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【 イスラム国人質事件、人質男性の母親が目に涙をためて訴え 】

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所要時間 約 10分

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イスラムの教義にまったく反し、世界中のイスラム教徒とコミュニティに深刻な打撃を与えてしまう
子どもたちを救うことに半生を捧げた後藤氏、決してイスラムの敵などではない彼を自由に!

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 1月23日

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イスラム国の人質となっているフリージャーナリスト後藤健二さん(47歳)の母親である石堂順子さん(78歳)が身代金の支払い期限とされる時刻が迫る23日、日本外国特派員協会(東京都千代田区)で記者会見し、後藤氏の解放を求めました。

日本政府が2億ドルの身代金を支払わない限り、人質として拘束されている日本人男性2人を殺害するとイスラム国が脅迫するタイムリミットが迫る中、母親の石堂順子さんは涙ながらに後藤さんを解放するよう訴えました。
石堂さんは後藤さんについてイスラム国の敵などではなく、純粋に人道的見地から世界の紛争地帯で人々が苦しむ姿をリポートすることを目的にしていたと語りました。

「私の息子は、イスラム国の敵でありません。」
石堂さんは23日金曜日の朝、国内外の報道陣が詰めかけた記者会見の席上、こう語りました。

時折涙を拭いながら、石堂さんは息子がトラブルを引き起こしてしまったことについて謝罪すると同時に、日本政府に対したとえ身代金を支払うことになっても、後藤さんたち2人の日本人が無事釈放されるよう訴えました。

報道によれば後藤さんは昨年8月にイスラム国に拘束されたとみられる、知人で安全保障問題コンサルタントの湯川遥菜(42歳)さんの解放交渉のため、10月にシリア入りしたと見られています。

「私が母親としてできることは、解放されることを祈る事しかありません。」
石堂さんはこう語りました。
「もし私自身が息子の身代わりになれるなら、喜んでこの身を捧げます。息子が解放されるなら、私の命など惜しくはありません。」

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日本政府当局者は現地の数カ国の関係先各所に飛び、日本人男性2人の解放のため工作を続けていますが、身代金支払い最終期限が数時間先に迫った時点においてもイスラム国と直接接触できていないことを認めました。
日本政府は、最終期限が日本時間の23日金曜日午後2時50分であると認識しています。

しかし日本の公共放送NHKは、このあとすぐにでも声明が公表されるというイスラム国「広報部門」からのメッセージを受けとったと伝えました。

石堂さんは世界中の紛争地域で困窮する子供たちを救いたいという願い、そうした『優しさ』が後藤さんの行動原理であると訴えました。
そして生後わずか2週間の自分の子供を残してシリアに向け旅立ったことを後藤さんの妻から聞き、驚いたと語りました。
「私は健二がいったいどういうつもりでそんなことをしたのか解りませんでしたが、友人を助けたいという一心だったのだと思います。」
「彼はそういう人間なのだというしかありません。」

石堂さんは、オレンジ色の衣服を着せられた後藤さんと湯川さんの間にジハード戦闘員が立ち、ナイフを振り回す映像をイスラム国が公開して以降の3日間、『深い悲しみと混乱』にひどく苦しんできたと語りました。

英国のアクセントで英語を話す覆面をした男は、2億ドルの身代金の支払い期限として日本の安倍首相に72時間を与えました。
この金額は安倍首相が中東諸国を歴訪して約束した、イスラム国との戦いに必要な『非軍事』援助の総額と同じです。
その中にはイラクとシリアからの難民を受けて入れている各国への資金援助が含まれています。

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身代金を要求するビデオの中で、イスラム国は安倍首相がイスラム女性と子供たちを殺し、彼らが住んでいる家を破壊するための資金援助を行ったと攻撃しましたが、日本政府はこうした告発を否定しています。
日本の岸田外務大臣は、安倍首相が周辺職に約束したのは人道的見地に立って支援活動を行っている国々に対するものであると語り、次のように語りました。
「我が国がテロリズムに屈することはありません。国際社会と協力しながらテロリズムの防止に努めるという我が国のスタンスに変更はありません。」

日本の当局者は、場合によっては米国・英国政府との間に亀裂を生じさせる可能性がある身代金支払いについてコメントすること拒否しました。

日本政府の最高位のスポークスマンである菅義偉官房長官は、日本政府が人質を捕えている側にあらゆるチャンネルを使って接触を試みてはいるものの、20日火曜日にイスラム国がビデオを投稿して以来、新たなメッセージは何も受け取っていないと語りました。

