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【 まる1年、福島でつのるいらだち 】暮らしを、人生を壊されてしまった人々の苦しみと怒り

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所要時間 約 10分

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「今年のうちに福島第一原発を、きれいさっぱり取り除いてください!」

3.11から丸一年が経過しても、福島第一原発に最も近い場所で暮らしていた人々の先は全く見えない。

アルジャジーラ 3月11日

福島県福島市 – 2011年3月11日に襲った地震と津波により福島第一原発の事故が起きた福島県では、人々の気持ちは暗く沈んだままになっています。

日本人が今どんな気持ちでいるかとの問いに、この地区のボランティアである橘内じゅんさんがこう答えました。
「人々は元気とは言えません。」

彼は市内で気の置けないバー兼レストランを経営する30歳の男性ですが、彼の商売も相当なダメージを受けた、と語ります。
200,000の人口の内48,000もの人々が、3基の原子炉が引き起こした深刻な放射能汚染への恐怖から、この街を去っていきました。

橘内さんは3月11日のこの日のイベントを企画した中の一人ですが、記念式典を盛り上げるよりは、この日参加した人々の心を支えることの方に気を配っていました。
朝早く、橘内さんと他のボランティアは、食物を提供するための、そして音楽演奏のためのテントを設営しました。

彼は日本政府がまともな援助を行わない間、人々は互いに支え合ってここまでやって来た、と語りました。そしてこの地の人々は、また新たに大きな地震が襲い、ここから約80km先にある福島第一原発がなお一層ひどい汚染をまき散らすことになることを何よりも 恐れている、と語りました。
「そうなれば、今度こそ本当の終わりがやってきてしまいます。」

一部の人々にとってこの一年は あっという間に過ぎましたが、事態の改善の兆候と呼べるものはほとんどありませんでした。
「私は直接的な影響はあまりあ りませんでしたが、いまだに深刻な影響を受けたままの人々にとっては1年と言えなかったと思います。
そしていまだに大量のがれきが残されたままです。」
17歳の永浦あいさんがこう語り、同じく17歳の牧ちさとさんはこう語りました。
「今年のうちに福島第一原発を、きれいさっぱり取り除いてくれること」を日本政府にはお願いします。

▽怒り、そしていらだち

福島市の真南に当たる郡山市には、福島第一原発の避難民が未だに数多く暮らしています。

この日郡山駅の外には道化師の姿や動物の形をしたたくさんの風船、そして大きな特設ステージでは漫才師たちが得意の芸を披露し、祭りの雰囲気を盛り上げていました。
そして横断幕には「今こそ元気を取り戻そう」と大きく書かれていました。

しかし、郡山市庁舎の前に集まった大群衆は、ノーベル賞受賞文学者で反核活動家である大江健三郎氏の講演を聞くために集り、そのあと原子力発電に抗議するためにデモ行進を行う予定です。

20,000人に上った津波による犠牲者、260,000人もの人々が移住を余儀なくされていること、そして110,000人が未だに仮設住宅暮らしを強いられていることについて話す人は誰もいません。
この地にあっては、放射線の問題が人々の不満の最大のものであることは明らかです。

「まるで声を失ったような気がします。前に進もうという意欲も。」
東京からやって来たアーティストの香取あきこさんがこう語りました。
「東京では誰も放射能汚染の問題について口に出そうとしませんが、心の中では誰もが放射能汚染を恐れています。」

一部の人々は放射能汚染により 大きな被害を受けてしまった人々に同情を示していますが、中室みつおさんなど特定の人々は大気中の放射線に関わる特別な問題を抱えていま す。

