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【イタリアは原子力発電にNo! – ヨーロッパ社会のエネルギー政策の将来を変え続ける日本の福島第一原発の事故】

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所要時間 約 8分

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今日はイタリアで94%という圧倒的多数によって否定された、ベルルスコーニ首相の原子力発電復活計画に関するイギリスBBC放送のコラムをご紹介します。なぜか、アメリカの各放送局はこの話題には触れていません。そこにアメリカの国策や政治的意図があるのか無いのか、私程度の人間にわかるはずもありませんが、このイギリス「国営」テレビのコラムを見る限りにおいては、ヨーロッパ市民の原発廃止の意図は非常に強いもののように感じます。
また、ベルルスコーニ首相にアヤシイ振る舞いがあっただろう事や、それに対しイタリア国民が国民投票によって追いつめて行った様子などもうかがえます。
今の日本の「政局」や福島第一原発の事故、そして東日本大震災の復興などの問題。
解散総選挙などをするより、今こそ私たち国民に直接「国民投票」させてほしい、そう強く思うのですが、みなさんはいかがでしょう?

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この2日間でイタリア国民は、その意思をはっきりと示しました。
彼らは原子力を断固として拒絶しました、そして、イタリアの首相シルヴィオ・ベルルスコーニに別の屈辱的敗北を与えたのです。
日本の福島第一原発の事故はヨーロッパ社会のエネルギー政策の将来を変え続けています。原子力の存在しない大陸への変化が加速しているようにも見受けられます。
フランスは原子力によりクリーンエネルギーを提供する事業に非常に力を入れてきました。
しかし、チャンスを与えられたヨーロッパの市民は「もはや選択肢は無い」と宣言したのです。

▽フランスの視点

5月30日に、ヨーロッパの経済大国であるドイツは、2015年と2022年の間に原子力発電所を段階的に廃止すると決めました。 スイスもこれに続く気配を見せています。2034年までに国の原子力発電所を段階的に廃止するという検討をしているのです。

ダニエル・コーン・ベンディット(ヨーロッパ議会・緑の党代表)
「今やイタリアが原子力産業を再生させる事は無くなりました。人々は断固としてその決意をあらわにしたのです。」

シルヴィオ・ベルルスコーニ首相は、50%の国民投票成立に必要な投票率に届かず、国民投票が不成立となる事を望んで、投票をボイコットするよう彼の支持者に求めました。
しかしながら投票率は56パーセントに達し、ベルルスコーニ首相は国民投票の成立を認め、こう発言しました。
「私たちは新たなエネルギー分野の開発に専念しなければならなくなった。」
一方、ヨーロッパ議会の緑の党の指導者ダニエル・コーン・ベンディット氏は、この投票結果は原子力発電について「EU加盟各国において、政策転換の重要なきっかけとなるかもしれません。」と話しました。
ヨーロッパ各国が原子力を発電手段として廃棄することになれば、再生可能エネルギーで供給不足を埋めることができるかどうかが問題となります。 フランスのムードは変化するでしょうか、そして、フランス国民も投票する機会を得ることになるでしょうか?

▽消滅する「魔法」 - ますます孤立を深めるベルルスコーニ首相

実は投票に関してはシルヴィオ・ベルルスコーニ自身に関する二つ目の筋書きがイタリアにはあったのです。 先月、選挙において、彼自身と彼の権威、そして彼の候補は手ひどい敗北を喫しました。
今や、彼は多くの国民投票質問で重大な敗北を受け入れざるを得なくなりました.
共和国は水道を民営化する計画も拒絶しました。水は人間にとって天から与えられた権利であり、市場の影響を受けることがあるべきでないと宣言して、バチカン市国さえかかわりました。
最も大切なのは、人々はイタリアのリーダーと他の高官が起訴を免れることを可能にする法律の改正をも拒絶したことです。
今、イタリアの選挙民へのベルルスコーニ首相の影響力は現在、だんだん衰えています。 - 選挙民は長い間、失態とスキャンダルを我慢して来たのです。
もはや魔法は通じません。ベルルスコーニ首相と一般の人々との絆は切れてしまっているように見受けられます。
野党民主党のピエルイージ・ベルサニ党首はベルルスコーニ首相の辞任を要求し、こう述べました。
「この国民投票は政府とこの国が、もはや相容れない存在となった事を証明したのです。」

ベルルスコーニ首相は、議会でまだ多数派を占めていますが、それは北部同盟(現在のイタリア北部は近代的工業の集積地)との連立によるものです。 しかし北部同盟は、現在、ベルルスコーニとその党との連携について解消すべきかどうか迷っています。
翌週には議会における信任投票が行われます。 ベルルスコーニ首相の性格から言って辞任する事は無いと思われますが、立場的には孤立の度を深めています。 彼の議会における立場はもろいものですが、国民の中には最早居るべき場所すら無いのです。

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動画【崩壊の前夜】
今日は1965年にバリー・マグワイヤが歌ってヒットした「eve of destruction - 崩壊の前夜」という曲を動画とともにお聴きください。
実はこの曲は福島第一原発の事故についての報道がなされるたび、私の頭の中で鳴り響いている曲なのです。
当時の歌詞はベトナム戦争や中東戦争を念頭に置いたものですが、作詞作曲をしたP.F.スローン自身が1990年代向けに歌詞を書き換えていますので、そちらの歌詞をご紹介します。

Eve of Destruction

神よ、西洋世界は滅亡の危機
もう何年も経ったのに、ほとんど何も変わっていない
テクノロジーは進歩しても社会はガタガタ
権力は少数の人間の手に握られたまま
無知な人々はどれだけの支払いを
しなければならないのだろう
アメリカよ、ぼくがおまえに感じてきた不安は
少しも消えてはいない

だから友よ
何度も何度も繰り返し、語ってくれ
いや、いや、君は信じまい
僕らがまだ滅亡の前夜に生きているということを

たくさんの山々と熱帯雨林
僕はこの緑の地球のことを考える
そして見回すと海を砂漠に変えるやつらがいる
君たちは空気が茶色になるまで
進歩の名において、緊急を叫びながら
森の木々を片っ端から伐り倒して行く

川や湖がなくなろうが、
動物たちの棲処がなくなろうがおかまいなし
そして何も知らなかった僕らは
ぼくらの利己的な選択の結果
莫大なつけの支払いに苦しんでいるのだ

僕が言おうとしていること
君はわかってくれるね
今日まで続いてきた狂気をきみは見てきたはず
時はいまだと感じている人も少なくない
新たな覚醒した時代を拓かなくては

人生の真のビジネス
それは自然との調和の中で営まれるべきもの
だって自然はあなたの内面の美しさの反映
こんな小さな態度の変化がやがて自由の鐘を鳴らすのだ
絶望している人々、希望に燃える人々
そして飢えた人々、すべての人々の上に

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