土壇場の取り組みとして、昨年4月にシリアで初めて後藤さん、湯川さんと接触したともにイスラム教への改宗者であるイスラム法の専門家中田考氏、そしてジャーナリストの常岡浩介氏は、イスラム国側に2人を解放するよう認める嘆願書を送りました。

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「72時間という時間は、あまりに短い。」
中田氏は日本語、アラビア語と両方の言葉で読み上げた声明で述べていました。
「もう少し時間を与えてほしい。そして直ちに危害を加えるようなことは控えて欲しい。」
中田氏はこう語り、次のように付け加えました。
「話しあう余地があるのであれば、現地に交渉に行く準備がある。」

中田氏は赤新月協会(イスラム圏の赤十字組織)を通し、イスラム国の支配地区における難民や住民に対する人道援助のため2億ドルを提供することを提案しました。
「私はこれが合理的な、そして受け入れが可能な選択肢であると考えています。」

日本最大規模のモスクである東京ジャーミー・トルコ文化センターは、2人の人質をすみやかに開放するよう求める声明を発表しました。
この声明の中で同センターは
イスラム国の行為は「イスラムの教義にまったく反するものであり、世界中でイスラム教徒とイスラムのコミュニティに深刻な打撃を与え、不安定な立場に追い込んでしまうものである。」

石堂さんは、後藤さんがこれほどに危険な場所に自ら赴くという愚かな行為を犯してしまったという一部の人々の指摘を受け入れた上で、しかしその意図には尊重すべきものがあったと語りました。
「私の息子は立って歩けるようになる以前から、常に出会った子供たち全員に優しい人間でした。」
「息子は、友人や知人を救うために、できることをすべて品家腫れならないと感じていたのだと思います。」

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「彼は仲間を救出するためにシリアに行ったのです。彼はイスラム国の人間と直接話すことができれば、彼らを説得することも不可能ではないと考えていたようです。息子は子どもたちを救うことに、これまでの人生を捧げてきました。…私はイスラム国の人々に彼を自由にしてくれるよう、心の底からお願いします。あらゆる意味で、息子は決してイスラムの敵ではないのです。」

http://www.theguardian.com/world/2015/jan/23/japanese-isis-hostage-kenji-gotos-mother-makes-tearful-appeal
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【 戦争の代償 : 難民キャンプでの暮らしを強いられる子どもたち 】《再掲》

アメリカNBCニュース 8月2日
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)

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ヨルダンのマフラクにあるザータリ難民キャンプに行けば、隣国シリアで行われている内戦という名の戦争がどれ程残酷なものであるか、それを幼い子供たちの表情から読み取ることが出来ます。

18才未満の50,000人以上の年若い難民たちは、広大な砂漠の中に設営された吹きさらしのキャンプを我が家と呼ばなければなりません。

ザータリ難民キャンプで暮す10歳のアマル、2014年7月29日撮影。(写真上)

ザータリ難民キャンプで暮す5歳のサマハ。
ユニセフの調査によれば、シリアには280万人の就学年齢の事もたちがいますが、そのうちの約半分が内戦のため、教育の機会を奪われてしまっています。(写真下・以下同じ)
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11歳のアマル・カルーシュ。政府軍の攻撃によりシリア国内の自宅を爆破された彼女は、家族とともにこのキャンプに逃れてきました。
「ここに逃れてくる途中も、私たちは何度も砲撃されました。とても恐ろしい経験でした。でも私たち家族は幸運なことに、全員ここに避難することが出来たのです。」
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14歳のシリア難民、フォウアド。
ユニセフはシリアの内戦では、10,000人以上の子供たちが無残に殺されてしまったと見積もっています。
生き残ることが出来た子供たちも、心に大きな傷を負ったままなのです。
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ザータリ難民キャンプで暮す6歳のバトウル、2014年7月29日撮影。
難民キャンプでの暮らしには多くの苦痛が伴いますが、イスラム教徒の重要な儀式であるラマダン明けがあったこの週、子供たちのもとに援助物資が届きました。
中には新しい洋服などがあり、一部子供たちはくつろいだ時間を過ごすことが出来ました。
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8歳のモハメッド・ガッサーン。
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9歳のマラク。一部の恵まれた子供たちは学校に通うことが出来ますが、多くの子供たちは生活を支えるために働かなければなりません。
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5歳のザイナブ。
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