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【 お尻に火がついたスポンジボブ〈前編〉】

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所要時間 約 6分

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このスポンジボブの原稿を訳していて思い出したのは、子供のころわくわくしながら見たテレビ番組のDVDボックスを、大人になってから買ったところ、なんだかおもしろくないなぁ、という体験でした。
私が小学校高学年、つまりは昭和40年代初頭、ということになるのですが、アメリカの戦争もので『ラット・パトロール』という30分番組がありました。
「かっこいい」テーマ音楽の開始とともに、2台のジープが砂漠を疾走し、ドイツ軍と丁々発止の戦いを展開する。
50代になるかならないかの頃、そのDVDボックスを発見、購入したところ、つまらないわけではないのですが、面白いわけでもない。

これを最近作られた同じ第二次世界大戦ものの『バンド・オブ・ブラザーズ(兄弟の絆)』と比較し、なぜ面白くないのかわかりました。
場面展開がゆっくりに過ぎるのです。
『バンド・オブ・ブラザーズ』では緊迫した画面転換が繰り返され、見てる方も緊張してしまいます。
しかし昭和40年代前半の作品の方は、見てる方が間が持たなくなってしまうのでした。
結局ボックスもののこのセット、ディスク・ユニオンさんに買い取っていただきました。
しかし、改めて思ったのは、『ラット・パトロール』が面白い、と思える人間と、『バンド・オブ・ブラザーズ』じゃなければ面白くない、という人間、
とっちなのかなあ、ということです。
具体的に何がどう、ではないのですが、
「どっちなのかなぁ?!」、なのです。

このスポンジボブの原稿、少し長いので、また2日間に分けて、掲載させていただきます。

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【 スポンジボブは、未就学児童の思考速度を遅くする事が、研究で明らかに〈前編〉 】

アメリカABCニュー ス
コートニー・ハチソンとABCニュー ス医療担当ユニット
2011年9月12日

スポンジボブ(正式名称 : スポンジボブ・スクエアパンツ)は、ニコロデオン(アメリカのケーブルテレビ・チャンネル)の歴史上、最も長く放映され、愛されている漫画の一つかもしれませんが、児童心理学者からは嫌われているようです。
9月12日小児科ジャーナルに掲載された研究によると、未就学児がほんの数分間であっても、スポンジボブのような場面転換の早いアニメを見ていると、抽象的思考、短期記憶と衝動の制御の発達が遅れることになる、と発表されました。

バージニア大学の心理学者アンジェリーヌ・リラードの指導のもと、研究者は無作為に選ばれた60人の4歳児を3つのグループに分けました。
物語の展開がゆっくりしたPBS(ア メリカの非営利テレビ局。アニメ作品も多い - NHK教育テレビに似ている部分も)のアニメーションを見るグループ、スポンジボブを見るグループ、9分間マーカーで自由に絵を描かせられるグループです。


PBSのアニメ・キャラクター

研究者は、めまぐるしくシーンが切り替わるところからスポンジボブを選びました - PBSのアニメが一分間に2回だけ場面が切り替わったのに対し、スポンジボブは11秒ごとに場面が変わりました。
その後、未就学児童は数字を逆に数えたり、パズルを解いたり、許可されるまでおやつを食べるのを我慢することで喜びを先に延ばすなどの、『認知能力』『衝動のコントロール』についてテストする、4つの異なる『実行機能』の課題を実行するように求められました。
絵を描いていた子供達、PBSの アニメーションを見ていたグループと比べ、スポンジボブを見ていた子供達の成績が著しく悪かったのです。

調査を行った研究者達は、この親しみやすい台所のスポンジが繰り広げる冒険物語が、なぜ子供たちにこうもすぐに悪い影響を与えるのか、判断するのは難しいと言います。彼らはそれが現実には起こりえない出来事や、非常に早い場面転換のせいではないかと語っています。
これとは対照的に、PBSのアニメ番組はゆっくり進行し、就学前の子供の現実世界の出来事を表現していました。
こどもたちの親や小児科医はしばしば、めまぐるしく進行する近頃のアニメ番組は、子ども達を注意散漫にし、注意力を失わせる、と指摘しています。

「これは実にしばしば指摘されてきた類のことですが、自分たちの考えを科学に優先させるちょっと時代遅れな調査だと思います。」とデビッド・ローゼンバーグ、ウェイン州立大学児童精神医学・心理学主任教授は語ります。
海の中で暮らす四角いスポンジのキャラクターが、だめだというわけではありません。
すべてが速いペースで展開する、荒唐無稽なストーリーに疑問が突きつけられたのです。

スポンジボブの制作者であるニクロデオンは、今回の調査が白人の裕福な家庭の子供たちをのみ対象としている点を指摘、スポンジボブを援護します。
さらには被験者はスポンジボブの漫画が対象としている年齢よりも、2歳低い年齢の4歳の子供たちである、としています。
「本来番組がターゲットとしていない年齢層の、質的に似通っている60人の子供たちに対する9分間だけの調査は、方法論として疑わしいと言わざるを得ません。これでは、親たちが信頼できる基本的知見を提供出来ないのではないでしょうか?」
ニクロデオン代表のデビッド・ビトラーはABCニュースに語りました。
(続く)

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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