60歳の中室さんは、人材派遣会社などによってさまざまな建設現 場や公共工事などに送り込まれる派遣労働者のための全日本自由労働組合のメンバーですが、アルジャジーラに以下の話をしてくれました。
中室さんは長い期間福島第一原発で汚染除去作業に携わってきましたが、正規雇用の作業員は被ばく放射線量についてきちんと管理されているが、中室さんのような非正規雇用の作業員については、被ばく放射線量を管理するための通算労働時間の管理が行われていない、と語りました。
「これは犯罪組織が労働者の派遣に関わっているからなのです。」
「仕事を断れる人間は誰もいません。そして暴力団が介在しているため、派遣作業員は通算被ばく時間を管理するためのタイムカードを持っていないのです。」
そして福島第一原発で緊急作業員として働いた後、中室さん自身はしなかったものの、友人の一人は今度は除染作業に雇用されて行った、とつけ加えました。

中室さんが語った内容が真実なのかどうか確認はできませんでしたが、もし事実であるとすれば、今日本中を覆っている怒り、そして不信の原因となるもののヒントが隠されているかもしれません。

そこから数メートル離れた場所では牛の畜産農家の3代目、吉沢まさみさんがトラックを止め、拡声器に向かって大声で訴えていました。
彼は浪江町で、飼育していた300頭の牛を放棄して避難する羽目になってしまいました。
彼は福島第一原発を運営する東京電力を、口を極めて批判しました。
「これから自分の余命がどれだけあるかはわかりませんが、私は死ぬまで東京電力と戦い続けます。」
吉沢さんが叫んでいました。

▽変化への取り組み

およそ10,000人の群衆で満員になった郡山市の開成山野球場で開催された反原発集会では、大江健三郎氏が講演のため壇上に上がった数分間、その気分は最高潮に達しました。
大江氏は、福島第一原発の事故の後点検のため停止中の、国内の原子炉の再稼働に反対するよう呼びかけを行いました。
「私たちはこの国の将来の世代の人々のため、再稼働に反対しなければなりません。」
日本の原子力発電の完全停止を願う大江氏はこう演説しました。
「経済的な打算によってではなく、倫理的な選択としてそうすべきです。」

大江氏が演説を行ったこの日、集まった人々は吹きつけてくる冷たい風に耐えなければなりませんでしたが、世界的にも有名な演者を迎え、人々の心は沸き立ち、その後市民センターまでの道のりをデモ行進しました。
しかしその前、大災害の引き金となり、人々がここに集まるそもそもの原因を作った東日本大震災が発生した時間 - 2時46分になると人々は黙とうを捧げました。

「大江さんの話の内容に、非常に感銘を受けました。」
と、59歳の荻原はるおさんが語りました。

「大江さんが話した原子力 – 核の無い未来は可能だと思います。政府はこうした行事があったことも、どんな抗議行動があったかも知っているはずです。政府はそれに応える誠意を持たなければなりません。」

http://www.aljazeera.com/news/asia-pacific/2012/03/201231111243083348.html
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【赤ちゃんシマウマが危ない!】

アメリカNBCニュース 5月3日

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ヘザー・バルツァーは、ポートランドにあるオレゴン動物園へ彼女の13ヶ月になる息子のジャックを連れて行く準備をしている時、ジャックに黒と白の縞模様のパーカーを着せることについて、その後どんなことが起きるかなど考えることもできませんでした。

このビデオ撮影を終えた後彼女は、いくら強化ガラス越しとはいえ腹ぺこのライオンがいる動物園に、息子にまるでシマウマそっくりの服を着せてつれてくることが、決して良い選択ではなかったことを学習しました。
「フェィスブックでこの映像を公開するまで、そのことに思い至りませんでした。」
彼女が「誤り」に気がついたのは、映像を見た人々からの反応によってでした。
「この格好が動物園にはピッタリ、そんな風にしか考えていなかったのです。でもガラスの向こうの雌ライオンには息子のジャックが、格好のごちそうに見えたに違いありません。」
映像ではャックをひっかき、噛みつき、そして何とか捕まえようとやっきになる雌ライオンの様子が映っていますが、薄い一枚のガラスのおかげで可愛らしい坊やにライオンは指一本触れることができません。
「ジャックはネコが好きなので、襲いかかろうとするライオンに向かって「ネコちゃん、ネコちゃん」と言っていました。ジャックも私も恐怖は感じていませんでした。」

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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