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【 チェルノブイリの事故から26年 : 子供たちへの救援活動の今〈前編〉】

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所要時間 約 10分

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「社会的にも経済的にも、あらゆる負の連鎖が続いている」
「重度の障害を負った子供たちの将来は不透明」
「2度と戻らなかった20万人」

アメリカCNNニュース 4月25日

26年前の4月最後の週、事故当時ソビエト連邦であったこの国のチェルノブイリ原子力発電所では、安全性を確かめるための実験に失敗し史上最悪の事故が起きました。
1986年4月28日に発生したこの事故で放出された放射線の量は、広島に投下された原爆の400倍、昨年発生した福島第一原発の事故の14倍に達しました。
今日に至って人が住めない避難区域内でも、植物は再び繁茂し、動物たちも増え始め、チェルノブイリ発電所も観光客に公開されるようになりました。

しかし、チェルノブイリの事故そのものは、まだまだ終息してはいないのです。
放射性物質が降り注いだ地区では、未だに数百万の命が危険にさらされたままとなっています。
放射線に汚染された地区では常に健康上の問題がつきまとい、この地域では社会的にも経済的にも、あらゆる負の連鎖が続いているのです。
[チェルノブイリの子供たちインターナショナル]、通称CCIは、生まれる以前に発生した大事故により苦しめられている、この地域で暮らす子供たちの救援活動を行っています。
多くの子供たちが先天性心疾患などの病気を抱えています。
そしてたくさんの子供たちが慢性的な病、機能障害などの問題を抱え、CCIの施設で生活しているのです。
彼らの救援を行うため、CCIは地元医師への情報提供や指導もできる医療チームを現地に送り込んでいます。
さらにCCIはが派遣している看護師は、施設のスタッフやボランティアに技術指導を行い、設備の改修すら行うのです。

CCIが目指す最終目標の一つは、現在は寄付によって賄われている、この地で暮らす子供たちの救援活動を行うこの施設『希望の家』の運営を、制度として確立することです。

この地にいるたくさんの、重度の障害を負った子供たちの将来は不透明です。

CCIは現在チェルノブイリの事故の影響が残る地域で、こうした障害を持った子供たちが将来高齢化しても安心して暮らすことのできるコミュニティーセンターの設立に向け、取り組みを続けています。
チェルノブイリでのメルトダウンが発生して20年以上過ぎた今も、いったいどの問題がチェルノブイリの事故と直接つながっているのか地元の意見も分かれており、そのことがCCIの抱えている問題を一層複雑なものにしてしまいました。
爆発、あるいは急性放射能症によって事故直後に死亡したのは30人だけです。
しかしチェルノブイリが噴き上げた『死の灰』は、現在はロシア、ウクライナ、ベラルーシ各共和国となっている何万平方キロメー トルの地域を汚染しました。

20万人以上の人が避難した後、二度と戻りませんでした。
しかしながらこれまでで最も包括的な調査・研究を行った『チェルノブイリ・フォーラム』は500万人を超える人々が『汚染地域』と定義された場所で暮らし、このうち25万人は『高度に汚染された地区』で生活を続けています。

事故の10年後、CNNのチームは、長期に渡る放射線被ばくの影響の実態について取材するため、事故当時チェルノブイリ原子力発電所近くで生活していた除染作業員、事故収束作業員、そして事故後もその場所で暮らし続けた人々について調査を行ったことがあります。
取材チームはそこで答えよりも、さらに多くの疑問を見出だすことになったのです。

事故調査のための資金が決定的に不足していました。
被災国の経済はチェルノブイリの事故によって疲弊してしまい、ソ連邦の崩壊がその状態に追い打ちをかけていました。
その結果年月が経っても答えが見つかるどころか、チェルノブイリの事故が汚染された土地に住み続けていた人々にとどまらず、その後生まれた世代に対してどのような影響を与えたのか、はっきりと特定できる状態にはありませんでした。
放射能汚染の影響について考えるとき、私たちはある一定のイメージを思い浮かべます : 突然変異により奇怪な外見になった動物、障害や先天性の奇形を負った子供たちなどです。
しかし2005年の『チェルノブイリ・フォーラム』の報告書は、このような問題を引き起こす決定的な原因を突き止めることはできませんでした。
実際のところ、甲状腺ガン発症の著しい増加を確認した以外は、慢性疾患や先天的な奇形が増加したことに関しても、事故との直接の関連を証明できるものをほとんど見つけることができなかったのです。

結局この報告書は、こう結論づけざるを得ませんでした。
「60万人を調査した結果、チェルノブイリの事故との直接の因果関係証明できるのは4,000人である。」

しかしこの報告書は事故の影響 をあまりにも過少評価するものだとして、激烈な議論が巻き起こりました。
ヨーロッパの緑の党がまとめた報告書『真実のレポート』では、放射線の影響によるガンにより死亡した人だけでも30,000人から60,000人に上る、と報告しています。

2010年ユニセフによる報告書はベラルーシの18歳未満のこどもたちのうち、20%以上が身体障害と慢性疾患に苦しまされていることを明らかにしました。
チェルノブイリが放出した放射性物質のうちの70%がベラルーシに降り注いだと見られています。

しかしこれらの数字のうちいったいどれが正しくて、どれが間違っているのかは誰にもわかりません。
チェルノブイリの事故の健康に対する影響を突き止めようとする者全員にとって、たった一つ明らかなことは事故が始まったその時から大気中にある放射線量は非常に高いものであった、という事だけなのです。
〈 つづく 〉

http://edition.cnn.com/2012/04/25/world/iyw-chernobyl-children/index.html?hpt=hp_c3
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チェルノブイリの子供たちの写真をたくさん知っていますが、あまりにかわいそうでどうしても掲載する気になれません。
写真なしの原稿になりましたが、ご容赦ください。
実態については、下記をグーグルの「画像検索」にコピー&ペーストしてご覧ください。

Chernobyl Children

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【動物と子供たちの詩】カーペンターズ
(歌詞和訳 : 星の金貨プロジェクト)

動物たちと子供たちに神のご加護を
この世界では、彼らは声を上げることができないのですから
選択の自由などあるはずも無いのですから

動物たちと子供たちに神のご加護を
彼らが今見つめているこの世界が
彼らのために存在したためしは無いのですから

もし彼らを闇が包み込もうとしたら
彼らの行く道を照らしてあげてください
彼らにこそ愛を与えてください
至る所彼らがいる場所を輝かせてください

動物たちと子供たちに様のご加護を
嵐が襲ったら彼らに憩う場所を与えてください
彼らを守ってください
彼らが寒さに震えないように

もし彼らを闇が包み込もうとしたら
彼らの行く道を照らしてあげてください
彼らにこそ愛を与えてください
至る所彼らがいる場所を輝かせてください

嵐が襲ったら彼らに憩う場所を与えてください
彼らを守ってください
彼らが寒さに震えないように
こどもたちを
こどもたちを

[ Bless the beasts and the children ]

Bless the beasts and the children
For in this world they have no voice
They have no choice
Bless the beasts and the children
For the world can never be
The world they see
Light their way
When the darkness surrounds them
Give them love
Let it shine all around them
Bless the beasts and the children

Give them shelter from a storm
Keep them safe
Keep them warm
Light their way
When the darkness surrounds them
Give them love
Let it shine all around them
Bless the beasts and the children
Give them shelter from a storm
Keep them safe
Keep them warm
The children
The children

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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