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安倍政権の新型コロナ対策を両断する!

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所要時間 約 14分

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そんな対応で近い将来やってくるかもしれない第2波第3波の感染拡大を防げるのか?!

『演出された』日本の新型コロナ感染者数、実際の数は10倍から20倍…

相談の電話をたらい回しにされているうちに症状が悪化し死亡した感染患者も複数いた

             

                   

山口真理 / AP通信  2020年6月5日

                  

そんな対応で近い将来やってくるかもしれない第2波第3波の感染拡大を防げるのか?!という疑問を抱かせる程、日本は新型コロナウイルス対策に失態を重ねてきましたが、死亡率だけは低い割合を保ってきました。

              

日本政府当局はクルーズ船での対応を完全に誤ったことで非難され、さらには外国人の入国停止措置を実施するまでに時間をかけ過ぎました。
そして日本は新型コロナ患者を見つけて隔離するために必要な感染検査について、ほんのわずかしか実施していません。

                     

しかし報告されている死者の数は日本ではおよそ900人、つまり100万人あたり7人であり、米国の100万人当たり約320人、イタリアとイギリスでは同じく550人超えており、それらの数値と比較すると少数です。

                     

安倍晋三首相は5月25日、「日本モデルの威力」を自画自賛し、世界保健機関のテドロス事務局長からは封じ込め『成功』という称賛を獲得し、7週間に及んだ緊急事態の終結を宣言しました。

                       

専門家は日本がどのようにして集団発生を抑制できたのか正確には不明であると述べていますが、政府当局は感染者を効率的に正確に発見、隔離、治療して感染の波を最小限に抑えるため、今のうちに検査の実施体制と医療システムを強化する必要があります。
政府の委託を受けた委員会は早期の接触追跡がアウトブレイクの特定に役立ち、3月末までウイルスの蔓延を遅らせることになったと結論付けました。

                   

                    

しかしその3月末、感染者が急増し人的作業に大きく依存した日本の感染クラスター調査プロセスは崩壊しかけていました。
「3つの密」と呼ばれる濃厚接触、閉鎖された空間、混雑した場所などリスクの高い環境を回避するよう国民に働きかけるキャンペーンも日本の感染拡大の抑え込みに貢献したと言及しています。

                     

「比較的早い段階で感染の兆候を検知し、新型コロナウイルスがどのように伝染するかを注視していました…そして早くから「3密」に注意するよう人々に警告することができました。」
新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の副座長を務めた尾身茂医師がこう語りました。
「もし最初から感染がオーバーシュートしていたら、日本はアメリカやヨーロッパ同様感染者が多数に登っていた可能性があります。」

                    

尾身医師と他の専門家は、花粉アレルギーを予防し、風邪の流行を防ぐために多くの日本人がマスクを使用する習慣を持っていた点に着目しています。
さらに握手や抱擁をする代わりお辞儀をするという日本の挨拶の習慣。家の中で靴を履くことはタブーとされている生活習慣、受診しやすく高額な費用を必要としない日本の健康保険制度などのすべてが感染拡大を防ぐ役割を果たしました。

                  

新型コロナウイルスに感染した入院患者は日本の医師が肺炎の診断を行うためにCTスキャンとX線に大きく依存していることに恩恵を受けました。
さらに研究者の中には、SARSやMARSなどの別のコロナウイルスに過去に感染した経験により、新型コロナウイルスに対しある程度の耐性ができていたかもしれないと考える人々もいます。

                 

しかし一方では、失敗を繰り返したにもかかわらず、これまでのところ日本はただ単に運が良かっただけなのかもしれないと考える批評家もいます。

                 

                 

当初、結核その他の感染症の感染経路を捕捉追跡するために数十年前に設立された日本の保健医療制度と保健所のシステムが感染拡大に対し、る強力な武器になるだろうという期待には高いものがありました。

                  

しかし現実には急激なスタッフの削減とリストラに悩まされていた保健所に、何万件という電話やPCR検査の実施の要望が殺到したため、全体の流れを滞らせるボトルネックになってしまいました。
そして日本の官僚制度が民間および大学の研究室が支援を行うことを阻むことになりりました。
何人かの感染患者に至っては、担当部署に電話がつながらないうちに症状が悪化し死亡しました。

                   

「医療体制維持の観点が優先され、ひとりひとりの患者に対する治療は無視されてしまいました。」
医学研究情報センターが発行した最近の記事の中で筑波市の医師坂根美智子氏がこう書いています。
「私たちはインフルエンザの症状のある患者に対し、自宅待機をつづけるようお願いし続けなければなりませんでした。その中で一体どれだけの人が陽性だったのかすらわからなのです。」
坂根医師がこう語りました。
「検査が必要な人に対しいつでも誰でも検査を実施できるシステムが必要でした。」

                    

複数の病院で院内感染が発生した一方、救急救命室では防護服、換気装置、集中治療用ベッドの不足により、COVID-19の疑いのある患者が度々受け入れを拒否されました。

                       

