星の金貨 new

星の金貨 東日本大震災や音楽、語学、ゴルフについて語るブログです。

ホーム » エッセイ » 誰もが受け入れを拒絶する放射能に汚染された土砂、抱え込む福島

誰もが受け入れを拒絶する放射能に汚染された土砂、抱え込む福島

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

所要時間 約 11分

広告
広告

福島第一原発事故により発生した放射能汚染土砂、物理的に手っ取り早く処理する方法などは存在しない
福島第一原発の周辺地区にはまだ放射線量の高いホットスポットが残っている
帰還させた避難住民と除染作業員が直面するリスクについて、日本政府は国際社会に誤解させている

東日本大震災から8年、数カ所に残る数百万立方メートルの放射性汚染土砂に苦しめられる福島

写真:除染作業によって発生した汚染土と大熊町の土壌分別施設の作業員

           

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2019年3月12日

            

世界最大規模の原子力災害の被災地で処理作業を続ける、防護マスク、ヘルメット、そして手袋をつけた作業員たちを苦しめるのは、海岸から吹いてくる凍ったように冷たい風だけではありません。

           

一般の人々の目が届かない場所で、作業員たちは新たに収集された放射能で汚染された土砂が詰まった1,000個以上の黒い大きなビニールバッグの中身を巨大なふるいにかけています。
ふるい落とされた土砂は覆いをかけられたベルトコンベヤーで巨大な施設の隅に運ばれ、さらにその上に新たに土砂を重ねることができるように平にならされていきます。
それは骨の折れるうんざりするような作業の繰り返しですが、8年前近くにある福島第一原子力発電所で起きた3基の原子炉のメルトダウン事故によって発生し、現在最も物議を醸している汚染土砂については、物理的に手っ取り早く処理する方法などは存在しないのです。

         

東日本大震災・福島第一原発の事故以降の数年間、約70,000人の労働者が2兆9,000億円の予算を注ぎ込み、家屋、学校、公共施設などの近くの地域から表土、木の枝、下草、その他の汚染物質を除去し、事故で避難した数千人の被災者が自宅に戻っても安全とされるレベルにまで放射線量を下げる作業を行ってきました。

            

その除染作業により発生した数百万立方メートルに上る放射能に汚染された土砂は、大きな黒いビニールバッグに詰められ、福島県内の保管場所に巨大なカーペットを敷いたように置き並べられているのです。。
福島県の津波で被害を受けた浪江町の近くには、地震の被害者のための花が置かれています。

            

写真:津波に襲われた浪江町の付近、東日本大震災の被災者を悼んで置かれた花

          

日本政府は自分たちが暮らす地域を核廃棄物の最終的な投棄場所にされたくない住民との協定の一環として、汚染された土砂を県内の暫定的な保管施設に移動し、その後2045年までに福島県以外の恒久的な処分場に移動することを約束した。

         

しかし日本政府による汚染された土砂の具体的な処分方法は明らかにされていません。
これまでのところ、有害廃棄物を仮置きすることに合意している場所は1か所だけではありません。

            

廃墟と化した福島第一原子力発電所内の労働者は、流れ込み続ける1メートルトンを超える放射性汚染水を封じ込めるのに苦労していますが、その外側では14メートル立方メートルに達する汚染土砂を除去、処理、貯蔵する作業が2021年までに続けられることになっています。

            

しかし環境庁の平塚次郎氏によると、この作業にはさらに2年を要する見込みです。
「私たちは福島県以外の場所に最終的な保管場所を確保することを法律で義務付けられています。そのためこの場所に無期限に保管することはできません。」
取材のため中間貯蔵施設を訪れた少人数の外国人記者たちに環境庁の職員の一人がこう語りました。
「適切な場所をまだ見つけられずにいるのは事実です。問題はどれだけの空間が必要なのか、土壌中の放射能レベルがどの程度のものになるのかということです。」

         

また、福島の道路、堤防、その他のインフラ整備の基礎工事に、比較的低い放射線量(キログラムあたり8,000ベクレル以下)の汚染土砂を使用するという考えに反対する人もいます。

          

写真:2011年3月に発生した宮城県多賀城市の港での大規模地震と津波により発生した激しい火災による煙

           

中間貯蔵施設は福島第一原子力発電所の西に位置する大熊・双葉の両町にまたがっており、周辺地区の放射線量は住民が戻って生活するにはまだレベルが高すぎます。
これまでのところ、汚染土砂の総量の約15%にあたる230万立法メートルの土壌が持ち込まれました。

