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【 ニッポンの犯罪発生件数がこれほどに少ない、本当のワケ 】

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警察は犯罪となる可能性のある行為を『発明する才能』を持ちはじめている?

安倍首相のポスターにアヒットラーと同じ口ひげをいたずら書きしただけで、警察に逮捕されてしまった男性がいた

 

エコノミスト 2017年5月18日

 

張り込み捜査が開始されてすでに1週間が経っていましたが、ついに報われる瞬間がやってきました。

眠ったように静かな日本南端の都市で鹿児島の警察官は昼夜を分かたず、駐車場でドアロックがされないまま置かれていた車の張り込みを続けていました。

その車は缶ビールの箱を1ケース積んだまま、スーパーマーケットの外に駐車していました。

そしてついに通りかかったひとりの中年の男が、そのビールを自分のものにするため行動を起こしました。

しかしたちまち五人の警察官に取り押さえられ、鹿児島市内でもあまり見かけることが無い犯罪者の1人がこうして御用となったのです。

 

日本国内至る所にある雑然とした通りは決して美しいとは言えませんが、どこを歩いても安全だという点において他の国とは比較になりません。

日本の犯罪発生率はこの13年間一方的に低下を続けてきました。

殺人犯罪の発生割合が100,000人あたり0.3件というのは文句なく世界最低です。

これに対しアメリカは約4件と比較すると著しく高く、2015年には1丁当たりの銃の被害者数は最高を記録してしまいました。(グラフ)

かつてヤクザといえば日本では強力な犯罪者集団として恐れられましたが、法規制の厳格化と構成員の高齢化によってもはや昔日の面影はありません。

 

こうした状況に対し、警察官は年金生活者の増加にもかかわらず、その規模は拡大を続けています。

日本では警官の事をお巡りさんと呼びならわしていますが、その姿は街中のいたるところで見かけるようになりました。

日本国内には259,000人を超える制服警察官が配置されていますが、現在よりはるかに犯罪発生率が高かったちょうど10年前と比較すると15,000人以上増員されました。

日本は人口一人あたりの警察官の比率も高く、特に東京には世界最大規模の首都警察である警視庁があり、住民一人を守るための警察官の数の割合はニューヨーク市警の1.25倍という数を誇ります。

 

こうした状況の下、他国では見逃されてしまう自転車の窃盗や少量の薬物所有といった些細な犯罪に対しても、抜かりなく警察の目が配られるという現実を生んでいるのです。
1人の女性は、物干し用のハンガーから下着を盗まれたと通報すると、狭苦しいアパートに5人もの警察官がやってきて事情聴取された時の様子について説明してくれました。

また昨年は少人数の捜査チームが自分で使うためにさびれた田舎のスポットでマリファナを栽培し、吸っていた22人を逮捕するよう命じられました。

 

実際、日本国内では対象とすべき犯罪の減少により、警察は犯罪となる可能性のある行為を『発明する才能』を持ちはじめていると京都大学の高山佳奈子教授が語りました。

高山教授によれば最近の例では、車を借りるための費用を分担した人々のグループが逮捕されました。逮捕理由は違法タクシー、白タク行為です。

いくつかの県では、自転車に乗って信号無視をした人々が検挙されるようになりました。

2015年、ひとりの男性が安倍晋三首相のポスターにアドルフ・ヒットラーと同じ口ひげをいたずら書きしたところ、警察に逮捕されました。

高山さんは大学のキャンパス内に許可なく刑事が姿を現し始めたと語っています。

そして「厄介な」学生の監視をしています。

 

警察がサイクリストの尾行をするようになった理由の一つは、二輪車による犯罪行為を恒常的に減少させることが目的なのかもしれません。

信号無視などで検挙された自転車の運転者は、警察の指定する自動車学校で自転車運転に関する再教育を受ければ罰金などを免除されることになっていますが、同志社大学のコリン・ジョーンズ氏によれば、これらの自動車学校には多くの場合警察OBが勤務しています。

15年前、人口密度低い北海道で、銃を密輸している犯人を捜し出すために警察がヤクザの『協力』を得たこともありました。

 

しかし行きすぎと思える警察の捜索も時として有益である場合もあります。

日本では少子化が進行しているにもかかわらず、大切にされるべき子供たちが自宅で虐待されている事例の報告件数は、2010年以降ほぼ2倍になりました。

報告件数の増加の背景には、これまでこうした事案への関与を避けてきた警察が積極的に関与するようになったことがあります。

日本の司法制度に批判的な人々さえ、日本の社会から違法行為や脱法行為がかなりの程度減ったことを認めています。

常習的犯罪の率は低いまま、若い犯罪者を刑務所に収監する事無く更生させるために多大な取り組みが行なわれています。

そして若者が非行に走らないよう、その両親たちとも協力関係にあります。

刑務所に収監される成人の数は、ほとんどの豊かな先進国のそれを下回っています。

100,000人につき666人のアメリカはもちろん、146人の英国と比較して、日本は45人という少なさです。

 

しかし日本の警察には不思議と能率が悪い点があります。

これ程多くの人員を抱え、これ程犯罪件数が少ないにもかかわらず、日本の警察の犯罪解明率は30%を下回っています。

供述調書は刑事告発の際、その基礎の最も大切な部分を形成しますが、しばしば強要されたものであったことが発覚することがあります。

最初に紹介した鹿児島のビール泥棒は、5人の捜査員が懸命の張り込みを続けた努力もむなしく、法定で不起訴処分になりました。

 

市民活動を行っている弁護士の安田吉氏は、日本で犯罪件数が少ないのは警察組織のおかげではなく、市民一人一人の順法意識が高いためだと指摘しました。

 

http://www.economist.com/news/asia/21722216-there-was-just-one-fatal-shooting-whole-2015-crime-dries-up-japans-police-hunt

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6月29日(金)に新しい掲載を行う予定でしたが、私事多忙多端のため今週のみお休みさせていただきます。

7月3日(月)よりまた新たな掲載を行いますので、よろしくお願いいたします。

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