星の金貨 new

星の金貨 東日本大震災や音楽、語学、ゴルフについて語るブログです。

ホーム » エッセイ » パンデミック!安倍政権の対応崩壊《後編》

パンデミック!安倍政権の対応崩壊《後編》

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

所要時間 約 9分

広告
広告

                     

新型コロナウイルスはどこまで日本経済を破壊していくのか?

日本政府は感染を拡大させる可能性がある場所について、あまりにも狭い範囲に限定しすぎている

いくらマスクをしていても、人と人との距離が近過ぎれば予防効果はない

                    

                  

モトコ・リッチ、上野ひさ子、井上麻紀子 / ニューヨークタイムズ 2020年4月7日

                  

現在の日本の総人口は1億2,700万人弱ですが、非常事態宣言は約5,610万人の人口を有する7つの都府県を対象としています。
東京だけでなく、神戸、大阪、横浜など他の大都市でも、市民と企業は宣言への具体的にどう対応するのか決める必要があります。

                    

日本の保健衛生当局はこれまで、学校を閉鎖し、大規模なスポーツや文化イベントの中止を促し、カラオケ、バー、ナイトクラブなどの換気が不十分な密閉された混雑した場所を避けるよう人々に呼びかけることで、新型コロナウイルスの蔓延を抑制していると国民に安心感を与えてきました。

                     

新型コロナウイルスの感染拡大を抑え込むことに一定程度成功したドイツや韓国などの国々とは対照的に、日本は広範囲なウイルス検査を実施してきませんでした。

                     

先週まで公衆衛生当局は陽性反応を示した全員を入院させる措置は、症状の軽い患者まで大量に医療施設に送り込む結果につながり、医療システムを崩壊するリスクがあると主張していました。

               

                   

その後日本政府はそのルールを変更し、安倍首相は東京とないのホテルに1万室、大阪を含む関西地域のホテルでは3,000室を軽症の患者用に確保したと述べました。
さらに最大800人まで感染患者が東京にあるオリンピック村に収容することも可能になりました。

                     

東京都内と首都圏では感染症の集団感染が出現し始めています。
懇親会に出席した後に18人の参加者が感染した都内の大学病院や少なくとも146人が感染し16人が死亡した東京東部の別の病院など、病院に関係した集団発生がありました。

                 

過去2週間、東京の小池百合子知事はどうしても必要な場合を除、すべての人に自宅に留まるよう依頼してきました。
小池知事は都民に在宅勤務をし、平日の夜は外出しないように要請を繰り返しています。

                  

人気のナイトライフ・スポットやショッピング地区では、人影がまばらになっていますが、公共交通機関を使った通勤は相変わらず混雑しています。
国土交通省の調査によると、新型コロナウイルスの予防策として在宅勤務に切り替えたと回答したのは8人に1人強の割合に過ぎません。

                 

                

4月7日火曜日の朝、緊急事態宣言が発効するその日、東京最大の利用客が行き来する新宿駅と渋谷駅では、マスクをつけた多勢の通勤客がホームを混雑させていました。

                    

日本ではこれまで100人未満という比較的少ない数の死亡例しか報告されていないため、他者との接触をすべて避けるまでの行動は必要はないと考えている人々もいます。

                        

エコノミスト・コーポレート・ネットワークのアジア北部担当ディレクターである大久保拓二氏は、もし満員電車が問題なら「日本にとってそれは悪夢そのものになる可能性があると私は思います。」と語った。

                   

安倍首相は新型コロナウイルスが経済に与えるダメージに対応するため約110兆円の経済対策案をまとめましたが、大久保氏は今回の感染拡大がどこまで経済を損なうことになるか、その点が最も気がかりだと語りました。
大久保氏はデパートでの買い物やレストランでの食事の際、感染のリスクについてはほとんど考えなかったとつけ加えました。

                

一部の専門家は、日本政府が警告を出す際、感染を拡大させる可能性がある場所についてあまりにも狭い範囲に限定しすぎているという懸念を表明しています。
最新の感染例の多くは感染源を特定することができません。
そのため公衆衛生当局はこ感染の経緯を明らかにすることができずにいます。

                

                 

さらに感染経路を確認できない感染例が増加しているため、医療専門家の間では日本国内の病院の能力がたちまち機能しなくなるという懸念が取りざたされています。
日本集中治療医学会によれば、日本には10万人あたりの集中治療室の数は5室しかありませんが、ドイツでは30室近く、イタリアでも12室近くあります。

                

「ほとんどの国にとって、新型コロナウイルスの感染拡大は 『どうやってかわすべきか?』という問題ではありません。」
香港大学の公衆衛生学部の福田圭司博士がこう語りました。
「それは『いつ起きるのか?』ということだけが問題なのです。それは日本にも全く当てはまります。」

                  

また、日本人は公共の場ではほとんどの場合マスクを着用していますが、東京での最近の感染の急激な上昇は、フェイスマスクには完全な防御機能を持っていないことを示唆しています。

               

「ほとんどの人がマスクを着用しているような場所でも…」
ワシントン大学パンデミック対策・グローバルヘルス・セキュリティのメタセンターの共同責任者であるピーター・ラビノウィッツ博士がこう語りました。
「人と人との間隔が不十分な場合、マスクを装着しているだけでは十分ではないでしょう。」

                

                  

日本国内の感染拡大の見通しが悪化したため、様々な分野で見直しが続いています。
電子機器大手の日立の広報部門のゼネラル・マネージャーである森田正孝氏は、3人の息子の世話を手伝いながら、自宅でSkypeを使った会議を行っていたと語りました。
彼は過去4か月間コロナウイルスとは関係ない病気で入院している父親の見舞いに行けなくなってしまったと語りました。
先週末息子の1人を連れて母親のもとを訪ねた森田さんは、恒例にしていた寿司屋での外食を断念することにしました。

                    

先週森田さんは2時間ほど会社に行ってきましたが、緊急事態宣言が出された今はそれもやめざるを得ないと語りました。

                    

《完》
https://www.nytimes.com/Japan Declared a Coronavirus Emergency. Is It Too Late?

  + - + - + - + - + - + - + - + 

                    

事ここに至れば、国会などの質疑で官僚が書いた作文を棒読みするだけで、自ら思考し、自ら決断する事ができない人間が首相を続ける事は、日本にとってこの上なく危険な状態になっています。

その最大の理由はやはり人間の命の尊さにきわめて鈍感、悪く言えば無関心な人間に大勢の命の危機の舵取りをさせるべきではない、ということではないでしょうか?

広告
広告

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事に関連する記事一覧

このサイトについて
ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
最近の投稿
@idonochawanツィート
アーカイブ
広告
広告
カテゴリー
メタ情報