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原子力規制委員会は、本来果たさなければならない役割を放棄しているのも同様の有様
問題の解決ではなく、問題を指摘する人間をつぶそうとする原発行政
フェアウィンズ 2017年2月2日
ラジオ・エコショック(ES):さて原子炉は現在中国で製造されているという事ですが、それによって将来どんな問題が発生する可能性があるでしょうか?
大統領に就任したドナルド・トランプは、現在連邦政府が行なっている管理監督業務の75%を撤廃すると語っています。
原子力規制委員会はその管理監督業務のまさに塊のような機関です。
もしトランプがどのような結果につながる可能性があるか慎重に検討もせず、原子力発電に関する規制を次々撤廃するようなことになれば、いったいどんなことになるのでしょうか?
アーニー・ガンダーセン(AG):
いずれにしてもアメリカの原子力規制委員会は、本来果たさなければならない役割を放棄しているのも同様の有様です。
私はアメリカ大統領の民主党候補の座をヒラリー・クリントンと争ったバーニー・サンダースと同じ通りに住んでいました。
今は二人とも別の場所に住んでいますが、ある夜私は彼にこう言ったことがありました。
「バーニー、次の原子力規制委員会の委員長に私を任命してくれないか?」
原子力規制委員会の委員長については米国連邦政府に任命権があります。
彼は私をまじまじと見つめた後、声を挙げて笑いました。
「アーニー、冗談を言ってるのかい?どう転んでも君は原子力規制委員会の委員長にはなれないよ。」
これは真実を衝いた発言です。
原子力産業界はすでにアメリカの原子力規制委員会を支配下に置いています。
原子力規制委員会の5人のコミッショナーはすべて行政機関によって任命された人間たちであり、その素性については原子力産業界の政治圧力団体である原子力発電協会(NEI)が綿密に調べ上げています。
原子力規制委員会が政治的に独立した監査機能をもっているなどという考えは、それこそ冗談です。
憂慮する科学者連盟は、危険な原子炉を廃炉にするためには現在の原発の管理基準をもっときびしくしなければならないという声明を明らかにしました。
本当はもっと厳しい規制など必要ないのです。
今ある基準を、誤魔かさずに適用すれば良いだけの話化のです。
みなさんにご紹介したいお話が2つほどあります。
いずれも原子力規制委員会の中の職務に忠実な人々が、アメリカ国内の原子力発電所に関する大きな懸念を明らかにしました。
まず最初はカリフォルニア州でペック博士が、ディアブロ・キャニオン原発には付近で大地震が発生する危険性があると警告を行った事です。
ペック博士はこの懸念について公の場で発表したのですが、これに対し行政監察官が3度に渡る調査を行いました。
その都度博士の対応に誤りが無いことが証明されたのですが、私が指摘したいのは原子力発電に関わる問題について真実を明らかにしようとすると、原子力規制委員会がまるで秘密警察のように画策をしたことが何度もあったという事実です。
もう一人はラリー、苗字はクリッシオーニです。
彼については、フェアウィンズ・エネルギー・エデュケイションのサイトでも取り上げていますので、良ければご確認ください。
彼はアメリカ南部にあるオコニー原子力発電所が、もし上流にあるダムがトラブルを起こした場合水没する危険性があるという事実を、アメリカ原子力規制委員会が隠していたことを告発しました。
この事実については原子力規制委員会も、発電所を所有するデューク・エナジー社も把握していましたが、対外的には一切公表していませんでした。
そこでラリーは委員長に告発状を送付し、議会にもコピーを送りました。
ラリーのもとにやってきたのは行政監察官でした。
彼はラリーにこう言ったのです。
「君には二つの選択肢がある。告発状を撤回するか、または私たちに君を刑務所に入れる手間を掛けさせることだ。」
これに対し、ラリーはどっちも選ぶつもりはないときっぱりと返答しました。
監察官たちは早速ラリーに関わる調査を開始しましたが、最終的に司法省がこの男性は何も間違ったことはしていないと結論を出しました。
そうなのです。
原子力規制委員会の内部告発や異議申し立ては、委員たちのひんしゅくを買うだけでは済まないのです。
下手をすれば起訴されてしまいます。
私と妻のマギーは1990年代に現在の活動を始め、原子力発電の安全性に関わる様々な問題提起を行ってきました。
これに対しアメリカ原子力規制委員会はその問題の解決を図るのではなく、私たちの活動をつぶしにかかったのです。
私はその張本人に会ったことがあります、ジョン・ホワイトという名の人間です。
2012年のことでしたが、マギーは原子力発電の安全管理に関わる基準を故意にないがしろにし、その問題を指摘するアーニー・ガンダーセンをつぶそうとしているとする報告書を彼に突きつけました。
ホワイトはマギーの目をまっすぐ見つめ返し、こう語りました。
「必要なら、私は何度でも同じことをするさ。」
これこそが米国原子力規制委員会の体質なのです。
彼らは自分たちの立場は侵されるべきではないと考えています。
そしてフェアウィンズの活動が、そんな彼らの姿勢を問題視していることも把握しています。
フェアウィンズが米国原子力規制委員会のやることに異議を唱えることを止めれば、彼らは安閑としていられるのです。
しかし原子力産業界の利害と原子力発電所の見解に異議をはさむ人間がいれば、その人間はたちまち渦中の人となってしまうのです。
《6》へ続く -
http://www.fairewinds.org/nuclear-energy-education//ecoshock-interview-extreme-nuclear-dangers
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【 メトロポリタン美術館375,000点の収蔵作品をデジタル化、無料提供 】《15》
ニューヨーク・メトロポリタン美術館
ニューヨークのメトロポリタン美術館はそのコレクションをデジタル化し、無料で375,000点に上る画像データを公開しました。
いずれも公有財産として、無料で制約なしで利用することが出来ます。
ポール・シニャック(フランス: 1863–1935)作[夕凪、コンカルノー、作品220(アレグロ・マエストーソ - 堂々と速く)](写真上)油彩、1891
ジョルジュ・スーラの最も熱心な支持者として、シニャックは生涯を通して新印象派の理論を推進した画家であり続けました。
彼はスーラが始めた点描の手法を取り入れ、繊細な表現による色彩の調和を目指し、この絵について自ら語ったように「明滅する色彩の点」でキャンバス全体を覆いました。
この絵は海を愛したシニャックのてによるブルターニュ地方の風景です。
http://www.metmuseum.org/art/collection/search/459119