2月10日、横浜港沖に停泊中のダイヤモンドプリンセスの対応のため待機する当局職員

横浜港の沖合で隔離されていた豪華クルーズ船ダイヤモンド・プリンセスの場合、不適切な管理のもとで感染がじわじわと拡大し、3,711人の乗員乗客のうち712人が新型コロナウイルスに感染し、日本の保健当局は同船をウイルス培養器に変えたという批判が巻き起こりました。
神奈川・東京地区で新型コロナウイルスが感染をじわじわと拡大していたまさにその時、ダイヤモンド・プリンセスから何百人もの患者が病院に次々と搬送されていきました。
この段階で症状がなかった他の乗客は結局、二次感染の確認がされないままダイヤモンド・プリンセスを下船しました。

                

当初の厚労省の方針ではすべての陽性患者を病院に収容するという方針であったため、日本政府の保健当局は患者が殺到して医療崩壊を防ぐため検査数を制限する対応をとったと語っています。
保健当局はその後、無症状または軽度の患者についてはホテルを借り上げるなどして隔離することに同意しました。

                     

それでも救急医療は一時的に崩壊した、と日本救急医学会の代表理事である嶋津岳士氏が語りました。
「より大規模な感染爆発が起きていたら、対処は不可能になったでしょう。」

                     

6月初旬までに日本は約254,000人、つまり1億2,600万人の人口のわずか0.2%に検査を実施しただけでした。
これは米国、ドイツ、韓国の検査件数と比較すると、圧倒的に少ない人数にとどまっています。

                   

5月20日東京タワー

                  

感染症対策専門家会議の副座長を務めた尾身茂医師は厚生省が公表した感染者数約17,000人という数字について、実際の公表された人数の10倍から20倍である可能性があることを認めています。

                   

これまで日本政府は従業員が出社せずに業務をすることができるよう、企業に呼びかけを行ってきました。
一部の企業や学校の一時的な閉鎖と、混雑する場を避けるよう呼びかける民間企業などの取り組みが功を奏し、状況は一変しました。

               

全国的には新規の感染者数が劇的に減少しましたが、一部の地区ではまだ拡大が続いており、あらためて新型コロナウイルスの感染力の強さを認識せざるを得ない状況が続いています。

               

東京大学の医師で生物学者の児玉龍彦教授は、この高齢化が最も進んだこの国では、人口の3分の1近くを占める65歳以上の人々をどう適切に保護するがが優先事項のひとつであると語りました。

                      

日本国内の学校や店舗、企業が再開された場合には、プラスチック製のスクリーン、マスク、および人と人との距離を保つよう注意を喚起する装置などを十分に活用して感染を防ぐとともに、必要な場合には迅速に検査が受けられるよう態勢を整備することが重要であるとの見解を当局は示しています。

                     

日本政府は検査の実施ガイドラインを見直し、数十の検査ステーションを設置し、早期に結果がわかるクイック・テストキットを導入しています。
一部の抗体テストでは感染の拡大規模の確認が始まり、AppleとGoogleの二つのスマートフォン用の感染接触追跡アプリを開発中です。

                 

日本政府当局は数百人の命と生産分野、家計、観光分野で数兆円規模の収入を奪った新型コロナのさらなる感染拡大を厳しく監視し、経済の回復を図るために財政出動を続けています。
6月2日に東京で新たに34件の新型コロナウイルスCOVID-19の感染が確認されると、小池東京都知事は「東京アラート」を宣言し、東京湾に架かる観光名所のレインボーブリッジには真っ赤な照明が灯りました。

                 

5月26日東京都内、出勤のため駅のコンコースを歩く人々。

               

嶋津氏は、人々が再び満員電車に乗り込み、人でいっぱいのオフィスや教室に集まったりすれば、そのような象徴的な対策だけでは感染拡大の再現を防ぐことはできないと危惧しています。
「マスク、ソーシャネディスタンス、手洗いなどの対策にどれほどの効果があるか確信はできません。」
「私は現状を見る限り大きな懸念を抱かざるをえません。」

                     

https://apnews.com/16afe7c6904fc75cd8a0a1f5852850c2

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安倍政権による事実の歪曲と隠蔽は福島第一原発の事故後の状況に始まり、現在の新型コロナウイルスによる国民の窮状に至るまで延々と続いています。

               

そして本来尊いはずの人間の命の値も安いものになりました。

森友学園事件での財務局職員の自殺は事件性があり、広く人々が認識するところとなりました。

しかし福島第一原子力発電所事故において政府当局の誤った対応により健康被害を被った人々はどうでしょうか?

実際には新型コロナウイルスに感染していながら、適切な治療を受けられないまま命を落としてしまった人々はどうでしょうか?

                   

なのに安倍政権がやっていることといえば、自分たちの利益団体も同然の広告会社に持続化給付金の上前をはねさせるなど、言語道断の振る舞いです。

              

しかし忘れてはならないのは、それを許している私たち国民の側も、世界から『アベの同類』と見られているということです。

安倍政権の下では「仕方がないこと」「ありがちなこと」と日本人が考えていることは、世界の先進国水準では決して許されないことであるという危機感こそ必要なのではないでしょうか?

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