           

総計1,600回に上る往復運搬を行う運転手を含め、数千人もの作業員がこの作業に参加しています。
これまでに使われたトラックの累計は355,000台にのぼりますが、関係する政府職員によればこれでもまだ足りません。

         

「汚染土砂についてはこのまま中間貯蔵施設での保管を続けたほうが良いという意見もありますが、大熊町と双葉町の人々は非常に厳しい状況に置かれています。私はそのことが気がかりです。大熊町と双葉町の人々は最終的には福島県外の最終処分場に搬出するという約束を信じ、中間貯蔵に同意しているのです。」
平塚氏がこう語りました。

           

地方自治体のデータによれば、除染作業が完了し避難命令が解除されたにもかかわらず、3基の原子炉のメルトダウンにより避難を命じられた住民のうち、再びこの場所に戻ったのはごく少数のグループだけです。
朝日新聞と地元の放送局による世論調査では、政府側は除染作業は成功したと表明しているものの、避難した住民のほぼ3分の2は放射線の存在について懸念を抱いていることが明らかになりました。

          

3月11日月曜日、日本は福島第一原子力発電所で3基の原子炉のメルトダウンを引き起こした東日本大震災、マグニチュード9.0の巨大地震と致命的な津波が発生してから8年を迎えましたが、環境保護団体はいくつかの『安全』とされている福島第一原発の周辺地区にはまだ放射線量の高いホットスポットが残っていると警告してます。

          

独自の調査を行った結果、安全だと宣言されている地域で高レベルの放射線が計測されたことが明らかになり、グリーンピースは日本政府が帰還させた避難住民と除染作業員が直面するリスクについて国際社会に誤解を与えていると非難しました。

            

写真:福島の中間貯蔵施設における黒い袋の列。こうした場所は一箇所に留まりません。

           

「一部地域では、依然としてかなり高いレベルの放射線の存在が確認されています。」
グリーンピース・ドイツの上級原子力専門家で、現在日本を拠点に活動しているショーン・バーニー氏がこう語りました。
「福島第一原発事故が発生する以前と比較し、著しく高い放射線量が計測されています。」

             

自ら除染と行に参加した池田稔氏は、作業員が厳しいスケジュールに間にあわせるため各所で工程を省いたと指摘しました。
「汚染された地区の土地の表面を削り取り、葉っぱを取り除くことだけを命じられたときがあり、そのために私たちは最終的にスケジュール通り作業を完了させることができたのです。」
「時々私たちは顔を見合わせ、あたかもこう会話しているようでした。『いったい我々は何のためにここでこんなことをしているのだろう?』」

               

池田氏は日本政府が汚染された土砂の最終処分場を確保できるという見通しを持っていることについて、疑いを持っています。
「日本政府がすべての汚染土砂を福島県外に運び出すことができるとは、私は一瞬たりとも信じたことはありません。」
「いずれ日本政府は第二の計画を実施せざるをえなくなると思います。」

             

https://www.theguardian.com/world/2019/mar/11/fukushima-toxic-soil-disaster-radioactive

  + - + - + - + - + - + - +

           

この記事の3枚目にある東日本大震災発生の際の宮城県多賀城市のプラント火災、私も10キロ以上離れた自宅のバルコニーから立ち上る黒煙を数日間見続けていました。

宮城は太平洋側東北3県で津波による最大の死者を出しました。

それでも尚私たち仙台市民が恵まれていたのは、県内の女川原発が福島第一原発と同じ事故を引き起こさなかったことです。

東日本大震災発生から8年が経った現在、自分たちがいる場所が深刻な放射能汚染を受けたか受けなかったか、ということが比較できないほどの差を作り出しました。

どう考えても、福島の人々の苦境を救うために放射能で汚染された土砂を我が都道府県に持ってきてくださいという自治体があるはずがありません。

政治に関わる人間ならこの問題について正面から向かい合うべきですが、現在の安倍政権はこうした本質的な、それだけに簡単に答えが見つかりそうにない問題は全て後回しにし、オリンピックやカジノや憲法改定など、国民が今今解決して欲しいとは思っていないことばかり優先し、それを数の力で強引に成立させようとしています。

それに対する国民の抵抗はあまりに微弱であり、日本人というのは真の民主主義社会を実現できないまま21世紀を進んでいくのでしょうか?        

広告
広告

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事に関連する記事一覧

このサイトについて
ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
最近の投稿
@idonochawanツィート
アーカイブ
広告
広告
カテゴリー
メタ情報