、この日安全なうちに完了した、と語りました。
北海道泊原子力発電所には3基の原子炉を備えていまが、他の2基はすでに停止中でした。

昨年3月11日以前、日本には54基の原子炉がありました。
しかし、福島第一の6台の原子炉の4台は災害のため、 廃炉のための作業が続けられています。

パン屋さんを引退した片岡ようこさんは、デモ行進をしながら音楽に合わせて手に持った小さな鯉のぼりを振りながら踊っていましたが、原子炉がすべて停止し、とても幸せな気分だ、と語りました。
「孫たちも、ひ孫たちも、何の心配も無く無邪気に遊ぶことが出来る地球を取り戻しましょうよ。」
彼女が着ていたTシャツには手書きでこう書かれていました。

「原子力発電はもうごめん!」

http://www.bellinghamherald.com/2012/05/04/2510012/hundreds-march-as-japan-goes-without.html
http://www.kimatv.com/news/national/Thousands-march-as-Japan-shuts-off-nuclear-power--150287555.html
http://www.chinapost.com.tw/asia/japan/2012/05/06/340169/Thousands-march.htm

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このニュースはAP通信によって世界に配信され、アメリカABCニュースをはじめ、アメリカ各州にある地方新聞や地方のテレビ局、そして台湾のチャイナポストなど世界各国のメディアが掲載した記事です。
そして例によって日本では、このイベントはほとんどの大手メディアにより無視されました。

「総理、おはようございます!」と媚びるように声をかける日本の大手メディアの「記者」が、時折テレビに映ることがあります。
一方で、イギリスの首相やアメリカ大統領は、自国大手メディアのマイクの前に立つとき、明らかに緊張しているのがわかります。
媚びてくれるようなジャーナリストなど、いるはずがないからでしょう。
事実、質問する側は一定の敬意は払いつつも、少しでも現実の認識に問題があろうものなら、徹底的に追及を始めます。

しかし、「おはようございます」のマイクが何本並んでいようとも、日本の首相は実にリラックスしたもの。
ここにいる全員は誰に向け、何を伝えようとしているのでしょうか?

「政治の劣化」について語る日本の大手メディアは、3.11 以来、世界のメディアからその「報道の底の浅さ」についてさんざん批判されてきました。

太平洋戦争当時の日本の報道にこんなのがありました。
日本の敗戦の始まりとなったミッドウェー海戦、米軍が撮影した映像を日本がたまたま入手しましたが、そこに映っていたのは、日本の空母飛龍だか赤 城だかが米軍に撃沈されるシーンでした。
日本はこれを持ち帰り、ニュース映画として国内で放映しました。
同時の日本のメディアがつけたナレーションは、
「敵空母、ホーネット(エンタープライズ?)に巻き起こる大火災に敵兵、なすところを知らず!」

この「ニュースが作られて」から70年もの年月が経過しましたが、日本の報道、その本質は変わったのでしょうか?!

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【 世界最高額ゴルフ・トーナメント 史上ベスト10ショット / ザ・プレーヤーズ・チャンピオンシップ 】

アメリカ・プロゴルフツアー協会 5月10日

マスターズより、全英オープンより高額の優勝賞金171万ドル(約1億4,000万円、マスターズ、全英はともに144万ドル約1億 2,000万円)をかけた大会、ザ・プレーヤーズ・チャンピオンシップがアメリカ・フロリダ州のTPCソーグラスというゴルフ場で、今日5月 10日から4日間にわたり開催されます。
全米オープンは一か月後ですが、『第5のメジャー』と言われる有名な大会だけに、世界中からトップクラスの選手が集まります。

日本からの参加はUSPGAツアー唯一の日本人シード選手、今田竜二ただ一人。
しかし今年はシード選手でありながら、まだ一回も予選通過が無いという考えられないほどの絶不調。

ところで、TPCソーグラスはタイトル写真の17番『アイラン ド・グリーン』で有名なコース。
池の中にグリーンだけがぽっかり。
皆さんはこれだけの大観衆を前に、このグリーンに見事オンさせられる自信はおありですか?

ご紹介するビデオは、これまでのザ・プレーヤーズ・チャンピオンシップの大会で、アメリカ・プロゴルフツアー協会が選んだ『ベスト10』のショットです。

そしてこちらは、ザ・プレーヤーズ・チャンピオンシップ初日のハイライトです。

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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