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【3.11から1年 : 未だに答えを探し続けている 】

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所要時間 約 7分

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宮城県石巻市 / アメリカCBSニュース 3月9日

2012年3月11日で日本は、その国土を徹底的に破壊した巨大地震と津波が襲ってから1年を迎える事になります。
少なくとも16,000人が瞬時に命を奪われましたが、未だに3,000人以上が行方不明のままになっています。

一年は長い時間だったかもしれませんが、ここにいる人々にとってはそうではなかったかもしれません。
3,182人が死亡した石巻市は、もっとも津波の被害が激しかった所です。
捜索をつつけている人々は、未だに行方不明のままの533人の姿を探し求めています。

この街は市内の大川小学校で多数の幼い命を失いました。
74人のこどもたちと、教師10人が津波にのまれて死亡しました。

「みんな生きているのに、どうして私の娘だけが死ななければならなかったのでしょうか?!」
志登さゆりさんはCBSニュース特派員のビル・ホワイテイカーにこう語りました。
彼女の12歳の娘、ちさとさんはこの小学校の犠牲になったこどもたちのうちの一人です。
さゆりさんにとって小学校を見る事は苦痛以外の何なにものでもありませんが、毎日学校に通い続けています。

もっとも大きな悲劇のひとつは、子どもたちと教師たちが、緊急地震対応マニュアルに基づき行動していた事でした。
結果的にそのことが、ほとんど全員の死につながってしまったのです。
地震が襲った際、子どもたちはまず自分の机の下に身を隠しました。
その後子どもたちは余震から身を守るため、低い場所にある屋外の校庭に避難したのです。

そこを津波が遅い、たちまちに多くの命を奪い去りました。
校庭の右側には小高い丘がありました。
別の12歳の犠牲者の母親、平塚なおみさんはなぜ高い場所に逃げなかったのか、その事を本人たちに代わり悔やんでいるとホワイテイカー特派員に語りました。
志登さんも同じ意見です。

彼女はその怒りを学校側に向けています。
一度など学校関係者の一人が、こどもたちが死んでしまったのは彼らの「運命」だったと言い放った、と彼女が語りました。
その発言は子どもたちを亡くした両親たちを激怒させ、親たちは学校関係者に向け怒号を浴びせました。
このような事は、日本では滅多に起きません。
一本のビデオは一人の父親が亡くなった娘の靴の片方をテーブルにたたきつけながら、こんなものしかもう残されていないのだ、と叫ぶシーンを記録していました。
津波をたった一人生き延びた教師は、うなだれたまま恥ずかしさのあまり崩れ落ちる様子が記録されていました。

志登さんは亡くなった娘のために神社を建て、娘のちさとさんが生前好きだったものを供えました。
一年が過ぎましたが、母親は亡くなった娘を想い苦しみ続けています。
平塚さんはわき上がる怒りと絶望を、娘の遺体を探し続ける糧としています。彼女はより広い範囲で遺体捜索ができるように掘削用重機の操作方法を学びました。平塚さんは娘の遺体が発見された今も、遺体の捜索を続けています。

「大切な子どもを、泥の中に埋もれたままにしておける親などいないじゃないですか…」

最後に平塚さんは英語で、自分がこれからも生きてくための心の支えを探しているのだ、と語りました。
「私の娘の夢は教師になる事でした。だから私も教育現場に戻らなければなりません。そこが私のゴールになるでしょう。」

http://www.cbsnews.com/video/watch/?id=7401551n&tag=cbsnewsVideoArea

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【 3.11災害後の日本を検証する 】〈第2回〉
「日本企業の地震と津波の被害からの、立ち直りの速さを印象づけた回復」

ニューヨークタイムズ 2月9日/3月10日

▽ 環太平洋自由貿易協定(TPP)

安定した政権を築けるかどうか論議を呼ぶ中、2011年11月半ばに野田首相は環太平洋パートナーシップ(TPP)に向けた議論の場に加わることを表明しました。
この協定は輸出業者に対しては新たな市場を提供することになるでしょうが、生活基盤が台無しにされるとする、発言力のある農家を激怒させることになりました。
野田首相は農業分野も含め、国際競争はより強固な国内市場を創造することになる、と言及しました。
日本に対し輸入超過に陥っているアメリカ合衆国は、 長い間日本市場への進出がしやすくなるよう努めてきました。

しかし市場関係者は日本の参加は来たるべき条約締結において国際間の信用を得られても、日本政府が求める細部にわたる条約の訂正は不可能であり、関税撤廃にまで踏み込むことは望んでいないだろうと分析しています。

▽災害後の経済回復

2011年11月、日本経済は第三四半期において6%の経済成長を達成し、3月に襲った巨大地震と巨大津波の被害からの力強い回復を印象づけました。
しかしながら減速を続ける世界経済と揺らぎそうにない円高傾向は、世界第3位の日本経済の先行きを不透明なものにしています。

輸出と消費の回復に支えられ、国内総生産は9月までの3ヶ月間で前年同期比1.5%拡大していることを、内閣府が発表した数字は示しています。
年率に換算すると6パーセントの幅広い分野での上昇 は、直近の4期の四半期の中では初めての改善でした。
こうした回復は、生産設備とサプライ・チェーンの立て直しによる、日本企業の地震と津波の被害からの立ち直りの速さを印象づけました。

輸出も6.2%の上昇を記録し、各企業は通常の生産体制に戻りました。
日本経済のほぼ3分の2を占める個人消費は、津波被害を受けた地区の買い替え需要と消費者心理の回復に助けられ1%増加しました。
〈つづく〉

http://topics.nytimes.com/top/news/international/countriesandterritories/japan/index.html?scp=1&sq=fukushima%20surprise&st=cse
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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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